二口 大東岳東壁 中央稜〜ダイレクトルンゼ
- GPS
- 08:02
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 1,089m
- 下り
- 1,080m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■アプローチ 穴戸沢林道は現段階で8割程雪で覆われている。気温の低い朝はツボでも沈まず快適だが、気温が上がった午後は腐って歩きづらくなる。 雪崩の危険性は低い。数カ所落石注意の場所あり。 鹿打沢を越えたら適当に鹿打沢左岸の尾根に取り付く。 ■中央稜 取り付きは急登だが、少し登ると緩やかになり雪も締まって登りやすい。 次第に尾根から稜に変わり、岩壁が現れる。岩壁は全部で3つあり、どれも左から巻いたり左の雪壁を登って通過出来るが、かなりの急登で雪の状態によっては難所になる。 3つの岩峰を越えると、目の前に大迫力の東壁が登場。 離れた位置から見てると、とても登れなさそうな斜度に見えるが、直下まで行くと自然にラインが見えてくる。 今回は中央稜の左ルンゼを選択。このルンゼがダイレクトに大東岳山頂まで続いてる。 ■ダイレクトルンゼ 今回のルートでは間違いなくここが核心だろう。 ルンゼ直下から見上げると絶望的な傾斜には見えないが、とにかく長い。標高差で100m程の壁を一気に登らなくてはならない。 ここは雪質によってはザイル要であり、手もともダブルアックスが必要である。 支点に出来るのは所々にある灌木になると思うが、あまり太い灌木はない。 途中で休憩するのも灌木にセルフを取らないと危険な斜度であり、足2本だけで立つ事は出来ない程だ。 今回の雪質は表面に10センチの腐れ雪。その下にガッチリ固い雪が隠れており、かなりの強さでアイゼンを蹴り込みアックスを突き刺しながら登攀した。 この表面の腐れ雪がいい感じでブレーキになりなんとか登って行けたが、ルンゼ上部は表面もクラスト気味になっており、脹脛はプルプルで太ももはツルしでかなり冷や汗をかいた。 雪が緩すぎてもかなり怖いと思う。 ちなみにルンゼには入らず中央稜直登はちょっと怖すぎる。ルンゼから途中で中央稜に乗るのも、さらに斜度が上がり危険極まりないのでやめた。 ■下山 山頂から表コース沿いに降りて行き、5合目付近から表コースからは外れ、東のP822方面の尾根を進む。 車を穴戸沢林道の入口に停めてるので、そのまま、822.754.709.599と経由して下山すればドンピシャで駐車地点に戻れるが、細かいアップダウンがあるようだ。もはや少しの登りもイヤだったので、822を過ぎてから支尾根に入り、最短で穴戸沢林道に降りた。 |
写真
装備
個人装備 |
ビバーク装備
ワカン
アイゼン
ピッケル
行動食
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感想
大東岳東壁の中央稜、以前mikiosamさんが名付けたルートだが、宮城方面に住む方々はご存知かと思うが、仙台から大東岳を見た時、台形型の真正面に見える面が東壁であり、冬の晴れた日等はその中央に走ってる稜がいつも鮮明に見える。
毎回この稜を見る度にいつか登りたいとずっと思っていた。
以前、この中央稜の下見を兼ねてさらに北側の尾根に取り付いた事があったが、その時は悪天で中央稜を見る事は出来なかった。
ただ林道の状況などは把握してたので、今回このタイミングで登ってみようと思い立った。
中央稜に乗り、東壁が近づく度に、「あれ、登れんのかよ、ちょっとヤバいんじゃないか」
と弱気になっていたが、いざ直下から見上げと不思議と、「行ける」と思ってしまう。
ただ、問題は雪質だ。
今回は決して悪くなかったのだが、それでもフリーソロだとかなり緊張した。
特に上部に行くにつれ固くクラストしてきたので、アイゼンの蹴り込みとアックスの突き刺しもかなり気持ちが入った。
雄叫びを上げながら倒れ込むように大東岳山頂に辿り着いた時は、久々にかなりの達成感を得られた。
もう足もプルプル、3ヶ月ぶりと云う事もあって、しばらく動けなかった程である。
山頂ではこの日唯一会ったソロ男性と談笑させていただき、お陰様で下山の気力も戻ってきてありがたい限りであった。
明日からまた大東岳を見る日も多々あると思うが、今度からは、あそこを登ったんだと、また違う目線で見る事になりそうだ。
mikiosamさん、ありがとうございました。
そして、話しは変わりますが、3ヶ月ぶりの山と言いましたが、わたくし右肩腱板損傷になりまして、絶賛治療中であります。
ご心配頂いてる皆様には申し訳なく思う共に、大変有難く思っております。
この腱板損傷、ここでは詳しく書きませんがちょっと厄介で、もう痛みが出てから5ヶ月経ちますがまだ完治していません。
ただ幾分よくはなってきているので、今回試しにリハビリを兼ねて出掛けた次第であります。ちょっと無茶し過ぎましたが。
沢登りのシーズンまではなんとか治したいと思ってますが、おそらく沢登りも原因の1つなので慎重にならざるを得ません。
ただ、皆様の記録を拝見して、毎回刺激と元気を頂いています。ありがとうございます。
完治した際は、また宜しくお願い致します。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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きっと何度も記録や地形図を読み込んでの山行。しかし、ちょっとやり過ぎじゃね(^^)
はい、ちょっとやり過ぎました笑😅
翌日の今日は全身バキバキ、両脹脛がヤバくてヨチヨチ歩きです笑。
それでもやっぱり山はいいですね。気持ちが一気に浄化された気がしました👍
久々のレコ、相変わらずのチャレンジすごいですね。
山頂直下の亀裂は怖いですね〜締まってて良かった。
経験豊富なmooreeさんなので、その辺は大丈夫だと思いますが、
岩手八幡平では雪崩事故、遭難事故と続いております。
くれぐれもお気をつけて下さいね〜。
今冬は気温が高い日が多いですからね。これからますます雪崩には警戒が必要ですね。
ご心配ありがとうございますm(_ _)m程々に楽しみたいと思います👍
蕃山とか泉ヶ岳辺りから再開…するわけないですよねw
「リハビリ」の意味って何だっけ?と考えさせられるような、いつも通りのmooreeさんらしいゾクゾクするレコでした
だいぶご回復されたようで何よりです。
無理なさらず、じっくり治療なさってくださいませ
自分でも呆れるばかりです😅
そうですよね、リハビリと言えば泉ヶ岳とかですよね。
筋肉痛がいまだに酷くて、肩の痛みが悪化してるのかどうなのかもイマイチわかりません笑。
ちょっと反省して大人しくします😅
私は毎日大東岳の東面を眺めています👀
まさかあそこを登られるとは❗
No29の写真見て、このルートかな?と思ったルートとNo30の写真のルートが合っていて嬉しかったです😄
心技体が戻れられるルートですね😣お疲れ様でした❗
やっぱり仙台市民にとっては大東岳は目に入りますよね。
今回はソロだったのであのルートしか選択肢はなかったですが、ビレイヤーがいてザイルを出せば、他のルートもありそうでした。機会があれば誰か連れてまた行きたいと思います😁
軍沢岳のレコ拝見しましたよ。やっぱり素晴らしいですね。
今シーズンは行けない気がして悲しい思いをしてましたが、写真を拝見して少し救われました😊ありがとうございます。
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