花咲山と稚児落し/小さな鋭峰と悲劇の岩壁を結んで
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.5km
- 登り
- 804m
- 下り
- 806m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
花咲山から北に伸び、徐々に東に向きを変える北尾根を登る。下りは登山道を東に降り、途中のサス平から北東に伸びる尾根を降りる。さらに県道を横切り、稚児落しを通って笹平まで登り、トズラ峠へ向かう。途中の710m圏から南西に伸びる尾根を降りて元に戻る周回ルートを選んだ。 花咲山北尾根、サス平北東尾根、710m圏南西尾根は、地形図から通れると読んだルート。道はあっても踏跡程度。道標は無い。 花咲山北尾根には微かな踏跡があり、一部で青テープを見かけた。途中の591m峰の下りはザラザラした岩尾根で滑落に注意。藪漕ぎはほとんどない。 サス平北東尾根は踏跡もテープも無い。一部で笹の藪漕ぎを強いられた。 710m圏南西尾根も踏跡やテープは無いが、藪漕ぎはほとんどない。この尾根筋を降りている時には問題なかったが、標高500mで地形図に破線で描かれている巻道に入ると、これが廃道同様。滑落しそうな厳しいトラバースが続く。 この3ルート以外は良く踏まれた登山道で、随所に道標が立ち、危険個所にはロープや鎖が設置されていた。 |
写真
感想
国道20号で甲府側から笹子トンネルを抜けて初狩辺りを走っている時に、中央高速道の大月ICの直ぐ北側に、小さいけれど鋭く尖った峰が見える。何て言う山だろう、といつも気になっていた。それが花咲山である。
登山道は西側の真木地区からと、東側の浅利地区からそれぞれ通じている。縦走するなら両者を使えばよいが、車に戻るのが大変だ。
さらに、花咲山は小さい山なので、これだけでは半日で終わる。そこで、浅利川を隔てて東側にある稚児落しと結ぶことにし、ルート状況の項で紹介した独自のルートを採って周回することにした。
上りに使った花咲山北尾根は、途中の591m峰周辺に岩塊が地形図に描かれているので、ここの通過が心配であった。しかし、岩稜の下りに緊張した程度で、案ずるより産むが易し、無事に通過出来てホッとした。
花咲山からの下りは、サス平の北東尾根を降りた。そのまま一般登山道を下っても良いのだが、稚児落しの登山口まで県道歩きが長いので、これをショートカットするためである。
笹藪の中でルートを探す緊張感はあったが、順調に降りて県道に飛び出した。そのまま道路を横切れば、稚児落しへの吊橋の入口であった。まさにピンポイントで予定地点に降り立ったので、今日はカンが冴えているぞ、と気を良くしながら吊橋に来ると、何とまあ、吊橋は通行禁止になっている!ガックリ。
近くに居た年配の女性の方に聞いたところ、踏板の木が腐って危険だから、とのこと。この方も、対岸の家に回覧板を回すのに、吊橋が使えないので遠回りしなければならず不自由している、とぼやいていた。
また、先日、吊橋の対岸の崖を猪が登って行った、とのこと。気を付けなさい、と忠告された。熊には何度か会っているが、未だ猪との遭遇はない。興味半分、怖さ半分で聞いていた。
本日の第2目標である稚児落しは岩殿城が落城した時の悲劇の地。城主の奥方が落ちのびる途中、まだ幼い息子をここから投げ落とし、自刃して果てた。
悲劇の地であるにも関わらず、ここは人気があるのか、平日なのに結構の人出である。ほとんどの人は岩殿山からここを通って浅利地区へ降りるらしい。もっとも、私も十数年前に同じルートを歩いたことがあるが。
今回はここから笹平に登ってトズラ峠に向かった。道は良く踏まれているが、全く人には会わなかった。ただ、トズラ峠まで行って奥山地区に下りると、後の車道歩きが長いので、ここもショートカットすることにして、峠の手前の710m圏から南西尾根を降りた。
この尾根を標高500m付近まで降りると、地形図に破線で描かれている巻道に出た。やれやれこれで一安心、後はこの巻道を辿れば集落に出られる、と思ったら、これが曲者、廃道同然であった。踏跡も無い尾根を降りてきた時よりも、この廃道を巻いている時の方が、危険度も緊張感も高い個所が随所にあり、通過にかなりの時間を要した。
地形図の破線に入ってみると、道が無かったり、廃道だったり、ということは、今までにも何度か経験している。地形図の破線は当てにならない、とは重々認識してはいるが、ついつい頼ってしまう。
今回も、この破線の道を当てにせず、尾根を忠実に降りて集落に直接降りた方が賢明であった。もっとも、結果論ではあるが。
花咲山は小さな山なので、稚児落しと繋ぐことによって、一日楽しめるルートとした。まあ、後半は付け足し、と言った感じは否めないが、一般登山道に独自のルートを加えたことによって、なかなか変化があって面白い山行を楽しめた。特に最後の最後に、崩れた斜面をきわどいトラバースで抜ける緊張を何度も味わった。
今回はいずれも小さな山であり、麓の民家を目の下にしながら歩いているので、里山歩きの気分でもあった。それだけに、いざとなれば直ぐ降りられ気楽さもあり、全般にのんびりした気分で歩くことができました。
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