◆豪雪 秋山郷の秘峰・佐武流山〜ドロノキ平往復
- GPS
- 09:34
- 距離
- 20.2km
- 登り
- 1,683m
- 下り
- 1,669m
コースタイム
08:23 林道分岐(檜俣川林道入口)
08:52 檜俣川下降点入口
09:02 檜俣川渡渉地点
10:01 物思平
10:55 ワルサ峰 1870m
11:31 西赤沢源頭
11:46 坊主平
12:28 佐武流山山頂
16:58 ドロノキ平
所要時間9時間34分 累積標高差±1830m 移動距離20.16km
天候 | 晴れときどき曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
インターから登山口まで約60キロ。片道1時間30分から2時間程度。 国道405号は、すれ違い困難な細い舗装路。片側が崖でもガードレールが無い箇所多し。 深夜に走行されますと、野良タヌキ、野良ムジナ、野良シカ、野良モモンガが飛び出してきます。 以上の野良動物は、この日に全て見ました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山口・駐車場・ポスト ○ドロノキ平登山口 路肩駐車スペース。当然、無料。ポストだけあり。トイレ、自販機、街灯、一切無し。見た目10台程度。 ○国道405号終点 一応、ここからも佐武流山へ行けます。 ゲートがあり、その先は未舗装林道で一般車は入れません。 付近に、他の車の通行を妨げないように駐車するようなスペースは見当たりませんでした。 ◆トイレ ○切明温泉・雄川閣駐車場脇公衆トイレ 水洗、無料、24時間利用可能、街灯あり、一角に自販機あり。 ドロノキ平からは2.7キロ。佐武流山登山口から一番近いトイレは、多分ここ。 ○国道405号沿い工事現場仮設トイレ 工事現場に仮設された簡易トイレ。「どうぞ、ご自由にお使いください」の張り紙あり。 正確な場所は判明しませんが、国道沿いにありました。 工事が終わればなくなるので、あまり当てにはならないかもしません。 他、国道405号沿いに公衆トイレあるらしいのですのが、見つかりませんでした。 ◆危険箇所等 非常に行程が長いです。だいたい20キロ。 非常に標高差があります。だいたい1800m。 非常に時間がかかります。だいたい10時間くらい。 非常に山小屋、避難小屋がありません。 非常に途上に水場がありません。西赤沢源頭から片道10分の位置にあるらしい。 非常に檜俣川を靴を脱いで渡渉する箇所が一箇所あります。 非常に人がいません。この日は一人も見かけませんでした。 非常に視界が開きません。行程の95%は樹林帯に覆われています。かなりストイックです。 非常に残雪が少ないです。行程の99.99%で夏道が出ています。アイゼンはいりません。 非常に、この時期ですのでムシが多いです。 檜俣川渡渉地点からワルサ峰までの区間が急斜面で標高差約700mを一気に登ります。 ところどころロープがかかっていて、足元は滑りやすく、かなり苦痛。 いろいろ書きましたが、佐武流山に登ろうと考える人であれば、全く問題なく。 ◆温泉 ○切明温泉・旅籠雄川閣 10:30-18:00(受付17:30まで)¥500 不定休(当分の間、木曜が定休)未湯 長野県下水内郡栄村切明 025-767-2252 http://www.vill.sakae.nagano.jp/skousya/yusenkaku.html ○切明温泉・川原露天風呂 川だから、無料、24時間利用可能、無休、混浴。 入る場合は、雄川閣の駐車場に車を止めて、建物入口付近にあるスコップを借ります。 吊橋を渡って左岸に降ります。歩いて5分かかるかどうか。 雄川閣の建物からは丸見えなので、心配なら水着をご用意。私は全裸で。 上流にあるダムの放流サイレンが吹鳴したら、直ぐに川原から出ないと濁流に飲み込まれます。 ○上野原温泉・のよさの里 10:30-17:00 \500 無休 未湯 長野県下水内郡上野原 025-767-2345 http://www.vill.sakae.nagano.jp/skousya/noyosa.html ○小赤沢温泉・楽養館 10:00-19:00(受付18:30まで)¥500 無休 冬期休業 未湯 長野県下水内郡栄村小赤沢 025-767-2297 http://www.miy.janis.or.jp/~sakaesho/sakaem7.html ◆参考ホームページ ○秋山郷観光協会(長野県側) 苗場山、鳥甲山の登山情報もあり。 http://www.sakaenet.jp/akiyamagou/ ○越後秋山郷(新潟県側) http://www.akiyamago.com/ ○長野県栄村・交通情報 冬季通行止め情報など。図入りで分かりやすい。 http://www.vill.sakae.nagano.jp/koutsu/koutsu.html |
写真
感想
秋山郷は新潟県と長野県の県境にまたがり、名山苗場山と名峰鳥甲山に挟まれた谷間に形成された平家落人伝説の残る集落です。
日本有数の豪雪地帯であり、積雪量日本一の記録(7m85cm)を持っており、そのため、近年まで冬季には雪で完全に隔絶されてしまい、飢饉等で村が全滅してしまったこともしばしば。
独特の生活様式と豊富な源泉を持つ温泉。さらには鳥甲山や苗場山を配した景観の美しさ。猫つぐら(藁を編んで作った猫の巣。結構なお値段)に代表される妙な工芸品の数々・・・素晴らしい。
冬季のアクセス道は国道405号線のみであり、今でも「秘境」の趣きが色濃く残っています・・・と、もらってきたパンフレットに書いてありました。
実のところ、いくつか登りたい山があるのですが、その中で、唯一、今年になってからの記録が公開されていない佐武流山に登ることにしました。
塩沢石打インターからは、一般道約60キロ。時間にして1時間30分くらいでしょうか。
基本的には、ずっと国道なのですが国道405号線は、途中からすれ違い困難な完全な山道です。舗装はされてはいるものの、片側が崖にも関わらず、ガードレールがなかったり、野良動物達が無数に飛び出してきたりと、深夜に走行される場合は、ご注意ください。
この先に、本当に人の住む集落があるのだろうかと思うくらいに山深いところです。
ドロノキ平の登山口には、ポスト以外何もありません。駐車スペースも路肩です。
トイレは、一番近いところで雄川閣の公衆トイレでしょうか。2.7キロ離れています。
国道405号線の終点から、ゲートの先の未舗装林道を自転車で走れば、相当な行程短縮になったのかもしれませんが、今回は、そこまで考えがいたりませんでした。
ドロノキ平に着きますと、思ったとおり駐車車両はありません。行程の長い山、この時間帯に車が止まっていないことを見ると、本日も自分一人だけか。
予想していたことなので、いつになく小型ラジオを携帯。午後には衆議院の増税決議中継を聞きながら・・・。
ラジオで国会中継を聞きながら佐武流山に登る・・・そんな人は他にいないでしょう。このストイックさが、すなわち、前人未到というやつです。
登り始めてすぐに、ラジオを持ってきて正解と感じる。相当に淋しい雰囲気です。
いつしか、林道に出て横移動距離を稼ぎます。何キロくらい歩いたのか。再び登山道に入って、檜俣川渡渉地点へ。
増水というわけではなかったのですが、ローカットのハイキングシューズでは、厳しい雰囲気でしたので、渡渉地点を探しながらビーチサンダルに履き替え。
上流へ10mほど行ったところが浅そうだったので、そこから左岸へ。
水量が少ない場合は、登山靴のまま岩を伝って飛び移れてしまいそうですが、川の中にあった直径1メートルくらいの、動かないだろうと思われた岩に乗ったら、グラリと動きまして片足がドボンでした。
渡渉の次は、ワルサ峰まで標高差約700メートルの息をもつかせぬ急な登りです。しかも、泥で滑ってスリッピー。何箇所か荒縄もかかっていました。
そして、眺望もきかず。ワルサ峰までは、かなり禁欲的です。
ワルサ峰からは、少しばかり視界の開けた尾根歩きが続いて、また樹林帯の中へ。そして山頂へ。
植物の生育が素晴らしく東側以外は何も見えません。実に山深いところで、人工物が一切見えませんでした・・・と言いたいところですが、どうも、鉄塔のようなものが一つ見えました。
いやあ、帰りも長い長い。ドロノキ平に着いたのは、午後5時前でした。
下山後。かねてより気になっていた切明温泉の川原の露天風呂に入浴することにする。
雄川閣にてスコップを借りて、吊橋を渡って中津川の左岸へ。中津川は急な上流のダムの放流で急激に増水して、濁流と化すとの看板があり。
サイレンが聞こえたら、直ぐに川から出てくださいとか。濁流の写真付きで警告看板がありました。温泉に入るのも命がけか。
川原に着いてみますと、既に先人が製作した手ごろな湯船が出来上がっています。川底からは、ぽこぽこと湯が湧き出しているのが見て取れます。
早速、入浴。はっきり言って、ハードです。中津川の清流は冷たく、川底から湧き出している源泉は熱湯。
つまり、右半身が冷水に、左半身が熱湯にさらされているという、とても長湯してくつろげろうようなものではありませんでした。
でもまあ、この手のものは雰囲気を楽しむものであると思いますので、まあ、いいやです。
雄川閣の建物から、丸見えなのはご愛嬌です。入浴される場合は、ビーチサンダルがあると便利です。足が砂だらけになるので。
どこか、温泉に入りなおそうかと思って、小赤沢温泉・楽養館に行ってみる。営業時間に間に合わず。
仕方ないので、今度は結東温泉・萌木の里に行ってみる。営業時間中のはずなのに、人の気配がない。休みか。
秋山郷の中を車で走っているとよく見えた鳥甲山の山容は素晴らしいです。丸みを帯びていて目立った特長のない佐武流山とは対照的でした。
次は鳥甲山にでも登りながら、付近の温泉郷をソウナメにしてしまいたいと野心を抱つつ、帰宅しました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
佐武流山、行かれたんですね
坊主平の残雪の雰囲気などよく覚えています。
綺麗な写真 を拝見しまして昨年の自分の山行を思い出しました。
(西赤沢源頭から、天気は曇りでしたが)
登った日が一日違いですね
切明温泉の川原の露天風呂 、「オ―っ 」と思ったら
そうでしたか、、、引っかかりました
鳥甲山は魅力を感じますね
そうでしたか 佐武流へ行かれたのですか
信州の秘境シリーズ第二弾は岩菅よりスゲー山だったのでは?いやはや大変お疲れ様でした
今の時期、渡渉もかなり大変だったのではないでしょうか?それに続く急坂と、長い笹原、山頂は稜線の一角のようで案外達成感の感じられない山ですが
次回秘境シリーズ「鳥甲山」楽しみです
若さだね!山ちゃん
露天の写真も行けてますね
確か、西赤沢源頭付近で熊を見たということが書かれていたので、人が全くいないだろうことは予想がついたので、ラジオを携帯していました。
終始、国会中継を聞きながら・・・これしか、電波を拾わないし。
猫つぐらのことを、確か日記で書かれていませんでしたっけか。以前に、秋山郷を訪れた際に、あのイカすスタイルを見て、猫を飼っていないのに、欲しくなったことがありました。
今回、再び、お値段を確認したら、2万5千円とか。とても、手が出るお値段ではありませんでした。
切明温泉は、秋山郷の最深部に位置する温泉で、それだけでも、十分にそそられるのに、川底を掘ると湯が湧き出すとか。
入らずにはいられないので、入ってみると・・・熱くて冷たかったです。入ること自体が、既に「行(ぎょう)」でした。
やっぱり、平日の夕方に切明温泉の川原の露天風呂に入っているガールなど、まあ、いないですね。
鳥甲山は、行きます。必ず。あの姿を見てしまっては。あと、笠法師山も面白そうです。
以前、岩菅山から切明温泉へ抜けるとおっしゃっていたので、佐武流山に登りながら、あの稜線を歩くのだろうか、羨ましいなと思いながら歩いていました。
まだ、行っていない・・・ようですね。
サブ(佐武流山の略)は、真実にストイックなお山で、苦痛と困難ばかりが目立って、山頂へ到達した達成感以外は、およそ登山の醍醐味を味わえないお山かもしれません。
なだらかな山頂ではありましたが、一応、登頂の達成感だけはありました。やっと、ここで終わりだという意味で。
確かに岩菅山より、はるかに肉体的・精神的に苦痛な山でした。これでは、土日でもたいして人は来ないでしょうね。
檜俣川の渡渉は、それほどでもありませんでした。心配していた水量もそんなにでもなく。ハイカットシューズなら、脱がなくても何とかなりそうでした。
鳥甲山は必ず行きます。秋山郷もまた行きたいですし。1、2回行ったくらいでは秋山郷の素晴らしさを堪能することは難しいです。
前回、秋山郷を訪れた時は紅葉の真っ盛りで、異常なほどに山が真っ赤であり、まるで山自体が燃えているようでした。
あの光景をもう一度見てみたいので、鳥甲山は今年の秋にでも。
露天の写真は・・・いい絵が撮れて良かったです。
すごいですねぇ
20kmですか!
平地でも長いのに、尊敬でっす!!!
山はお花の季節ですね。癒されます。
そして温泉写真、めっちゃうける〜!!
楽しませてもらいましたm(uu)m
ついに山ガールになられたのかと、まんまと引っかかってしまいました。
佐武流山、地図でその名を見て以来気になっていましたが、
ラジオから聞こえてくる中高年男女の声とともに歩くストイックなところですか。
少し先になるでしょうが、紅葉の季節に声の通る子供と歩いた方が良さそうですね。
往復20キロで、標高差1800メートル・・・。
これだけあれば、どこかの何とかアルプスでも、日帰りできてしまいそうなお山です。
登山口までのアクセスにも相当なお時間がかかるし。
ほとんど眺望がないうえに、周回ではなく往復。
体力以上に精神力が必要な山でした。
実は、こういう山、そんなに嫌いではなかったりします。
前日まで平ヶ岳とどちらに行こうか迷ったのですが、平ヶ岳は、直近の記録が公開されているし、去年の大雨の土砂災害で国道がいまだに通行止めで新潟県側からは鷹ノ巣(登山口)にいけないということなので、かといって、福島県側から行くとインターを出てから4時間はかかるだろうことが予想されたので、登山口までのアクセスに往復12時間くらいを要します。
その上、登る山が行程の長い平ヶ岳では、厳しいものがあるなと考えて、佐武流山にしたというわけです。
花は、そこらじゅうに咲いていて、そのたびに、足をとめて撮影していました。
おかげで、やたらに時間がかかってしまいました。
行程が長いのだから、ほどほどにしておけばよいのに。
なかなか、山ガールになれなくて苦労しておるところです。
あの写真の女性たちは、撮影をお願いしたら、快く承諾してくださいました。
せっかくだから、バスタオルを取ってくださいといったのですけども、さすがに良い返事はいただけませんでした。
佐武流山のあたりは、国会中継しか電波を拾わなくて。
谷間に入ると、さらに電波状態は悪く。
あまり、人がいなさすぎるというのもどうかと思いますね。
この山なら、土日に登ってもあまり人はいないことでしょう。
下山してくれば、そこそこの時間になるでしょうし、そうすれば、関越道の渋滞も緩和している頃でしょうし。
子供と歩く!! 佐武流山を!! 凄い。
秋山郷の紅葉は、真実に見事ですけども、ほとんど眺望のない山ですので、あのストイックさにお子様が耐えられるかどうか。
いつもながら健脚なお子様には、恐れ入ります。
お子供連れの佐武流山の記録は今のところないようです。
佐武流山のお子様との山記録、楽しみにしております。
いいねした人