富士山 MTB(百名山11)
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- GPS
- 158:02
- 距離
- 43.6km
- 登り
- 3,048m
- 下り
- 1,619m
コースタイム
下りは登りと同じルートを表示しているが、実際はどうだったか曖昧。
途中までは登りとは違うルートだったような気がする。
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自転車
河口湖駅〜スバルライン五合目 自転車 帰り スバルライン五合目〜河口湖駅 乗用車(佐藤小屋の車) |
コース状況/ 危険箇所等 |
スバルライン五合目までは除雪 そこから先は全て積雪(アイゼン・ピッケル必要) |
その他周辺情報 | 前日泊 佐藤小屋 当日泊 佐藤小屋 |
予約できる山小屋 |
里見平★星観荘
|
写真
装備
備考 | 反省点 初めての残雪期登山で装備を間違え、重度の熱中症と雪目になった。 持って行けば良かったもの 水、サングラス、日除け帽子、日焼け止めクリーム、ちゃんとした食料 持って行ったが役に立たなかったもの 目出し帽、オーバーグローブ、ゴーグル、その他防寒着、カロリーメイト |
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感想
今までで一番ハードだった登山であり、色々と失敗をしてしまう。そのため下山後は記録を残す気にもなれなかったが、14年たってようやくここに記す。(これを書いているのは2022年)
初めての残雪期登山(登山歴1年弱)で装備を間違えて冬山と同じ防寒対策をしてしまい、帽子、サングラス、日焼け止めクリームなどの紫外線対策や十分な飲み水などの熱中症対策が全くできていなかった。
MTBを背負って急登の雪斜面を登っているため発汗により激しく喉が渇いたが、テルモスに入れた僅か800mlの熱い湯では全く喉の渇きがいえず、節約して飲んでも登りのまだ半分くらいでなくなってしまった。雪を湯の中に入れて溶かして飲めばマシだったかもしれないが、すでに頭がボーッとしており思いつかなかった。そこから下山までは、汚れた雪を口にほおばりながら水分補給することになった。昼食用にカロリーメイトを大量に持参していたが、食欲も水もないのにパサパサの食べ物が喉を通るわけもなく、昼食抜きのまま12時間行動となる。
周囲の登山者は皆、サングラスをしていたが、自分は帽子もサングラスもなかった。ゴーグルがあればサングラスは不要だと思っていたので、日差しが強くなってからは一度はゴーグルをはめたが、大量の汗ですぐに曇ってしまい、まるで役に立たなかったのですぐに外した。日焼け止めクリームも持参していなかったか、塗っても汗ですぐに流れ落ちてしまうため一度も塗らなかったかのどちらかだ。
全ての行程でMTBを背負ったことも裏目に出たかもしれない。ピッケルを自由に操るためには両手が空いていることが必要と考えたからだと思うが、体力の消耗が半端ではなかった。重心がかなり後ろになるため特に下りではバランスが難しく、しんどさでいえば登りよりもむしろ下りの方が増していた。もし今だったら、背負うのはホイールだけにして、残ったフレームだけを担ぐというように、もっと工夫したであろう。
シリセードで軽快に滑り降りていく登山者が多い中、あっという間に全員に追い越されて誰もいなくなった。自分も真似しようとやってみた。背中に自転車があるので上半身を真横に向けて、伸ばした両足のアイゼンの向きで速度や方向を調整しながら下っていけた。しかし案の定、姿勢に無理があるため背中に大量の雪が入り、すぐに断念した。
後半は水分不足で脱水症状が起きていたが、雪を飲み込むと吐き気がするので口の中を湿らせるだけで、残りは吐き捨てていた。最後はよろめきながら歩き、倒れ込むように佐藤小屋に到着。
ここでようやく大量の水分を補給したが、脱水症状のせいか、呼吸が苦しい。それでも食事は普段通りに済ませ、別の宿泊客から勧められた酒も飲んだ。
午後十時頃、視界がチカチカしはじめ、十二時頃には眼球に激痛が走る。目を開けていても閉じていても黒目のあたりにゴロゴロとした異物感を伴う激痛が襲い、寝ることもできずに目を押さえながら小屋の中をうろうろした。顔の皮膚も火傷のようにただれてきていたので、目を押さえると膿が出てきて、二重の痛みに耐えることとなった。思わず叫んでしまうくらいの痛みだ。この痛みが3日も続くくらいなら死んだ方がましだと思った。それでも睡眠は二時間くらいとっただろうが、寝ている間も激痛は治まらないので地獄だった。
翌朝になっても雪目は治まらず、まぶしくて目も開けられないため、このままでは自力での下山は無理である。たまたま佐藤小屋は、この日は一度小屋を閉めてスタッフが全員下に降りる予定であったため、幸運にも一緒に連れて行ってもらえることになった。
サングラスを借りて、手を引いてもらいながら、スバルライン終点までの雪の水平道を歩く。真っ黒のサングラスをかけていれば、かろうじて細目を開くことができる。自転車は他の人が運んでくれたようだ。そして車で河口湖駅まで送ってもらった。礼を述べ、佐藤小屋のスタッフの方々と別れる。そこから先は自力で輪行して帰ることができた。
翌日には顔が大きく腫れ、1.5倍くらいの大きさになった。皮膚科でもらった薬を毎日塗っていたが、一週間くらいで顔の皮が全部剥けて、元通り以上にきれいになった。
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