毛勝山(片貝川東又から西北尾根を往復) 劔岳の見えない毛勝山なんて…。長大な西北尾根を往復
- GPS
- 10:22
- 距離
- 12.4km
- 登り
- 1,809m
- 下り
- 1,800m
コースタイム
片貝山荘上の東又阿部木谷分岐 5:32 – 登山口 5:39 - 尾根 6:15 - 1479.1m三角点 7:13/22 - 1769m? 8:14
– モモアセ池 8:59/9:22 – モモアセ山 9:29 – 2151mピーク 10:00 – クワガタ池 10:07
– 毛勝山 10:44/昼/11:37 – クワガタ池 12:00 – 2151mピーク 12:06 – モモアセ池 12:34/44
– 1479.1m三角点 14:08/13 – 尾根を離れる 15:13 – 登山口 15:43
– 片貝山荘上の東又阿部木谷分岐 15:47
●行動時間 10:15
天候 | 晴、一時ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(実家) = (片貝山荘上の分岐) – 毛勝山 – (片貝山荘上の分岐) = (実家) ●自動車でのアクセス ○片貝山荘上の分岐) ・北陸道魚津インターを降りた所から、県道52号線を左折し山へ向かう。やがて、県道132号線に合流するので、今度はそれを山へ向けて進む。やがて集落を抜けると片貝川に沿った道となり、未舗装路へ。ダート路を約3.5kmで片貝山荘上の分岐に到着 ・分岐を右折し片貝川を渡ったところに数台の駐車が可能なスペースがある、とガイドブック等には記載があるが、現在はその手前でチェーンで仕切られており、分岐手前の広場に駐車するよりない ・ちなみに分岐手前の駐車スペースは、僧ヶ岳への登山口にもなっている ・参考までに、富山市内の東部にある実家から登山口までは約1時間(自動車道使用)、約1時間30分(国道8号線使用) |
コース状況/ 危険箇所等 |
●コース状況 ・殆ど一本道。しかし途中に案内標示は一切ない。「登山口」の次は、「毛勝山」 ・1479.1m三角点までの刈り払いは十分 ・それ以降は下草、笹などに足を取られる。特に雨上がりには、足下がずぶぬれになる覚悟が必要 ・モモアセ山付近では、まるで分岐のように道別れがある。冷静に見て、もっとも踏まれた跡が正規道。一旦、二重山稜の間の流れに沿って下り、途中から進行左手の尾根に登るようにして進むことになる ・毛勝山から南峰などへの踏み跡はあるのだと思うが、毛勝山頂すぐ先でハイマツ帯の脇を進むようになり、跡自体が不明瞭になったので、それ以上の確認はしていない ●買う、食べる ・魚津インターや国道8号線との交差点である「本江東」から県道52号線に入ってしまうと、それ以降登山口まで商店は全くない ・それ以前に、国道8号線等に面したコンビニやスーパー等で買い物は済ませておくべき |
写真
感想
小さい頃から漢字の“山”のような山容に惹かれていた山。毛勝、釜谷、猫又の三山からなる毛勝山は、雪渓を登る山であったため諦めていたが、約10年前に夏道が開かれたと聞いて、行きたくなった山である。
永年の思いをようやく実現。
この日は出発前の地震に耳目を取られた関係で、予定より遅れ気味の4時に実家を出発し、一路片貝川東又変電所へ。
川沿いの分岐付近で、道がチェーンに遮られたため駐車、歩きで登山口へ。登山口には申し訳程度の案内板。入口が踏み固められているものの、知らなければ気づかないかも。
すぐに猛烈な急登坂で西北尾根の上を目指す。何度もロープが現れ、土と木の根の斜面を登っていく。標高が1000mを越えた頃、突然斜度が揺るぎ、尾根に到達したことが分かる。そこからは、緩急を繰り返しながらも両側が切れ落ちた尾根上を進む。
時折、左手対岸には、無名峰から流れ落ちるみごとな滝なども見える。殆ど単調に登る一方の尾根を進むと、やがて進行左手に1479.1m三角点。ようやく場所のわかる地点。
小休止の後、先へと進むが、そこからは下草がからみつくようになる。しかも、昨日の雨に打たれており、靴や膝下はあっという間にずぶぬれに。
重い足取りのまま、小ピークを越えても越えても先に現れる高みを目指して進んでいく。常に先には高みがあるような感じで、1769m標高点は見つけ出すことができなかった。
やがて、左手にある山が駒ヶ岳や僧ヶ岳と認められるようになり、標高も2000mに近づく頃に池が出現。おそらくこれがモモアセ池。池を囲む庭園を散歩するように進むが、まるでお花畑である。チングルマ、イワイチョウ、ハクサンコザクラ、イワカガミなどが咲き誇る。
この山の一つの魅力は、この美しい草原にあるのであろう。しかも数時間に渡る苦闘の末にようやくそれが現れる。そして、頂上までは殆どがそんな楽園である。おかげで、モモアセ以降の記憶によって、それまでのことが塗り消さられたようだ。
ここで本日初めて人と遭遇。新湊の方らしい(新湊高校の甲子園勝利おめでとうございました)。
この先の小ピークを越えると、今日はじめて分岐状の道。
直進は谷を下っていくが、左手に土手を上る方に赤テープがある。その目印通りに土手を越える。すると今度はその土手沿いに進む右手の道と、二本の土手に挟まれた地帯を進む左手の道に分かれる。左手のほうが踏み跡が鮮明であり、こちらを選択すると、二重山稜の中央の流れに沿ってしばらく下り、すぐに更に左手の土手に取り付くと、やがて、この一帯を脱出することになる。その辺りがモモアセ山かと思われる。
このあたりは写真33(=概念図)を参照して頂きたい。
ここを抜けると、ついに毛勝山が目の前に立ちはだかる。一旦弛みに下りて登り返すと2151mピーク。ここからは目の前の毛勝山が大きい。ここを下りるとクワガタ池。確かにクワガタのような形に見える。この池のあたりもお花畑。
そして、いよいよ最後の急な登り。尾根を少し外れて、一条の岩くずの道を上り詰めると毛勝山頂。
せっかくの山頂だが、劔岳が見えない。劔だけが濃いガスの中。毛勝三山の釜谷、猫又も含め、その方面だけがガスに隠されている。
後立山の白馬、唐松、五龍、鹿島槍も見えるし、黒部別山も時折見えるが、劔だけは見えない。
結局一時間粘ったものの、劔だけは姿を現さなかった。
とても物足りない思いで、巻物を巻き戻す。
登山口に付く頃には、足が前には出なくなった。
足が出ないのは、何も、一日での1700mの昇降だけが理由ではない。
最も期待したものがはずれるとがっくりするものだ。
otoh さん、はじめまして。
毛勝山のレコ、とても興味深く拝見させて頂きました。
北アルプスの好展望もさることながら、クワガタ池を初めとする尾根上にある池も神秘的で良さそうですね
今年、チャンスがあれば、歩いてみたいルートなので、参考にさせて頂きます 詳細なレコ、本当にありがとうございました。
bikihanako
bikihanako さま
どういたしまして。
少しでも興味ある方の参考になるならば幸いです。
毛勝山は苦労のある山ですが、その分、2,000m以降での光景には、深い感動がありました。観てよい山だけではなく、登ってもよい山だと思いました。
飽きるような尾根登りには少々うんざりですが、草原と劔の情景を想像すれば、気力も繋がることでしょう。
行かれるときには、素晴らしい情景が迎えてくれるよう、祈念しております。
是非行ってみて下さい。
では。 by otoh
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