燧ヶ岳と至仏山(大清水→鳩待峠)、花また花の尾瀬逍遙【群馬・福島県、尾瀬】
- GPS
- 30:04
- 距離
- 39.9km
- 登り
- 2,251m
- 下り
- 1,838m
コースタイム
○第1日(6月30日)
大清水 4:00 − 大清水登山口 4:02 − 一ノ瀬 4:38 − 登山道入口 4:41 − 岩清水 5:01 − 三平峠 5:26/28
− 尾瀬沼山荘 5:39/41 − 三平下湿原 5:44/47 − 長蔵小屋 6:04/朝食/30− 浅湖湿原の分岐 6:48
− ミノブチ岳 8:34/46 − ナデッ窪道と合流 8:52 − 俎 9:12/17 − 柴安 9:36/朝食/10:32
− 温泉小屋道分岐 10:49 − 沼尻道との合流 12:43 − 弥四郎小屋 12:51(宿泊手続きと大休止)
弥四郎小屋 14:09 − 三条滝と東電小屋との分岐 14:23 − 東電小屋 14:37 − 竜宮と牛首の分岐14:52
− 竜宮十字路 15:07 − 竜宮現象 15:13/17 − 竜宮十字路 15:20 − 竜宮小屋 15:24 − 弥四郎小屋 15:45(泊)
○第2日(7月1日)
弥四郎小屋 4:22 − 竜宮小屋 4:43 − 竜宮十字路 4:45 − 牛首分岐 5:08 − 上田代(逆さ燧) 5:19
− ミズバショウ 5:31/35 − 山ノ鼻 5:43/6:08 − 至仏山登山口 6:14 − 最初のベンチ 6:41/46 − 中間点 7:02
− 高天ヶ原下 7:28/32 − 高天ヶ原 7:40 − 至仏山 8:01/20 − 小至仏山 8:49/55 − オヤマ沢田代 9:09
− オヤマ沢 9:15 − 残り2.0K 9:28 − 残り1.0K 9:44 − 鳩待峠 9:54
(鳩待峠 1005 =<乗合タクシー>= 第1駐車場(ぷらり館) 1030/1105 − 鳩町連絡所バス停 1115
=<バス>= 沼田 1247/1303 =<上越線>= 高崎 1351/1428 =<上越新幹線>= 東京 1520/50
=<東海道新幹線>= 新神戸 1846)
●行動時間
○第1日 8:51 + 1:36
○第2日 5:32
天候 | 30日 晴れ 1日 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
(会社=東京=大清水) − 燧ヶ岳 − 弥四郎小屋 − 至仏山 − (鳩待峠=立ち寄り湯=沼田=高崎=東京=自宅) ●アクセス ○大清水(行き) ・今回は、関越交通高速バス尾瀬直行便を利用。新宿22:00発、大清水3:35着(本日の便は3:45頃到着) ・バス以外にも、自家用車でもアクセス可能。駐車場あり。沼田から国道120号線、片品村蒲田から国道401号線を進み、終点が大清水 ○鳩待峠(帰り) ・尾瀬戸倉からバスで約40分 ・今回のような混雑時には、鳩待峠から尾瀬戸倉への帰りは、同じ片品観光のタクシーがバスと同料金で乗り合わせで運んでくれる。これがある場合には、バス以外の時間にも移動することが可能 ・尾瀬戸倉〜鳩待峠間ではマイカー規制あり。2012年の場合は、5〜7月と9〜10月および7〜9月の土日が規制対象日 ・マイカー規制日には尾瀬戸倉からのバスを利用することになる ○尾瀬戸倉 ・駐車場あり、尾瀬への交通便の乗り換え点。立ち寄り湯もある ・ここには、日帰り温泉「尾瀬ぷらり館」もある |
コース状況/ 危険箇所等 |
●コース状況 ・著名観光地でもあるので、全般によく整備されている ・登山道の中では、見晴〜燧ヶ岳の「見晴新道」は沢筋の小岩を登り続ける道で、歩き安さを求めた整備はされていない。ただし、利用度は高いので、道がわからなくなるような心配はない ・燧ヶ岳では、燧ヶ岳山頂以外には山名標示はなかった ・登り専用の「山ノ鼻→高天ヶ原→至仏山」は急な蛇紋岩の登り。雨でも降ればさぞや登りにくいであろうと感じた ●買う、食べる ・大清水は深夜だったのでよくわからない ・鳩待峠には飲食、みやげものなどが立ち並んでいた ●日帰り温泉 ・今回は「尾瀬ぷらり館」を利用 ・蒲田や老神温泉などで下車する方もあり、それも一策かと |
写真
感想
東京に居た頃にも行きそびれてしまった尾瀬へ。ミズバショウと至仏山を天秤に掛け、その結果、至仏山解禁日を選択。夜行バスを駆使しての、時間節約型で。
このシーズンは、ミズバショウには遅く、ニッコウキスゲには早いため、“花のはざま”と聞いていたが、さて…。
●大清水〜尾瀬沼(長蔵小屋)
まだ明け切らない大清水を出発。登山口から林道に入る頃にはヘッドランプなしでも見誤ることのないくらいになる。
一ノ瀬の先、立派な道路橋を渡ったところから登山道へ。
岩清水の先で、林道のなれの果てと再会し、そこからはやや急登で高度を上げる。やがて、木立の中の三平峠。尾瀬に入ることを意識する。
尾瀬沼山荘を過ぎ、三平下湿原には花々が。
じっくり見るときりがないほどに咲いている。何が“花のはざま”だ。十分に楽しませてくれる。
やがて、尾瀬沼越しに燧ヶ岳の山頂付近だけが見える。ガスの中だ。晴れ渡る空とは対照的にガスの中。
●尾瀬沼(長蔵小屋)〜燧ヶ岳
やがて、長蔵小屋へ。朝食を摂る。
そうこうしているうちに、いよいよガスも上がり、ベールを脱ぐように燧ヶ岳が姿を現す。神秘的。
沼端には大きなカメラを抱えたカメラマンもちらほら。なるほど、ここには写真のために来る方もいらっしゃるのか。
尾瀬沼を巡るように進み、やがて浅湖湿原の付近で長英新道へ。いよいよ燧ヶ岳への登り。
前半はなだらかな木立の道。やがて急登を繰り返すようになり、ようやく行き着くところを感じられるようになると、ミノブチ岳に顔を出す。標示はない。
ここからは、眼前の赤ナグレ岳やこれから進む俎瑤さらに大きく聳えて見える。振り返れば尾瀬沼が見下ろせ、さっきいたはずの場所が、はるか遠くのよう。
小休止の後、俎瑤悄いよいよ双耳峰のひとつめの頂へ。
俎瑤泙罵茲襪函△弔い鉾瀬ヶ原を目にすることができる。柴安瑤慮越しに至仏山と尾瀬ヶ原。展望を楽しみながらも、あまりにもハエ?が多く、これに閉口。先を目指す。
鞍部を越え、もう一度登り返して柴安瑤悄
こちらからも、まだ尾瀬沼は見えている。武尊山〜至仏山〜巻機山〜平ヶ岳〜越後三山、会津駒、男体山、日光白根〜皇海山など、四方の名山も遮るものがない。
展望を楽しみつつも、お腹がすくので、もう一食。
食べていよいよ尾瀬ヶ原へ。
●燧ヶ岳〜見晴(弥四郎小屋)
見晴への下りはあまり手入れされているような感じがない。尾瀬の道には木道、木段が多いことを思うと、落差が激しい。
何カ所かの残雪を踏みしめ、人手を感じない沢筋を下り続ける。途中の印や行き交う人があればこそ道間違いもないとはわかるが、天下の尾瀬にあってこの状態は何とも違和感が。
次第に元気がなくなり、あまり追いつく人も亡くなってきた頃に、一人の方の背に追いつく。
ふと追い抜かし際にご挨拶をしたら、すっとナイフで切り取ったものをぽんと渡される。ウドだという。皮をむいて、かじればよいと言われる。言われるままにかじると、これがうまい。なんだか元気が出るような気がする。しかし、一本とはいえ、ウド切ってもよかったんでしょうかね…。
先ほどまでは、夜行バスでの寝不足のせいか元気が不足気味だったのだが、ウドのおかげか、ゴールが近いからか、一気に足が出るようになり、見晴の手前の分岐。ここからは歩きやすい木道となり、あっという間に見晴へ。見晴は小屋が建ち並び、集落のようだ。
弥四郎小屋に行く前に、“冷やし中華”の文字に惹かれ、燧小屋で食事(昼?)をしてから本日の宿、弥四郎小屋へ。
●見晴〜東電小屋〜竜宮現象〜見晴(尾瀬ヶ原巡り)
午後の時間を利用して、尾瀬ヶ原を一巡り。
まず三条ノ滝方面へ。分岐からは東電小屋を目指す。
ワタスゲなど今の主流に混ざり、そこここにアヤメが目につく。しかしこちら方面にはカキツバタはないようだ。
只見川の源流を渡り、東電小屋。これも過ぎて、再び吊り橋を渡り、竜宮十字路へ。
途中で、燧ヶ岳と至仏山をきれいに望むことができる。やがて、竜宮十字路。
竜宮現象は、はっきりそれとわかるわけではないが、伏流水となる水の呑口とと捌け口が見られる。そこまで涼しげな音を立てて流れていた水が、たまりになって消えている。それが反対側ではわき出している。不思議な現象だ。
竜宮現象から十字路の間でカキツバタを確認。こちら方面はアヤメではなくカキツバタのようだ。
そこからは広大な尾瀬ヶ原を体感しながら見晴へと戻る。
弥四郎小屋には風呂があるので一風呂浴びる。石けんは使えないが、山で湯に浸かることができるのはなんとも幸福感のあること。足の疲労も吹っ飛ぶように感じた。
また夕食は、山小屋としてはおかずも豊富でおいしく頂いた。
●見晴(弥四郎小屋)〜山ノ鼻
相部屋とはいえ、もうお一方だけなので、熟睡できた。午前3:45に自然に起床。
小屋のおにぎりを早々頂き、出発。昨日帰ってきた道をどんどん進む。途中で振り返ると、モルゲンロートに染まる燧ヶ岳。
竜宮十字路を過ぎ、池塘の目立つ一帯に。やがて牛首の分岐を過ぎ、“逆さ燧”を見て更に進むと、なんとミズバショウが咲いている。盛りは過ぎた姿のようだが、可憐さは変わりない。
ミズバショウに喜び、山ノ鼻へ。
小休止。
落ち着いたところで、至仏山へ。
●山ノ鼻〜至仏山〜鳩待峠
入口では、今日解禁明けであることを知らせる女性。至仏山は守られている山だ。
ほぼ直線に進むこのコースは、いきなりの急坂。飽くことなく登り続け、足感覚で3分の1と思う辺りのベンチで小休止。
いまはまだ、燧ヶ岳も尾瀬ヶ原もかろうじて見えている。今日は雲との競走だ。
「森林限界」や「中間地点」には標記がある。きのうの燧ヶ岳とは異なり、指導標がきっちりしている。
蛇紋岩の岩くず道。先達の踏み跡により、滑りやすい岩と化している。鎖も数カ所有ったが、使わないにせよ、滑らないように細心の注意を払う。
3分の2のつもりの小休止のあと、すぐに高天ヶ原。突然のごとくに、周囲がお花畑になる。
そして、ウスユキソウ。尾瀬の種は、ホソバヒナウスユキソウというようだ。
チングルマやハクサンコザクラ、とともに高山帯のお花畑を色づける。
右に左にと目を取られるうちに、至仏山頂上。残念ながら、雲が勝ってしまった。燧の頭などは見えているのだが、もう尾瀬ヶ原は隠れてしまっている。
そこに雨。まだ、風に流されてきたレベル。とはいえ、急ぐことが必要。ゆっくりする間もなく、頂上をあとにした。
帰路は、小至仏山を経て鳩待峠へ。至仏山から小至仏山の先までは蛇紋岩主体の山岳稜線。その先は森林帯の尾根。
オヤマ沢田代からの長くて緩い下りを進むと、やがて、鳩待峠にひょっこり顔を出す。
幻想的な山中の湿原、花の宝庫。
山ではなく、尾瀬に魅せられた山旅であった。
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