神室連峰 火打岳 厳冬の怪峰から西火打西尾根へ
- GPS
- 09:24
- 距離
- 9.8km
- 登り
- 1,022m
- 下り
- 1,009m
コースタイム
天候 | 23日 曇り後快晴 無風 24日 ガス 強風 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
この日は登山口の吊り橋まで車で入れましたが、降雪直後や除雪の関係でその時によって変わってくると思われます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登りに使った火打新道は夏道がある道だが、もちろんこの時期は夏道は全く判別出来ない。 たまにピンクテープや雪に埋もれたロープなどを見かけたが、基本尾根通しで進む。 吊り橋を渡ってすぐに渡渉があるが、今回は積雪たっぷりであちこちにスノーブリッジがかかっていた。 渡渉を終えるとすぐに急登が始まる。 この最初の標高差200mの急登がとてつもないが、これを乗り切れば幾分穏やかになる。雪が固い時はアイゼンだろう。 西火打岳の稜線に出ると最高の展望が広がる。 西火打岳から火打岳へは気持ちのいい稜線歩きだが、北側に雪庇が発達してる所あり。 火打岳山頂直下は急登だが、この日はクラストも見られなかったのでワカンのまま登る。 下山に使った西火打岳西尾根は夏道のないバリエーションルート。 西火打岳から名前の通り西に続く尾根を辿る。 雪庇に気をつけながらまずはp1110を目指す。ここのピークは視界がないと進むべき尾根を間違える恐れがあるので注意。 次のp927もジャンクションピークになっていて、コンパスやgpsで確実に進むべき尾根を確認しないととんでもない方向に行ってしまう。 この辺りの尾根は細尾根で、両側が崖の場所に雪庇が出来てる箇所もあるので注意して進む。 次のp830からは吊り橋の方角に下りるため北側の尾根に進む。 最後は急坂の杉林を抜けて、吊り橋方面に進み登りの時のトレースと合流。 この西尾根を辿った記録はみつけられなかったが、ここも火打新道と一緒で最初の急登を乗り切れば、積雪期限定のいいルートだと思った。 ルートも尾根通しで分かりやすく、細尾根を通過したり展望も上に行くにつれどんどんよくなると思う。特にp927に乗り上げて西火打に続く稜線の先を見た時は思わず歓声があがるはずである。 もちろん晴れた時と言う条件が必要ではあるが。 この日の下山はガスガスで風も強く、とても気持ちのいい稜線歩きとはいかなかったが、前日に目に焼き付けた快晴の西尾根を頭の中に描いて歩いたので、頭の中では気持ちよかった。 |
写真
装備
個人装備 |
雪山泊まり装備一式。<br />スコップ
ノコギリ
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感想
この週末、太平洋側に南岸低気圧が来ている。
いつもは雪が少ない太平洋側で降雪予報が出ている時は、逆にいつも天気が悪い日本海側が晴れる時がある。
最初、鳥海山が晴れるんじゃないかと天気予報をチェックしていたら、やはり土曜日は好天予報。
厳冬期にはまず晴れない鳥海山の山頂を踏めるんじゃないかと思ったが、実は私が毎週のように狙ってるのは神室連峰なのである。
この神室連峰も厳冬期には滅多に晴れない。3月ころになってようやく人がチラホラ入るような豪雪地帯である。
その神室連峰の予報を見ると、やはり土曜日は晴れ。
1月に神室に入れるとは思ってなかったので、鳥海山も捨てがたいが、ここは毎日地図を眺めてる神室連峰に入る事にした。
目指すは怪峰火打岳。
2月か3月に歩きたいと思ってる尾根の確認もしたかったので、去年登った大尺山方面からではなく西側の火打新道から登る事にした。
そして地図を眺めてると、同じ思いを描いてる人もいるかと思うが、西火打岳から西側に続く尾根に気を惹かれる。
しかも上手いこと吊り橋に戻ってこれるように尾根が続いている。
これは周回しない手はないと思い、ラッセルの時間も十分考慮して1泊装備で入山した。
一日目の土曜日は予報通り快晴。風もまったくない素晴らしい日となった。
しかも予想していなかった先行者のトレースがある。
思ったより時間もかからず西火打岳に到着した。
この西火打岳近辺にテントを張ろうと思ってたが、予想以上に時間に余裕があったのでテント泊はやめて久しぶりに雪洞泊にする事にした。
雪まみれになって雪洞を掘ったら、いよいよ火打岳へ向かう。
この頃には朝に雲がかかってた神室山あたりも全開に晴れている。神室連峰、北から南まで全部晴れである。
全然厳冬期感がない中、平和に火打岳山頂に立つ事が出来た。
風もないのをいい事に、のんびり寝っ転がったりしながら気の済むまで山頂からの絶景を堪能した。
気付いたら山頂に1時間くらいいたらしい。こんな事は厳冬期ではあり得ないのだが、それほど穏やかな日だったと言うことなのだろう。
ようやく重い腰を上げて山頂をあとにし、雪洞でゆっくり過ごす。
おそらく夜から風も強まり気温もそれなりに下がっただろうが、雪洞の中は風の音ひとつ聞こえず、気温も0度以下にはならないので快適に過ごす事が出来た。
翌朝はこれも予報通りなのだが、ガスで真っ白。しかも風も強い。目の前にあるはずの火打岳の欠片も見えない。
これが冬の山の本来の姿。昨日の平和な一日はきっと夢だったのだろうと雪洞から這い出して下山する事にする。
西火打岳から西尾根の取り付きまで来たが、稜線は強風でまっすぐ歩けない程の風が吹いている。
西尾根の方に目をやるが、まったく何も見えない。
おかしいな、ここに綺麗な稜線が続いてるはずなんだが。やっぱり昨日のは夢だったのかなと思いながらボーっと西尾根の方向を見ていたら、一瞬、ガスが少し切れて西尾根が目に入った。
やっぱりある。行ける。昨日目に焼き付けた尾根だ。
それほど長い距離でもなく、上はダメだが、下山なので大丈夫だろうと強風の中突っ込む事にした。
支尾根に入るまでは強風で大変だったが、下に行くにつれ風も収まり視界も十分効くようになった。
途中、細尾根の通過やJPからの尾根の選別などで集中しながら歩き、もうすぐ登山口に着く頃にふと上を見ると、やはり神室の主稜線は真っ白なガスに覆われていた。
神室連峰。
あの晴れは神の悪戯か。
夢でも悪戯でも、私の脳裏にはハッキリとあの絶景が焼き付いている。
コメント
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火打新道、懐かしいなぁ!
何年か前の冬、私も登った事あるけど、最初の急登エグいよね。
トレース無かったのでワカンで登りたかったけど、傾斜がありすぎるのでアイゼン使った記憶が・・・
あのラッセルの記憶は、今でもよ〜く覚えてます。
ですが、それ以上に印象に残っているのが、今回mooreeさん歩いた西尾根です。
火打岳から眺める西尾根は、ホント綺麗で。
いつか、あの尾根を歩いてみたいと、夢見たものです。
あれから年月が過ぎ、いつの間にか忘れてしまっていた夢でしたが、今回、mooreeさんが見せてくれましたね。
ありがとう、良い夢を見させてもらいました!
肝心の西尾根歩きでガスってしまったのが少し残念だけど、それはまた次回、ですね
いつか晴天の空の元、西尾根からの風景を見せてくれることを期待しております!
ちなみに、鳥海山の方は二日間、せいて・・・
おっと、これ以上言うのは止めておこう。
Luskeさんコメントありがとうございます😁
Luskeのアニキのおっしゃる通り、あの西尾根はホントに綺麗ですよね。
本当は天気のいい中をゆっくり歩きたかったんですが、今回は強風とガスで足早に歩く事になってしまいました。
それでも歩けて嬉しかったです。
あの周回コースは、ラッセルの度合いにもよりますが日帰りでも行けるルートですね。
私もいずれまた歩こうと思ってますが、Luskeアニキも、忘れてた夢を数年ぶりに思い出したなら、自分の足で歩いて自分の目でまたあの美しい稜線を堪能してくださいな😁
全然写真じゃ伝わらんです。私の写真が下手なせいもありますが😱
それにしても、私がちょうど山頂でまったりしてる時に、みんなそれぞれ登ってるのを知って、なんだか嬉しくもあり可笑しくもありでした(笑)
しかもめっちゃ綺麗な鳥海山が全開で見えてたので、うわー、あそこ今登ってるのかぁ、とずっと見てましたよ😁
レコ楽しみにしてます👍
1日目の天気は本当に最高でしたねー。風もなく小又から神室山までの縦走路、1月の神室連峰の写真を楽しませて頂きました。
小又山に最短で上がるルートも気になりますねー。どこ登るんだか?
是非、小又から火打岳へ歩いて下さい。楽しいので。
shinonshinonさん、コメントありがとうございます!
土曜日はホントに最高の天気でしたね👍
次の日の日曜日が天気悪かったですが、それはそれで冬山らしくてよかったです。
冬の小又山に登る尾根は色々考えてるんですが、林道歩き等も考えると西側から取り付いた方がいい気がしてます。
来月以降、機会があれば歩いてみたいと思ってます😁
やっぱり小又から火打に向かいたいので、shinonshinonさんが歩いたあの火打北峰の登りを今から楽しみにしてます😆
こまめに天気予報チェックしてるとこんなご褒美の景色に出会えるって事ですね。良い青空ダナァ。
chicken_manさん、コメントありがとうございます。
普段特にいい事はしてませんが(むしろ悪い)、ご褒美だったんですかね😁
吾妻の方は残念ながら見えませんでしたが、天気どうだったのか気にしてましたよ。
1月に火打ちに登れるチャンスが訪れるとはなんとも運が良いですね。
てっきり大尺尾根を登っていると思いましたが、まさか火打新道とは驚きました。
小又に続く縦走路も魅力的ですが、西尾根も何とも素晴らしいですね。
積雪期の神室はまだ訪れたことがないので行って見たいなぁ
冬の神室の眺めはどこを見ても絶景ですな!お疲れ様でした
ホント、運がよかったよー。しかも先行者がいてトレースがあったのもビックリしたけどかなり助かりました😁
冬の神室はもう毎週通いたいくらい魅力的。
笹谷や蔵王みたいに人がいないのも魅力の一つですな👍
今度タイミング合えば一緒に行きましょう!
「雪洞泊でバーボンを 」。素晴らしかった山行の全てが伝わってきて来ました 拓郎の世代にとって嬉しいレコありがとう
ペニーレインでバーボンを
matayannさん、はじめまして、コメントありがとうございます。
吉田拓郎、いいですよね😃
私は拓郎世代ではないのですが、四十路を越えたあたりから吉田拓郎や中島みゆきが心に染みるようになってきました。
特に雪山に入って泊まる時などは、1人で酒を呑みながら聴くと心底染み渡ります😁
「どうしてこんなに悲しいんだろう」なんて涙が出ますね。
同じ日に鳥海山にいらしたんですね。神室から見る真っ白な鳥海山はとても大きくて、今でも目に焼き付いています。
中々晴れない厳冬期ですが、また晴天に恵まれるのを期待したいです。
拓郎の話しでコメント頂けて嬉しかったです。ありがとうございました🙇
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