富士山 (須走口)
- GPS
- 11:20
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,996m
- 下り
- 1,977m
コースタイム
下山10:50 -本八合目11:00 -七合目12:00 -五合目13:00
過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・下山ルートの多くは砂礫帯なので登りには向かない、夜間登山の場合はルートに注意。 ・落石はいつ発生してもおかしくない。休憩に適した場所は自ずと限られている。不用意な場所では安易に座りこまない&上を見ながら休憩。 ・天候の変化への対応力必須! |
写真
感想
■アプローチ
予想天気図を眺め絶望。
水晶二泊三日、甲斐駒七丈テン泊、空木池山尾根日帰りなど、今年の夏の計画は全てリスク高として断念。
で、伊豆半島近辺から北北西に停滞前線がかかる予報だったけど、前線北側から生じる雨雲の流れから一番遠い富士山が候補として一気に浮上!
今まで富士登山をDisっていた件はこの際無視。
仕事終わってからとりあえず行ってみた。
東名の夜はトラックの海・・・、全体的に中央より遅いから疲れる、御殿場到着は1:00。
R138から「ふじあざみライン」への入口路肩に”満車”の看板、があったように見えた。
「ありえない、ここは南北の高気圧の間に出来た前線に近い場所、登山にはリスクが高いはず。・・・そう、きっと週末の交通規制用に違いない。あんなものは、ちゃんと裏返しにしておくべきだ。」
と解釈し、2000mmを一気に稼ぐ。
しかし、看板が正しかったようだ・・・。
下り車線の路駐に困惑しながらも須走須走五合目へ到着するも、やはり駐車場は既に満車、少々下った路肩に駐車。
あまりの混雑にビビる。
隣の車のおじさん曰く
「アンタ初めて?普通はもっと下まで路駐の列になるんだよ。」
って、富士山・・・、・・・パねぇ・・・。
3、4時間仮眠を採る予定で寝に入るが、何故か周りの車の人々はどんどん出発していく。
(後で知るが富士登山に於いて、夜間登山は普通のプランの範疇のようだ。)
そして自分の予想に反し、空は「満天の星空」
寝てる場合じゃないね・・・。
テンション上がったので、寝ないで登ることにしてみた。
見上げると、既にヘッドランプの光が山頂へ向けて連なっている。
■五合目〜本六合目
古御岳神社を過ぎ樹林帯へ、登山道には全く人の気配がしない、先行している人々は一体何処へいったのだろう?
足元は砂礫で登り難い、しばらく登ると、発電機の燃料の残り香が漂ってきて山小屋?に到着。
(実はNG、訳もわからず通過したのだが、どうも下山道を登っていたようだ・・・。)
このあたりから眠くなってきた。
しばらくは、ダブルストックを触覚にしつつ、寝ながら登る。
だいぶ稼いだけど限界・・・、ツェルト出して被る気力も無く風を避けつつ、ザックを背に登山道にひっくり返って寝てみた。
5分ほど寝たところで覚醒、まあ、寝れたかな。
しばらく登り、開けた場所で夜景の撮影にチャレンジしてみる。
60秒露光で下界は上手くいったけど、山頂方面はダメだったが、特価のコンデジにしては上等だと思う。
撮影を終え、まずは目の前の長田山荘へ、”鯉のぼり”がはためく山荘はまだ静かだった。
まだ、2600m程度、スローペースで呼吸を維持している分には全く問題ない。
本六合、瀬戸間に到着し、ようやく人に出会うが、号泣するお穣ちゃんをなだめるパパの前に挨拶する事もできずスルー。
■本六合目〜八合目
しばらく登った後の小屋跡を越えた辺りで空が白み始めたので、朝食にする。
御来光は無し、雲に赤い色がうっすら乗るのみだった。
朝食を採っていると若い4人パーティが追いついてきた。
当然、先に行ってもらう、こちらは立派な中年だからな。
食後に追い立てられたら敵わん。
彼らとは、ここから先、山頂までは抜きつ抜かれつの仲になる。
陽が昇り始め気付く、これだけ広大な斜面、広がりのある風景は見たことが無い!
今までDisっていた富士山に懺悔。
登山者も少なく、自然に満ち溢れていると感じた・・・、頂上方向を見るまでは・・・。
七合目大陽館から山頂方面へ見上げて見たものは、人人人・・・、遠目にも尋常でない人の列。
御来光目当ての登山者が一気に降りてきている。
ここの標高は2,920m、しかし稜線では無く大斜面にポツンと張り付いている小屋。
ここまでも、ここから先も登るのみ、富士山はシンプルで良いと思った。
■八合目から山頂
八合目に近づくにつれ下山者の数がどんどん増えていく、この時間帯は登り1に対して30〜50くらいのバランスか?
吉田口の分岐を超えると登り渋滞が始まる、須走りルートと状況が一変し登頂ラインに機械的に組み込まれる。
ここで、何故か普段は痛まない股関節に違和感発生。
九合目付近で、左股関節に痛みが定着しペースダウン。
数分うだうだして、最後の手段。
『○キ○○ンS』で散らす!これで、山頂でのビールは無しだ・・・
(こいつは第1類だから安易に使用しない事!私は処方実績有なので…)
さて、痛みが消えれば他には問題無し、高高度での障害の予兆も無し。
最後の登りを終える頃、撮影待ちの集団あり、
・・・、シーサー?・・・、狛犬?須走口の最後は最後の鳥居と犬の撮影ポイント、こりゃ混むわ。
須走口山頂はそこそこに、お鉢巡りへ移行。
■お鉢巡り
北から強風とともに吹き上げるガスで視界不良の中、反時計周りで行動開始。
剣ヶ峰へは若干のアップダウンがあるものの、まあ、難所なんて無し。
視界がほとんど無い為、大沢崩れを見下ろしても白いだけだった。
晴天であれば、もの凄い景色を体験できたのだろうな・・・。
旧富士山測候所の 3,776mへあっさり到着。
近くの人と写真を撮り合い、しばらくウロウロした後に剣ヶ峰終了。
富士宮口へ向かい砂礫帯を下る、登りの人たちがもの凄く苦しそうだった。
さて、お鉢巡りの方向について、
結果オーライだったが、剣ヶ峰への砂礫帯が下りになるので反時計回りで正解!
剣ヶ峰ピストンでは止むを得ないものの、一周するなら反時計周りが絶対におススメ!
富士宮頂上から、須走頂上への間、火口のガスが晴れる瞬間に出会えた。火口もバッチリ見えた!
真っ白な中開始したお鉢巡りの終盤は、視界良好!
このあと下山開始後すぐに山頂はまたガスに覆われる、本当にラッキーだった。
■下山開始〜七合目
山頂からすぐにブル道をつづら折りに下っていく。
ちょうどブルドーザーの活動時間で2度程すれ違いをした。
もの凄い重量の車体がすれ違う時の振動はちょっと半端無い。コワイんですけど…。
道もそんなに余裕のある広さではないので、早めにちゃんと足場の良い安全な場所に退避すべき。
七合目まではブル道をひたすら下る。
つづら折は落石に要注意、登山道と異なり、落石が発生したら遮るものが全くない。
(登山道が安全という意味では全くない、登山道は山小屋などの遮蔽物が点在している、という微妙な違い。)
安易に谷側の路肩に寄り過ぎると落石を誘発しかねない、コースを外れるなど言語道断。
ブル道で後傾し過ぎて拳を斜面に突いたら、ズタズタになりました、
あれは砂に擬態した凶器です。手袋、軍手の類は必須アイテムです。
■七合目〜登山口
七合目大陽館を過ぎた少し先、砂走りが始まる。
先行している集団は悪戦苦闘している模様、一体どうなっているのだろう?
砂走りに降り立ってみると、一歩出す度にずるずる下る感覚…。
これは!
めちゃくちゃザラメで重たい悪雪のスキーの感覚!
という訳で、前傾姿勢維持の為、ダブルストックの長さを100cmに調整、上着を脱いで準備完了。
イメージは春先のザラザラのコブ斜面を縦に攻める感じ、コブは斜面上の岩かな。
こんな感じで”滑り”始めたら、面白いのなんのって!
先行している人々を一気に追い抜いて、あっという間に砂払い五合へ到着。
(実際、スキーではコブ斜面なんて上手く滑れないんですけどね…。)
下山路オンリーの砂払い五合に見覚えがあるのは、登りで間違ったから、
ここからは通常の登山道と砂礫混じりの道のミックス。
砂走りのイメージのままここも通過、異常にペース速かった。
富士山の下山道は明らかに下りに適した設定になっていると思った。
あくまでも私個人の感覚だが、下りの負担の少なさは他に類を見ない。
13:00前にに五合目登山口へ到着。
東富士山荘で、お土産ときのこ茶を買って帰る。
…、きのこそば食べて帰るのをすっかり忘れていました…。
徹夜登山は判断力や意識レベルが低下し、重要な事を忘れる事があるので気をつけましょう。
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