北岳
- GPS
- 10:07
- 距離
- 20.5km
- 登り
- 2,357m
- 下り
- 2,354m
コースタイム
天候 | 山頂付近、曇りと強風。下界は、恐らく晴れor曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
市営芦安駐車場から広河原まで、乗合いタクシー(\1,100)を利用。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
左俣コースは、かなりの急斜面。上りも下りもアイゼンが必要。 |
写真
感想
天気予報では、曇りの予報。頂上まで上がれば、雲を抜けるだろうと思っていた。結果、登山道付近は曇り空。頂上に向かうほど雲が厚くなり、強烈な風。不思議と北岳山頂では風がピタリと治まり、その先の下りでは風はあるものの強風はなかった。
【広河原まで】
狙い通り、市営芦安駐車場にて一番での乗合いタクシーに乗車。広河原までは、かなりの高所をうねりながら走る。
出発してから1時間、広河原に到着。次々とバスやタクシーが到着し、多くの登山者で賑わう。皆、北岳に向かうのかと思ったら、更にバスで奥に行く登山者が多かった。
【広河原から】
野呂川に掛かる吊橋を渡って直ぐに広河原山荘があり、その脇から登山道が始まる。緩やかに登って行く山道を、体が慣れるまで意識的にゆっくりと登る。少しして、分岐が現れ二俣への沢沿いコースを選択する。山道は、やや急な場面や河原のゴツゴツした岩場を超えて行く。
やがて、頂上に向けた長い長い、雪渓が現れた。
【雪渓の始まりまで】
雪渓から二俣までは、アイゼン無しで登った。そんなに斜度は感じなかった。それも、その先に延びる雪渓が急に見えたからだろうか?。
【二俣まで】
ここで、右俣コースを行く人と、左俣コースを行く人に分かれる。
左俣コースを行くつもりでいたが、頂上付近に掛かるやや黒い雲が気になった。そして、上に向かうほど急に見える雪渓。連れは、雪渓とアイゼン未経験者。右俣コースに変更するか迷った。
雪渓には、既に登り始めている人、上から下ってくる人が多数いる。これから雪渓を行く人は、アイゼンを付け始めている。連れに確認すると、雪渓を行く気がある。これで、左俣コース(雪渓登り)を行くことに決定した。
【雪渓の終わりまで】
軽アイゼンを装着し、雪渓に踏み出す。
ゆっくりと高度を上げて行くと同時に、斜度は急さを増す。連れが先行したが、スキー慣れしていて恐怖感はない様だ。かえって、こちらの方が少々ビビッている。連れが時々足を滑らすので、意識的にアイゼンを雪に噛ませる事と、その先を行く他の先行者との距離を開ける様にアドバイスをした。まあ、こちらも時々足を滑らせていたのだが…。
平坦な場所を見つけては、小休憩をマメに取った。その際に上方から「ラーク」の声。見上げると、雪渓最上部の右側から岩が勢いをつけて落ちて来た。落が落ちて来るより先に、「ラーク」の声が下って来る。こちらも下の登山者に向けて声を上げる。僕らの横を過ぎると、落石は止まった。幸い怪我人は出なかった。
更に登り詰め、雪渓の終わりに到着。振り返ると、よくもまあここまで登って来たもんだと感心した。
【八本歯のコルまで】
雪渓を見下ろしながら休憩をしていると、右斜面から登山者が下って来る。その方に、この先にも雪渓歩きがあるか確認すると、「ない」との事だった。これで一安心、雪渓歩きが終わった。
アイゼンを外し、八本歯のコルを目指す。この間は、沢に転がる岩登りから始まり、梯子登りの連続だった。
下から見上げていた時に、頂上付近に掛かった雲の中に入り、全く景色がなかった
。そのため、花を撮ったりしたことくらいしか記憶がなく、八本歯のコルに到着。
【北岳に向けて】
八本歯のコルで、一瞬、北西方面の雲が取れた。上から見下ろす初めての景色。しかし、それも直ぐに雲で隠された。
ここから先は、尾根道を行く。これまでの岩場よりは、大きな岩を越えて行く。やがて、北岳への登りと、北岳山荘へのトラバース道の分岐に到着。
今日の登山の目的の一つに、キタダケソウを観る目的があった。下って来た方の情報から、トラバース道を10分行ったらキタダケソウに出会えるとの情報を得ていた。しかし、僕らにはキタダケソウが分からない…。ただ、これまでの登りで強い見方を得ていた。抜きつ抜かれつして来た方がいたのだが、その方もキタダケソウ目当てだと言う。ならばと、行動を共にして頂いた。
【お花畑の往復】
トラバース道からキタダケソウまでの道程は、少々スリルを味わえる登山道だった。先に知り合った方に先行してもらい、キタダケソウを目指す。
10分も行かない所で、その方が「あった」と声を上げた。お礼を言い、キタダケソウを写真に収める。情報をくれた方、見つけてくれた方に感謝。
仮に10分でキタダケソウがなかったら、トラバース道を行き切り、そこから北岳を目指すつもりだった。もしそれをやっていたら、広河原の最終バスに乗車出来なかった。
同行した方と共に先程の分岐に戻り、本日の最終目的地である北岳を目指した。
【北岳へ】
同行してくれた方は、先に登り始めて行った。また、抜きつ抜かれつだろうと思っていたが、追い付くことはなかった。
風は、この間が一番強かった。また、非常に寒さを感じた。これまでTシャツ一枚で上がって来たが、一枚上に薄手のジャンパーを羽織る。更に、頭痛も出始めた。連れも頭痛が出たしたと言う。高山病の症状が現れた。
真っ白な景色の中、右に左に岩場を登って行くので、風の向きが急に変わる。一回だけ、体がふっと流された。
僕の疲れは、ピークに達していた。休み休み頂上を目指す。間もなく頂上という所で、それまでの強風がウソの様に、風がピタッと止んだ。不思議さを感じながら、念願の頂上へと。
日本第二位の高所、3.192.4mに到着。
残念ながら、頂上からの景色は全くなかった。しかし、念願の頂上を踏むことが出来た。思ったより広い山頂には、こんな天気にもかかわらず多くの登山者がいた。皆、一様に満足気に見えた。
存分にとは言えないまでも、頂上を満喫した。時間は、1230を越えたところ。さあ、下山に取り掛かろう。
【一気に広河原へと】
頂上から小太郎尾根分岐までは、尾根道を行く。この間、岩場を下るので注意が必要。
途中、北岳肩ノ小屋にて山バッヂを購入。小屋周辺は今日の小屋泊とテント泊の登山者で賑わっていた。
1時間強で小太郎尾根分岐に到着。広河原方面の道を選択し下り始める。この辺りから雲が取れ始め、綺麗な鳳凰三山の景色が広がった。ここで、先のキタダケソウ
をご一緒した方に追い付く。また、小太郎山をやって来たと言う、2名の登山者とも合流。計5名で最終バスに間に合う様に、抜きつ抜かれつが始まった。後から合流した方と、途中、一緒に下る場面では、互いの今日のルートの話をしたりした。その方は、山梨百名山の踏破を目指しており、今日の小太郎山で91座目だったそうだ。
この下りで、連れは足を痛めた。そのため、下りのペースは大分落ちたが、良く歩き切ってくれた。二人して滑りながら、転びながら悪戦苦闘の下りだった。
この間、心配して声を掛けてくれた、先の3名の方々に感謝です。
何だかんだで、広河原に到着。休む間もなく、バス・タクシー乗り場に向かう。
帰りはバスとなったが、皆が座れる様に手配してくれたので助かった。多くの登山者で溢れていたので、1時間立ちっ放しを覚悟していた。
【帰路】
市営芦安駐車場に到着し、駐車場に向かう。時間は1800前。車に戻ると、昨日の混雑が嘘の様に駐車場は空いている。その後、第六駐車場下の金山沢温泉(\550)に入浴。1900までが営業時間と聞いたが、時間は1時間あるので利用させてもらった。汗を流し、外の露天風呂に行くと、小太郎山をやって来た先の2名の登山者と再び会う。良く会うねなどと話し始め、お互いの今日の山行を振り返った。また、何処かでと別れを告げ、僕らは帰路に就いた。僕も連れも一っ風呂浴びて、多少疲れも和らいだ様だ。
さて、気になるのは、中央道の渋滞。僕は全く気にしてなかったのだが、連れが3連休の中日、当たり前の様に渋滞していると言う。そんなことはないだろうと、高をくくっていたら、見事に渋滞していた。
1900過ぎに甲府昭和ICから乗り、あきる野ICまで3時間強の道程となった。眠くならない内に、地元近くに戻りたかった。危険な場面はなかったが、途中、中央道ではなく、関越道に乗っていると勘違いしたりもした。
何とか無事に帰り着いた。
今回も非常に楽しい山旅であった。
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