早月尾根〜剱岳2999m 初冬の剱岳
- GPS
- 56:00
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 2,297m
- 下り
- 2,297m
コースタイム
【11/21(日)】早月小屋4:15→8:30剱岳→11:40早月小屋→16:30馬場島⇒帰神
天候 | 曇り・晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
【11/20(土)】8:30馬場島に到着。キャンプ場から道路を横切って、「試練と憧れ」の石碑と遭難者慰霊碑を過ぎると、すぐに標高740mからの急登が始まります。日本三大急登といわれる早月尾根を、20kgを軽く超える荷物を背負っての出発です。標高1047mの展望台のベンチからしばらくは平たんな道があるものの、すぐさま急登の再開。時折、杉の巨木に感心しながらも、重い荷物は景色を愛でる余裕など与えてはくれませんでした。
標高1800m辺りからは雪道になり、梯子や鎖も現れてきて、私はチェーンスパイクを装着しました。標高2000mを越えた辺りに池塘がありますが、表面は白く凍っていました。
標高2200mの早月小屋にようやくたどり着いたのは14:40、コースタイムより1時間半のタイムオーバーでした。ここにたどり着くまでに何人か下山する人に出会いましたが、彼らは日帰りで剱岳をピストンした人たちです。荷物の軽重に差があるとはいえ、彼らの体力には驚嘆です。
小屋の前のテント場には、大型のエスパースが6張3パーティー、小型の個人テント2張がありました。到着時は霧で景色が見られませんでしたが、テント設営後には霧が晴れ、東側には北方稜線の荒々しい姿が、西側には一面の雲海とその向こうに浮かぶ奥大日岳の雄大な景色を見ることができました。やがて太陽がオレンジに染まり始め、青空がだんだんと紫に染まっていくのを眺めてティータイムを楽しみました。
【11/21(日)】3:00起床4:15出発。暗闇の中、ヘッドランプを頼りに登りますが、樹林帯では一本道でトレースもしっかりしていて、道に迷うことはありません。急傾斜の雪壁をアイゼンとピッケルで登ります。
標高2614mのピークを過ぎるころには太陽も登り、岩と雪と青空の世界が広がります。要所に鎖やフィックスロープがあるものの、ナイフリッジや危険なルンゼもあり、気の抜けない登行が続きます。僕らは一度岩場でルートを誤りましたが、引き返して事なきを得ました。そして「カニのハサミ」の鎖場を過ぎると、頭上の岩稜に頂上台地が見えてきます。
11:40登頂。頂上は僕ら2人だけです。というのも、テント場は一番先に出発しましたが、後発のパーティーに次から次に抜かれてしまい、僕らの登頂時にはみんな下山を開始してしまったからです。テン泊メンバーでは僕らが最後から2番目になってしまいました。
とはいえ、頂上を独り占めして四方の山々を見下ろす気分は最高でした。しかも、このCLにしてこの晴天です。雪の剱岳で奇跡を体験できました。「運を使い果たしたか?」の不安も少し。
下山を開始してまもなくテン泊の最終パーティーと行き交いました。そして、下山中にこのパーティーにも抜かれてしまい、僕らが早月小屋に帰り着いたときには、他のパーティーはすでに撤収済みで、誰もおりませんでした。彼らの馬力には感心します。あるいは僕らが遅すぎるのか……。シーズン初っ端とはいえ、他の山岳会と実力の差を見せつけられた山行でした。(KED)
<コース状況>早月尾根からの剱岳は一般道ですが、早月小屋から上は、岩と雪のミックスで、かなりレベルの高い雪山登山でした。今回はロープを出しませんでしたが、雪の状況によってはロープが必要となる場所も出てきます。また、岩場でルートを誤れば、すぐに進退極まる事態に陥る危険性があります。
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