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Yamareco

記録ID: 4283914
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
東海

富士山 MTB(百名山11)

2008年05月03日(土) ~ 2008年05月05日(月)
 - 拍手
GPS
158:02
距離
43.6km
登り
3,048m
下り
1,619m

コースタイム

GPS受信機導入前のため、山行記録を基にルートを再現。
下りは登りと同じルートを表示しているが、実際はどうだったか曖昧。
途中までは登りとは違うルートだったような気がする。
天候
過去天気図(気象庁) 2008年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自転車
行き
 河口湖駅〜スバルライン五合目 自転車
帰り
 スバルライン五合目〜河口湖駅 乗用車(佐藤小屋の車)
コース状況/
危険箇所等
スバルライン五合目までは除雪
そこから先は全て積雪(アイゼン・ピッケル必要)
その他周辺情報 前日泊 佐藤小屋
当日泊 佐藤小屋
予約できる山小屋
里見平★星観荘
5/3 夕方
スバルライン五合目〜佐藤小屋の間
2008年05月03日 16:42撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
5/3 16:42
5/3 夕方
スバルライン五合目〜佐藤小屋の間
車道がどこか分からないくらい、完全な雪の斜面になっていた。
2008年05月03日 16:50撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/3 16:50
車道がどこか分からないくらい、完全な雪の斜面になっていた。
5/4 早朝5時半
佐藤小屋を出発。
2008年05月04日 05:48撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 5:48
5/4 早朝5時半
佐藤小屋を出発。
小屋の横のほぼ垂直の雪面につけられた足跡。背中にMTBを背負っているので、体力の消耗が半端ではない。
2008年05月04日 06:58撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 6:58
小屋の横のほぼ垂直の雪面につけられた足跡。背中にMTBを背負っているので、体力の消耗が半端ではない。
雲海が見えてきたが、まだ雲の中。
2008年05月04日 07:20撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 7:20
雲海が見えてきたが、まだ雲の中。
一歩一歩が苦しい。
テルモスの湯(800ml)がほとんどなくなった。
2008年05月04日 07:20撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 7:20
一歩一歩が苦しい。
テルモスの湯(800ml)がほとんどなくなった。
結構な勾配だ。
2008年05月04日 07:28撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 7:28
結構な勾配だ。
汗が大量に出るので、ゴーグルを外した。
2008年05月04日 07:36撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 7:36
汗が大量に出るので、ゴーグルを外した。
水が飲みたい。ときどき雪を口に入れるが、焼け石に水状態。
2008年05月04日 08:48撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 8:48
水が飲みたい。ときどき雪を口に入れるが、焼け石に水状態。
雲の上に出てきた。
2008年05月04日 08:49撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 8:49
雲の上に出てきた。
後ろから人がどんどんやってきては抜かされる。
2008年05月04日 09:34撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 9:34
後ろから人がどんどんやってきては抜かされる。
雲海を見ると少し回復した気分になれる。
2008年05月04日 11:17撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 11:17
雲海を見ると少し回復した気分になれる。
頂上が見えてきた。
2008年05月04日 12:03撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 12:03
頂上が見えてきた。
12時半
噴火口のところまで登り切った。ここでMTBを組み立てる。
2008年05月04日 12:44撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 12:44
12時半
噴火口のところまで登り切った。ここでMTBを組み立てる。
剣ヶ峰が遠くに見えているが、そこに行く時間も気力も体力も無し。
2008年05月04日 12:46撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
5/4 12:46
剣ヶ峰が遠くに見えているが、そこに行く時間も気力も体力も無し。
浅間大社。
ここを以て登頂とする。
2008年05月04日 12:50撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
5/4 12:50
浅間大社。
ここを以て登頂とする。
雲の間から下の町が見えている。
2008年05月04日 12:53撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 12:53
雲の間から下の町が見えている。
下りは、背負っているMTBが雪面に擦ってしまうのでまっすぐ歩けない。
2008年05月04日 13:34撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
5/4 13:34
下りは、背負っているMTBが雪面に擦ってしまうのでまっすぐ歩けない。
他の登山客がシリセードで一瞬で滑り降りていくのに対し、カニ歩きで息を切らしながらよろめき歩く。いつしか誰もいなくなった。
2008年05月04日 14:04撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 14:04
他の登山客がシリセードで一瞬で滑り降りていくのに対し、カニ歩きで息を切らしながらよろめき歩く。いつしか誰もいなくなった。
夕方5時半
登り7時間、下り5時間の奮闘の末、佐藤小屋に倒れ込む。体中から異常なくらい蒸気が出ている。しかし本当の地獄はこれからであった。
2008年05月04日 17:32撮影 by  u790SW,S790SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
5/4 17:32
夕方5時半
登り7時間、下り5時間の奮闘の末、佐藤小屋に倒れ込む。体中から異常なくらい蒸気が出ている。しかし本当の地獄はこれからであった。
撮影機器:

装備

備考 反省点
 初めての残雪期登山で装備を間違え、重度の熱中症と雪目になった。
持って行けば良かったもの
 水、サングラス、日除け帽子、日焼け止めクリーム、ちゃんとした食料
持って行ったが役に立たなかったもの
 目出し帽、オーバーグローブ、ゴーグル、その他防寒着、カロリーメイト

感想

今までで一番ハードだった登山であり、色々と失敗をしてしまう。そのため下山後は記録を残す気にもなれなかったが、14年たってようやくここに記す。(これを書いているのは2022年)

初めての残雪期登山(登山歴1年弱)で装備を間違えて冬山と同じ防寒対策をしてしまい、帽子、サングラス、日焼け止めクリームなどの紫外線対策や十分な飲み水などの熱中症対策が全くできていなかった。

MTBを背負って急登の雪斜面を登っているため発汗により激しく喉が渇いたが、テルモスに入れた僅か800mlの熱い湯では全く喉の渇きがいえず、節約して飲んでも登りのまだ半分くらいでなくなってしまった。雪を湯の中に入れて溶かして飲めばマシだったかもしれないが、すでに頭がボーッとしており思いつかなかった。そこから下山までは、汚れた雪を口にほおばりながら水分補給することになった。昼食用にカロリーメイトを大量に持参していたが、食欲も水もないのにパサパサの食べ物が喉を通るわけもなく、昼食抜きのまま12時間行動となる。

周囲の登山者は皆、サングラスをしていたが、自分は帽子もサングラスもなかった。ゴーグルがあればサングラスは不要だと思っていたので、日差しが強くなってからは一度はゴーグルをはめたが、大量の汗ですぐに曇ってしまい、まるで役に立たなかったのですぐに外した。日焼け止めクリームも持参していなかったか、塗っても汗ですぐに流れ落ちてしまうため一度も塗らなかったかのどちらかだ。

全ての行程でMTBを背負ったことも裏目に出たかもしれない。ピッケルを自由に操るためには両手が空いていることが必要と考えたからだと思うが、体力の消耗が半端ではなかった。重心がかなり後ろになるため特に下りではバランスが難しく、しんどさでいえば登りよりもむしろ下りの方が増していた。もし今だったら、背負うのはホイールだけにして、残ったフレームだけを担ぐというように、もっと工夫したであろう。

シリセードで軽快に滑り降りていく登山者が多い中、あっという間に全員に追い越されて誰もいなくなった。自分も真似しようとやってみた。背中に自転車があるので上半身を真横に向けて、伸ばした両足のアイゼンの向きで速度や方向を調整しながら下っていけた。しかし案の定、姿勢に無理があるため背中に大量の雪が入り、すぐに断念した。

後半は水分不足で脱水症状が起きていたが、雪を飲み込むと吐き気がするので口の中を湿らせるだけで、残りは吐き捨てていた。最後はよろめきながら歩き、倒れ込むように佐藤小屋に到着。

ここでようやく大量の水分を補給したが、脱水症状のせいか、呼吸が苦しい。それでも食事は普段通りに済ませ、別の宿泊客から勧められた酒も飲んだ。

午後十時頃、視界がチカチカしはじめ、十二時頃には眼球に激痛が走る。目を開けていても閉じていても黒目のあたりにゴロゴロとした異物感を伴う激痛が襲い、寝ることもできずに目を押さえながら小屋の中をうろうろした。顔の皮膚も火傷のようにただれてきていたので、目を押さえると膿が出てきて、二重の痛みに耐えることとなった。思わず叫んでしまうくらいの痛みだ。この痛みが3日も続くくらいなら死んだ方がましだと思った。それでも睡眠は二時間くらいとっただろうが、寝ている間も激痛は治まらないので地獄だった。

翌朝になっても雪目は治まらず、まぶしくて目も開けられないため、このままでは自力での下山は無理である。たまたま佐藤小屋は、この日は一度小屋を閉めてスタッフが全員下に降りる予定であったため、幸運にも一緒に連れて行ってもらえることになった。

サングラスを借りて、手を引いてもらいながら、スバルライン終点までの雪の水平道を歩く。真っ黒のサングラスをかけていれば、かろうじて細目を開くことができる。自転車は他の人が運んでくれたようだ。そして車で河口湖駅まで送ってもらった。礼を述べ、佐藤小屋のスタッフの方々と別れる。そこから先は自力で輪行して帰ることができた。

翌日には顔が大きく腫れ、1.5倍くらいの大きさになった。皮膚科でもらった薬を毎日塗っていたが、一週間くらいで顔の皮が全部剥けて、元通り以上にきれいになった。


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