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Yamareco

記録ID: 541497
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

涸沢岳西尾根〜奥穂高岳、撤退

2012年02月25日(土) ~ 2012年02月27日(月)
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コースタイム

1日目
山行
10:10
休憩
1:20
合計
11:30
7:40
100
スタート地点新穂高口
9:20
90
穂高平小屋
10:50
270
白出小屋
15:20
16:40
150
高度2040、テント張る
19:10
就寝
2日目
山行
12:40
休憩
0:00
合計
12:40
5:20
220
テント場
9:00
180
高度2400
12:00
50
高度2575
12:50
90
高度2650撤退
14:20
220
テント場
18:00
就寝
3日目
山行
4:10
休憩
0:00
合計
4:10
6:40
50
テント場
7:30
100
白出沢
9:10
100
穂高平小屋
10:50
ゴール地点新穂高口
天候 雨曇り
過去天気図(気象庁) 2012年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
2012年02月27日 07:38撮影 by  HDR-SR7, SONY
2/27 7:38
2012年02月27日 07:38撮影 by  HDR-SR7, SONY
2/27 7:38
撮影機器:

感想

1日目
朝3時、雨で目覚める。雪など混ざっていない純100%雨。ここは標高1100m。2月にここで降雨ということが僕にはまったく想定外だった。4時20分起床時には小降りになっていた。しかし登山する気になれない。5時にでも発とうかと考えていたが「濡れて山中で冷えたら」「靴や手袋が濡れたら凍傷」とか考える。5時30分ころ一旦やむが気温が低くなったようだ。一応準備をして、傘を差して蒲田川右股林道入り口まで歩く。白いスプリンターが停車していて、老人が寝ていた。また車まで戻り、予定通り行くか、または戻って明日八ヶ岳へ行こうかとも考えた。栃木ナンバーの車が僕の車の隣に停車。外を見て迷っている様子。それとも仲間を待っているのか。シートを倒して横になった。僕は結局予定決行。小雨の中を歩き出した。さっきのスプリンターの運転手が起きていて、横を通り越していくと「兄さん山に行くのかね」と声をかけられる。「車のタイヤが滑って動けないから押してくれないか」と頼まれる。ザックをおろして車に乗って吹かしてみるがまったくだめだ。「ホテルから人を呼んだほうがいいよ」とアドバイスして再び歩き出した。始めは路面アスファルトが見えているがすぐに雪となる。トレースがあるが、沈んで雪は重い。荷物も重く、ゆっくり歩く。林道右側からデブリがあちこちにある。大規模なものまで。傾斜はそれほどでもないのだが。穂高平小屋で休憩。雨に少し雪が混じってきた。しかし濡れることに変わりはない。途中大阪からの2人組みパーティーが下山。(たぶん柳谷にかかる橋付近)ですれ違う。槍平小屋から槍ヶ岳を目指したそうだが雪が重くて行けなかったといっていた。ヘルメット、ハーネス装着していた。西尾根の登り口からワカン装着。赤、ピンクの目印がたくさんある。傾斜がゆるいのは始めだけ。あとは急登。しかもワカンでも腰まで沈んでなかなか進まない。時間と相談し、平坦地を見つけ標高2040mでテントを張った。西尾根の登り口標高1550mから2040mまで4時間20分かかったことになる。ラジオは中国地方や九州地方の放送が入っていた。空は星は見えない。夜はぬれた衣服が乾かないで寒かった。太ももと腹にカイロを張った。太ももは温かくなったが、上半身は寒かった。寝袋もなんとなく上半身部分が冷たい。夜中は時々、風と細かい雪が雨のような音をたてて降っていた。

2日目
まだ暗い中、ヘッドライト点灯して出発。寒くない。朝から急登が続くのでアイゼンで歩く。新しいヘッドライトは明るさはまったく問題ない。大きな岩もある。昨日と同様腰まで沈む。ラッセルが深いのでなく、足を出し、体重をかけると沈む。そしてはまってしまい、なかなか抜けない。行程の4分の3以上がそんな状態。昨日と変わらない。天気は良くて、左に山が見える。分からないから「あれが涸沢岳か?蒲田富士はあのピークか?いやあれは蒲田富士の支尾根だ。あの平坦な尾根が蒲田富士だ?」など考えながら涸沢岳までは行けるぞ、と意気込むが腰まで沈む状態は変わらない。時計を気にしながら進む。標高2575mで戻ろうと考えるがまた歩き出す。標高2600mくらいで森林限界、展望が開けて、左に折れる。向かいに奥穂高岳(だろう)からの稜線が見えて感動。標高2650mでほぼ13時。このときの判断が
1. 「蒲田富士に登ってF沢のコルまで14時」
2. 「涸沢岳まで15時」
3. 「下山F沢のコルまで16時」
4. 「森林限界で17時」
5. 「テン場まで18時30分から19時」
6. したがって「明るいうちにテン場に着かなくてはいけない」
ということで悔しい気持ちで下山することと判断した。
1. 標高2040mから2400mまで標高差360m、3時間35分
2. 標高2400mから2575mまで標高差175m、3時間 3分
3. 標高2575mから2650mまで標高差 75m、   50分
かかったことになる。下山してみるとテン場まで1時間26分だった。途中ビバークしてでも、ヘッドライトで行動してでも涸沢岳まで行ってみればよかったと後悔した。深い自省の気持ちが湧き出し、何度も振り返った。夜は衣服は乾いていたのだけれど寒かった。夜中空腹を感じ、パンを食べた。

3日目
夜中少し降雪があった。朝は5時30分ころからテント撤収し始めたが、外にでたとたん手の指が痛くなるほど寒かった。最近の山行にない寒さだった。陽が登りテン場から樹間に綺麗な山が見えたが名前が分からない。アイゼンで下山する。今日はあまり沈まない気がした。気温が低いからだろうか。白出沢から奥穂高岳(たぶん)がみえた。あとはだらだら林道を歩いた。新雪が積もっていた。軽い雪だった。穂高平避難小屋から2日間歩いた西尾根が見えた。急だなと思った。林道が大きくカーブするあたりで重機が仕事していた。今日は月曜日だ。駐車場近くまで降りると平日なのに温泉、ホテルは満車、観光客いっぱいだった。驚いた。登山指導センターに下山届けを出して終了。

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