夕張岳(日200/花100):小雨模様も百花繚乱、半袖隊長、変化に富む登山道を行く
- GPS
- 07:43
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 1,220m
- 下り
- 1,209m
コースタイム
- 山行
- 7:22
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 7:42
天候 | 曇り・・・のち小雨時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
【往路】夕張(宿泊先)⇒夕張岳登山口 【復路】夕張岳登山口⇒夕張紅葉山⇒沙流川温泉 ★夕張岳登山口への林道 未舗装区間は9kmで、路面状況は良好。 普通の乗用車(拙者はホンダ・フィット)での通行に問題なし。 ☆駐車場情報 午前6時20分に到着時点で5台目にて、駐車スペースに余裕を持って止められた。 午後2時20分に下山時点で駐車していたのは5台(拙者のクルマも含む) ⇒⇒⇒降雨予報の月曜日だったので空いていたのだろう。 前日(好天の日曜日)は、登山届けを見る限り、40組以上が入山した模様。 ☆走行距離:当日118km(累積269km) |
コース状況/ 危険箇所等 |
●さすがに人気の二百/花百名山だけあって、道標は整っており、特に危険な箇所なし。 ●ざれた急坂には、基本的にはロープが設置ある。 ●数箇所の崩壊地があるが、高度感は薄いので慎重に渡れば大丈夫。 ●但し、降雨時の濡れた木道は慎重に歩こう。 ●片道は7km程度(丹沢で言えば大倉→塔ノ岳に相当)だが、実感としては倍以上の距離があるように思える。 ●拙者は(分県登山ガイドに沿って)冷水コースを登りで、馬の背コースを降りで使ったが、その逆の方が、下山時の負担が少ないのでは?と感じた。 |
その他周辺情報 | ☆当日の入山者:6組16名(半袖隊2名を含む) ★宿泊:沙流川温泉ひだか高原荘(当日は満室) 「じゃらん」で予約/一泊二食で6900円(入湯税込み) 源泉は11度の沸かし湯だが、ややぬめりのある薄い褐色のお湯は素晴らしい。 |
写真
感想
2015年(夏季)北海道山旅二日目は夕張岳を歩いた。
夕張と言えば、皆さんは何を思い浮かべるだろうか?
今の時代は「メロン」を思い出す方が大多数だろう。
少し時代を遡れば「炭鉱」か。
夕張は、戦後日本の高度経済成長を支えた石炭の重要な産地だった。
そして炭鉱つながりで言えば、高倉健主演の映画「幸せの黄色いハンカチ」(1977年)だ。
映画公開から、もう38年前も経つんだね。
時代は変わって全ての山(=炭鉱)は廃鉱となり、往時の炭鉱労働者が住んでいた多数のアパートが空き家となって残っている。
時代の変化に対応できなかった結果として生じた負の遺産である「財政破綻」も思い出される。
財政破綻は何も夕張だけではないが、東京都職員出身の若い鈴木市長(34歳)が取組む財政再建は全国的に注目されている。
「ヤマレコなんだから、早く山の話題をしなさい」とのお叱りの声が聞こえてきそうなので、そろそろ切り替えましょう。
拙者は、夕張と聞けば花で有名な「夕張岳」を思い浮かべる。
日本二百名山に選ばれているし、田中澄江さんの花の百名山にも選ばれている。
山渓が選んだ花百の中にも夕張岳の名前はある。
しかし今まで行ったことはなかったのだ・・・って、北海道に住んでいるわけではないから、そうそう簡単に行けるはずもないが。
3年前から北海道の日本二百/三百名山にも触手を伸ばし始めたが、1号隊員でも行ける山・・・との観点で調べてみると、夕張岳は「行ける山」に分類された。
歩行距離も累積標高差もそんなに多くはないし、なんと言っても「花」がある。
今年のメインターゲットの一つとして選定したが、前泊場所を調べてみると、あまり候補先がない。
登山口近くにある山小屋の「夕張岳ヒュッテ」に泊まる手もあるが、寝具を持参せねばならぬので却下。荷物はあまり持って行きたくない。
ネットであ〜でもない、こ〜でもないと調べた結果、夕張フォレストYHが最適だろうとの結論に落ち着き、ささっと電話予約。
コンビニ所在地や営業時間も調べた結果、YHでおにぎりを作ってもらうことに。
人気の山なので週末は狭い駐車場が大混雑するとの情報に、我が隊の入山日は月曜日に設定した。
準備万端で迎えたはずの7/13の朝は、梅雨のない北海道なのだから頭上に青空が広がっているはずだったが・・・天気予報通りの曇天。
雨が降っていないだけマシかと気を取り直し、登山口を目指してレンタカーを走らせる。
片道11kmに及ぶ未舗装林道を走り終え登山口に着いてみると、我が隊より先に駐車しているのはたった3台だけ・・・拍子抜けした。
しかし考えてみれば、激しくはないにせよ雨降りの予報の日に好き好んで来るハイカーはそんなにいるはずないよな。
我が隊のように、遠路はるばるやって来て「今日行かなければ、次はいつになるか分からない」ハイカーばかりではないだろうか?・・・などと想像しながら歩き始めた。
登りは冷水コースを選択したが、樹林に覆われた普通の登山道で、花百に選定されているにしては迫力不足。
馬ノ背コースの道と合流し、前岳の山腹を巻くように道が進みだすと次第に花が現れてくる。
望岳台から夕張岳の隣組である芦別岳の雄姿を捉えると、次第に傾斜が緩んで憩沢の水場まではすぐだ。
花百としての夕張岳の本領発揮はここからだった。
前岳湿原からは様々な花が咲く。
道はガマ岩、男岩、ひょうたん池の間をすり抜けるように道が続き、一部ではササを漕ぐ場面もある。
しかし熊ケ峰の裾を巻くように釣鐘岩の脇をすり抜け、その名の通り風が通りやすい地形の「吹き通し」まで来れば、山頂へは実直に尾根筋を辿るだけだ。
拙者は花の名前に詳しくないのが残念だが、とにかく多種多様な花が咲き誇っている。
前岳湿原付近からは小雨が降りやまず、山頂付近では吹き抜ける風に運ばれて来る雨粒も大きかったが、曇ってはいるが遠望の利く天気だったので、周囲を一通り見渡せたのは幸いだった。
夕張岳の魅力は次の二点。
●多種多様な花
●頂上につながる変化にとんだ道筋
帰りは往路とは異なり、馬ノ背コースを辿って下山したが、比較的急坂であることに加え、コブを二つ超えるため、想像していたより辛い下山路であった。
当日は沙流川温泉に宿泊。
恐らく地元三セク経営だと思うが、対応・食事・温泉・施設など総合的に合格点を優に超える施設だった。
特に朝食は、今回の山旅の中でも一番だったかな?
温泉は、源泉温度が11℃なので沸かし湯か・・・と小馬鹿にしていたが、なんのなんの・・・ややヌルリとしたしっとりしたお湯は秀逸だった。
【2015年度(夏季):北海道山旅 行程概略】
初日(7/12):穂別坊主山(791m、無冠)⇒夕張泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-676455.html
二日目(7/13):夕張岳(1668m、二百・花百・道新/渓百)⇒沙流川温泉泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-676784.html
三日目(7/14):東ヌプカウシヌプリ(1252m、道新百)⇒糠平温泉泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-677121.html
四日目(7/15):ウペペサンケ山(1848m、道新/渓百)⇒芽登温泉泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-678372.html
五日目(7/16):藻琴山(1000m、道渓百)⇒斜里温泉泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-678378.html
六日目(7/17):斜里から定山渓温泉への移動のみで登山せず⇒定山渓温泉泊
七日目(7/18):札幌岳(1293m、道新/渓百)⇒昆布川温泉泊
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-678663.html
八日目(7/19):イワオヌプリ(1116m、道渓百)⇒ニセコ五色温泉立寄り
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-679594.html
隊長
コメント
この記録に関連する登山ルート
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北海道というとメジャーな山でも稜線に出るまでは登山道は荒れているというイメージが強いんですが、ここは歩きやすそうですねー。
私と同じ明治大学出身の某毛無陽希氏の200名山一筆書きを機に登山道の整備が行われた200名山が多いと聞きますが、ここもそうなんでしょうか??
夕張岳だけでメロンパンはちょっとベタすぎます。笑
どうせなら、山頂でコマネチスタイルで『夕張で前張り!!』
ベタではありますが、王道を歩みました。
夕張と言えば、昔は石炭、今はメロンですから。
夕張岳は道内でも人気の山ですから、入山者は多く、登山道は昔からきちんと整備されているようです。
問題は登山口に至る林道で、台風や吹雪の影響で通行出来なくなることが多々あるようです。
半袖隊長(定山渓にて)
この先の一週間は、とても天気がよく、安定しているようです。
充実した山行が期待出来ますよ。
芦別岳、好いですね。
でも、クマにはご注意を。
イワオヌプリは明日歩く予定ですが、天気が悪そうで……。
今日はコラボ登山予定なのですが、今も雨なんです。
半袖隊長(定山渓にて)
yamabeeryuさん、こんにちは。
今年は東北や北海道の高山植物の開花が早いそうです。
私も友人と二人で19日出発で夕張岳、芦別岳、羊蹄山、ニセコアンヌプリ、イワオヌプリを登りに出かけます。
ユウパリソウを見たくて計画しましたが、既に終わりですね。
でも、他の花がこんなにたくさん咲いていて、希望がつなげました。
私と友人にとっては、この上なくタイムリーなレコです。ありがとうございました。
白花のシラネアオイに一度会いたいと思ってましたので、見逃さないよう注意して歩かなきゃ!
mizuki
先日は私の北海道旅行にコメント頂きありがとうございます。
北海道は百名山以外にもたくさん山がありますよね。熊が怖いけど💦
ご夫婦で山登り憧れます。
私も夕張でメロンパン食べました。あまりに爽やかで快適過ぎて、旦那が定年したら夏の間は北海道に住むっていうのもいいねという話になりましたよ。
北海道は広いですから、
100名山=9座
200名山=10座
300名山=7座
げ100名山=9座
もちろん北海道100名山も、地元紙(北海道新聞)や山渓がそれぞれに選んでいるので参考になります。
糠平温泉郷では、人間の生活空間でもクマが目撃されたと、広報カーが注意を呼び掛けて回っていました。
夕張では、やはり、メロン(パン)ですね。
昔の栄華を偲ばせる空家の炭鉱労働者住宅がそのまま残っており、複雑な思いでした。
夏はいいけど冬もあるしな・・・。
移住者には、降雪量の少ない噴火湾沿いが人気らしいですね。
隊長
小雨に降られたとは言え、近くの山が見えるだけの視界が得られたのと、花100だけあってまさに百花繚乱でマズマスの山行だったようにお見受けしました。
夕張岳ヒュッテにトウチャコして「もう着いたも同然!」って感じで体全体で喜びを表現されている1合隊員様の写真(86番)が一番印象的でした。天気が天気だっただけに行程が実際以上に長く感じたことと思いました。
当方、北海道はまだ3度だけで、しかも100名山に興味が無かった時でもあり、山らしい山は登ってないんです。しいて言えば観光がてらの黒岳と函館の駒ケ岳位です。
愚問なんですが、やはり宿は出発前に全て予約(どれくらい前に)するんですか?
レンタカーはどうなんでしょうか?昨日と同じ車種なので最低48時間は借りてたようですね。特割とかがあって全行程日数分借りたほうがリーズナブルとかあるんですか?それとも、行程に合わせて臨機応変にコストパフォーマンスを考えて借りるのでしょうか?
質問が多くてスミマセン。
お疲れ様でした。
小雨に降られた・・・というのか、雲の中で水滴に当たっていた・・・というのか?
いずれにせよ、大粒の雨ではなかったので、全編、半袖で通しました。
前半は普通の登山道なのですが、前岳庭園辺りから花が本格的になり、ちょうどいい時に歩いたのだろうと感じています。
最初は本峰はどこにも見えず、見上げるようなピークを見上げ、多数のナントカ岩を巻きながら歩く道は意外感たっぷり。
利尻岳や後方羊蹄山のよう直登の山でもなく、羅臼岳や斜里岳のようにピークが見えているわけでもなく・・・不思議なコースでした。
さて、今回は「JALパック 紀行倶楽部 北海道スペシャル」を利用しました。
「往復フライト+最低一日の宿泊」が必須なのですが、
●レンタカーが一日1000円(最初の4日間のみ)
●その後も一日4000円〜4500円
●7泊8日まで延長可能
●一日分の宿泊予約以外は自由(=車中泊でもOK、自分で宿予約もOK)
但し、7日前まで予約可ですが、ツアー用の座席から予約するので、間際だと希望便が埋まっている可能性が高いです。
我々は2週間前に予約しましたが、希望の女満別行き始発便は予約できず、新千歳便に変更しました。
我々は宿を一泊予約だけにして、残りはじゃらんや電話予約で、登山に便利な先にしました。
また、義務となる最低一日予約は旅の初日か最終日にする方が、他の日の予定が組みやすいです。
レンタカーは通しで借りないと機能しません。借りたり返したりしていては、時間ばっかりかかるし、コストもあまり変わりはないですし、レンタカー営業所も都市部(=空港)にしかないですから。
でも、最近は「成田発のLCC便+スカイレンタカー」の利用者も多いようですよ。
この分野は拙者もまだ研究不足にて、残念ながらアドバイス出来ません。
【追伸】
JALパック、一人でも利用可です
隊長
隊長こんばんは
お天気心配してましたが・・・
ちょっと残念でしたね
でも無事に登頂できて何よりです
11番目の花は、橘御前さま(ゴゼンタチバナ)ですよ〜
東京を出発する前の天気予報では、月〜水が雨模様で「あーあ 」って感じでしたが、一日中、降り続くようでもなく、また降水量も少ないようなので決行しました。
曇天の割には眺望があり、芦別岳の雄姿を遠望できたのは幸いでしたよ
花の名前は・・・やはり覚えられません
ゴゼンタチバナは しました
隊長
yamabeeryuさん、こんにちは
山頂から振り返って見た縦走路の感じが魅力的です。
周りの眺望はガスっていて残念でしたが、晴れていたら素敵なんでしょうね!
沢山の花も見られて1号隊員様もさぞご満悦だったことでしょう
大倉尾根の倍に感じたのはきつくてではなく、花や変化があるルートが楽しくて長く歩いているように感じたのですか?
北海道には未だ足を踏み入れたことはありませんが、いつか行ってみたいですね〜
事前研究不足だったことが露呈しますが、
「あれぇ?こんな方角に向かって歩くの?」
「えぇ!あれが山頂なの?」
って感じながらの道で、意外感がたっぷりでした。
札幌からも日帰り可能圏内なので、大変人気がある山のようでして、前日の入山者名簿など3ページ以上もありました。
曇天・小雨でしたが「空いててよかった 」と考えています。
この夕張岳に加えてウペペサンケ山もそうなのですが、歩行距離や累積標高差は、大倉から塔ノ岳の方がきつかったり、もしくは、どっこいどっこいなのです。
大倉尾根であれば、最も頑張って「往路2時間+復路1時間半=往復3時間半」の計算も成り立ちますが、夕張もウペペもそれは無理です。
バカ尾根と言われる大倉尾根ですが、道はきちんと整備され、木道もあり、大した岩場や潅木隊もないので、実はとっても歩きやすい道なのです。
夕張やウペペはスピードを出せる区間があんまりないからかなぁとも思います。
もっともスピードが全てではないですから、ゆっくり花を見て、ハイマツ帯を漕いで・・・時間が掛かるのもその山の魅力なんでしょうね。
隊長
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