禿岳東面 南峰リッジ
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- GPS
- 10:35
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 948m
- 下り
- 931m
コースタイム
- 山行
- 10:15
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 10:34
天候 | 雨 うす曇り 晴れ 強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
取り付きに向かうルートだが、禿高原のソーラーパネル工事の為一部除雪されているが、その先はソーラーパネルの巨大迷路のようになっており中々行きたい方向に行けない。ルートログを見てもらうとわかるが、ヘッデンを頼りにソーラーパネルが途切れる箇所を見つけて右往左往しながらなんとか辿り着いた。 これはダイレクト尾根に向かう場合も同じである。 南峰リッジ 禿岳本峰の南側にあるピークに突きあげる稜。ダイレクト尾根とは不動ノ沢を挟んで南隣。南峰の別名は「不動ノ沢の頭」とも呼ばれている。 取り付きに向かう不動ノ沢の渡渉は豊富な雪で問題なし。 取り付きから急登。この日は夜明け前にもかかわらず腐れ雪。雪が締まってればアイゼンでサクサク登って行けるが、森林限界を超える辺りまでワカンを脱げなかった。 今年の豊富な雪の量がリッジ上にもたっぷり残っていて、崩落間近であり危険。 クラックが進行方向に向かって真横に何本も入っており危険。 今回ザイルは出さなかったが、ザイル登攀具は必要。 南峰直下は無数の巨大クラック地帯。雪崩、落下注意。 禿岳本峰の稜線上は東側全域に巨大な雪庇が出来ている。デカイ所で10mくらい。クラックはまだ見えないが、灌木寄りを歩いた方がいい。視界が悪いと、知らずに雪庇上を歩く恐れがあるので注意。 下山は新中峰。 こちらも北側に巨大雪庇があり注意。上部は急登にシャリシャリのクサレ雪で中々デンジャラス。クライムダウンで降りる場所あり。 一般の雪山登山とは大きくかけ離れているので、ジャンルはアルパインとさせていただきます。 |
写真
感想
去年はダイレクト尾根を2回行ったので、今年は南峰リッジに的を絞った。
ソロだと不安があったが、takashiiiiiさんが行けると言うので同行してもらった。
今年はどこも雪の量が多く、リッジ上の雪の状態が懸念された。
とにかく完登を目指すために去年と同じく3時にヘッデンスタートとしたが、その時間でも気温は高く、おまけに雨まで降っている。
ワカンを履いても沈む腐れ雪とソーラーパネルの迷路で時間を食ってしまい、南峰リッジ取り付きに着いた時間は予定より1時間オーバー。
その後の登りでも、交代でラッセルしながらも中々ペースは上がらなかった。
ヤバい、予報だと今日は快晴の予報。夜明け前でもこの雪質なのに、太陽が登ってきてこれ以上雪が緩んだらお手上げである。
しかし天は味方したか。
太陽は上がったが、薄曇りで直射日光ではない。これはラッキー、行けるぞと登攀を続けた。
それでも去年のダイレクト尾根完登の時とは雲泥の差の条件である。グズグズの雪を固めながらの登攀で中々ペースは上がらなかったが、慎重にルートを見極めてクラックをかわしながら2人で着実に登って行った。
足元でクラックの亀裂が走ったりと冷や汗は何度かかいたが、無事に南峰に登り詰め、今年も無事に冬季禿岳山頂に登頂を果たした。
しかし冬の禿は下山も気が抜けない。
当初は旧中峰から下山するつもりでいたが、上部は懸垂になる事や、巨大な雪庇から旧中峰トップに立つ事すらもかなり危険なので、今年も新中峰からの下山に変えた。
新中峰上部のグズグズな急坂をクライムダウンで降りて麓まで来てようやく安堵。
最後はまたソーラーパネルの迷路を抜けて二人共ヘロヘロで駐車地点まで帰ってきた。
同行頂いたtakashiiiiさんには感謝である。
この禿岳は、冬も夏の沢も毎回登る度に圧倒され魅了される素晴らしい山である。
新中峰の下山時にダイレクト尾根や火の沢、北峰の雪庇などを見上げると、こんな険しくも美しい山稜は東北の山では中々ないんじゃないかと感動すら覚える。
先日登った南雁戸山東稜もそうだが、東北では珍しい急峻な山稜を持った貴重な山を、一本のルートから登って終わりではあまりにも勿体なさすぎる。
これからもどんな新たな顔を見せてくれるのか、楽しみながら向き合って行きたいと思う。
最後に、この禿岳東面南峰リッジだが、以前ユーザーのmommutさんが南稜の名称で記録を残されていた。それ以外はネットでは皆無だった。
貴重な記録、大変参考にさせて頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
コメント
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今年は積雪が多くて急に暖かくなったので、雪面はかなり不安定で危険な状態でしたね、それ故に登頂の充実感は最高ではなかったのではないでしょうか。レコを見てまた登ってみたくなりました。
mommutさんの禿岳の記録、拝見させて頂き参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
禿岳、本当に素晴らしい山ですね。これからも禿岳の沢や雪稜を登りたいと思っています。その時はまたmommutさんの記録を参考にさせて頂きますのでよろしくお願い致します。
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