権現岳、赤岳、硫黄岳
- GPS
- 54:05
- 距離
- 20.4km
- 登り
- 2,048m
- 下り
- 1,931m
コースタイム
天女山登山口08:15-天女山08:38-天の河原08:56-前三ツ頭12:19-三ツ頭13:29-権現岳14:40-権現小屋14:50 テント泊
12/31
権現小屋09:25-旭岳10:00-ツルネ10:40-キレット11:12-赤岳13:39-赤岳展望荘14:13 小屋泊
1/1
赤岳展望荘08:15-三叉峰09:23-横岳09:38-硫黄岳山荘10:09-硫黄岳10:48-赤岩の頭11:02-赤岳鉱泉11:47-美濃戸13:20-美濃戸口14:20
天候 | 12/31,31快晴 1/1晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
例年になく雪が少なく、赤岳までの稜線に雪庇の張り出しもありませんでした。 特に注意を必要とするようなところは無かったですが、稜線が細いのでアイゼンをひっかけないように注意が必要です。 |
写真
感想
毎年恒例の年末年始の雪山。
今年は北岳をとかなり以前から温めてはいたけど、
相方の日程と途方もない距離の林道歩きがネックとなって、
二年振りにやっぱり八ヶ岳に行ってきました。
八ヶ岳と聞かれたら。
一番好きな山は権現岳。
赤岳や阿弥陀岳ももちろんいい。
でも自分は八ヶ岳と言ったら権現岳。
南八ヶの最南にあってギボシと並んで冬は結構険しい表情を見せてくれて、
ここから赤岳までの真冬の縦走は距離はさほどではなくても、
条件が悪ければそれなりに手強いコース。
5年前に歩いた時には赤岳から権現岳へ抜けたが、
ナイフリッジや雪庇、胸以上のラッセルなんかで、
三ツ頭の樹林に転がり込んだのは真っ暗になってからだった。
12/30
例年ならこの登山口にもそれなりの雪ぐらいはある。
しかし白色のかけらもない。
弱い冬型の影響か風はそれなりにあって気温も低いのだけれども・・・
天女山から2000mぐらいまではフラットな登山道が続く。
振り向けば富士山が大きくて、左には甲斐駒ケ岳と北岳が。
富士山もいいけどやっぱり南アルプスの山が綺麗。
特に北岳にはオーラがある。気高いというはこういう姿を言うのか。
来年こそは北岳と思いながら雪煙があがる権現岳を見ながら三ツ頭を目指す。
それにしても雪がない。
2580mの三ツ頭まで登ってきてようやく雪山らしくなってくる。
最初は三ツ頭を越えた鞍部の樹林でテントを張る予定だったけど、
今年は先行の2パーティーがいて場所が取れないことと、
それよりも水を作る綺麗な雪がないから結局権現岳まで上がることになった。
天気予報では31日には冬型が崩れて穏やかになるとのこと。
その予報を先取りしたかのように風が弱くなってくる。
権現岳の頂上で休憩して直下の権現小屋へ。
冬期は閉鎖されているため小屋の前でテントを張った。
稜線上の吹きっさらしの場所だから風が強いときついけど、
今回はブロック積む必要もないぐらい穏やか。
竹ペグで固定だけしてギボシを正面に見ながらの最高の宿。
日が変わる頃までは時々強い風が吹いていたけど、
そのあとは外張りはハタともたなびかない無風状態。
外に出たら満天の星に南アルプスの稜線が綺麗に見える。
真冬でこんな天気は正直はじめて。
でもその分朝は強烈に冷え込んだ。
12/31
前日テントを張ったあとツルネへの稜線を偵察に行ったけど、
やっぱり雪は想像以上に少ない。
おまけに珍しく細いながらもトレースまでついている。
このコースで他の人のトレースを見たのははじめて。
真っ白の地獄のバージンロードを想像していた自分にとっては拍子抜け。
そんな条件もあって短時間で赤岳まで抜けられるとタカをくくってしまい、
おまけに朝が恐ろしく冷えこんでテントでダラダラしたせいもあって、
権現小屋を出発したのは9時半近く。
快晴、無風に硬く締まった雪。
この上ない条件が揃った気持ち悪いくらいの稜線をのんびりと旭岳へ。
今年最後の太陽と、富士山と権現岳の岩稜がもの凄く綺麗。
源治梯子も全部出ていてせっかく持ってきたザイルも出番なし。
馬鹿な話をしながら写真を撮る余裕すらある。
前回はこの梯子が途中雪で埋まっていておまけに登りで大変だったのに・・・
旭岳前後の稜線はそれでもミックスあったりクラストしてたり、
それなりに楽しく歩くことができた。
キレットで腹ごしらえをしてから赤岳への400mの登り。
このあたりはいつも雪が少なくてミックスの急登が続く。
権現岳を越えて阿弥陀岳と肩を並べるぐらいの高さまで登ると赤岳はすぐ。
今までとは打って変わって賑やかな赤岳の頂上。
若い外国人の男の人が地図と景色を真剣ににらめっこしていたから、
見渡せる限りの山を全部教えてあげる。
日本の山が大好きなんだとか。何度も何度も北岳を見ていた。
そんなの見ていたらこっちも嬉しくなってしまう。
今宵の宿は赤岳展望荘での小屋泊まり。
最後まで天気は崩れることなく、
なんとスリッパで夕焼けの阿弥陀岳を撮りに外へ出ることができた。
1/1
低気圧が近づいているとのことで夜中からやっと風が出てきた。
それでも朝になってもたいして強いわけじゃなく天気も快晴。
最終日、せっかくだから硫黄岳まで廻って下りることにする。
横岳の通過は鎖場が続くけどこの時期は埋まることがないから問題ない。
振り返れば主峰赤岳の迫力がいい感じ。
横岳のピークまでミックスした細かなアップダウンが続く。
アイゼン着けて岩稜を歩く練習するにはいいコース。
風が少しずつ強くなってきて漸く冬山らしい雰囲気になってくる。
風の当たらない東側の陰で何度か休憩をしながら行くも、
ほとんど夏のコースタイムと変わらないぐらいで歩くことができた。
硫黄岳に着く頃には頭のすぐ上にまで厚い雲が下りて来ていて、
富士山も南アルプスも中央アルプスも雲の中。
なんとか最後まで八ヶ岳が頑張ってくれたような気がした。
赤岳鉱泉に下山する前に3日間歩いてきた稜線を見納める。
天気に恵まれて、体力的にはきつかったけど、
それでも普通に歩くことができた今回の南八ヶの縦走。
でも本当の八ヶ岳は強風と低温の岩と氷の稜線歩き。
これが普通だと思ったら大きな間違い。
でも今回これがいつもの条件だったら5年前と同じように歩けただろうか?
40過ぎていつまでテント担いで冬山の縦走出来るのかな?
一年でも長くこのスタイルが続けられるように、
気力、体力、健康に対していつまでも貪欲であり続けたい。
そう思った今回の南八ヶ岳の雪山歩きでした
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