暴風雨の龍王岳 小雨ガスガス剱岳(風速10〜14M程度)
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- GPS
- 30:12
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 2,186m
- 下り
- 2,188m
コースタイム
- 山行
- 6:05
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 6:40
- 山行
- 7:53
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 9:12
※※休憩時間も不正確、実際はもっとこまめに休んでいます
天候 | 1日目 暴風雨〔龍王岳に登った日〕 2日目 雨のち曇(小雨や晴れ間もあり不安定)〔剱岳に登った日〕 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
その後、立山アルペンルート利用(扇沢⇔室堂) ※電気バス⇔ケーブルカー⇔ロープウェイ⇔トローリーバス 往復運賃9,050円(大人・割引なし) |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
9月2日(月)、3日(火)は個人的に2連休。
今回は「剱岳・剱御前・龍王岳」未踏の100高山3座を2日間かけて登ろうというものでした。
前日昼までの天気予報(お天気ナビゲーター山の天気)によれば2日とも晴れで降っても初日に雨がぱらつく程度、風速も初日が10〜14m、剱岳登頂予定の2日目は10m前後で安定した天気のはずでした・・・。
ところが前日の夕方くらいから予報が徐々に悪化して、初日の朝には雨予報に変化、風速も18〜19mに・・・それでも剱岳登頂予定の2日目は晴れ時々曇予報で無邪気にも?安心していたのです・・・。
ところが、女心と秋の空?おまけに気まぐれな山の天気(>_<)完全に期待を裏切られました。
1日目
初日の室堂からの龍王岳はチョツト標高を上げたところ強烈な暴風雨(浄土山や龍王岳といった稜線頂上部では時折風速20m位)、一度油断していたところ軽く体を1mくらいもっていかれました。その後はビビって強風時はピッケルないのに形だけの耐風姿勢、何とか風をやり過ごす緊張感抜群の行程となりました。冬の雪山では経験済のことでしたがピッケル・アイゼンのない夏山では初体験、断然夏の方が怖かったデス・・・(>o<)
当初の予定では、体調がよければ立山(雄山・大汝山)、別山等をぐるっと回って更に剱御前登頂も考えていましたが、当然断念です。
ちょっとくだって一の越山荘で強風をやり過ごしたあとは、真ん中の稜線でないエスケープルート?で雷鳥沢へ。そこから剱御前小舎へ登り返しました。
比較的標高の低い鞍部?は風も穏やかになっていましたが剱御前小舎が近づくにつれて強風が復活。
※なお途中で透湿限界を超えて、アンダーやタイツ内部がぐっしょり、その汗が流れ落ちて登山靴も内側からびしょびしょのバットコンディション(>_<)
剱御前小舎に着いたときは気温は一桁、低体温症寸前で体が軽く震える程。休憩室のストーブで暖をとり水分も補給して何とか復活しましたが、小舎がなければ体調を崩していたかもしれません。
当然、剱御前登頂は断念して初日はまっすぐ(予約していた)剣山荘へ直行しました。
※※剣山荘の混み具合
悪天候となったせいか超ゆとりのスペース確保。私が割り振られた「剱」部屋は25〜30人(一人1枚の布団で)寝れるところたったの3人、ラッキーでした
思えば昨年9月中旬に雨で泊まった後立山のキレット小屋も広い部屋に2人だけ、奥地にある山小屋は悪天候時は混雑と無縁なのかもしれません
2日目
剱岳登頂→下山の日
前日の天気予報(お天気ナビゲーター山の天気)では晴れ時々曇ということで朝5時からの登山を期待していましたがまたしても天気に裏切られます・・・。
3時過ぎの時点で激し目の風雨が山荘に打ちつけていて音もそれなり。4時になっても5時になっても雨・風は止まず、相変わらず。
ヘッドランプで早出登山をするものも(私が知る限りでは)いなくて、剣山荘に宿泊したチェックアウト組の半数は剱岳登頂を断念した感じでした。
私も5時半位までは完全に登頂を断念していて、剱御前と別山・立山(雄山・大汝山)を回って下山する計画に変更していました。
が、残りの半数は様子見で前剱まで行ってみて、後は状況次第という強者達?、同じ部屋に泊まっていた男性登山者も前剱まで行くとのこと。確かに風は前日よりは穏やかで許容範囲。雨さえ激しくならなければ何とかなりそうな感じも十分にあるのでした・・・。
非常〜に悩んで剣山荘スタッフに聞き取りをしたりバタバタしてしまいましたがそこで決断。山は逃げないとはいうもののここで断念して途中で天気が回復しようものなら後悔すること確実。どうせ後悔するならギリギリまで粘って見極めてヤッパリ厳しいため途中撤退というほうが絶対に後腐れがありません。というわけで、そんな考え方を採用して自分も前剱まで行って様子を見ることに決めました!
急ぎ準備を整えて、縦走ザックは剣山荘にデポ。必要最低限の荷物に絞って軽量のアタックザックで剱岳へ向けて出発しました。
やや出発が遅めの私でしたが、アタックザックのおかげで軽量・軽快な足取り。少しすると前に歩いていた3〜4人に追いついて後は気持ちペースを落として心強く歩かせて頂きました。
その後、一番怖かったのはナイフリッジで30cm程度の金属製の足場4〜5m?(風速10〜12m吹いていたような気がします)とその先の雨で滑る鎖場絶壁(足場10cm程度?)のトラバースでした。後は安全第一。慎重かつ繊細(大胆にいきません)を心がけて息を極力上げないように(常にそれなりの体力的余力を残して)進んでいくと順調に前剱まで到着できました。
前剱では、ネットが通じたためこれからの剱岳の山の天気を検索してみると10時前後で小雨がある程度。後は曇りで風速13〜14m、登山許容範囲。
これまでの行程の感触から、雨さえ激しくならなければ山頂へいける自信もついていました。という訳で、剱岳登頂を決断しました。
その後、剱岳への道筋で苦労したのは実はガスが強いことくらい。そもそも険しい山であるということは百も承知のゴンザエモン。今更険しさに難儀する気持ちは全く湧いてきませんでした。常に余力を保ち、急がば回れの精神を貫きもくもくと進むことでいつのまにか山頂にたどりつくことができました。
ここで、登山道具のインプレッション。
手袋はSHOWAのテムレスで登山靴はスポルティバのボルダーXミッドGTX(500g)。どちらも雨でぬれた鎖場・岩場に十分対応できるすばらしいものでした。
SHOWAのテムレス手袋(防寒用でない夏用)〈防水透湿のゴム?手袋〉
雨で濡れた鎖や岩をつかんでも特に滑る感じなし、晴れの日に着けている一般的なグリップ手袋と同感覚。剱岳ピストンでも当然破れる(破れやすさを感じる)事もなく、耐久性も平均レベルと推定
※素手で登っていた人は濡れた鎖が滑りやすいとおっしゃっていました
注意点は夏用は気温が低い場合、手から外すと冷えやすいという点。気温一桁の時は極力手から外さないこと。どうしても外す場合はザックやレインウェアのポケットに入れることを推奨します
※※剱岳山頂での私の登頂(記念)写真に実物でピースしてます
▲好櫂襯謄バのボルダーXミッドGTX〈登山靴〉
ミッドカットのゴアテックス登山靴。500gの軽量でトレランシューズに近い軽やかな歩行が可能。雨の岩場等で滑りにくいのが特徴。
※個人的には雨の南アルプス3泊4日や今回の小雨ガスガス剱岳で十分な活躍をしてくれており、信頼出来て扱いやすい登山靴という印象(^-^)次回もリピート予定です(^・^)
【雨で濡れた剱岳の印象】
基本的に足場、鎖場、マーキング等、登山道がしっかりと整備されています。信頼できる山装備があり風雨が激しくない限り、一般的ハイカーであれば登れる山だと思いました。
※平均レベルの体力と岩場・鎖場経験、そしてある程度自信があることが条件
全く自信がない場合は全てが負の結果につながるので登山を回避するのが賢明です
天候に翻弄されてイロイロ苦慮しましたが、メインの剱岳を無事登頂する事ができ本当によかったです。
次は晴れた日で計画通りの山行を楽しみたいものです。ありがとうございました!
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