禿岳 不動ノ沢
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- GPS
- 09:33
- 距離
- 9.2km
- 登り
- 1,131m
- 下り
- 1,071m
コースタイム
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 9:33
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
もう1台は入渓地点の火ノ沢橋の脇に軽自動車1台分のスペースがあり、そこに駐車。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
旧北上川水系 江合川支流大沢川 不動ノ沢 体感3級 水量かなり少ない SBなし ラバー○ ■アプローチ 不動ノ沢の記録はかなり少なく、最近の記録は皆無に近い。 アプローチだが、現在工事中のソーラーパネルのせいで以前の不動ノ沢入渓までのルートは使えないんじゃないかと予想し、牧場の脇を通る道路沿いにある火ノ沢橋から直に入渓。橋の脇に車1台分のスペースはあるので、アプローチはゼロである。 ■不動ノ沢遡行 火ノ沢橋から入渓すると沢は枯れ沢となっている。 430m付近の堰堤を越えると二俣となり左の不動ノ沢へ進む。右は火ノ沢である。 ゴーロをしばらく行くとデカイ雪崩れ止め防護柵のような物が現れるが、片方が豪快に倒壊していた。 これを越えるといよいよ本格的な遡行の開始である。 最初の難関はすぐにやってくる。2段25m。 上段の滝が中々渋い。残置が見えるが足場が悪くショルダーでも厳しい。ここは右岸の泥壁をニラ頼りに小さく巻いて落ち口へ。最初から苦戦してしまい本気モードになる。 すぐ上は690m二俣の滝。進む右には登れないハング滝が架かっているので、左俣の滝を2個程直登して小尾根を乗っ越して右俣へ移る。 60m不動大滝 登攀グレード + 今回はほとんど水が流れていなかったので登攀ラインは選び放題。我々は右のラインを選択。 1ピッチ目ヒロシーリード。岩と草付きのラインを40m程登りピッチを切る。フォローのmooreeは途中で滝中央のラインを攻めたが、水流がないので快適であった。 2ピッチ目mooreeリード そのまま水線右のラインを直上。ホールドはガバがほとんどなく細かったり遠かったりするので、バランスとムーブ、そして気持ちが必要。さらに高度感が凄いので萎縮してしまうと危険。 ヌメリはなくラバーで問題ない。今回のように水流がない場合は、クライミングシューズの方が快適に登れるだろう。 残置は錆びたハーケンが何個かあるがあまり信用出来ない。小さめのカムがあると有効。 最後の難関は8mチムニー滝。 脆い、滑る、垂直で上部はハング気味。下部はショルダーで上がり、最上部はアブミ、カムにハーケンと使える物はフル活用し、残置のリングピンに祈りを込めて全身を使ってまさに攀じりまくった。 最後まで気が抜けない不動ノ沢であったが、詰めの藪漕ぎは5分弱であっさり登山道へ抜けた。 抜けた場所は不動ノ沢の頭のすぐ北側。禿岳山頂までは10分程であった。 禿岳の沢は、一筋縄じゃいかない滝が多い。そしてどこも基本巻きが悪い。水線で突破出来なければさらに悪い巻きになると考えた方がいいので、登攀力や突破力は不可欠である。そして何よりチームワークが試されるだろう。 |
写真
装備
個人装備 |
30mザイル ガチャ類 ビバーク装備
|
---|---|
共同装備 |
50mザイル
|
感想
「えー!?、み、み、水がない〜!!」
不動大滝60mを前にして思わず大声で叫んでしまった。
入渓地点から遠くに見える不動大滝を眺めた時に、なんだかやけに黒いなぁと思った違和感の正体はこれであった。
禿岳自体、短い距離で麓から山頂まで一気に標高が上がる急峻な山なので、元々水は少なく増水しても水が引くのは早い山ではあるが、まさか大滝が枯滝になってるとは予想もしてなかった。
正直ガッカリしたのが本音である。
出来る事なら水流がある迫力ある不動大滝を登攀してみたかった。
そんな感情の中大滝登攀に取り付いた訳だが、2ピッチで滝の落ち口に到達した時には、水あったらヤバかったんじゃないかと思わせる程痺れる登攀内容であった。
とにかく高度感が半端ない。栗駒の大地滝登攀の時と同じような恐怖感があり、細かいホールドを繋いでムーブを駆使しながら、余裕など全く無いギリギリの登攀であった。
無事に大滝登攀をクリアしたが、禿の沢は最後まで油断出来ないのは火ノ沢遡行の時に経験済みである。
最後に出てきた8mチムニー滝。
これも禿らしい嫌らしく悪い曲者の滝であった。
最上部のチムニーをアブミを使って全身で攀じり上がりなんとか最後の難関を突破したが、今これを書いてる翌日は全身青タンに擦り傷だらけ、何故か手の爪も剥がれたり黒血が出来てたりとボロボロの状態になってしまった。
そんな禿の沢と闘った1日だったが、メンバーのチームワークが素晴らしく、彼らがいる事により恐怖を感じたり厳しい場面でも終始心に余裕があったように思う。
ハードな沢であったが、彼等のおかげで目一杯楽しむ事が出来たのは本当に感謝したい。
沢登りはチームワーク、まさにこの言葉を身を以って体感した素晴らしい1日であった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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近い将来、そこには一の倉沢を登るmooreeさんの姿があった――――――
なんてね!
大滝は水量が少なくて残念でしたね、この時期は涸れることがあるんですねぇ。
いや〜、まさか枯滝になってるとはね笑。
それでも、景観や難易度は文句なしだったので、さすが禿の沢って感じで満足しました😊
クライミングはやらないけど、谷川の沢にますます行きたくなっちゃったよ💨
水が少なく、東面なので、暑い時期はちょっとつらいのでは?(;・∀・)
稜線歩きも楽しかったので、良さげです。
コメントありがとうございます!
こんなに水が少ないとは予想外でした。禿の沢は同じ時期に東面の沢に2本入ってますが、この不動ノ沢はその中でも一層水が少ない沢かもしれません。
雨の後がちょうどいいかもです。
ただ景観と難易度は素晴らしく、おすすめの沢なので、是非こちらに来られた際は立ち寄って見てください😊
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