冬の西穂高岳から上高地へ(テント泊)
- GPS
- 43:50
- 距離
- 23.1km
- 登り
- 1,197m
- 下り
- 2,315m
コースタイム
12/29 7:30西穂山荘前発−8:40独標−9:50-10:10西穂高岳山頂−11:20独標−12:00-13:40西穂山荘前−15:30上高地−15:50上高地バスターミナル(テント泊)
12/30 7:20上高地バスターミナル−9:10中の湯−11:20沢渡
天候 | 12/28 晴れ 12/29 晴れ 12/30 曇りのち雨 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 船
(帰り)沢渡ー(バス、電車)−松本ー(JR)−名古屋ー(JRでそのまま帰省) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・西穂山荘から西穂高岳まで、雪と、一部岩のミックス。トレースは部分的にあり。風はやや強かった。 ・西穂山荘から上高地まで、雪の下山道、トレースあり。 ・上高地から沢渡まで車道歩き。中の湯付近まで雪あり。 |
写真
感想
【山行No 87】
※ ようやく年末年始の休暇、雪山のシーズンがやってきた。
今年は、冬の北アルプス入門コースと言われる、西穂高岳に行ってみることにした。
西穂山荘も営業しているが、上高地側に下山するコースとし、テント泊で行ってみる。
12月28日(土)
・前夜、四国(新居浜)発のフェリーに乗り出発。
朝に神戸港へ着き、大阪へ移動して新幹線に乗る。名古屋からは高山本線のヒダ1号で高山へと向かう。
・高山からバスで新穂高へ。今日は冬場とは思えないような快晴の上天気が広がっている。
明日まで天気が持つと良いが、、、と思いつつ山へと向かう。
14:15-50 新穂高ロープウエー口
・昼下がりの時間帯のせいか、登山者の姿も、スキーヤーの姿も少なく、ロープウエーは閑散としていた。
途中の乗り換え点付近は、スキ―ヤーが結構多い。
15:10-30 新穂高登山口(気温=マイナス5℃)
・マイナス5℃ではあるが、標高2000mを越えている割には、風もなく温かい。
さっそく雪山の装備をして西穂山荘へと向かう。
トレースは樹林帯の中にしっかりとついていて、ラッセルする必要もなかった。
アイゼンもいらなかったか、という感じ。
16:40 西穂山荘前
・そろそろ日も沈もうか、という時間帯にテント場に到着。
さっそくテントを張る(3シーズン用)。テント場は思いのほかテントは少なく、5張程度だった。
・テントを設営して、テント内に潜り込み、スープと食パン程度の夕食を取ると、すぐに寝袋に潜り込んだ。
・夜は思っていたほど寒くはなかったが、さすがに雪の上で寝ているせいか、
1〜2時間おきに目が覚めた。
風は弱く、16夜の月が夜通し上空から照らしてくれていた。
12月29日(日)
6:10 起床
・予定より遅い起床。外はまだ日は出ていないが、東の空は赤くなっており、
上空は青空が広がっている。
西風が少しあるが、視界は良好で、アタック日和だ。
7:30 西穂山荘前発(気温=マイナス7℃)
・上着は、山シャツ、セーター、ゴアの上着の4枚。下はニッカーボッカにスパッツ。
頭には高所帽、首にはマフラー、という、割と軽装で出発する。
アイゼン、ピッケルは当然持ってゆくが、背中の荷物はデイパックのみ。
・独標までは、所々西風が強くて耐風姿勢を取るような場所もあったが、
トレースは明瞭で、登りも平凡でゆったりと登れる。
8:40-50 西穂独標
・思いのほかもっさりしたピークだ。祠があった。風は弱い。
天候次第ではここまででも良いかと考えていたが、天気も良いし、風も思ったほどではないので、
当初の予定通り、西穂高岳へと向かうことにする。
・独標の下りと、その2つ先のピークを巻く場所はもっとも緊張する場所だった。滑落しないように慎重に進む。
そのあとは平凡な雪道が続き、ピラミッドピークへと道が続いている。
・ピラミッドピークに着くと、さらに前方に雪稜が長く続いている。
小さなピークが次々と続く。だいたいは飛騨側を巻くようにトレースが着いていた。
・西穂本峰は岩稜となっており、鎖を頼りに登る。
9:50-10:10 西穂高岳山頂
・ようやく念願の、冬の北アルプス山頂の一角に到着。
自分でもよく登ったな、と思う。
・ここからの展望は素晴らしく、冬山とは思えない360度の大展望が広がっている。
北は北アルプス中央部(水晶岳あたりか)の白い峰々や、
まじかに間の岳を望み、奥穂高岳が険しくそびえている。その先には前穂高岳が逆光に黒々としている。
東は眼下に上高地の盆地を望み、その向こう、霞沢岳が険しい。
南東方向は、松本盆地を隔ててはるかに八ヶ岳や南アルプス、ちょこんと富士山までもが見えた。
南方は、焼岳から乗鞍岳の白い気品のある姿がま近だ。
予想していた厳冬の北アルプスとは思えない、素晴らしい展望が広がっていた。感動のひと時は一瞬にして過ぎた。
・下りは、まずは西穂山頂直下の鎖場を慎重に下り、あとの小ピークのトラバースも慎重に行く。
下りの方が怖いかと思っていたが、思っていたほどはなかった。
雪稜の面白い表情をカメラに収めながら下る。
11:20 独標
・独標を過ぎると危険な場所もなく、のんびりとテント場へと向かう。
12:00-13:40 西穂山荘前
・テント場に到着。目標を無事達成してほっとした。
少し風があって雪煙が時おり上がるが、日差しがあるのでテントの中は暖かで、テントのなかでのんびりと昼食とした。
・さて、テントを撤収し、重荷を担いで上高地へと下り始める。
樹林帯の中、雪は結構深いが、トレースは割とはっきりしており、ラッセルするようなことはなかった。
しかし気温が上がってきたせいで、雪がべとつきだし、アイゼンがダンゴとなる。
正月を山上で過ごすのだろう、上高地側からも意外なほど多く人が登ってきていた。
その中でも一人、”足がツッテしまった”と行き悩んでいる人がいたが、
他人を助ける余裕はないので、声をかけただけで下る。
・上高地の林道に着く直前、流水があった。冬山で流水は貴重なので、水筒にいっぱいに汲む。
15:30 上高地(田代橋)
・上高地に入ると、人影は少なく、白い雪原に木々の長い影が伸びて、
なかなか美しい午後の風景が広がっていた。
15:50 上高地(バスターミナル)着(気温=プラス3℃)
・このターミナルのコンクリートのバス乗り場の上に、すでに10張りほどテントが張ってある。
自分もここでテントを張ることにする。
・夜まで少し時間があるので、テントを張ってコーヒーで一服した後は、
河童橋まで散歩してみた。
すでに山の向こうに陽は陰り、穂高の上空には早くも悪天の兆候の
灰色の雲が広がってきた。
梓川の流れの正面には白い焼岳がそびえていて、寒々とした冬の夕暮れだ。
・夕食は、カレーうどん+食パン+紅茶など。食糧も少し余裕が残っているので、温かい夕食で満足できた。
・夜はシュラフに潜り込むと、標高が下がったせいもあり、
昨日の稜線のテント泊と比べるとずいぶんと暖かかかく、ぐっすりと眠れた。
12月30日(月)
6:00 起床
・寒くはなくてぐっすり眠れたが、隣のテントから騒々しい声がして目が覚めた。
軽く朝食を取ったのち、テントを撤収する。
7:20上高地発
・出発前、ちょうど日の出のころ、西穂高岳の稜線や岳沢あたりがモルゲンロートに赤く燃えた。
しかし稜線はすっかり雲に覆われており、悪天の傾向のようだ。
・車道をたどって淡々と進む。
大正池付近は、冬枯れたいい風景が広がっていた。
部分的に凍りついた湖面と、灰色の穂高の稜線がモノトーンの風景を作っている。
・釜トンネル付近から、続々と登りの登山者がやってきた。
これから天気は悪くなるだろうに、ご苦労様、と、つい思ってしまう。
・釜トンネルは、暗い洞窟風かと思っていたが、部分的にライトもあり、思いのほかあっけなく通過できた。
出口付近だけ、ナダレ跡のデブリがあって、トレーズ沿いに雪の山を乗越す。
9:10-20 中の湯
・中の湯から先は、車が通るようで、路面も半分凍って、半分が溶けかけという感じで、かえって歩きにくかった。
中の湯から先も、単調な道が思いのほか長く続いていた。少々足も疲れてきた。
11:20 沢渡着
・ドンヨリした空からぽつぽつと雨が降り出したころ、ようやくバス停のある沢渡に到着し、ほっとした。
・あとはバスと電車で松本に出て、JRにてそのまま帰省した。
※ 初めてとも言っていい、本格的な冬山登山を無事達成して、充実感の多きい登山だった。
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