【過去レコ】大噴火4年前の御嶽山/カリカリのアイスバーンを踏みしめて
- GPS
- 56:00
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 926m
- 下り
- 926m
コースタイム
ロープウェイ鹿瀬駅9:15−飯森駅9:25〜9:40−幕場11:00
2月13日
出発6:30−仏像7:40〜8:10−覚明堂上8:50〜9:10−剣が峰頂上9:55〜10:15−仏像10:50〜11:10−幕場11:40
2月14日
幕場8:05−飯森駅8:30〜8:50−鹿瀬駅9:00
天候 | 1日目:曇り、2日目:晴れ、3日目:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2010年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
写真説明と感想欄に記載 |
写真
感想
2014年の9月に、木曽の御嶽山が大噴火し、多くの犠牲者が出た。その4年前の2010年2月に、S君とT君と一緒に厳冬期の御嶽山に挑んだ。今から10年前である。その当時、3人とも既に前期高齢者ではあったが、毎年1回以上は一緒に雪山に登っていた。
ゴンドラを降りてから樹林の中を登る。雪は柔らかかったが、ワカンを履いたのでラッセルに苦労することはなかった。
2370m圏の森林限界を超えると吹き曝しになるので雪は締まっていて、アイゼンでも潜ることはなかった。登るにつれて次第にクラストし、2930m圏の頂上稜線に出るとアイスバーンに近く、アイゼンの爪が1cm程しか刺さらない状態だった。しかし、無雪期の夏道は岩がゴロゴロして歩きにくいのに比べ、むしろ歩き易く、ペースは捗った。
なお、頂上稜線に出る直前、2740m圏から石室山荘を過ぎて覚明堂まで、標高差約200m、30度近い傾斜の雪面が続く。ここは緊張した。フラットなバーンなので、スリップしたらどこまで滑り落ちることやら。
ピッケルを使った停止訓練は現役の時に叩き込まれた。でも、半世紀前の話。今回、こんな急斜面でスリップしたら、直ぐに停止態勢を取れるか自信はない。
上りはまだしも、下りでは高度感満点で怖い。同行のT君がロープを持参しているので、登頂後ここに差し掛かった時に、ロープを使おうか、と相談した。でも、支点が取れない。一人が滑ったら、相棒も巻き込みかねない。そこで、自己責任で降りよう、滑ったら自分で止めろ、ということにした。
覚明堂の脇から下り始めた。
この急斜面が、頂上稜線のように強風で磨かれたアイスバーンで、アイゼンの爪が1cm程しか潜らない状態だったら、さぞかし厳しく、ビビっただろう。でも、この日、このフラットバーンは、アイゼンの爪の根元近くまで刺さる程度のクラスト状態だったので、案ずるより産むが易し、急斜面を下っていくにつれてカンを取り戻し、二人ともスムーズに降りることが出来た。
今回、登頂の日は無風快晴で絶好の天候だった。締まった雪にペースは捗り、2330m圏に張った幕場から3067mの剣ヶ峰頂上まで、5時間程で往復出来た。正午前には幕場に戻り、午後は暖かい日差しを浴びながら、のんびりとコーヒータイムを楽しんだ。
T君は過去にこの山に2回チャレンジしたが、いずれも悪天候で敗退している。3度目の正直で、やっと登れたと喜んでいた。それなのに私は厳冬期の御嶽山に初めて挑戦して、1回で登れた上、好天の下で3000mの展望を満喫できた。ラッキーの一言につきる。
(2020年04月22日登録)
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