鳳凰三山 (青木鉱泉, 鳳凰小屋キャンプ)
- GPS
- 15:20
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 2,620m
- 下り
- 2,606m
コースタイム
- 山行
- 7:34
- 休憩
- 1:28
- 合計
- 9:02
天候 | 晴れ, 一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
●8/3 青木鉱泉駐車場 13:25頃 ※道の駅 信州蔦木宿で風呂と食事 岐阜羽島駅 17:35 |
その他周辺情報 | 青木鉱泉 駐車料 1日800円 キャンプ 1人1泊800円 入浴 1000円 |
写真
感想
年に1度のお楽しみ、ふくぞうとの高山キャンプ。昨年の蝶ヶ岳が終わってから、来年はどこに行くか考えるのを楽しみながらもなかなか決まらず、思案投首。キャンプが来月にせまる中でひらめいたのは、約10年前 父と行くことを検討していて行けなかった鳳凰三山。ふくぞうに提案してみると、あっさり決まった。
1日目は移動日。青木鉱泉に車を止め そこでキャンプ。2日目 ドンドコ沢ルートで鳳凰小屋。テント設営後 地蔵岳 (オベリスク) ピストン。3日目は観音岳、薬師岳を歩き、中道登山道で青木鉱泉駐車場に下るという周回ルート。
1日目。9時前 岐阜羽島駅でふくぞうと落ち合う。ふくぞうの車で名神→中央道を飛ばし、南アルプスへ。諏訪I.C.で下りて国道沿いのラーメン屋で昼食。白州 (はくしゅう) のスーパーで買い出し。細い登り道 (ほとんど舗装道) を15kmほど登って行って青木鉱泉の駐車場到着 (14:40頃)。
受付で代金支払いをする。愉快な御主人だ。車は数台止まっていたが、キャンプ場利用はわれらだけで貸切状態。そのため車をキャンプ場に入れてもいいとのこと。ふくぞうにとってはラッキーだった。
キャンプサイトは斜面に段々畑のように作られているが、トイレ, 炊事場に一番近いスペースにテントを張った。ふくぞうは明日担いでいく用とは別のテントとシュラフ (毛布) を用意し、その出し入れの手間を省いていた。露に濡れたテントを持って行かないで済むという利点もある。ただ帰宅してから干したりするのに手間がかかるが。
16時頃 入浴。こじんまりとしたひなびたお風呂。あるのは必要最低限のもののみ。われらの他に浴客おひとりあり。
ところで「温泉」と「鉱泉」の違い、沸かさなくても熱いのが「温泉」、沸かさないと入浴できないものが「鉱泉」というイメージがあるが、法律的には水蒸気やガスを含むか含まないかという違いのようだ (含むのが温泉)。つまり「温かい鉱泉」というものもあるとのこと。ここの風呂はおそらく冷たい湧水を沸かしているのだろう。
標高約1100メートルの森の中のため 快適。下界の暑さが嘘のようだ。しかし入浴後 雨がポツポツ降りだし ついには本降りとなった。雷も鳴りだして怖い思いをしたが、やがて雨も雷も収まった。
山梨で阪神vs中日の試合は聞けないだろうと諦めてたが、東海ラジオがギリギリ聞けた。10対2で阪神快勝。その気分のよさもあってか、いつも眠るのに苦労する私が、日付けが変わる前に眠ったようだ。
2日目 (山行1日目)。4時20分起床、6時15分頃 出発。
ビビっていたドンドコ沢の道。というのもヤマレコの計画の地図だと鳳凰小屋まで5.5kmしかないのに 5〜6時間かかるとなっている。1km 1時間かかるとはどんな険しい道かと。確かにネット上の山行記録で、しんどかった、大変な道と書いているのを読んでいた。昨日 青木鉱泉の御主人に険しい道なのか尋ねてみると「その顔なら大丈夫」という訳の分からん答え。初心者でなければ大してしんどくないのだろうと解した。
確かに最初の1時間ほどは難なく登れた。このペースで行けば11時頃には着くのではないかと。しかし後半は岩や木の根、あるいはロープをつかんでの崖沿いや露岩帯の急登が続き、なかなか手ごわい道だった。
とはいえ 4つの滝を見ることができる素晴らしい道だ。特に最も上流 (標高2150m) にある五色の滝は一番水量が多く、数十メートルある絶壁から2段になって水を落とす姿はまさに壮観。そばにいると時々しぶきがかかり気持ちいい。またミネウスユキソウが咲いているのも嬉しかった。
なお4つの滝とは通常 南精進ヶ滝、鳳凰滝、白糸の滝、そして五色の滝だが、白糸の滝は滝への道が倒木でふさがれており ほとんど見えない。しかし南精進ヶ滝の前に名のない滝がある。
また植物がいろいろと見られるのもいい。コイチヨウランを見るのは初めて。ほかにミネウスユキソウ、シロバナヘビイチゴも嬉しかった。※なお私は花の写真を少ししか掲載していませんが、ふくぞうはたくさん掲載しています。
やがて登りは穏やかになり、ザレガレの枯れ沢を行く。
12時頃 鳳凰小屋に到着。3人の若いスタッフあり。キャンプ2000円也。缶コーラを買って飲む。500円也。スタッフのひとりに、私の無名の安物デカザックを初めてイジられる (?)。
テントはトイレ・水場に近い、広いスペースではなく、左に曲がった一番奥の狭いスペースに張った。
さてサブザックで地蔵岳へ。急登。やがて森を抜けザレ場になる。オベリスクと呼ばれる大岩柱が右手に姿を現すが、ザレのため足取りが重くなかなか進まない。
稜線に辿り着くとお地蔵さん。一帯のザレ場は「賽の河原」と呼ばれる。高山に「賽の河原」と呼ばれる場所は他にもあるが、「賽の河原」とは本来 冥土にある河原。親に先だって死んだ子供の霊が鬼から意地悪をされるが、地蔵菩薩が現れて子供を救い守ってくれると信じられていた。なおこの話は仏典にはなく、中世におこった俗信と考えられるとのこと。高山の風景に黄泉の世界を重ね合わせた先人たちに思いを馳せる。
私はオベリスクに登る予定をしていなかったが、ふくぞうが当然のように登り始めたので私も後を追った。甲斐駒の素晴らしい展望所だった。なおこのオベリスクを鳥のくちばしとみなし「鳳凰」なのだそうだ。
さて登ってきたところよりも尾根筋を少し南に進むと広いザレの斜面。そこに山頂表示があった。お互いのスマホで写真を撮り合う。帰りは赤抜沢ノ頭に登って、観音ヶ岳分岐から下ることも考えていたが、雨がポツポツ降ってきたので来た道を引き返す。ただしほどなく止んだ。
15時過ぎ、鳳凰小屋のキャンプ場に戻ってきた。自家製レモネード500円、レモン酎ハイ缶600円を立て続けに購入。
キャンプ場でも断続的に雨が降ったが、強くはならず事なきを得た。
小屋泊まりの人とともにキャンパーもどんどんやってきた。うるさくならないようにと祈るような気持ちだったが、幸い若いグループも静かだった。
さすがに疲れてウトウト…。アルコールが入ったこともあるのだろう。
今日もラジオの阪神戦を楽しみにしていたが、残念ながら聞くことができなかった。
今日は疲れてコロッと眠れると思っていたが、地蔵岳から帰ってきて軽く眠ったためか、なかなか眠れなかった。それでも日付けが変わるまでには眠ったようだが、寒さでブルブル震えて目が覚めた。夜中2時だった。
保温シートを取り出し体に巻いて寝たが、まだ寒い。その後 ダウンを着ていないことに気づいて自分に呆れたが、ダウンを着ても温かいというほどではなかった。ふくぞうの寝つきのよさが羨ましい…。私は夜中に3回トイレに行った。
3日目 (山行2日目)。4時半起床。将軍の御座所を1メートルくらい前にする夢で目が覚めた。なぜこんな夢を見るのだろう…。
6時過ぎ出発。さすがに宿泊者のほとんどはすでに出発していた。今日も天気がよくて、気温もちょうどよく、登山日和。
鳳凰三山の尾根筋まではもちろん急登。しかし1時間弱ほど息をきらせば尾根筋に到着。2組4人のかたが休憩されていた。
巨岩と砂の白い世界にテンション上がる。北岳を中心とする大展望をゆっくり楽しんで、観音岳へ。振り返ると仙丈ヶ岳〜甲斐駒、その奥には槍ヶ岳、穂高も。やがて前方に富士山が姿を現し、もう興奮状態。山からこんなにはっきりと大きく富士山を見たのは初めてだ。同じような写真ばかり撮ってしまう。
観音岳は鳳凰三山最高峰の2840m。岩に登り 大展望を目に焼き付ける。岩を下って小腹を満たしながら、ふくぞうと「ここで泊まりたいなぁ」。
ただ花は期待したほど多くない。とにかくタカネビランジが雑草のごとく咲いている。
一方 登山者は地蔵山から縦走してきたかたなど 数組と出会ったが特に多くなかった。
軽く下るようにして薬師岳着。ここからの白峰三山の展望も素晴らしい。しかしここで「3000メートル級稜線歩き大パノラマ」は終了。「中道」で樹林帯の中の標高差1700メートルを一気に下る。ふくぞうは「消化試合」と言った。そんな寂しいこと言うなや と思ったが、確かに地味な道がとてつもなく長い…。
昨日の青木鉱泉スタートが同時刻だった老紳士と抜きつ抜かれつして下ることとなったが、のちに聞いたところによると御年76とのこと。小柄な体に約12kgのザックを背負い、ソロキャンプで我々と同じようなコースを歩かれるとは驚くばかりだ。
昨日 スタート地点でそのかたからザックが何キロあるか尋ねられたのだが、17kgと答えると「余計なものを持って来てしまうものですよね」と言われた。必要最低限のものに絞っているつもりなので返事に窮してしまった。
林道に下りてヤレヤレ…。ここから平坦な道を30〜40分ほど歩くと青木鉱泉だが、ぐるりと遠回りしなければならない。ふくぞうがドンドコ川を渡ってショートカットする道があることに気づいた。流れが早く水量の多い川の岩を飛んで渡るのは少し怖かったが、無事に、少し早くゴールすることができた。
道の駅 信州蔦木宿で風呂と食事。やはりキャンプの後の風呂は格別だ。
17:35の新幹線にギリギリ乗ることができてラッキー。これを逃すと45分待ちになるところだった。
下山時にふくぞうと今回の山旅を10段階評価していた。風景・展望 10点、植物 6.5点、天気 8.5点 (ふくぞう9点)、キャンプ場 7点。
稜線での花は期待通りとはいかなかったが、充分満足な山キャンプだった。登山人生最高の部類と言っていいと思う。高山は特に天気がものを言いますからな。
翌日、全身 筋肉痛。痛めていた右足首は少し悪化。さらに下山時に左足の第一指の指先を痛めてしまった。
そのくらいでめげることなく、また来年!
山行記録は同じように登っていても また違った視点で感想がみられるから面白いわ。
また来年どこ行こうかねぇ。
「また違った視点」、そりゃ見た夢まで書くやつオレ以外おらんわなぁ。
基本的には個人的な忘備録として書いてま
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