乳頭山-秋田駒ケ岳
- GPS
- 03:24
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 985m
- 下り
- 377m
コースタイム
天候 | 晴れ(強風) |
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過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
黒湯温泉駐車場利用 アルパこまくさ〜蟹場温泉間はバス利用 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●区間別状況 [孫六温泉-田代平] 傾斜の緩いブナ林の登り。少々やぶっぽい [田代平-乳頭山] 岩場が増えてくる。乳頭山山頂付近は崖になっているため注意。 [乳頭山-笊森山] 鞍部までの道、一部分かりづらいがマーキングあり。 鞍部につくとしばらく腰くらいまでの藪が続く。 [笊森山-湯森山] 笊森山からしばらくは藪が薄くなだらかで見通しの良い尾根が続く。 熊見平が近づくと再び藪っぽくなる。湯森山手前、南斜面の登りは滑落しないように注意。 [湯森山-焼森] 湯森山から鞍部にかけて、深い溝の登山道になる。加えて藪で足元が見えにくくなるため、足を踏み外さないように注意。焼森への登り返しからザレっぽい足元になる。 [焼森〜男岳] 馬の背は岩場のやせ尾根。特に南斜面への滑落に注意が必要。 男岳への登りも岩場の登り。 [[男岳-男女岳-八合目] 男女岳への登りは階段整備されている。 八合目までの下りは歩きやすく展望に優れている。 ●その他状況 登山者数(すれ違い数) 孫六温泉〜横岳 1組 以降、数十組 ●グレーディング 5D 沿面距離 23.4km(カシミール3D) 累積標高+ 1441m(カシミール3D) 累積標高- 1626m(カシミール3D) C/T : 10.2h(山と高原地図) ルート定数 : 40.2 技術レベル : D(縦走路の藪と足元の不安定さ、秋田駒の馬の背付近の岩場) |
写真
装備
備考 | GPSログ 湯森山以降不調で取得できず。 |
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感想
秋田駒ケ岳は私が山を始めたばかりのころ、国見温泉から登頂したことがあった。当時はムーミン谷のチングルマが目当てで登ったものの、既にほとんどの花が散っていて残念な思いをしたのが印象に残っている。
あれから4年が経った。紅葉も素晴らしいといわれるこの山を今度は未踏の乳頭山から縦走して目指したいと思った。ただ計画する上で最後まで悩ましかったのが、平日だと八合目から登山口のバスがないことと、縦走路は人が少なく熊が多いと言われていること。それでもやはり歩きたい気持ちが勝り、今回計画を立てた。それだけ歩いたい登山道だっただけあり、前日までの緊張感や思い入れは他の山行前よりも大きかったと思う。
名秘湯である乳頭温泉郷、多くの宿は裏手に稜線へ続く登山道を持っており、今回私も孫六温泉の裏手の登山道を利用して稜線を目指した。
稜線までの登りは緩やかなブナ林。加えて今回、最後にロードを歩くということで、足元をトレラン装備で臨んだ。そのため足さばきが抜群によく、どんどん標高を上げることができた。しかし、終始藪っぽく、朝露に濡れて前半のうちに靴下までびしょ濡れになった。
稜線に出ると期待を超えた絶景。紅葉の田代平と乳頭山、遠く岩手山と八幡平、そして今回の目的地秋田駒ケ岳。この角度から見る秋田駒は火山らしい荒々しい様相を楽しめる。そこまで続く稜線も気持ちいいほど高く伸びていて、樹林帯の中で滅入りかけてた縦走意欲は掻き立てられた。
しかし、この山の縦走の厳しさは乳頭山を過ぎてからであった。鞍部からいきなり藪が濃くなり足元が全く見えなくなる。ところによっては腰くらいまでの藪漕ぎ。先が見えないストレスはもちろんだが、足元の段差や岩が見えず注意が必要なところも多数ありなかなか足が進まなかった。またこの日は風も強く、風に擦れる笹の大きな音が単独行の私の不安を増大させた。不安で笛を吹き続けている一方で、たびたび飛び込んでくる絶景に足を止めて感動。両極端な感情に揺さぶられているうちに、ひと組のパーティとすれ違う。人と会えて少し安心したのか足が軽くなり、そこから登りも下りも駆け足で歩くことができた。
焼森まで来ると足元が火山みたいにザレっぽくなってきて、目的地までもう少しという気持ちにさせてくれる。横岳から先、馬の背は4年前は通らなかった道だが、やせ尾根で岩が多く油断できない登山道だった。それでも左手のムーミン谷方面の紅葉美に目が行ってしまう。これが秋田駒ケ岳の紅葉かと...景色を目に焼き付けながら足を進める。あと4年前はガスっていてわからなかったが、男岳からは田沢湖が目の前だった。なんとも贅沢続きの縦走であった。
男女岳の山頂から縦走路を振り返る。藪っぽさが嘘のようなきれいな稜線。稜線上では乳頭山がひときわ目を惹き、一番奥には岩手山がそびえる。歩いている間はいろんな気持ちに揺さぶられたけど、こうやって自分の歩いた道を振り返ると大きな達成感と充実感に包まれた。それは今回に限らずだが...山ってこれだからやめられない。
紅葉を堪能して八合目まで下山。ここからラストスパートのロード疾走。標高差700mを駆け下る。最後の最後にロードなんて...しんどいかと思ったけど、ブナ林に囲まれながら駆け下るのは意外と気持ちよかった。終盤は再び田沢湖が姿を見せてくれて最後まで楽しく走ることができた。トレラン装備で臨んで正解だった。
下山後はバスで乳頭温泉まで戻る。帰りに寄った黒湯温泉は次回はぜひ宿泊で。
久々の秋田駒は冒険要素満載で私の中の名山行になった。前回の飯豊といい今回といい最近インパクトの強い山行が多い。去年までひとつひとつの山行がおざなりになりつつあったので、これも成長と言えるか。
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