鳳凰山(薬師ヶ岳、観音ヶ岳、地蔵ヶ岳)【南アルプス、山梨県】
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- GPS
- 16:08
- 距離
- 20.5km
- 登り
- 2,305m
- 下り
- 2,177m
コースタイム
9/13(土)
夜叉神峠登山口 0557/0623 − 五本松 0645 − ベンチ 0653 − 夜叉神峠小屋 0704/0710 − 杖立峠 0813 − 小休止 0857/0911 − 苺平 0942/0950 − 南御室小屋 1025/1046 − ガマ岩の下 1115/1130 − 薬師岳小屋 1156/昼/1239 − 薬師ヶ岳 1248/1303 − 観音ヶ岳 1336/1404 − 鳳凰小屋分岐 1418 − 鳳凰小屋 1501(泊)
9/14(日)
鳳凰小屋 0513 − 砂地の登り 0536 − 地蔵ヶ岳の基部 0555 − 地蔵ヶ岳山頂下 0610 − 地蔵ヶ岳の基部 0619/0626 − 赤抜沢ノ頭 0634/朝/0654 − 高嶺 0727/0748 − 白鳳峠 0824/0831 − 南アルプス林道登山口 1014/1015 − 吊り橋 1024 − 広河原山荘 1027 − 広河原バス乗り場 1036
○行動時間
第一日(9/13):08:38
第二日(9/14):05:23
天候 | 9/13(土):晴れ、ガスあり 9/14(日):快晴〜晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
9/12:家=長岡京=<バス>= 9/13:甲府=<バス>=夜叉神登山口―鳳凰山(薬師ヶ岳、観音ヶ岳)―鳳凰小屋(泊) 9/14:鳳凰小屋―地蔵ヶ岳―赤抜沢ノ頭―白鳳峠―広河原=<バス>=龍王(温泉)=<電車>=甲府 =<電車>= 新神戸=家 ●登山口へのアクセス ○夜叉神峠登山口 ・南アルプス林道が夜叉神トンネルに入る手前、芦安からつづら折りを上ったところにある ・甲府駅からのバスで約1時間15分、1,420円。始発4:35のバスは6台連ねての運行だったが、それでも立ち席であった ・登山口手前には、見た目約100台駐車可能なスペースがあるが、今回のような集中日だと、到着時点で満車であった ○広河原、白鳳峠への登り口 ・ 広河原へは、甲府・芦安、奈良田、北沢峠からのバスで行くことができる ・甲府駅からのバスで2時間弱(利用者が多い場合には遅延しやすいようだ。帰りの実績で18分遅延)。2,050円。とても混んでいた |
コース状況/ 危険箇所等 |
○コース状況 (1)夜叉神峠〜観音ヶ岳(〜鳳凰小屋分岐) ・全般に整備されている。迷うことはなさそう ・途中、苺平から辻山へと道があるはずだが、確認できなかった ・薬師ヶ岳の山頂はコースから少々外れているが、顕著な岩峰であり間違いはしないであろう。山名標のある位置が最高点ではない ・観音ヶ岳の山頂はコース脇にある ・「鳳凰小屋への分岐」付近は砂地で踏み跡が多い。鳳凰小屋方面を示す標示に従い進めばよいが、誤って沢筋へと入らないように (2)鳳凰小屋分岐〜鳳凰小屋〜赤抜沢ノ頭 ・整備されている。いずれのコースも急坂。小屋分岐からの道は樹間の急登。赤抜沢ノ頭(地蔵ヶ岳)への道は樹間の急登を過ぎると、砂地の歩きにくい急登が続く ・オベリスクの上に登っている人も居たが、ロープなしでは難しいと見て諦めた (3)赤抜沢ノ頭〜白鳳峠 ・比較的人の少ない区間。高嶺から白鳳峠への下降は岩くずの急下降もある (4)白鳳峠〜広河原 ・樹間の白鳳峠を出るとすぐに岩くずゴロゴロの沢下り。それが終わると樹間の急下降。途中には鉄梯子や鎖による岩巻きなどもある。途中二度ほどトラバースもあるが、殆ど急坂ばかり |
その他周辺情報 | ○買う、食べる ・買い物は夜叉神峠に行く前に。ここまで来ると、水や補給食の買い物はできない ・当然ながら、甲府駅近辺にはコンビニも飲食店も多数ある ・コース中に山小屋が多数あるが、昼の供食のある小屋は、最後の広河原山荘だけであった ○日帰り温泉 ・帰途、芦安には温泉があり、市営駐車場の脇にある会館以外にも日帰り入浴のできる所は多いよう だ ・今回は、芦安で再度乗る場合の混雑を考えて竜王まで戻り、近所の「名取温泉」に行った。天然温泉ではあるが、ふつうの街の銭湯のようなところだった |
写真
感想
南アルプス北部の関門のような山塊鳳凰山に行くならば、あの長大な峰を縦走するのがいいと思っていた。ついでに早川尾根も越えて北沢峠まで行けたらおもしろいだろうと、今年の行き先に選定。
しかし不都合は生じるもので、早川尾根が不通とのこと。出掛けに知って、縦走途中からの行き先は広河原に変更。
加えて今夏の南アルプス林道通行止めが祟り、いつにも増して人出が集中するとの予想。
なんとなく、不安な出発となった。
○夜叉神峠〜鳳凰小屋
朝のただならぬ混雑の中、少し遅れて出発。じっと樹間を登り続け、斜面が切れて空が見え始めたら夜叉神峠小屋。
白根三山が目の前に現れる。あいにく農鳥岳は雲の中。
やや下降してから、杖立峠までの休みない登り。しかし思いの外あっさりと到着。同様のペースで進む若者と会話。今日は南御室でテント泊だそうだ。今からでは鳳凰小屋でのテント泊は難しそうなので、とのこと。そんなに混んでは困るがなぁ、と思う。
途中で、物凄い睡魔に襲われ、やむなく小休止して一眠り。昨晩の夜行バスはあまり寝られなかったので、そのせいだろうと独り思う。
苺平では辻山への道を発見できなかった。しかし、期待の白根三山はおそらく今頃はガスの中なので、諦めもつく。
南御室小屋に到着し、同道の若者とはここでお別れ。彼は、早過ぎる到着に、過ごすすべもなく困っていた。当方は、小屋のホットレモネードをいただく。今日はとても寒い。
ここからは更に加速的に登りが厳しくなる。ガスも相俟って、見通しの利かない登りが続く。
またもやの眠気に負けて一眠りして出発すると、ほんの一登り先にガマ岩なる展望点があった。もちろん視界は真っ白だが。
ややあって砂払山を思わせる岩場となる。見るとわずか先には薬師ヶ岳と覚しき岩峰。元気を取り戻して進み、薬師岳小屋へ到着。途中は絶壁であったはずだが、見えないのだから怖くも何ともない。
小屋前で昼食。量が少なすぎたが、小屋にも食事はカップ麺しかない。
またまた一眠りして、母屋よりも立派なトイレを持つこの小屋を後にした。
小屋からは一登りで薬師ヶ岳。頂上岩峰はコースからやや外れている。登ってみたが、最後の岩に自信が持てず、その手前で諦めた。
薬師ヶ岳から観音ヶ岳へは単調な尾根。ガスさえなければ、白根三山なんかを楽しめる素晴らしいパノラマなんだろうが。
やがて、緩く登り詰めて観音ヶ岳。鳳凰三山の最高峰。ここは容易に最高所に立つことができる。しかし残念ながら視界が利かない。
今日のうちの三山縦走も考えていたが、眺望のない中ではつまらないし、何よりも疲労というか眠気が絶えない。まっすぐ鳳凰小屋へと向かった。
小屋は古めかしく、そんなに大きなものでもない。今日はかなりの混雑とのこと、1つの布団に2人という状態だったが、ここまでの寝不足のためかよく寝られた。
○鳳凰小屋〜広河原
二度寝してしまい、出発遅延。これでは地蔵ヶ岳での日の出には間に合わなさそう。せっせと進んでみるが、あいにく樹間のうちに日の出を迎えたようだ。
砂地が現れ、視界が開けたところで振り返ると、昇ったばかりの朝日が美しい。やや進むと富士山も見える。見上げると地蔵ヶ岳のオベリスクも聳えている。
足にくる砂地を踏みしめ、じっくり登り、地蔵ヶ岳の基部に到着。オベリスクに取り付いてみるが、最終盤の巨岩には登れそうもない。見ると、オバサマが仲間にロープも使いつつ引き揚げられている。そうでもしなければ登れないような所へは行けない。残念だが、引き返す。
しかし、昨日とはうって変わり360度の絶景である。近くの甲斐駒仙丈、北岳間ノ岳農鳥岳は言うまでもなく、八ヶ岳や奥秩父、さらには槍穂高までも見通せる。もちろん目の前のオベリスクも立派で見応えがある。
赤抜沢ノ頭に移り、朝食。展望を楽しみつつ高嶺を目指す。すると、周囲の山々は次第に頂上部が雲に包まれていく。
激しい昇降はなく、高嶺に到着。かろうじて北岳だけが頂上に雲を抱かず残っている。それをバックに本日最後の記念撮影。
すると前方から二人連れのオジサン。早川尾根を越えてきたらしい。勝手巻き道があって、どうにかいけるそうだが、早川小屋の親父さんはお勧めではないらしい。
そんな話を聞いて結構逡巡したが、万一であってもリスクは採りたくないので、予定通りに広河原に下ることにする。
高嶺からの北西斜面は意外にも急峻で、途中には岩くず素地もある。樹林に飲み込まれたところが白鳳峠。
確かに、早川尾根方面は通行止めとなっている。ここで左へと向きを変え、広河原へと下降。いきなり岩くずの斜面、日差しも強い。コースの3分の1を占める岩くずを越えると、樹林に吸い込まれた。
白鳳峠のシラビソは、山梨県の森林百選にもなっているそうだ。一面のシラビソの中を急勾配で下っていく。途中には鉄梯子や岩伝いの鎖もある。
やがて、まだ登山口からは標高差300mはあろうかという頃から野呂川の流れる音に導かれ、さらに急斜面を下り続けると、南アルプス林道へと顔を出した。
林道をしばらく歩くと対岸のテントや吊り橋が見え始め、ついに広河原に到着。
あいにくにも、5分前に甲府行きのバスは出ており、次までは2時間以上も空いている。広河原山荘に引き返して昼を摂り、南アルプスの長い歩行は終わった。
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