丹沢 蛭ヶ岳南尾根(寄−鍋割峠−熊木沢出合−蛭ヶ岳南尾根−蛭ヶ岳−大倉)
- GPS
- 09:53
- 距離
- 23.9km
- 登り
- 2,245m
- 下り
- 2,242m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年12月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
ルートには登山道ではない箇所が含まれていますので注意してください。 寄〜鍋割峠は雨山峠分岐から先は昭文社地図では赤破線。 同地図で「迷」の注意書がある通りで注意しないと違う沢を詰める可能性あり。 沢が別れる地点にある道標も分かりにくい。 ここを左に進路をとり、暫く詰めると左側に高巻道の取付がある。 これを見逃すと沢を詰めて極まる。(過去に事故あり) 鍋割峠から先は灰色破線扱い(登山コースでない小道)、沢コースと急尾根コースに別れる。当方は沢コースをとる。テープがある程度ついていた。 熊木沢〜蛭ヶ岳は林道が完全に崩壊。最初の玄倉川の橋も使えないため徒渉。増水時は徒渉は厳しいと思われる。 その後は広い河原を、そして時折残っている林道を歩く。 南尾根は序盤でテープがなくなり、以後は薄い踏み後を辿る。 所々脆く急斜面が続き、慎重にルートを選ばないと崩壊地で詰まる。 蛭山頂直下はロープあり。最後、棘のある植生に進路を阻まれる。 蛭ヶ岳〜大倉は特記事項なし。 |
写真
感想
(2010年4月に2009年12月の山行を記録している為、一部記憶違いがある可能性があります)
自ら勝手に「ホーム」にしている丹沢。その丹沢もまだまだ歩いたことのない道は多く、久しぶりに「ドキドキ」を味わうべくルートを品定め、蛭ヶ岳南尾根に決定!
やっぱ丹沢最高峰に登るのは格別。しかも赤破線のルート(昭文社山と高原地図2007年版)はちょっとスパイス効いて楽しめるはず。
※ちなみに2010年版では蛭ヶ岳南尾根は灰色破線になっています。
丹沢「気合いバージョン」に体のスイッチ入れて、前日の金曜日から準備、始発の電車に乗り込む。
こういう山行の場合は日帰りでも万が一を考え、土曜日に行くことにしている。幸いにも日曜に帰ってくることは今まではない。
新松田駅に降り立つも人は少ない。登山客もまばら。西丹沢自然教室行きのバスはもっと後だからかな?
結局、寄(よどろぎ)行きバスに乗った登山客は自分一人。終点のバスを降りると自分一人。いつも一人(TT)
寄バス停からしばらくは川沿いの車道歩き。見通しの良い車道だけに非常に長く感じるところで苦手な箇所。
寄大橋?でゲートとなり、マイカー利用者はここまで来られる。
「熊がでた〜」とか書いてある管理棟(登山届けポスト・トイレあり)を抜け、植物クイズが設置された道を歩き(全部華麗にスルー)、いよいよ登山口。
ここからの登山道は眺めは良くないのでただただ歩く感じ。高度も稼げない沢筋歩き。雨山峠分岐の前で沢を高巻きする道は、崩れやすい箇所がある。
雨山峠分岐を鍋割峠に道をとると、岩がゴロゴロした沢を詰める登りが始まる。
ここまでずっと独り歩きだったのだが、ついに単独の先行者発見!何だかホッとする。
ところが先行者は沢が別れる場所で、そのまま今まで登ってきた沢を登っていく・・・道標に気付かなかったのか?これは道迷いでは??
声を出して呼び止める方がいいと思ったが、かなり遠くにいるし、もしかして分かっていて登ってるのかも、という弱気が出て
少し後悔の念を抱きながらそのまま自分は登山道を進む。
ふかふかな土が気持ちいい明るい急な道を登り、いかにも峠な鍋割峠に到着。
ここから鍋割山の途中まで暫く登り。
熊木沢に降りる道は現在は廃道扱いだが、歩かれている記録もあるので大丈夫だろうと判断しての山行。
鍋割峠から鍋割山に向かう登山道左側には尾根が北に延びており、おそらくはそこを下って行くのだろう、と思う。
わざわざ尾根の分岐まで登ってそこから下るぐらいなら、巻いて尾根に乗ればいいんだろうな、と思うが
ナイスタイミングであらわれてくれる踏み跡もなく、そのまま鍋割山への道を歩く。
道は結構急で、左に見える尾根と一緒に高度を稼ぐ。なんかモッタイナイ。
そしてついに神奈川県製作の「この先ユーシン方面 踏跡不明瞭箇所あり 通行厳重注意」の看板が。
ここから先は登山道じゃないんだ!と鞭入れて下り始める。案の定先ほど登ってきた道が近くに見える。巻き道あるんだろうな。
尾根を下っていくと、ブナに直に赤ペンキで文字やら矢印が記されている・・・いいのかよ・・・お陰で道が合っていると安心できる。
最初の赤ペンキブナを過ぎて暫く下ると「←→」のブナにぶつかる。
この場所から熊木沢に続く林道に降りるコースは左「沢コース」と右「尾根コース」。
事前に調べると尾根コースはかなり急であるとのこと、地図で見ても等高線の間隔が詰まっている。
「沢道キケン」のブナもあったりで悩んだけど「沢コース」をチョイス。
確かに初心者にいきなりここを歩かせるのはどうかと思うけど、ちょっと山屋やっていればそれ程恐れることはない、程度。
沢に降りるまでは痩せた尾根や狭い巻き道歩いたりと気を遣うこともあるが、なにせリボン・テープがあって道は明瞭。
いよいよ沢を下るのだが、ある時点でパッタリとマークがなくなる。レーシックで得た視力を駆使して探すが見つからず、そのまま沢を下る。
ちょっと心配したが、尾根コースとの合流地点に到着し一安心。
林道に出て熊木沢出合を目指す。ちょっとドキドキを味わった後だけに、嫌いな林道歩きも軽やか♪
熊木沢出合に着いてみると、事前の調べで分かっていたものの、川に架かる橋に林道から続く道が崩壊していて橋に登れない。
丸太が置いてあって登ろうと思えば登れそうなのだが、ここは敢えて靴を脱いでの徒渉を決意。
膝下が浸かる程度、流れも急ではないので怖さは無かったが、やはり水は冷たい。
ほんの20秒ぐらい?だと思うが、もっと長く浸かっていたら足の感覚麻痺するぐらい冷たかった。
靴を履き蛭ヶ岳を目指すのだが、林道は途中で完全崩壊している。いったい何がこの林道を襲ったのだろうか、っていうぐらい粉砕されている。
弁当沢ノ頭方面分岐を過ぎると蛭ヶ岳を正面に見ての広い河原歩き。日も当たっていて結構楽しい。
蛭ヶ岳を正面に見て左側の岸で林道が復活したあたりで昼食。これから登る南尾根を凝視。あの辺りを登るのか・・・
林道は暫くすると左に大きく曲がるが、そちらには進まず踏み跡を辿り右側の東沢・西沢方面に歩く。
少し歩いた辺りで左に西沢、右に東沢、特に道標はないが明確な分岐がある。
西沢に進むと放置された車を発見。これはいい道標になっている。
ここから西沢を渡ると(堰堤を上って渡っては駄目)いよいよ南尾根取り付き!
丹沢のバリエーションはだいたいこんな感じの所を登るんだな・・・いきなりの急登・直登。
南尾根に取り付いてから暫くはリボン・テープあり。緩急織り交ぜてブナの巨木もある明るい尾根を登っていく。
尾根がいよいよ急になってきた地点で、ついにリボン・テープは無くなる。ロストしたのかと思い少し戻ってよく探したが無かった。
明確な踏み跡は無いものの、どことなく踏まれたルートが急斜面をトラバースするように西に延びているのを発見。
やがて道は道ではなくなり、植生はあるが脆く手がかりの乏しい岩場をよじ登るようにして高度を稼ぐ。
右上に左上に崩壊地が見える。「ホントにこのルートであってるんだろうな」
むしろ水平に左をみれば蛭〜臼ヶ岳の稜線がすぐ近くに見えるので、そちらに逃げたい気分になる。
(間違って西沢を詰めてしまった人が強引に稜線の登山道に出たとの記録もあった。)
時間もそろそろ午後2時!これはかなりマズイ・・・焦る気持ちと道の険しさにドキドキも頂点に。
戻るに戻れないような急な道、しかもどこを登ってきたかも憶えていない。
仮に熊木沢に降りられても寄まで戻るのではかなり時間がかかる。
明日は日曜だし、最悪ビバークだなと腹をくくる。
しかしながら事前に調べた通り、ロープのある箇所に着いた時には安堵&快感。棘のある植生が阻むふかふか土の道を歩きついに山頂に。
いつも蛭ヶ岳山頂近くでロープが張ってあるユーシン方面への道から登ってきたという体験が嬉しかった。
山頂には一人オジサンがいて、「どこから来たの?」「寄からです」の会話を交わす。時間も時間だけに軽く補給して大倉を目指す。
鬼ヶ岩ノ頭を過ぎたあたりで、二人組の男性グループに呼び止められる。
「どこまで行くの?」「大倉に下山します」「ええ?!」
通常なら蛭ヶ岳から5時間近くかかるわけで「ヘッドランプ持ってる?」と心配してくれた。「大丈夫です!」と自分にも言い聞かせる。
こうした声掛けっていいことだなと思う一方で、朝に鍋割峠下で声を掛けられなかったことを思い出す。後悔・反省。
疲れた体に鞭打ってペースをあげていくも塔ノ岳到着は4時手前。最後に軽く補給して大倉尾根を下る。日はまだ辛うじて明るさをとどめている。
つーか12月12日なんて一年で最も日が短い時期じゃん!4時30分には暗くなるはず、急いで下ると西側は少し夕焼けてきている。「美しい・・・」
写真なんか悠長に撮ったりしたが、その後は一目山に下山。樹林帯に入るとかなり暗い。
ヘッドランプを早めに取り出し、足下を照らしながら小走りで高度を下げていく。慣れた道だけに怖さはなかった。
途中ヘッドランプももっていなさそうなカップルや「6時台でもバスあるよ!」などと暢気に会話しているグループを追い抜く。
この人ら、山が暗くなったらどうなるか知ってるんだろうか・・・人の心配していられないが。
いよいよ登山道は暗くなりヘッドランプなしでは足下が見えない状態に。
見晴茶屋のそばでは、枝を杖にして足を引きづりながら歩く男性が階段を黙って下りている。
土曜日ということもあり、見晴茶屋には優雅な宿泊客がデッキで歓談中。ヘッドランプ姿で走る男をみつけると楽しそうに「走ってるよ。気をつけろよ〜」
初めて観る丹沢からの夜景は綺麗だが、この夜景は観てはいけないもの。
大倉には5時過ぎに到着、夏なら問題ない時間帯だが、日が短いこの時期では完全に夜。反省。
初めて観るライトアップされた「風の吊橋」、クリスマス前だからかな?
遅くなった反省と無事に帰って来られた安堵感、綺麗な夜景とイルミネーション。
色々な面で充実した山行となった。お疲れ様。
たまたま辿りついて読ませていただきました。
手に汗握りました。
エアコン止まっててほんとに汗が出てます(笑)
暑いですね。
蛭ヶ岳南尾根はアプローチを含めて、自分の「丹沢力」を試されるような山行でした。
よろしければ行ってみて下さい!
yarijapanさん はじめして
前回、南尾根の取付きまで下見に行き、よし今度行こうと
思い記録を調べていたらたどり着きました
大変、参考になりました。
凄くきつそうですね、もうすでに行く前からドキドキです
コメントありがとうございます。
ルートファインディングがある程度必要になるので、ちょっとドキドキですよね。
踏み跡が残っているといいのですが。
時間に余裕をもって、駄目そうなら戻ってみることです!
まだまだ暑いです。体力的にもキツイので心して楽しんで下さいね(^^)ガンバレ
と書いたところで、既に登られたのですね。
無事のお帰り何よりでした。
今回の山行を参考に、自分の記録の訂正もしておきます!
お疲れ様でした。
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