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Yamareco

記録ID: 6575882
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
日高山脈

十勝幌尻岳〜1628m峰(中岳)

2024年03月18日(月) ~ 2024年03月21日(木)
 - 拍手
GPS
80:00
距離
30.6km
登り
2,629m
下り
2,622m

コースタイム

1日目
山行
8:10
休憩
0:00
合計
8:10
7:45
70
最終人家
8:55
8:55
420
オピリネップ林道分岐
15:55
・1472
2日目
山行
7:42
休憩
0:20
合計
8:02
5:23
217
・1472
9:00
9:20
245
13:25
・1710
3日目
山行
8:53
休憩
0:18
合計
9:11
5:40
282
・1710
10:22
10:40
251
中岳
14:51
・1710
4日目
山行
6:47
休憩
0:11
合計
6:58
5:57
190
・1710
9:07
9:15
157
十勝幌尻岳
11:52
11:55
60
オピリネップ林道分岐
12:55
最終人家
天候 3/18 雪→曇
3/19 晴→曇→雪 強風
3/20 晴 (夕方〜雪)
3/21 曇
過去天気図(気象庁) 2024年03月の天気図
アクセス 戸蔦別川林道は今冬季は最終人家から先は全く除雪が入っていない
コース状況/
危険箇所等
3/17〜18の降雪(麓で20cmくらい)により尾根上は深雪ラッセル
中岳直下のみアイゼン、他はほぼスノーシュー
カムエクから札内川八ノ沢を下ると正面に見える尖った山が、今回の目的の1628峰・三角点名「中岳」。
2
カムエクから札内川八ノ沢を下ると正面に見える尖った山が、今回の目的の1628峰・三角点名「中岳」。
1日目。
最終人家から出発。
1日目。
最終人家から出発。
戸蔦別川林道は今季は完全に未除雪。
湿り雪をラッセルして進む。
戸蔦別川林道は今季は完全に未除雪。
湿り雪をラッセルして進む。
オピリネップ林道分岐の先でカチポロ北尾根に取り付く。
オピリネップ林道分岐の先でカチポロ北尾根に取り付く。
尾根上はひたすらラッセルが続く・・・
尾根上はひたすらラッセルが続く・・・
昼過ぎには雪は止んで陽が差してきた。ありがたい。
昼過ぎには雪は止んで陽が差してきた。ありがたい。
膝上〜場所によっては腰下まで沈む。
1
膝上〜場所によっては腰下まで沈む。
初日は・1472の平場でテン泊。
2
初日は・1472の平場でテン泊。
2日目。
十勝平野からご来光。
3
2日目。
十勝平野からご来光。
カチポロが近づいてきた。雪庇の尾根を進む。
2
カチポロが近づいてきた。雪庇の尾根を進む。
ラッセルから開放されるのは直下数十mだけだった。
ラッセルから開放されるのは直下数十mだけだった。
十勝幌尻岳(1845m)到着。
北尾根と十勝平野の方は青空が広がっていた。
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十勝幌尻岳(1845m)到着。
北尾根と十勝平野の方は青空が広がっていた。
札内岳への稜線。主稜線の方向は薄い雲に覆われていた。
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札内岳への稜線。主稜線の方向は薄い雲に覆われていた。
札内岳への稜線を進む。爽快な稜線歩きかと思いきや・・・。
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札内岳への稜線を進む。爽快な稜線歩きかと思いきや・・・。
前日までの降雪のせいか、下りなのにズボりまくって全然進まない。
1
前日までの降雪のせいか、下りなのにズボりまくって全然進まない。
・1710への登り。雪庇が両側に発達している。
1
・1710への登り。雪庇が両側に発達している。
中岳アタックに備えて・1710をベースキャンプにした。
4
中岳アタックに備えて・1710をベースキャンプにした。
・1710の東側斜面は表層雪崩が頻発。
風を避けて斜面にテン張ったりでもしたら一緒に流されていただろう。
2
・1710の東側斜面は表層雪崩が頻発。
風を避けて斜面にテン張ったりでもしたら一緒に流されていただろう。
3日目。
カチポロの向こうから朝日が昇る。
4
3日目。
カチポロの向こうから朝日が昇る。
快晴無風、主稜線もくっきり、絶好の条件。
待ってたぜェ!! この瞬間をよォ!!
3
快晴無風、主稜線もくっきり、絶好の条件。
待ってたぜェ!! この瞬間をよォ!!
中岳への支稜を進む。
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中岳への支稜を進む。
雪も締まっている所が多くて助かる。
1
雪も締まっている所が多くて助かる。
ピラミッド峰〜カムエク〜1903峰。
積雪期のカムエクに行きたい。
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ピラミッド峰〜カムエク〜1903峰。
積雪期のカムエクに行きたい。
中央に見えるのが中岳。遠くから見ると何とも地味な山容。
3
中央に見えるのが中岳。遠くから見ると何とも地味な山容。
八、九、十の沢カールがずらりと並ぶ。
5
八、九、十の沢カールがずらりと並ぶ。
・1655の先までは広くて雪庇も安定、歩きやすい。
2
・1655の先までは広くて雪庇も安定、歩きやすい。
・1655から大きく標高を落とし、・1513ピークを越えた先に中岳がある。
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・1655から大きく標高を落とし、・1513ピークを越えた先に中岳がある。
白い1823峰の存在感が大きい。
3
白い1823峰の存在感が大きい。
細い所もあるがここはシューで問題ない。
2
細い所もあるがここはシューで問題ない。
木を避けようと際に寄ったら雪庇崩落_麑棔
木を避けようと際に寄ったら雪庇崩落_麑棔
中岳が近づいてきた。
1
中岳が近づいてきた。
・1513を越えて中岳へ最後の登り。
1
・1513を越えて中岳へ最後の登り。
雪庇崩落回目。
あと2歩遅かったら谷底に逝くところだった。
2
雪庇崩落回目。
あと2歩遅かったら谷底に逝くところだった。
岩も出てきた。
シューからアイゼンに換装し、右から巻いていく。
1
岩も出てきた。
シューからアイゼンに換装し、右から巻いていく。
尾根上は歩きやすい所が無い。
尾根上は歩きやすい所が無い。
雪庇崩落2麑棔
ここの雪庇は軽く踏んだだけで落ちるということを学習した。
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雪庇崩落2麑棔
ここの雪庇は軽く踏んだだけで落ちるということを学習した。
ピーク手前のナイフリッジ。
一歩一歩足場を固めながら慎重に・・・
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ピーク手前のナイフリッジ。
一歩一歩足場を固めながら慎重に・・・
1628m峰(中岳)登頂!
雪庇が崩れないかと気が気でない。
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1628m峰(中岳)登頂!
雪庇が崩れないかと気が気でない。
札内川を眼下に望む。木に覆われているが高度感たっぷり。
3
札内川を眼下に望む。木に覆われているが高度感たっぷり。
木の切れ間から札内岳〜エサオマンの稜線がよく見えた。
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木の切れ間から札内岳〜エサオマンの稜線がよく見えた。
中岳から折り返し。帰りもアップダウンの多い行程が待っている。
1
中岳から折り返し。帰りもアップダウンの多い行程が待っている。
右手に岩内岳が綺麗に見えた。
2
右手に岩内岳が綺麗に見えた。
暖かくて雪も腐ってきたが、好天が続いたのは幸運だった。
淡々と歩いて、・1710に帰着。
1
暖かくて雪も腐ってきたが、好天が続いたのは幸運だった。
淡々と歩いて、・1710に帰着。
4日目。
夜の間にフワフワな新雪が積もっていた。
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4日目。
夜の間にフワフワな新雪が積もっていた。
・1710からカチポロに戻る。
曇りだが、木々が着雪して真っ白で綺麗な景色だった。
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・1710からカチポロに戻る。
曇りだが、木々が着雪して真っ白で綺麗な景色だった。
2日目に通った時は見えなかったカチポロ標識を発掘!
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2日目に通った時は見えなかったカチポロ標識を発掘!
北尾根を・826まで下ると前日と思われるトレースが現れた。
雪が深すぎてここで引き返したのだろうか。
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北尾根を・826まで下ると前日と思われるトレースが現れた。
雪が深すぎてここで引き返したのだろうか。
林道にはモービルのトレースがついていた。
ツボ足で最終人家まで歩いて帰着。
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林道にはモービルのトレースがついていた。
ツボ足で最終人家まで歩いて帰着。

感想

道内に中岳という名の山はいくつかあるが、札内川を挟んでカムエクの向かいにある1628m峰にも三角点名「中岳」の名が付いている。地形図に山名表記が無いせいかこの山が登山対象になることは少ないようで、Ko玉さんが4月に札内川側から?(ルートは不明)登っているのと、ふ〜ちゃんが六ノ沢から遡行した記録しか見つけられなかった。

周囲の沢は急峻で遡行できる自信が無いし、積雪期は札内川を渡渉しないといけない。そこで、距離は長いがカチポロ〜札内の中間から尾根を辿る北側からのアプローチで挑戦してみた。


【1日目 3/18】
前日の夜から朝にかけて湿った雪が20cm以上降っていた。拓成橋から最終人家までも除雪が入っていなくてスタックしそうになりながら何とか到着。なぜか戸蔦別川周辺の山に行くと毎回直前に大雪が降って苦しめられる・・・。

最終人家からシューで歩き出すが、湿った雪が降り続いていて足取りは重く、ウェアやザックもびしょ濡れで先が思いやられた。林道を3km歩いてカチポロ北尾根に取り付くと20cm以上沈むラッセルでトレースも無し。・826あたりまで登ると雪質は良くなり、濡れなくなったのは良いものの、雪は深さを増していく一方。膝〜深い所では腰下まで沈むラッセルに苦戦した。北尾根は広くて傾斜も緩いのが唯一の救いかもしれない。初日は・1472の平場でテン泊。


【2日目 3/19】
初日に続き全装で北尾根を登る。・1472からも雪は依然として深く、雪庇の凸凹が加わるとさらにしんどい。西風が常時吹き付けていて、着込んでラッセルしていても体が冷えてくるくらいだった。直下まで雪がクラストすることも無く十勝幌尻岳に到着。

稜線を札内岳方面に進む。札内〜カチポロの稜線は過去に一度歩いているが、その時は4月中旬でアイゼンで締まった雪をサクサク歩けた。今回は深雪に加えて異常に発達した雪庇を越えるに消耗し、ズボりまくってなかなか進まない。

・1710ピークには昼過ぎに到着。もう少し先まで進んでも良かったが、また雪が降りだしてきたし、中岳へは軽装で往復した方が効率が良さそうなので、・1710でテン泊。


【3日目 3/20】
この日は・1710にテントをデポして中岳へアタック。3日目にして快晴無風で絶好の条件にテンションが上がる。

・1710から支稜を南下していくと、・1655の先の1620mあたりまでは広くて雪庇も安定し歩きやすい。1420mコルへ下る途中で細い所があるもシューで問題ない。・1513ピークを越えてコルから中岳への登りが一番面倒な部分だった。東側は軽く踏むと崩れる超不安定な雪庇。尾根の直上は枝漕ぎがしんどい。西側斜面は深雪で腰まで埋まる・・・と、歩きやすい部分が無い。計4回も雪庇を崩落させてしまった。

ピーク手前のナイフリッジを慎重に通過すると中岳に到着。三角点がある場所も巨大な雪庇ができていて、下がどうなっているのか見えないので崩れないかとヒヤヒヤ。主稜線の山と比べて地味な存在だけど、意外に遠くて危なっかしい山だった。


【4日目 3/21】
2晩お世話になった・1710のテン場を撤収して帰路につく。

夜の間にまた雪が降ったようで、5〜10cmの新雪が2日前のトレースに乗っていた。カチポロまでは2日前よりも僅かに雪が締まったような感じだったが、北尾根の下りは明らかに雪が深い。トレースはほぼ消失していて、下りなのに傾斜が緩くなるとラッセルを強いられた。3月は残雪期という感覚は捨てたほうが良いのかもしれない・・・。



【まとめ】
当初の計画では中岳を往復してから札内岳〜エサオマン〜(新冠)二股山まで5日間かけて縦走する予定だった。しかし直前の降雪の影響でこれは断念。目的を中岳一本に絞った。結果として、無名峰を1座踏むために4日間もかけるというある意味贅沢?な旅になった。降雪直後の山はラッセルはもちろん、不安定な雪庇や雪崩のリスクも大きいことを身をもって実感した。

当初のもう一つの目的だった二股山は、戸蔦別川林道の雪解けを待ってからか、夏に新冠川から沢登りで行くか、どちらかになりそう。

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