冠山
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- GPS
- 02:59
- 距離
- 4.8km
- 登り
- 400m
- 下り
- 400m
コースタイム
天候 | 曇時々晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
山頂直下の岩場に固定ロープ。 |
その他周辺情報 | 渓流温泉冠山荘 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
この時期には越前にニッコウキスゲを見に行くのが恒例だ。仙台にいた時には、北東北の山に行けばどこでも咲いている花だし、中部山岳でも普通なので、わざわざ見に行こうということはなかった。しかし、関西で暮らすようになり、この花を見ずに数年が経過、どうしても見たくなって調べたところ、両白山地が一番近い自生地であることを知った。中でも赤兎山が有名らしいと分かったので出かけて行ったが、花は全て終わっていた。東北では7月から、中部山岳では8月が最盛期だったのでその調子で行ったのだったが、ここはだいぶ西である。翌年、6月下旬に赤兎山を再訪して、この時には満開であった。雪をいただいた白山を背景に、池塘(これも久々!)の周りに咲く様子に、東北を思い出して楽しいひと時を過ごしたのだった。
昨夏は、どうせなら別の自生地で見てやろうと、夜叉ヶ池にいってみたのだが、岸壁にわずかに黄色い花がポチポチ見えるだけで、消化不良に終わった。その後も調べ続けていると、能郷白山にも以前は咲いていたのに、もはや完全に姿を消したという。一方、ニッコウキスゲを見るなら赤兎山か冠山、という情報を発掘。よし、今度はこれだ、と冠山に照準を合わせた。
問題は天気である。ここのところ、雨の降らない日はないといってもいい梅雨空だ。天気予報もころころ変わる。今週末の予報は、当初、土曜日は雨で日曜がまずまず、だったので日曜日しかダメそうだ、と思っていると、金曜日には、土曜だけが梅雨の晴れ間となる予報にかわっている。慌てて南越前町の今庄の宿かねおりに電話すると、ラッキーにも一部屋空いていた。これで冠山土曜に決行となった。
名神を北に向かう途中、ぽつぽつと雨が。前線は南下中、我々は北上中で、その境目に我々がいるのだろう、といいように解釈して車を走らせる。北陸道に入るころには少し明るくなって晴れ間も垣間見えるところまで改善した。期待が膨らむ。あらかじめ調べたルートでは、北陸道を武生で降りることになったいたが、携帯のナビで調べると今庄で降りろという。こちらを信じてそのナビ通り今庄でおり、下道を行くが、怪しい道に導かれる。地元の人を見つけて聞くと、その先は今は通れないだろうという。またナビに翻弄された・・・一体何回同じ過ちを繰り返すのかとあきれつつ、再度高速まで戻って鯖江から池田町を目指す羽目に。鯖江起点としてナビを動かしても、冠山峠へは妙な回り道を指示してくるので、昔風に自力で針路を定めで進む。結果、何とか無事に冠山林道に入ったのだった。この道、舗装されているのはいいが、延々と急崖の上を巻いていく。こういう道には慣れているつもりだが、まだか、まだかと緊張を強いられてのドライブとなった。やっと峠の駐車場に着いた時にはすでに十分つかれているasakinuなのであった。一方、混み具合だが、天気のせいであろう。車は10台足らず。見上げると青空も覗いている。自宅を出てから5時間が経過していたが、今日の山行は短い。まあ、いいとしよう。
さっそくスタートだ。登山道に入ると、すぐ眼前に奇峰、冠山がにゅっとその姿を現わす。本物のマッターホルンを眺める旅からほとんど40年が経過したが、あの若い日々の記憶がよみがえって気分は浮き立つ。最初は急登で湿気に悩まされる。ひと頑張りすると主脈上のピークに達し、ここからは傾斜が緩んでアップダウンの繰り返しとなる。ところどころで眺望がひらけ、そのたびに冠山はぐっと近づいてくる。やがて冠平分岐に到達し、緩やかに広がる広大な笹原が眼下に広がった。黄色い花があるはずだが・・・何もないぞ。ガスも出ているので、まずは山頂を目指す。山頂へは鋭角に折れてえぐられた窪みを登る。すぐに岩盤がむき出しになり、ロープが下げられているところに出る。これが岩場だな。岩盤は切り立ってはおらず、階段状にホールド、スタンスがあるので容易に登れはするが、朝まで雨が降っていたのでスリップが気になる。岩盤の上部には左手に道状の部分があり、そちらも問題なく登下降できる。ここを越すと山頂は目前だ。山頂横に飛び出すと、周囲が切れ落ちていてその高度感が実にいい。山形庄内の摩耶山のような独特の雰囲気がある。
山頂からの眺望を満喫して、さっそく岩場を下り、冠平に行ってみる。やっぱりニッコウキスゲは一輪もない。聞けば、ここもこの数年で姿を消したという。シカが貪り食ってしまったようだ。空は見事に晴れ上がり、先ほどまでいた山頂を冠平から眺めると、これまたなかなかのセンセーションである。ニッコウキスゲがないのは残念だが、面白い山に登れた。往路を戻る。行きにはさして気にならなかったアップダウンだが、帰路にはそれがこたえる。
駐車場に戻って、さあ、またあの林道走行だ。気合を入れなおす。ナビに翻弄された際に、地元の方から、今日から「はなはす祭り」が始まったと教わった。ニッコウキスゲが空振りだったので、ハスの花見をしていこう、ということになり、はなはす公園へ向かう。すでにかなりのハスが開花しており、その美しさを堪能したのだった。そして今庄の宿かねおりへ。満室だったのは、翌日に「はなはすマラソン」が開催されるためだった。食堂のおばあちゃんとの会話を楽しみながら、今庄蕎麦に舌鼓を打つ我々であった。
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