【想定外の雪山歩き!】頸城山塊・柵口バス停から権現岳─鉾ヶ岳縦走
- GPS
- 08:07
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 1,327m
- 下り
- 1,394m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
<ゆき> 小杉600━610富山619━710泊712━758能生812=833柵口 <かえり> 神明橋1658=1713能生インター前─能生1804━1851泊1905━2003小杉 |
コース状況/ 危険箇所等 |
もともとアスレチック並に両手両足を駆使して登る山だけど、標高1,000 m以上は積雪があるのでさらに難易度が上がってる。 金冠山の下りは、ロープ不使用の通過は不可能なくらいの厳しさ。 |
その他周辺情報 | セブンイレブン糸魚川能生インター店で、替えの靴下購入。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
アームウォーマー
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
時計
携帯
タオル
スパッツ
サングラス
携帯トイレ
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感想
前年の11月4日に頸城山塊の鉾ヶ岳と権現岳を縦走した(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6145899.html)けど、この時に遭遇した登山道整備のかたから、権現岳から鉾ヶ岳の順に、逆ルートで縦走すべきだった…と、アドヴァイスを受けた。確かに、トッケ峰から権現岳を経て柵口登山口までの下りは足場の悪い急な下り坂で、想定時間内では歩けなかった。アドヴァイスどおり、逆コースを歩いたらどうかるか?…を確認しに、11月9日に再びトキ鉄・能生駅に降り立った。富士山が観測史上最も遅い初冠雪を記録し、立山が史上2番目に遅い初冠雪を記録したことが話題になってたけど、初冠雪が遅いのはどの山でも同じ…という思い込みを生じたのかもしれない。通常の年であれば、雪への警戒が必要な時期にも関わらず、全く気にしていなかった! 1年前と同じく、能生駅前から西飛山ゆきのバスに乗車。前回は神明橋バス停で降りたけど、今回は柵口で下車。まずは、柵口登山口まで車道歩き。歩いてる途中に権現岳の勇姿をみたけど、金冠山から鉾ヶ岳に続く稜線に白いモノがみえたのが気になった。30分弱の車道歩きで、柵口登山口に到着。クルマが1台居て、権現岳に登りに来たひとが、どうやら他にも居るらしい。登山口でジョギングシューズから登山靴に履き替え、9:15に入山開始。
この日は晴れで、前日も晴れだったハズだけど、意外に地面や草木が濡れてて乾いていない。濡れ落ち葉を踏みしめながら歩く。ひと登りで白滝の標識に出る。ここは通過し、さらに進む。紅葉をみながらロープ場の難所をいくつも通過し、10:13に胎内洞の入口に到着。ここで休憩し、天むす喰った。前回は胎内くぐりの写真を撮る余裕も無く、通過して終わりだったけど、今回はきちんと胎内の様子を撮影。胎内くぐりを終えてさらに登って高度を上げていくと、天狗屋敷の手前の登山道脇に雪の解け残りのちっちゃいヤツが現れ始める。今シーズン初めてみた雪なので、オモシロがって撮影したけど、そんなモノで喜んでる場合では無かった! 天狗屋敷は標高850 mほどだけど、権現岳に向かって標高が上がっていくに伴いどんどん雪の量が増えていく。ロープ場の連続で標高を上げていくと、標高1,000 mあたりから登山道に雪があるのがアタリマエになる。先行のかたが居るので、その足跡を辿って行けばコースは分かるから、雪でルートを見失うことは回避出来た。11:18に権現岳頂上に到着。頂上には10 cm弱の積雪があり、雪が解けて無くなってた展望盤に腰掛け、明太子おにぎりを食す。天気はピーカンで、谷を挟んだ向こうに鉾ヶ岳と金冠山がみえるほか、火打山など頸城の山々が見渡せたけど、これからのことを思うと心の底から展望を楽しむことは出来なかった。今登って来た雪付きの急坂を下るくらいなら、鉾ヶ岳まで行ったほうがマシと考え、トッケ峰へ向かう。
権現岳よりトッケ峰のほうが高いので、歩くにつれ雪はますます深くなる。気温が低いせいか脚が攣りやすくなってて、立ち止まることも多かった。ロープを掴んで攀じ登る箇所が多いというのに、夏仕様のフィンガーレスの手袋をしてたので指先が凍傷になるのではないか…と心配したけど、晴れて気温がそれなりにあるので大丈夫だった。前々週に大猫山に行った(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7408684.html)帰りに、『モンベルヴィレッジ立山』で新しい手袋を買ったのに、今回は持って来なかった…(汗)。トッケ峰直下のヤセ尾根を木々とロープを頼りによじ登る箇所は雪のせいで足の置き場が限定され、トライするたびに脚が攣ったので、こりゃダメか…と、しばらく停滞してた。先日、梯子が外された焼岳登山道で、『技量不足』でヘリを呼んだ登山者が居てネット上で嗤われてたけど、私も『技量不足』でヘリを呼ばなきゃいけないのかな? もし、呼んだらもう山は続けられないな…と真剣に考えてた。この難所は脚が攣ろうが生きて帰るために通過するんだ!…という強い意志の元に、クリア。この難所を通過すると、ひと登りでトッケ峰に12:35に到着。トッケ峰からは。この夏登った大毛無山(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7082427.html)がよくみえた。当然ながら、あっちも雪が付いてる。
権現岳からトッケ峰まで1時間以上かかってる。雪が無ければこんなに時間はかかっていないハズ。今回の山行の目標は「前回失敗した『休日ダイヤの最終バス』に間に合うこと」だったので、予定通過時間を準備したワケだけど、ここまでの歩きでは一度もみていない。みたら時間を優先するあまり焦ってロクデモナイ結果になるだろうから。トッケ峰から鉾ヶ岳までは比較的穏やかな稜線で、雪があっても大して苦にはならないことは分かってたので、鉾ヶ岳へ進む。先行者はちゃんと縦走してるようで、しっかり足跡が鉾ヶ岳へ向かってる。最低鞍部まで下ってからの登り返しは、雪が緩んでるせいで歩きづらい箇所もあったけど、13:30に鉾ヶ岳頂上に到着。北アルプスや雨飾山、焼山、火打山などの景色が凄かったけど、やはり、まだ生還が保証されていないぶん、心底からは楽しめない…。避難小屋のなかで海鮮ちらし寿司を喰う。前回同様、寄付のミネラルウォーター(クリスタルカイザー)を2本置いて来たけど、すでに並べられているペットボトルの中身は毒々しい色の液体で、水では無い。草刈機か何かの燃料だろう。小屋で休憩してると、女性の話し声が聴こえてきたので小屋から出てみると、女性ハイカーが2人が溝尾コースから鉾ヶ岳頂上にまさに到着するところだった。
頂上から吹原コースへのエスケープも考えたけど、このコースを歩いた記録を長らくみたことが無いのと、トッケ峰ー鉾ヶ岳間を問題無く歩けてミョーな自信が付いてたので、予定どおり溝尾コースを下り始める。途中、大沢岳ー金冠山間の稜線を見下ろせる箇所があり、雪が少なそうにみえたので、そのまま下る。鉾ヶ岳頂上までは先行者1名の足跡のみだったけど、今登って来られたお2方の分が増え、心強い(苦笑)。大沢岳頂上からは通行止めになってる島道鉱泉へのコースが分かれてるけど、もし通行可能であればこっちに廻ったほうがラクだったろうか?…そんなことを考えながら、金冠山との鞍部まで下る。金冠山への取り付きの手前にはナイフリッジがあり、イヤらしいことに雪が付いたまま。こちらを慎重に通過した後、ひと登りで金冠山頂上に14:16に到着。
金冠山の頂上からは、これまで歩いて来た権現岳からトッケ峰の稜線がよくみえる。雪がある状態でよくここまで来たな…と感慨に浸ったけど、まだ安心するのは早い。金冠山からの下りのロープ場が今回の最大の難所と言って差し支えない。案の定、下っても下っても途切れることないロープ場の下りに気が休まることが無い。ふだん私は鎖場やロープ場では極力それらに頼らずに上り下りするようにしてるので、いざロープや鎖を頼りに上り下りしなければならない状態になっても、ロープや鎖の使い方がよく分かっていない…ということにようやく気付いた(汗)。途中でひと息つくため止まってたら、握ってるロープが揺れてる。上をみると、頂上で出会った女性パーティーがもう下りて来てる! 先に行ってもらおうかと思ったけど、それを行うスペースすら無いものだから、彼女たちに背中を押される感じで必死の覚悟でロープにしがみつきながら急坂を下る。ようやくロープ場が終わり、シゲクラ尾根乗越に出たところで、どうやら生きて帰れそうだ…と、確信。シゲクラ尾根乗越で尾根を外れ北側の斜面に入る。このまま尾根を進めばすぐに雪は消えそうだったのに、北側斜面に入ったせいで、シグザグの最初の一段くらいまでは道に雪が残ってた。次第に雪は無くなり、紅葉の道になる。島道鉱泉への分岐に着いたのは15:36で、ここでようやく計画のコースタイムを確認。通過予定時間から1時間ほど押しているのは雪のためしょうがないけど、帰りのバス(神明橋16:58発)に間に合わないのなら、島道鉱泉に向かおうと考えてた。能生駅まで全部歩きになるのなら、島道鉱泉経由のほうが早いからだけど、標識にあるとおり溝尾登山口まで40分であれば、登山口からバス停まで40分としてギリギリ間に合うと判断し、そのまま溝尾コースを下る。標識にある40分もかからずに溝尾登山口には15:53に到着。金冠山頂上からノンストップだったけど、10分の休憩取ってもバスに間に合うので、ここで休憩。金冠山の下りで頭上まで迫ってた女性パーティーは10分休んでても現れなかったので、私との差を開けるために、どこかで長い休憩を取られたんだろう。登山口には登山道整備のみなさんの「この中のものを山頂に運んで下さい」BOXが置かれてた。協力したかったけど、今回は逆コースだったしな。
16:03に溝尾登山口を出発。すぐに駐車スペースに到着。女性パーティーのものと思われる諏訪ナンバーのクルマが1台居たけど、金冠山の激登り・激下りを意に介さないのは、八ヶ岳で鍛えれられていると考えると納得。神明橋バス停まで退屈な車道歩きだけど、ヘアピンカーヴで進行方向が西向きになった時に金冠山がみえた。たった2時間ほど前にあの頂の上に立ってたハズだけど、全く現実感が無かった(苦笑)。16:45に神明橋バス停に到着。バス停に着いた時はまだ明るかったけど、バスが来る17時前にはすっかり暗くなってしまい、バスの運転手に必死にアピールして素通りを免れた(苦笑)。雪のせいで靴のなかまでビッショリ。替えの靴下を持って来てなかったので、能生駅前まで乗らずに1つ手前の能生インター前バス停で下車して、セブンイレブン糸魚川能生インター前店で靴下を購入。能生駅での列車の待ち時間に、靴と靴下を替えた(苦笑)。
全く念頭に無かった雪のせいで苦難を伴う山行となった。前にも書いたけど、ヘリを呼ばなきゃいけないのでは…と思うとこまで追い詰められたものの、冷静に行動したお蔭でなんとか無事生還出来た。『ヤマレコ』に記事を上げるにあたって記録をみると、精神的な余裕が無かった区間は写真がほぼゼロなので、分かりやすい(苦笑)。13年ほど前に弟子(妻)を雪の陣馬山─高尾山(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2414682.html)に連れ出し、「好きな登山が嫌いになってしまいそうなほど、酷い目に遭った!」と言われたけど、この時の弟子の気持ちが解った(苦笑)。バス利用での権現岳─鉾ヶ岳日帰り縦走について、休日ダイヤ(終バスが1時間ほど早い)での成功を目指したものの、見事に返り討ちを喰らった。心身のダメージが大きく、リヴェンジを考えることは今は出来ません…。
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