残雪のパノラマ銀座縦走ー燕・大天井・常念・蝶
- GPS
- 57:04
- 距離
- 36.6km
- 登り
- 3,026m
- 下り
- 2,967m
コースタイム
6:05 中房温泉発→7:05 第2ベンチ→9:00 合戦小屋/9:20発→10:25 燕山荘(テント設営・荷物デポ)/12:00発→12:25燕岳/12:35発→13:00 燕山荘 (テント泊)
5/4
7:03 燕山荘発→7:30 蛙岩→7:50 大下りの頭→8:30 為右衛門吊岩→9:20 切通岩(喜作レリーフ)→10:18 大天井岳山頂/10:26発→10:33 大天荘/10:50発→11:41 東天井岳→13:15 常念小屋でテント泊
5/5
6:05 常念小屋→7:15 常念岳山頂/7:30発→10:00 蝶槍/10:15発→10:50 蝶ヶ岳ヒュッテ/11:10発→11:54 長塀山三角点→12:50 2000mの平→13:30 徳沢園/13:43発→14:20 明神→14:55 小梨平 (hata-kのみ残ってテント泊)→15:05 上高地バスターミナル
天候 | 5/3 早朝少しガスあり。次第に晴れ。風少しあり。 5/4 午前中晴れ、次第に曇り午後には雪がちらつく。風多少あり。 5/5 快晴風なし。ぽかぽか陽気。 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
毎日アルペン号を利用。 http://www.maitabi.jp/parts/detail.php?course_no=102 片道1人7000円。 22:40 竹橋毎日新聞西口玄関前から出発。(秋葉原駅前から竹橋毎日新聞西口玄関まではシャトルバスの運行あり。21:50に秋葉原駅発。) 運行スケジュールでは中房温泉に5:50着。 ・復路 上高地→新島々→松本:アルピコバス http://www.alpico.co.jp/access/kamikochi/shinshimashima/ 上高地から新島々まではバス。新島々から松本までは電車。 バス・電車のセットクーポンなら1人2400円。 上高地からバスに乗る場合は、乗車券の他に乗車整理券(上高地のバスターミナルで発券)があわせて必要なので注意。 バスは大体30〜40分間隔で運行。 所要時間は上高地→新島々駅までで約1時間5分、新島々→松本までで約30分。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・中房温泉〜燕岳 特に危険箇所なし。 ・燕山荘〜大天井岳 ①蛙岩の通過は岩の中をくぐって通過するルートと、岩の右側(西側)を巻くルートがあります。 雪や凍結のコンディションによっては、どちらも通過が大変な場合があります。 今回は雪の量が少なく凍ったりもしていなかったので難なく通過できましたが、岩の中までアイスバーンになったりすることもあるそうです。 難なく通れると、岩をくぐるルートはアスレチックのようで面白いです。ただしザックの引っ掛けに注意。 ②喜作レリーフから大天井までは急勾配の登りです。 ここも積雪が凍っていたりすると滑落する可能性があるので注意。 今回は凍結はなくステップもしっかりついていました。 ・大天井〜常念岳 特に危険箇所はないものの、東天井岳の南斜面は雪崩が起きてもおかしくない地形なので、トラバース時は要注意。 ・常念岳〜蝶ヶ岳 常念だけからの下りは雪がほとんどなく岩の上を歩くため、足首をひねったりアイゼンを引っかけないように注意する必要あり。 滑りやすい雪質だとピークからの下降の時に足を滑らせる可能性あり。 そのまま谷に流されないように。 ・蝶ヶ岳〜徳沢 危険箇所は特になし。 たまに赤テープや木にかかれた赤ペンキが色んな所にあって、逆に少しわかりにくかったです。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
客観的なコース状況はtanoo氏がまとめてくれたとおりですが、それに関するnamemaniaの若干のコメントおよび全体の感想は以下のとおりです。
1 1日目
三大急登wwwとか舐めててすんませんでした。
2 2日目
今回の山行がnamemania初の残雪期の北アルプスです。正直に自白しますが、かなりびびっていました。
というのも、初めてであることから、記録および情報を可能な限りチェックしたところ、蛙岩の冬ルートを通れなかったとか、大天井の登りがクラストしていたとか、稜線上で強風で吹き飛ばされたとか、体が弱くて気も小さいがためにナメを歩くくらいの山行しかやっていないnamemaniaにはどこの平行世界の話だよ、という記載が散見されたためです。
そのあたりのルートを通るのが2日目。そんなわけで、朝起きたころから戦々兢々。覚悟を決めて歩き始めましたが、おなかが痛いことにでもして一人で下山しようかなどと、一瞬思ったことは秘密です。
で、蛙岩。
近づくと西側を通過しようとするパーティーが。
ウボァーっと思いつつも、冬ルートを確認すると全く問題なし。
何で西側にとりついていたんでしょう。かなり難儀していたようなので、あえてとりついたのではないでしょう。
冬ルートがどこか知らなかったとか、きちんと確認せずに通れないと即断してしまったんでしょうか。まさにもって玉を攻くべきところですな。
ともあれ蛙岩をあっさりと通過して大天井の登り。
この日は徐々に風が収まるとの予報でしたが、このときはまだ風があり、何度か煽られて体勢を崩されました。足を踏み外したら滑落は必至ですので、十分に注意が必要です。もっとも、上記のとおりクラストしてはいなかったので、大して苦労せずにクリア。戦々兢々としすぎていたため、大天井の山頂でとんでもない達成感が。まだ先は長いのに。
大天井から常念小屋まではあまり問題ないでしょう。
ただし、東天井のところでルートが大きく向きを変えますが、そのことを明らかにする標識はなく、動もするとそのまま直進してしまう可能性があります。トレースも直進しています。
見ていた限りでは、間違えずに向きを変えられたパーティーはなく、どのパーティーもちょっと行ってから引き返していました。夏道を知っていれば格別、ここは注意が必要でしょう。
また、ここから東天井の南斜面をトラバースしますが、状況によっては雪崩の危険がありそうです。CLが前回来たときは東天井の山頂を経由するルート上に旗が立っていたそうですが、旗がなくともそのルートによるのが相当と思います。なお、そのルートにもトレースがありました。
3 3日目
暑い。何じゃこりゃ。
死ぬかと思いました。
ヤッケの着用は休憩中のみ。
常念からの下りは岩の上を歩きますが、すぐ横に雪の積もった箇所があればそこを歩きたくなるのが人情です。
SLも当然のごとく雪の上に歩を進めましたが、何となく雪庇くさいところにもトレースが。
我がパーティーはSLの瞬時の判断でそれを回避できましたが、漫然と歩いていたらやばかったかも。
そのような危険箇所を避けつつ下りきり蝶槍へ。
標高差はそれほどでもありませんが、直登+猛暑でへろへろに。
ところで、半分くらい登ったところで先ほど降りてきたルートの脇の斜面に滑落していると思しき人がいたことをCLが発見。すぐにルートに復帰していましたが、察するに尻セードで降りようとして明後日の方向に行ってしまったのでしょう。楽してズルしていただきというわけにはなかなかいきません。
そんなこんなで蝶ヶ岳の最高地点を過ぎ、長塀尾根を下降。
すれ違ったパーティーのアドバイスを受けてアイゼンを装着。やっぱりアイゼンを履くと速いですね。
印が四方八方にありましたが、トレースも四方八方にありました。
最低限のルートファインディングができない人は、通行は控えるべきかもしれません。
なお、徳澤園の屋根が見えるあたりまで氷があったりしました。
このところの高温でだいぶ溶けているでしょうが、ある程度下までアイゼンを履くべきかと。
4 全体的に
3月末の黒戸尾根で足を引っ張ったため、冬山に自信を失っていました。
天保山あたりからやり直そうかとかなり真剣に悩んでいたのですが(冗談でなしに)、燕の山頂からの景色でその悩みはどこへやら。山はいいですな。
さはさりながら、自信を持つべくもありません。
今回は足を引っ張らなかったのではないかと勝手に信じていますが、蛙岩のパーティーや雪庇上のトレースを踏まえると十分な事前調査および状況判断が不可欠であるところ、それができたことに加えて天候が良かったがために何とかなったに過ぎないでしょう。これが一つでも欠けていたら、今頃どうなっていたか分かりません。
今回の山行は、冬山の恐ろしさ(いろいろな意味で)を味わった大変有意義な山行にできたと思っています。
問題は後に生かせるかなんですがねぇ。namemaniaではムリな予感が……。
去年のGWに行こうとしていた計画でしたがその時は悪天候のためやむなく断念。
晴れて1年越しの決行となりました。
4年前の同じ時期にこのルートを歩いたCLの話によると、その時は積雪量がとても多く、稜線上ではラッセルが続いたらしく、蛙岩の通り抜け箇所や常念岳直下の急登は凍結していたそうです。
蛙岩の通過は1時間もかかり、常念岳直下の急登はとてもじゃないけど直登できず、延々とジグザグの斜登行を繰り返してやっとの思いで登頂したそうです。近くで直登していた学生パーティーは滑落していたみたいです(無事に止まりました)。
それを踏まえて、今回ももし同じようなコンディションだったらという場合に備えて、ロープを2本、ショベル、ビーコン、プローブも持って行きました。
重いザックを担いで登る合戦小屋だけで初日はへろへろでしたが、幸い雪はそれほどおおくなく、凍結箇所はほとんどありませんでした。先行者も多かったのでトレースもはっきりしていてラッセル要らず。
さほど苦労もなく、夏道のコースタイム程度で歩く事ができました。
年によって同じルートでも全然状況が変わるようです。
初日と3日目は良く晴れて暑いくらいでしたが、2日目は風が吹き午後には雪が舞ってきました。
4日目は天気が下り坂になりそうだったので、もともと3泊4日の行程を縮めて、3日目に上高地まで下ることに。蝶ヶ岳までの登りと長塀尾根の下りで疲れ切った足には、徳沢から上高地までの歩きがキツかったですが、予定通りルートを全て歩き尽くせて満足の山行になりました。
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