八幡山=西尾根で石楠花の藪と格闘/その後チョキへ周回
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.5km
- 登り
- 1,006m
- 下り
- 994m
コースタイム
天候 | 曇時々晴れ一時雷雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
八幡山西尾根に関しては後で詳しく述べる。 八幡山からチョキを通って池の平林道までは、比較的踏跡が明瞭だし、赤テープも豊富。甲府市と北杜市の市境になっているので、この境界標識が随所にあって、これが道案内になっている。 なお、1990m圏から南下してきて1880m辺りで直角に西に向きを変える。そのまま南にも尾根が続いているが、西に延びている尾根に乗り移らないとチョキには行けない。北上コースなら何気なしに通過するだろうが、南下の場合は要注意地点である。 藪漕ぎはたまにあるが、枝を払う程度の疎らな藪。危険個所は無い。 |
写真
感想
昨日(7月3日)は西隣の五里山にのんびりと登った。今日は八幡山にチャレンジする。
金峰山頂上稜線の西端2540m圏から南に延びている八幡尾根は、かつては金峰山への登山路の一つであったが今は廃道である。今回は、この尾根上にあり、尾根の名称の元となっている八幡山と、ちょっと変わった名前のチョキに登ることにした。クリスタルラインから往復できるが、これでは変化が無くて面白くない。そこで独自の周回コースを設定した。
枇杷窪沢添の林道を進み、まず八幡山北峰の西尾根を登る。八幡尾根に合流した後、これを南下してチョキを越え、クリスタルラインから延びている池の平林道に出る。後は林道から県道を降りて元に戻る周回コースである。
登路に八幡山北峰の西尾根を選んだのは、いつものことながら地形図を読み、ここなら登れるだろう、との判断である。ただし、地形図から読めない懸念材料が2つあった。
まず第1の懸念は石楠花の藪。八幡尾根の記録に石楠花の藪に関する記述を見かける。当然ながら八幡山西尾根にも石楠花の藪は多いだろうが、これがどの程度濃いのかは地形図では読めない。石楠花はしなりが少ないため、細い枝でもかなりの抵抗を受ける。濃い藪だったら相当体力を消耗し、通過にかなりの時間を要するだろう。
実際に登ってみて、石楠花と格闘、といった印象。特に西尾根を半分程登った標高1750m〜1800m辺りは密林。わずか距離100mほど進むのに30分もかかったのではないか。藪の中の狭い空き地で一休みしている間に、諦めの気分が次第に強まった。ここまででこんなに時間も体力も消耗するのでは、この先どうなるのだろうか。無理だな、退却しよう、と腰を上げ、降り始めた。しかし、ふと見ると密藪の中にもほんの微かな踏跡が見えた。獣道だろう。鹿だって通っているのだから、これを繋いで行けば何とか切り抜けられるのではないか。もう少し登ってみよう、と、下りかかったのをUターン。先ほどの弱気もどこへやら、上を目指した。
結局、一休みした所の直前が最も濃い藪だったようで、その先は時間がかかっても何とか順調に登れた。
しかし、最後の最後でさらに強烈な藪に遭遇した。距離にしてあと数十mで北峰に出られる地点まで来たが、その先は体を入れる隙間もない藪。とても通過は不可能。4年前に同じ奥秩父の鶏冠山から木賊山に登った時、やはりあと数十mで木賊山の頂上といった地点で、同じように体をねじ込む隙間も無い石楠花の藪に阻まれた。この時は、その手前で踏跡を見失なったからで、密藪の縁を100mほど歩き回って、やっと踏跡を見つけて事なきを得た。でも、今回の西尾根ではそんな踏跡は期待できない。仕方ない、北側が急斜面ながら巻けそうなので、ここを強引にトラバースして行ったら、あっけなく八幡尾根に飛び出すことが出来た。
もう一つの懸念材料は岩場の通過である。八幡山の頂上付近には数多くの岩峰がある。地形図で西尾根には岩場記号が示されていないが、西尾根にも岩峰があって不思議はない。これらを無事にパスすることができるか、やはり行ってみなければ分からない。
1900mを越えた辺りから、小さな岩場が現れてきた。ほとんどは巻くことが出来たが、ただ一つだけ、どうしても乗り越さざるを得ない十数mの岩場があった。写真15, 16に説明してあるので参考にして頂きたい。あとの岩場は大したことなくパス出来てやれやれである。
八幡山の北峰に辿りついた時には心底ホッとした。一時、前進を諦め、退却と決めたが、密藪を見下して、この中を降りなければならないのか、と躊躇する気持ちも強かった。その時、藪の中の微かな踏跡に気付いて、もう少し登ってみよう、もう少し、もう少し、と先に進んだ。次第に深入りするにつれて、ここから退却するなら、藪漕ぎの距離と労力を考えると、前進の方が楽なのではないか、八幡尾根に出さえすれば、後はなんとかなる、といった気分になってきた。それだけこの西尾根は下るのも容易ではない。
と言うことで、この八幡山北峰の西尾根は、上るにしても下るにしても、あまりお勧め出来ません。
予想した通り、八幡尾根に出れば後は楽勝。登って来た西尾根に比べれば、藪漕ぎと言えるほどの藪漕ぎはなかった。進路も赤テープ、境界標識がいたる所に付けられているので迷うこともない。
チョキを越え、池の平林道に出た後、車に戻るためには5〜6kmほどの林道歩きを強いられる。そこで、今回もMTBを利用した。昨日のうちに池の平林道の鉄塔近くにMTBを置いてきたので、これに乗れば楽だ。ただ、砂利道はパンクしないようにゆっくり走ったし、1kmほど登りとなった区間では押していかなければならなかったが、全行程を歩くよりははるかに楽だし、早かった。
チョキを降り始めて直ぐに激しい雷雨に見舞われたため、40分近く雨宿りした。このため、車に戻ったのは18時近かった。朝は5時から歩き出したので、13時間近い行動となった。
石楠花の藪との格闘といい、長時間にわたる行動といい、こんな山行は老人がやることかしら。でも「岳狂老」の名に恥じないように、たまには過激な山行も良いのではないでしょうかねえ。
今日は充実した一日でした。
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