古道を登れ 石鎚山 (今宮道→西之川道)

2022年10月29日(土) ~ 2022年10月30日(日)

• GPS: 10:07
• 距離: 18.3km
• 登り: 2,151m
• 下り: 1,925m

コースタイム

1日目

• 山行: 5:06
• 休憩: 0:57
• 合計: 6:03

8:44 河口登山口
11:36 11:53 成就社
12:00 12:01 八丁坂
12:09 12:09 八丁のコル
12:49 12:57 前社が森
13:16 13:17 夜明峠
13:33 13:34 一ノ鎖（下）
13:42 13:43 二の鎖下
13:46 13:52 二ノ森・面河渓方面分岐
13:57 13:58 三ノ鎖（下）
14:05 14:15 石鎚山・弥山
14:24 14:35 石鎚山
14:47 石鎚山・弥山

2日目

• 山行: 3:41
• 休憩: 0:14
• 合計: 3:55

7:13 石鎚山・弥山
7:15 7:17 三ノ鎖（下）
7:20 7:21 二ノ森・面河渓方面分岐
7:29 7:29 二の鎖下
7:36 7:36 一ノ鎖（下）
7:47 7:53 夜明峠
8:44 8:48 天柱石
9:48 9:49 刀掛
10:16 10:16 岩原
11:08 西之川

天候

大陸から朝鮮半島をゆっくり東進する高気圧が日本付近に勢力を延ばしていました。29日早朝は曇でしたが、あとは快晴。稜線は北の風5m/s程度。山頂部では早朝、路面の水が凍結していました。

アクセス

利用交通機関：

電車 バス

●往路　東京渋谷から夜行高速バス「パイレーツ号」で西条登道下車。ここでせとうちバス線西之川行きに乗換え、河口(こうぐち)下車。首都圏からバス乗換えわずか1回で行ける、意外に交通至便な山です。
●復路　せとうちバス線西之川乗車、JR伊予西条駅前で下車。
●注意点
・渋谷のバスターミナルは小さくしかも奥まった場所にあります。
・西条登道の降車バス停と乗車バス停はそれぞれ異なる道に面しており、乗換えが非常に分かりにくいです。お声がけを頂いて助かりました。案内板でもあるといいと思うのですが。
・西之川行き路線バスは伊予西条駅前で立席満員となりました。西条登道はその1つ前のバス停ですから、座れる確率が高いと思います。

コース状況／危険箇所等

ここにいう古道とは石鎚山三十六王子社巡拝路ではなく(一部重なってはいますが)、昭和43年のロープウェイ開通までよく使われた旧参道でかつ現在も登山道として生きているものを選び、登ってみようという趣旨です。

●今宮道　馬でも歩けるような緩勾配で、路面も総じてしっかりしており、危険箇所なしです。ただし山頂までの累積標高差が2,000mを超えるので多少の体力は必要かと。人はとても少ないです。
●成就→弥山　鎖場を除けば一般登山道です。木製階段が多く、濡れや降霜によるスリップに注意。また早朝の頂上付近には凍結箇所がありました。
●鎖場　足掛かりが乏しくしかもツルツル滑り、そこを腕力と気合で何とか乗り越える的な道でした。槍穂や剱岳並みに緊張するかも。
●弥山→天狗岳　個人的感想ですが、涸沢→奥穂と同程度の難易度かな？
●西之川道　夜明峠から天柱石付近まで(破線ルート)は路面不整で狭い急斜面トラバースが多く、足を置く場所を選びながら歩く感じです。一方、踏み跡は明瞭でテープも多く、ルート取りは容易でした。想像ですがこの点は石鎚神社の三十六王子社巡拝行事(毎年10月下旬)のおかげかもしれません。天柱石より下の西之川道は一般道扱いですが、全体に今宮道よりも険しく、修験の雰囲気を感じます。こちらも人はとても少ないです。

その他周辺情報

●石鎚神社頂上山荘。暖房が入っていてシュラフ(要持参)は3シーズン用で大丈夫でした。また夕食のカレーはスパイスがピリッと効いてとても美味でした。
●伊予西条駅のすぐ横に、四国鉄道文化館と十河信二記念館があります。数少ないディーゼル機関車DF50の静態保存を見られます。

写真

10/29 8:41

河口。旅館の看板がかつての賑わいを物語っているようです。ここでバスを降りた好き者は自分一人でした。

10/29 8:41

登山口です。門柱に刻まれた敬神、愛國の言葉から、この登山口が栄えた時代が察せられます。

10/29 9:00

15分ほどで祠に行き当たりました。石鎚三十六王子社の7番今宮王子社と8番黒川王子社。毎年10月下旬に巡拝行事があるとの由。そのせいか、どのお社にも真新しい白幟が立っていました。

10/29 9:16

さすがは旧表参道。しっかりした道の作りです。

10/29 9:35

今宮の集落跡。山開き期間中に徒歩参詣者を泊める季節宿が何軒もあったのだとか。

10/29 9:37

一段と大きな石垣が現れました。何だろう？

10/29 9:39

立派な作りの旅館らしき建物の跡でした。

10/29 9:54

今宮の大杉。

10/29 9:56

説明板です。

10/29 10:27

14番花取場王子社。9〜13番は本道を外れた山中にあるらしいです。

10/29 10:38

午前10時半、標高1,050m。青空が出てきました。落葉樹の黄葉が映えます。

10/29 10:42

15番矢倉王子社。傍には小屋の跡が。

10/29 11:03

17番女人返王子社。

10/29 11:17

奥前禅寺。ここでロープウェイ成就駅からの道と合流し、人が一気に増えました。

10/29 11:27

18番杖立王子社。

10/29 11:36

石鎚神社成就社に参拝。夜行バスが30分も遅れ西条で食料を調達できなかったため、旅館の食堂でうどんを頂きました。ありがたや。

10/29 11:54

神門。ご神域の中心部にいよいよ入っていく感があります。

10/29 12:07

色づく登山道。

10/29 12:09

28番八丁坂王子社。

10/29 12:40

試しの鎖です。足元ツルツル、気分はヒヤヒヤ。腕力と気合を足して上がりました。

10/29 12:53

長く高度感のある鎖を登り切るとそこは前社ヶ森の頂上。29番前社森王子社の祠と役行者像がありました。

10/29 12:55

試しの鎖には下りもあります。南面の岩は乾いていて滑らず一安心。

10/29 12:58

下りてきました。

10/29 12:59

前社ヶ森を越えた鞍部で茶屋が営業中でした。名物あめ湯です。

10/29 13:07

30番大剣王子社と31番小剣王子社。登山道から数m外れたところにありました。

10/29 13:09

32番小森王子社。

10/29 13:15

夜明峠にて。石鎚山北壁が眼前にどーんと広がります。

10/29 13:12

33番早鷹王子社。

10/29 13:16

34番夜明峠王子社。うーん何だか王子社巡りをしたくなってきたw

10/29 13:28

一の鎖です。

10/29 13:40

二の鎖の下、石鳥居です。あと少し。

10/29 13:55

見えづらいですが画面中央下、天狗岳の岩壁にクライマーがいます。

10/29 14:03

弥山頂上から見た二ノ森・堂ヶ森方面の山々。なかなか美しい稜線です。

10/29 14:21

そして最終目的地、天狗岳へ。岩は乾いていました。

10/29 14:25

天狗岳頂上と36番天狗岳王子社。深田百名山、完登しました。

10/29 14:32

天狗岳から見た南尖峰。こちらへは行かず、

10/29 14:34

一休みしたら弥山へ戻ります。

10/29 15:58

下界その1。新居浜方面。

10/29 15:58

下界その2。今治・しまなみ海道方面です。

10/29 16:01

午後4時。日帰りの人たちがいなくなり、神社も静かになりました。

10/29 17:18

夕暮れ時、赤く染まる天狗岳。

10/29 17:20

九州の山の端に日が沈んでいきます。

10/29 17:48

松山の町に明かりが灯りました。

10/30 6:18

一夜開けて白々となってきた東の空。画面右に土佐湾と室戸岬に続く長い海岸が見えます。

10/30 6:28

午前6時半前、ご来光です。

10/30 6:32

これほど壮大なご来光は久しぶりに見ました。

10/30 6:50

すっかり光が白くなりました。名残惜しいですが、支度して下山にかかりましょう。

10/30 7:12

三の鎖の迂回路はところどころ雪が残ったり凍結したりしていました。

10/30 7:14

三の鎖です。

10/30 7:32

お山を振り返ったところ。朝の光を浴びる石鎚山北壁。

10/30 7:41

東方に遠く紀伊水道が光って見えます。石鎚山は四方の海を見渡せるのですね。

10/30 7:51

夜明峠から天柱石方面への下り口。道標に難路と書いてあります。まあその通りでしたが、笹を刈ってあるのは助かりました。前述した巡拝行事のおかげでしょうか。

10/30 8:01

手掛かりの乏しそうな急斜面に階段(傾いています)とロープ。これがなかったら通過に難儀しそうな場所です。

10/30 8:13

急斜面の狭いトラバース路が続き、気を抜けません。

10/30 8:34

古い石段と石垣の痕跡。

10/30 8:43

夜明峠から約50分、樹林の向こうに天柱石が現れました。

10/30 8:45

天柱石の根元には25番御塔石王子社。すぐ横に27番祈滝王子社もありました。

10/30 8:45

昔は修験者の溜まり場だったとか。天柱石、一見の価値あり。

10/30 9:24

やがて道は水の流れに近づいたり遠ざかったりを繰り返すようになりました。踏面を大きく作られた木橋が多く、通過が楽です。

10/30 9:49

23番刀立王子社。刀掛にて。

10/30 10:03

刀掛まで下りても標高はなお1,020m。まだまだ高度を下げます。

10/30 10:09

美しい谷。鉄橋の上から撮りました。

10/30 10:54

西之川に近づくと、生活の跡を感じられるようになります。

10/30 11:06

文化財の案内板。あたりの家々に人が住んでいる気配はもうありませんでした。

10/30 11:09

画面右の階段をつたって、西之川登山口に下りてきました。画面奥の商店は扉を閉ざしています。

10/30 11:13

西之川から仰ぎ見る稜線。巨大なお山でした。

10/29 8:40

番外その1。河口にある旧隧道。大正末頃、河口まで車道が開通した際に手掘りされたもので、大型車を通すゆったりとした断面です。

10/30 11:10

番外その2。西之川登山口そばにある大宮橋。昭和2年架設の鉄筋コンクリート橋。土木遺産。

10/30 12:59

番外その3。四国鉄道文化館のディーゼル機関車DF50。鉄分系の方はこちらもどうぞ。

撮影機器：

PowerShot G9 X Mark II CANON

感想

江波山のたぬき

深田百名山結願の山となりました。秋らしくカラリと晴れ上がり、瀬戸内海はおろか豊後水道、紀伊水道、土佐湾まで見渡せる絶景ぶり。10年ぶりくらいのすごい日の入日の出を目のあたりにし、日の出の際には彩雲まで現れて、思い出に刻まれる山行でした。

コメント

ミキ

百名山達成おめでとうございます！
行きのバスで一緒だった2人組です。たった1人途中下車されたので「おや？」と思っていましたが古道があるのですね。勉強になりました、ありがとうございました<(_ _*)>

江波山のたぬき

miki-taniさん
覚えてます！登道のバス停で声をかけていただいて、迷わず路線バスに乗れました。miki-taniさんのおかげです。御礼申し上げます😊
テントかな？と思っておりましたが、瓶ヶ森を回られたのですね。三日間好天が続いて、きっと充実した山行でおられたと思います。あらためて、ありがとうございました😊