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Yamareco

記録ID: 7045509
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜

栂海新道で富山県の山完登

2024年07月19日(金) ~ 2024年07月21日(日)
 - 拍手
体力度
8
2~3泊以上が適当
GPS
22:06
距離
33.3km
登り
2,958m
下り
3,585m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
5:22
休憩
0:43
合計
6:05
6:49
11
北又小屋
7:00
57
8:37
8:50
51
9:41
9:52
52
10:44
10:56
61
11:57
12:04
50
12:54
2日目
山行
6:54
休憩
0:50
合計
7:44
5:31
8
5:39
44
6:23
6:25
29
6:54
22
7:16
7:17
45
8:02
8:03
75
9:18
9:19
29
9:48
10:02
81
11:23
11:31
34
12:05
12:24
39
13:03
13:07
8
13:15
3日目
山行
6:55
休憩
1:23
合計
8:18
2:55
51
3:46
22
4:08
13
4:21
4:33
32
5:05
5:26
62
6:28
6:29
1
6:30
6:38
17
6:55
41
7:45
24
8:09
8:37
33
9:10
9:16
36
9:52
9:58
14
10:12
10:13
60
天候 1日目 曇り
2日目 雨
3日目 曇りのち晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
タクシー 自家用車
親不知観光ホテルまで車(駐車)
黒東タクシーにて北又小屋まで
コース状況/
危険箇所等
道の状況/全行程、草刈り等されよく整備されている
栂海新道登山口から北又小屋までタクシー。北又小屋からは20年振り。出発点の北又ダム
2024年07月19日 06:58撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 6:58
栂海新道登山口から北又小屋までタクシー。北又小屋からは20年振り。出発点の北又ダム
この日、ここからは他に4人組の1グループしか登らない
2024年07月19日 07:00撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 7:00
この日、ここからは他に4人組の1グループしか登らない
始めから中々きついイブリ坂を登ること1時間程で一旦展望が開ける。青空が見えている
2024年07月19日 07:46撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 7:46
始めから中々きついイブリ坂を登ること1時間程で一旦展望が開ける。青空が見えている
湿度が高い。まだ、梅雨は明けない
2024年07月19日 08:07撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 8:07
湿度が高い。まだ、梅雨は明けない
五合目近く。ブナ平と言うだけあってブナの森がいい
2024年07月19日 08:45撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 8:45
五合目近く。ブナ平と言うだけあってブナの森がいい
七合目手前で栂海新道の稜線が見える。中央窪んだ山が白鳥山でその右上に犬ヶ岳がある。明日はその山頂近くの栂海山荘にお世話になる
2024年07月19日 09:47撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 9:47
七合目手前で栂海新道の稜線が見える。中央窪んだ山が白鳥山でその右上に犬ヶ岳がある。明日はその山頂近くの栂海山荘にお世話になる
シャクナゲを一株見つける
2024年07月19日 10:33撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 10:33
シャクナゲを一株見つける
十合目イブリ山。ここまで登ればあとは楽しみながら
2024年07月19日 10:48撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 10:48
十合目イブリ山。ここまで登ればあとは楽しみながら
北方向、この先の鎖場を越えたら夕日ヶ原、中央に前朝日。そこをトラバースして小屋のある朝日平に出る。左が朝日岳山頂だ
2024年07月19日 10:48撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 10:48
北方向、この先の鎖場を越えたら夕日ヶ原、中央に前朝日。そこをトラバースして小屋のある朝日平に出る。左が朝日岳山頂だ
西方向、遠くに僧ヶ岳が見える。右手にうっすら富山湾も見える
2024年07月19日 11:09撮影 by  iPhone 11 Pro, ARYamaNavi
7/19 11:09
西方向、遠くに僧ヶ岳が見える。右手にうっすら富山湾も見える
ニッコウキスゲが旬を迎えている
2024年07月19日 11:38撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 11:38
ニッコウキスゲが旬を迎えている
夕日ヶ原。ロックガーデンにこれから何が咲くのだろうか
2024年07月19日 11:47撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 11:47
夕日ヶ原。ロックガーデンにこれから何が咲くのだろうか
淡い黄色のエゾシオガマ
2024年07月19日 11:48撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 11:48
淡い黄色のエゾシオガマ
ハクサンコザクラが所々で咲いている
2024年07月19日 11:52撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 11:52
ハクサンコザクラが所々で咲いている
チングルマが
2024年07月19日 11:59撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 11:59
チングルマが
斜面に広がっている
2024年07月19日 11:54撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 11:54
斜面に広がっている
ムシトリスミレがひっそり隠れている
2024年07月19日 12:03撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 12:03
ムシトリスミレがひっそり隠れている
アオノツガザクラの白色が清楚
2024年07月19日 12:08撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 12:08
アオノツガザクラの白色が清楚
雪解けの水が音を立てて流れている。ウグイスの声も聞こえる
2024年07月19日 12:09撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 12:09
雪解けの水が音を立てて流れている。ウグイスの声も聞こえる
夕日ヶ原を振り返る。歩いて来た木道が小川の流れのように見える。去り難い
2024年07月19日 12:32撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 12:32
夕日ヶ原を振り返る。歩いて来た木道が小川の流れのように見える。去り難い
海に注いでいるのは黒部川か
2024年07月19日 12:33撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 12:33
海に注いでいるのは黒部川か
葉が深裂しているからシナノキンバイ
2024年07月19日 12:43撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 12:43
葉が深裂しているからシナノキンバイ
ハクサンイチゲも
2024年07月19日 12:45撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 12:45
ハクサンイチゲも
登山口からおよそ6時間、朝日小屋に着いた。朝日岳が後ろに控える。ここには16年振り。小屋は内装もきれいになって快適。女主人も変わらずお元気。昨秋はコロナ感染でご苦労されたそうな
2024年07月19日 12:50撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/19 12:50
登山口からおよそ6時間、朝日小屋に着いた。朝日岳が後ろに控える。ここには16年振り。小屋は内装もきれいになって快適。女主人も変わらずお元気。昨秋はコロナ感染でご苦労されたそうな
さて、前夕の定評の美味しい料理と優しい心遣い、この先の悪い天気予報に離れ難いが、ここからが本題
2024年07月20日 05:31撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 5:31
さて、前夕の定評の美味しい料理と優しい心遣い、この先の悪い天気予報に離れ難いが、ここからが本題
深夜に雷雨と強風。今日は6時から9時ごろまで雨でその後晴れるとあり、雨具をつけて出発
2024年07月20日 05:31撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 5:31
深夜に雷雨と強風。今日は6時から9時ごろまで雨でその後晴れるとあり、雨具をつけて出発
振り返ると、重い雲から今にも雨が降り出しそう
2024年07月20日 05:51撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 5:51
振り返ると、重い雲から今にも雨が降り出しそう
朝日岳2418m山頂ではすっかり雨と強風。誰もいない
2024年07月20日 06:22撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 6:22
朝日岳2418m山頂ではすっかり雨と強風。誰もいない
さあ、いよいよ栂海新道、ここからスタートだ
2024年07月20日 06:25撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 6:25
さあ、いよいよ栂海新道、ここからスタートだ
吹上のコルではその名の通り、雨具がバタバタと音を立てる強風に合う。ここは照葉ノ池辺り
2024年07月20日 07:09撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 7:09
吹上のコルではその名の通り、雨具がバタバタと音を立てる強風に合う。ここは照葉ノ池辺り
2時間余り、状況は変わらず。途中、ヒオウギアヤメが咲くアヤメ平を通過。ここまでは以前、朝日小屋に2泊して花畑を見に来ている
2024年07月20日 09:09撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 9:09
2時間余り、状況は変わらず。途中、ヒオウギアヤメが咲くアヤメ平を通過。ここまでは以前、朝日小屋に2泊して花畑を見に来ている
まもなく黒岩平。予報の9時になっても明るくなって来ない
2024年07月20日 09:18撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 9:18
まもなく黒岩平。予報の9時になっても明るくなって来ない
そして念願の黒岩山1623m。ここと次の犬ヶ岳を登らないと「富山県の山」が終わらない
2024年07月20日 09:51撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 9:51
そして念願の黒岩山1623m。ここと次の犬ヶ岳を登らないと「富山県の山」が終わらない
黒岩山を過ぎても池塘は続く
2024年07月20日 10:39撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 10:39
黒岩山を過ぎても池塘は続く
霞の向こうに白い鳥が寄り添うように見えたミズバショウ
2024年07月20日 10:42撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 10:42
霞の向こうに白い鳥が寄り添うように見えたミズバショウ
サワガニ山1612mまで降りて来た。降りてきたとは言え、標高はほとんど変わらない。つまり、下ってまた登って来たのだ
2024年07月20日 11:23撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 11:23
サワガニ山1612mまで降りて来た。降りてきたとは言え、標高はほとんど変わらない。つまり、下ってまた登って来たのだ
正午近く、ようやく雲が上がって来た
2024年07月20日 11:57撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 11:57
正午近く、ようやく雲が上がって来た
見えている台形の山が犬ヶ岳。また登るのだ
2024年07月20日 12:05撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 12:05
見えている台形の山が犬ヶ岳。また登るのだ
東方向、頸城山塊の火打山、雨飾山が見えるようだ
2024年07月20日 12:22撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 12:22
東方向、頸城山塊の火打山、雨飾山が見えるようだ
鞍部に降りて来たところが水場、北又の水。谷を5分ほど下って汲みに行く
2024年07月20日 12:24撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 12:24
鞍部に降りて来たところが水場、北又の水。谷を5分ほど下って汲みに行く
見えている先に犬ヶ岳
2024年07月20日 12:23撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 12:23
見えている先に犬ヶ岳
犬ヶ岳1593m山頂。富山県の山77座目、遂に全山完登!(富山の百山/98座目)
2024年07月20日 13:03撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 13:03
犬ヶ岳1593m山頂。富山県の山77座目、遂に全山完登!(富山の百山/98座目)
すぐ側に、栂海新道 開祖 小野 健氏の碑が建っている。夢とロマンの仕掛け人
2024年07月20日 13:09撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 13:09
すぐ側に、栂海新道 開祖 小野 健氏の碑が建っている。夢とロマンの仕掛け人
その先に小屋が見える。栂海山荘。想像以上に大きい
2024年07月20日 13:10撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 13:10
その先に小屋が見える。栂海山荘。想像以上に大きい
小屋の右手に稜線が続く。そこを下って行くのかと思ったが、新道の稜線は左側でここからは見えない
2024年07月20日 13:11撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 13:11
小屋の右手に稜線が続く。そこを下って行くのかと思ったが、新道の稜線は左側でここからは見えない
頼みの栂海山荘。時折、日が差してきた
2024年07月20日 13:16撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 13:16
頼みの栂海山荘。時折、日が差してきた
小屋の前にテント場。事前の予約表にはテント場に1人、小屋に3人とあったが、夕方、1人上がって来ただけだった
2024年07月20日 15:15撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/20 15:15
小屋の前にテント場。事前の予約表にはテント場に1人、小屋に3人とあったが、夕方、1人上がって来ただけだった
3日目は長丁場。麓の最高気温が35度近くになる予報。降りた時の負担を減らすために3時前に出発。見えている町の明かりは境川辺りか
2024年07月21日 02:57撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 2:57
3日目は長丁場。麓の最高気温が35度近くになる予報。降りた時の負担を減らすために3時前に出発。見えている町の明かりは境川辺りか
4時7分、空が茜色に
2024年07月21日 04:07撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 4:07
4時7分、空が茜色に
菊石山1209mで
2024年07月21日 04:21撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 4:21
菊石山1209mで
まもなく夜明け
2024年07月21日 04:23撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 4:23
まもなく夜明け
朝焼けの手応えがない
2024年07月21日 04:35撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 4:35
朝焼けの手応えがない
東方向に黒姫山
2024年07月21日 04:37撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 4:37
東方向に黒姫山
下って登って2時間余り。下駒ヶ岳1241mで小腹補充
2024年07月21日 05:06撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 5:06
下って登って2時間余り。下駒ヶ岳1241mで小腹補充
白鳥山1226m。19年前の残雪期に登って以来だ。携帯の電波が繋がる
2024年07月21日 06:29撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 6:29
白鳥山1226m。19年前の残雪期に登って以来だ。携帯の電波が繋がる
灯が見えていたのはこの海沿いの町だろうか。今日は日曜日。白鳥山までのハイカーに3〜4組と出会う
2024年07月21日 06:31撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 6:31
灯が見えていたのはこの海沿いの町だろうか。今日は日曜日。白鳥山までのハイカーに3〜4組と出会う
舗装道が見えて坂田峠。やっとここまで来た。道路にどっかり座り込んで、痛くなった足の爪のメンテナンス。小腹も補充
2024年07月21日 08:09撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 8:09
舗装道が見えて坂田峠。やっとここまで来た。道路にどっかり座り込んで、痛くなった足の爪のメンテナンス。小腹も補充
尻高山へ向かう。と、いよいよ日が差してきた
2024年07月21日 08:37撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 8:37
尻高山へ向かう。と、いよいよ日が差してきた
しかし、ここのブナ林は素晴らしい。海沿いの低山なのに。歩きながら、ここまでの行程の達成感に浸りだす
2024年07月21日 08:43撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 8:43
しかし、ここのブナ林は素晴らしい。海沿いの低山なのに。歩きながら、ここまでの行程の達成感に浸りだす
尻高山677m。しかし、まだ600mも下らなければならない。暑くもなってきた
2024年07月21日 09:10撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 9:10
尻高山677m。しかし、まだ600mも下らなければならない。暑くもなってきた
入道山を過ぎて、下る方向に樹間から何度も海が見えている
2024年07月21日 10:47撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 10:47
入道山を過ぎて、下る方向に樹間から何度も海が見えている
鉄塔を越え、海が全面に見えた頃にはドッと汗が吹き出す。国道8号線を走るエンジン音が聞こえたら
2024年07月21日 11:01撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 11:01
鉄塔を越え、海が全面に見えた頃にはドッと汗が吹き出す。国道8号線を走るエンジン音が聞こえたら
遂に、「アルプスと日本海をつなぐ」栂海新道登山口に、出たぁ
2024年07月21日 11:15撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 11:15
遂に、「アルプスと日本海をつなぐ」栂海新道登山口に、出たぁ
荷物を置いて海抜ゼロの日本海にタッチで完成。国道まで戻るのだが、足がもう簡単に上がらない
2024年07月21日 11:46撮影 by  iPhone 11 Pro, Apple
7/21 11:46
荷物を置いて海抜ゼロの日本海にタッチで完成。国道まで戻るのだが、足がもう簡単に上がらない

感想

 諦めて諦めきれない山二つ 夢とロマンの栂海新道

 犬ヶ岳と黒岩山を残してもう何年も「富山県の山」(山と渓谷社)全山完登を諦めてきた。この二つの山を登るには栂海新道を縦走するしかない。歳を重ねて、もう無理だと思う一方で、栂海新道への未練が断ち切れない。キャッチコピーにあるように日本海とアルプスをつなぐ、夢とロマンの栂海新道なのだ。
 石川から「富山県の山」の殆どを妻と共に登って来たが、今回は一人でならできるのではないかと意識し、昨秋、決意して朝日小屋を予約しようとしたら早々に小屋が閉まっていた。
 体力に自信のない身にとっては、このコースを歩き切るにはタイミングが重要。標高差2400m余りを昨今の真夏に下るには危険すぎる。天気が安定する秋の期間は案外短く、頼みの朝日小屋は10月初旬には閉まってしまう。日照時間も短くなって心配だ。梅雨時期の早いタイミングでは残雪もあり装備も重くなる。後半では気温も上がり湿度も高くなる。そうこうして何年も見送って来た気がする。晴天になりきらない比較的気温が上がらない梅雨の後半を毎日天気予報を注視して来たが、いよいよ最高気温が30度超えの日が出て来た。晴れではないが雨は大丈夫のようだ。小屋の予約が取れた。行ってみよう。案ずるよりは登るが易しの思いだ。
 その結果、初日は湿度も高く、登りもキツかったもののしっかり朝日小屋に。期待の2日目は予報に反して風雨の中を下ることになったが、慎重に足を運び、黒岩山と犬ヶ岳の三角点をタッチした時には感慨深かった。気温が上がる予報の3日目は早朝に出発しても終点の登山口では、もう、暑さは限界だった。
 無事下り切るには工夫もした。疲労と暑い中での重い荷物は最後に堪えるので、火を使わずに食せるものを準備しコンロは持たず、栂海山荘では毛布等を利用させて頂けるのでインナーシュラフだけ持参。水場が要所に有るので持ち過ぎないようにした。ただ一つ不手際だったのが携帯の予備バッテリーが二日目で既に足りなくなってしまったこと。あとの記録は紙で、通信は無しの覚悟でいたが、栂海山荘で同宿した方に厚かましく充電させて頂いた。長崎からやって来て朝日、白馬、唐松へ向かうと言う。
 こうして、いろんな形で関係者にお世話になり、この記録が残せたことがなにより嬉しい。

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