妙高山(笹ヶ峰〜妙高山〜高谷池〜笹ヶ峰) 火打山は諦め
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- GPS
- 10:57
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 1,675m
- 下り
- 1,673m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
<ポスト> ・登山口に立派な事務所(無人)がある。届けはそこに出すことができるようになっている。 <道の状況> ・人気の山だけに、木道も含め、整備が行き届いている。 ・ただし、富士見平までは、岩と木の根の急坂なので、足には辛い。 <温泉> ・帰路杉野沢集落に「苗名の湯」がある。 <飲食等> ・笹ヶ峰には飲食店はなさそう。 ・途中の杉野沢付近には、 ・コンビニも、妙高IC付近しかない。 |
写真
感想
笹ヶ峰からの妙高山はシンフォニーの楽章のように局面がめまぐるしく移り変わる。厳しい登りあり、湿原歩きあり、ようやく本体が現れても最後は厳しい登りが待ちかまえる、というように、一日で往復できる山ではあるものの、その多彩な様態は美しくかつ十分に山の魅力を教えてくれる。まさに名山と思う。
笹ヶ峰駐車場には既に多数の車。登山口ゲートで登山届けを出し出発。木道が続く。この木道はもっと手前にあった旧登山口を経て林道に寄り添う登山道に敷かれている。沢渡りの頃には普通の土道になってしまうが、踏み荒らし防止として機能しているようだ。小沢を何度か渡り黒沢橋。いよいよ本格的な登りとなり、通称“十二曲り”。木の根をよじ登るが、加えて岩が多いので足裏、足首が疲れやすい。
これを過ぎると、樹間に対峙する山々を眺めることのできる場所も時折現れ、高度を感じる。
緩やかな岩歩きになり富士見平の分岐。行きは左手を選ぶ。帰りは右からここに来る予定。斜面をやや下って先ほどまでの厳しいプロローグとは一転、緩やかな高層湿原に。漫歩を楽しみやがて黒沢池ヒュッテ。八角形のドームが珍しい。しばし休憩の後、いよいよ妙高山へ。外輪山をじわじわ登ると、途中背後の火打山から影火打、焼山にかけてのスカイラインが何度も姿を見せる。こちらの高度に合わせて、徐々にスカイラインもあがっていく。本当に天気がよい。
やがて、外輪山を乗り越し、急転下りに。いよいよ目指す妙高山が姿を現す。高い。地図やガイドでは読み切れない、急な下り。最後はロープで降りる。真下に池が見える。しばらくは外輪山をへつるように上がり下がりを繰り返し、渡渉点。
ここにきて、早疲れが。昨晩は寝心地の悪い実家の車。毎回こうなってしまう。今回は夕食は十分に食べているので、原因は“燃料”ではなく、睡眠であることが、今回で明らかに。改めて、休息は大切だと思う。
最後の登りにあたり、疲労状況に鑑み、荷を最小限にすることに。水分と最低限度の食とカメラくらいで出発。池への分岐点を過ぎて、本体に取り付く。しかし最後の妙高への登りも厳しい。いつもは厳しい登りにへこたれそうなときには“500歩休まないルール”を課して耐えしのぐ。500歩は最低休まないことにして、進むというだけのルールだが、意外と励みになる。500歩といいながら、たいていは1000歩くらいまではがんばってしまう。しかし、今日のこの修行のような登りにこの疲労感。耐えられない。何度も補給名目で小休止を繰り返すうちに、水も食も頂上前で残り無し。
最後は苦痛に耐えつつ頂上、まずは北峰に。そんな状況でも頂上からの見晴らしには感動。西には火打〜影火打〜焼山〜金山、南には高妻、乙妻が見える。こちらの山頂は、火山らしく溶岩塊がそこここに散らばっている。南峰には祠が祀られている。ばててなければもう少しゆっくりするところだが、帰りも心配なので、いつもよりは早々に出発。もう少し眺めを楽しんでいたい山頂だった。
一目散に急坂を下り、分岐点のベンチに。幸い日陰であるのでちょっと休息。人の声で気づき20分ほどで目が覚めた。少し元気を回復。先ほどの渡渉点で荷物を回収し昼食に。睡眠と食事で少しは元気になったつもりで、先へ。来たときの急な下りが登りに化け、山からの“下り”とは思えないよじ登り。やっと乗り越しに出て、黒沢池ヒュッテに。
本来、火打にも足を向けたいところだったが、この遅れ具合では厳しいであろう。来た道を戻る選択もあるところだが、なんか口惜しいので高谷池までは行こうと決める。黒沢池ヒュッテを離れ、茶臼山に向け次第に高度を上げると、背面に今登った妙高山が。外輪山に裾を隠され奥ゆかしい。やがて、山頂標識はあるもののなんとなくぼんやりした茶臼山を超えると今度は高谷池が見えてくる。更にその後ろには火打山が。時間は14時を回ったところ。疲労感も合わせ考えると、どうやら今回の火打山はあきらめるしかないようだ。
高谷池ヒュッテで飲料を購入し、小休止。妙高とは対照的に穏やかな山である。感じいりつつ、ややお年上の同輩とお話をしていると、焼山は現在は登山可能になっているとのこと。知らなかった。更に、焼山と火打は元気な人ならば一日で周遊できるとのお話、それを聞いて、なんとなく運がいいような気がした。もしも先に火打に登っていれば、焼山行きは考えなかったかも知れない。そうなれば妙高三山の一つを残したまま、この地域には再び来ることは考えなかったかも知れない。偶然火打を断念したことで、将来、焼山、火打セット登山の可能性が出てきた。これはやはり運がいい。
勝手にひとりで運がいいなと思いこみ、勝手にほくほくして、疲労感が少し和らいだ。帰りは、いずれまた来るであろう火打がどこまでも見送ってくれる中を、峠に向かい、帰路についた。
しかし、睡眠は重要だ...。
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