飯豊連峰縦走(梶川尾根-北股岳-御西岳-飯豊本山-切合小屋-大日杉)熊(?)ニアミス!
- GPS
- 22:47
- 距離
- 30.4km
- 登り
- 2,835m
- 下り
- 2,616m
コースタイム
- 山行
- 7:14
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 8:41
- 山行
- 4:47
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 5:04
天候 | 7月12日 雨 7月13日 雨のち晴れ 7月14日 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
その後知人の助けで山形県側、天狗平へ移動。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
梶川尾根 梶川峰までは岩場交じりの急登。梶川峰以降は緩やかな登りになる。 残雪の上を歩くことは無い。 扇の地神-梅花皮小屋 細かいアップダウン。危険個所は無いように思えた。とは言ったものの視界不良でよくわからなかった。北股岳から梅花皮小屋までの下りはガレてて少し歩きづらかった印象。 梅花皮小屋-御西小屋 梅花皮岳以降、雪渓上の歩行が強いられる場面が10回くらい??あった。 しかし、そのほとんど雪渓上部の平らな部分の歩行となった。草付きから離れないように歩けば滑落リスクは低いと感じた。御手洗の池のあと、一か所だけ雪渓上部の平らな部分まで雪渓を上らなければいけないところがある。滑落に十分注意。それ以外の場所も含め、最低でも軽アイゼンは必要だと思った。 御西小屋-本山小屋 比較的なだらかで歩きやすい。雪渓通過は一か所であったが問題なし。 本山小屋-切合小屋 御前坂-御秘所にかけては鎖付きの岩稜帯あり。草履塚から切合小屋までも大きな雪渓を下る。ここも西側の草付きを見ながら下り夏道に合流できた。 切合小屋-地蔵岳 切合小屋すぐ近くに大き目の雪渓。トラバースするのではなく高巻くのが無難。 その後2箇所雪渓があったが軽アイゼンがあれば問題ない。 雪渓通過後、御坪まで獣匂と糞が至る所に...ここを通過する間にサルと遭遇、熊(たぶん)とニアミスしました。後で聞いた話だとこのあたりは熊の通り道になってるとのこと。登山道自体は南側が開けたり、森に入ったりしながらアップダウンの繰り返し。 地蔵岳-大日杉登山口 森をひたすら下る。基本的に土の上を歩き、岩場はほとんどなかった印象。 標高800m付近に長い鎖場一か所あり。 梶川尾根のような急な下りは少なかったものの景色がなく単調な印象。 水場状況(通過日時点の状況) 7/12 五郎清水 あり 門内小屋 臨時水場 梅花皮小屋 あり 7/13 御西小屋 なし(販売の有無は未確認) 本山小屋 なし(ペットボトルの販売はしていた) 7/14 切合小屋 あり 目洗清水 あり?(遠目でよく確認できず) 地蔵清水 未確認 長之助清水 従来ルート崩落のため、高巻いて水場に行く必要がある。 |
写真
感想
今年の目標であった飯豊縦走。4月から少しずつ計画して遂にその日を迎えました。
しかし、今年の飯豊は残雪量が例年になく多い状況と登山の4日ほど前に知りました。早めに計画立ててしまってあぐらかいてた。完全に情報収集不足。
慌てて登山道や水場の情報収集。電話もフル活用したものの「アイゼンなしで行けますよー」、「滑落の恐れがあるためお勧めできません」と人によって言うことバラバラ...笑
結局のところ、行かないことにはわからないってことで登山決行。
体力、残雪、水場など不安要素が重なる中で無事下山できるのか、緊張で前日ほとんど眠れなかった。
前日と言えば、実は前日まで丸森尾根経由で稜線に出る予定でした。
しかし、事前の情報収集で丸森峰から地神北峰間にはまだ残雪があると聞いてました。一方で梶川尾根の情報は、最近五郎清水が使えるようになったこと以外は全く分からず。飯豊山荘に着いて早々地図とにらめっこ、結局のところ半分ギャンブルみたいな感じで梶川尾根に変更しました。ダメそうでも行けるところまで行こう、と。こういう精神は登山ではよくないよなぁ。
1日目
朝4時15分、長い3日間の始まり。登山口は他の登山者の気配なしで、完全ソロの登りはじめです。天気は小雨が降ったりやんだりの繰り返し。梶川尾根は登山口から引くくらいの登りだったけど、完全に僕の注意は残雪に向いていたためそれほど苦には感じませんでした。過去最重量である14kgのザックも意外と慣れるもんでほぼいつも通りの感覚。5時間半掛けてじわじわ登り詰めていきました。幸い扇の地神まで残雪なし、最悪この先引き返すことになっても難しい雪渓下りは不要だという事が確定した。よかった...。しかし稜線は強い雨風と濃いガス。主稜線の絶景を期待していただけに残念。
途中門内小屋で休憩をはさみつつ宿泊地の梅花皮小屋に到着。この日は私ともう一人、神奈川から写真を撮りに来た方。登山の話から沢登りの話まで、いろいろとお話聞かせて頂いた。管理人さんからはこの先の登山道の状況をうかがった。草付きを右手に見ながら歩けば大丈夫ということを聞き少し安心。軽アイゼンもあるから大丈夫だろう。あとは天候の回復を祈るのみ...
2日目
早朝、天候は昨日から変わらず。雨、風、ガス、最悪なのは雷注意報。今日向かう本山小屋方面で鳴ってると聞いて、停滞を覚悟。このまま変わらなければ停滞だなぁ。明日も晴れなかったら諦めるか。柿ピー片手にいろんなケースを想像していると訪問者が。本山方面から来たという方。昨日ダイグラ尾根を登ってきてこれから下山とのこと。本山方面の話、途中の残雪の話など伺い、行ける!と判断。この時10時半。小屋を出発したのは11時半になってしまった。
外は幸い雨はやんでいて風も昨日よりだいぶ弱まっている。ガスも気持ち薄い気がする。梅花皮岳の下りの途中、第一雪渓。管理人さんの言う通り草付きを見ながら雪渓上部の傾斜が緩い部分を歩行。難なく通過。これを何度も何度も繰りかえしていると途中、ガスが晴れてクサイグラ尾根、本山方面がチラリ。ほんの20分ほどであったが2日目の午後にして初めて飯豊連峰を歩いている実感が沸いた。少し元気が出て足が進む。結果、14時前には御西小屋に到着。今回一番懸念していた主稜線を無事通過して一安心。御西小屋の管理人さんも梅花皮小屋から俺が通ることを聞いていたようで、小屋の前で待っていてくれていた。有り難い。ご心配おかけしてます。当初、御西小屋宿泊にする予定であったが予定より早い到着だったため御西小屋で休憩後、本山小屋まで行くことにした。
本山まではなだらかで歩きやすい登山道。御西岳を超えたあたり、突然ガスが晴れてここまでの疲労が吹っ飛んだ。本山方面の絶景が目の前に広がる。ここまで頑張ったご褒美、と言わんばかりのタイミングでなんだか泣けてきました(まだ1日残ってるけど...)。長い縦走の末、飯豊本山に到着。一人きりの山頂、飯豊連峰を独り占めしている感覚。これまで登ったどの山よりも大きな達成感がそこにはあった。
そのまま本山小屋へ向かう。到着が遅くなってしまったけど、本日は貸し切りとのことで、ラッキー。ここの小屋は管理人夫婦で運営していて、この日は管理人夫婦と飲み会。飯豊の話や山小屋事情(?)などをいろいろお話聞かせていただき楽しい夜になった。この小屋に限らずだけど飯豊の山小屋の管理人さんは皆さん本当に優しい。優しさというか人情を感じます。明日は最終日。無事に下山できますように...
3日目
いよいよ最終日、早朝から空身で本山へ。昨日まで稜線に掛かっていたガスは完全に晴れていた。初日に手こずった梶川尾根から北股岳、烏帽子岳、御西岳など今回のハイライト。よく歩いたなぁと完全に終わった気でいる自分。事故の元です。お世話になった管理人夫妻に別れを告げ下山開始。本山小屋の管理人さんより、最終日のポイントは2箇所。1箇所目、草履塚からの下りにある大きな雪渓。ここもこれまでの雪渓と同じく右手方向に注意しながら進んで問題無く通過。もう一か所は切合小屋直後の雪渓。ここは急傾斜でトラバースが危険であるため高巻き。切合小屋の管理人さんに確認して上部より高巻く。ここも問題なく通過できた。その後の雪渓2箇所は難なく通過。あとは夏道、安心。したのも束の間であった。
雪渓通過後ほどなくして無数の獣の糞が登山道に。けどサイズがそれほど大きくなかったため熊の糞ではないかなぁて。しかし、その直後強烈な獣臭。大型動物の予感がして身震い、けどこの時はなぜかそれほど危機感はなかったんだよなぁ。
10分ほど進んだところで空腹のピークを迎える。アルファ米にお湯そそいでさあ15分待つぞーって思ったら背後の藪の中を何か大きめの物がガサゴソ、近付いてくる。一瞬凍り付く。持っていたご飯とスプーンを素早く熊スプレーとストックに持ち替えて臨戦態勢。パニックの中でも、うるち米と先割れスプーンでは熊に勝てないと冷静に判断した自分がいたのだろう。
ガサゴソの主は姿見せず、結局ガサゴソは地蔵岳方面に消えて行った。てかそっちこれから俺も進む方向なんすけど...
恐怖体験のあとだけどガサゴソと距離を詰めたくないため、そのまま調理再開(笑)よーし、あと3分で米食えるってとこで、今度はさっき歩いた登山道の方向、30mくらいのところの藪が揺れて獣(今思えば鳥だったかも)が騒ぐ声が。これはさすがにやばい、ここは危険と判断。アルファ米を片手に走り出しました。さっきのガサゴソを会わないことを祈りながら進む。すると登山道わきの木の上、何かいる!と思ったらサル。こちらに睨めを効かせながらどこかに消えていった。
ひょっとしたらさっきのガサゴソこいつ??分からない。分からないけど今は逃げないと...御坪を通過して20分ほどしたところで休憩と整理。結局ガサゴソの正体は何だったのだろうか、サルなのか、サルの糞だったのかな?けどサルってあんな獣臭するのか?それにサルってあんな密な藪の中ガサゴソ移動できるか?答えが出ないままアルファ米をすくうスプーンだけが進むのであった。
その後は登ってくる人が多数。団体さんやら、パーティやら、昨日まで登山者2人しか会ってなかったから、安心感が半端ない。けどガサゴソの正体がはっきりしないから、この先熊いますよーなんて言えないもんで。余計な心配あおるし。
そのまま地蔵岳に到着、そこから2時間足らずで一気に下山。
こうして長く濃い飯豊縦走は幕を閉じたのであった。
最後に大日杉小屋で管理人さん(?)にどうしても気になった質問をぶつけてみた。
こば「切合小屋-御坪って熊いますか?」
管理人(?)「あそこは熊の通り道になってるみたいだよ。」
うーん、あると思います。
今回の山行、当初成功するかどうか不安の中開始されました。
しかし、こうやってケガもなく予定通り終えられたのも、
協力してくださった方々のおかげだと思っています。
本当にありがとうございました。
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