天狗岳 (1日目撤退→初めての雪上テント泊→2日目快晴)
- GPS
- 08:07
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 1,081m
- 下り
- 990m
コースタイム
7:19黒百合ヒュッテ-8:14東天狗-8:33西天狗8:42-8:59東天狗-9:40黒百合ヒュッテ(撤収)11:23-11:51唐沢鉱泉分岐-12:10八方台分岐12:28-13:01渋の湯
天候 | 1日目 曇り・稜線は強風 2日目 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所特に無し |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
感想
年内最後、締めくくりの山行でミッション「初めての雪上テント泊」を実行すべく、またしても(笑)天狗岳に行ってきました。テント泊山行は過去3回、雪山経験は過去4回、登山歴半年の初心者です。おかしな行動やマナー違反等があるかもしれませんが、その際はご教授頂けると幸いです。
今回初めての雪上泊を実行するにあたり、無雪期に行ったことのあるところで、
・南御室小屋テン場泊で鳳凰三山
・行者小屋テン場泊で赤岳
の2つも考えたのですが、やはりここは安全策で黒百合ヒュッテテン場となりました。よく言われてることですが、黒百合ヒュッテは通年営業ですし、いざとなれば渋の湯まで2時間弱で戻れるし、天狗へのアタックルートに危険箇所はない。冬山入門者にとって最適、というのも頷けます。
前日夜、いつものように中央道原PAで車中泊。PAの隅のほうには一週間前にはなかった雪が少し残っています。4時半に起き着替えて温かい紅茶を作ったら出発です。国道299号を右折しその後すぐ左折、渋の湯への一本道に入って少し行くと道路は一面の雪になってきました。つづら折れを過ぎ、渋辰野館バス停を過ぎ、渋の湯までもう少し「このまま行けるかな〜」と思っていたら、残りあと150mぐらいの最後の登り坂でスタックしてしまいました。しかし、この程度は想定内ですw 慌てませんwww
何度か勢いをつけて越えようとしましたが登れません。「さーて、どーしよーかなーw」と思っていたら、後ろから車が来ています。しかも2台もw いきなりテンパリましたw 大慌てですwww 幸いスタック地点から十数メートル下ったところに退避場所があったので、ズリズリバックで滑り落ちながら必死でハンドルを切り、なんとか退避場所にケツを突っ込んで横に車一台通るスペースを空けて止まることができました。空いたスペースを2台の車が登っていきます。二台のうち一台は黄色い回転灯を付けた作業用の車で、もう一台は(あとで聞いたら)2駆でスタッドレスのNOAHでした。自分の雪道運転のヘタクソさが思いっきり露呈した形ですw
まあスタックしてしまったものはしょうがないので、寒いけど車を降りて(これまた初めてのw)チェーン装着です。悪戦苦闘したもののチェーン装着後は問題なく脱出し渋の湯へ到達することができました。駐車場の受付をし最後のパッキング確認をして、だいぶ遅くなりましたが8時頃出発です。
登山道の最初から雪の量が一週間前とは明らかに違います。一週間前は所々見えていた地面の茶色やガチガチに凍った氷も、フワフワの柔らかい雪で全て真っ白に覆いつくされていました。相変わらずトレースは明瞭で、(黒百合ヒュッテまでは)初めてだとしてもコースを見失うようなことはないでしょう。アイゼンの必要性を感じるまでもなく、ほぼコースタイム通りに黒百合ヒュッテに到着です。
気温-13度で若干の強風の中、初めての雪上設営です。一番困ったのは手の冷たさでした。この時点では薄めのインナー手袋+中綿入りのウールの手袋だったのですが、ウールの手袋をしていると細かい作業ができず、薄いインナー手袋だけだと一瞬で指先が冷たくなり感覚がなくなってくる状態で、なかなか思ったように設営が進みませんでした。予備のフリース手袋も持っていたのですが、ザック中のどこにあるか分からずw 設営時のことを考えて出しやすい位置にしまっておくべきだと学習しましたw
雪に埋めたペグが効いてるんだか効いてないんだか微妙な感じはしましたが、見よう見まねでスノーフライのスカートに雪を盛り設営完了です。パッと見それっぽく張れてるのでまぁ大丈夫でしょうw って、実はここまで1時間半ぐらいかかってますwww 慣れてないのでしょうがないですが、徐々に時間を短縮していかないとダメですねw
登山靴を脱ぐのは面倒だったので、体はテント内で足はテント外のまま、軽く行動食を食べつつ東天狗アタックの準備をします。サブザックに必要最低限の装備を入れアイゼンを履きます。ハイドレーションは渋の湯を出て30分後には(吹き戻しをしてたのに)飲めなくなっていたので、残量の少なさが気になりますが紅茶の入ったテルモスを持って、12時半に出発です。中山峠を越えて少しいったあたりで黒百合ヒュッテへと引き返してくる(朝のNOAHのw)ご夫婦とすれ違いました。「風が強いので撤退してきた」とのこと。「もう少し行ってダメそうなら引き返してきます」と返事をしつつ、実を言うとこの時点では東天狗まで行くつもり満々でした。さすがにこんだけ何度も来てると慣れもあり「東天狗ぐらい楽勝だろ?」という変な自信がこの時点(まだ樹林帯)ではありましたw
森林限界を超えるとすぐに思いました。「あれ?風強いなw 前回よりだいぶ…」 天狗の奥庭との合流地点の少し手前で身の危険を感じてあっさりと撤退決定ですw 先程まで持っていた変な自信はいとも簡単に強風で吹き飛ばされて行きましたw 視界が悪いだけなら行ける自信はありますが、それとは全く別の問題でした。稜線のたまたま切り落ちてる部分で風に煽られてバランスを崩したらアウトだし、雪がフカフカサラサラで締まっていないため足元に若干の頼りなさも感じました。黒百合平まで戻ってから何人かの人と話をしたのですが、他にも撤退してきている人がいました。高見石から硫黄へ抜ける予定だったけど無理そうだったので黒百合で停滞、という方もいました。やはり撤退で正解だった模様です。
テントに戻ってきて15時前、少し遅くなりましたが昼食(?)のラーメンを作ります。狭いテント内で火の使用は気を使いますが、夏と違ってとても外ではできませんw 寝袋をロフト回復のため広げちゃってあったのですが寝る直前のほうがよかったかなぁ。でも回復してないと寒いし…w ラーメンを食べ終え次は初めての水作りです。乾いたさらさらの雪のためでしょうか?思ったより量を溶かさないと考えてた量の水になりませんでした。
そうこうしてるうちに日が落ちてきました。ふと外を見るとテントもいくつか増えてます。ツェルトで寝るという猛者の方もいました。最終的には全部で8-9張りだったでしょうか? 年末年始の休みが始まっているようで予想以上の人手に驚きました。山小屋も結構宿泊客がいたようです。普段平日の山行で誰ともすれ違わないことも多いですが、冬山もこれぐらいの人手があるとだいぶ安心感が違いますねw
お昼ごはんからあまり時間が経ってないので夜は簡単にレトルトのもつ煮とビールですw せっかくなので贅沢にプレモを担ぎ上げましたwww コッヘルに移して温めるだけ、水もいらないレトルトは手軽だし温まれるのでいい感じです。温め中に一度だけ一酸化炭素警報機が発報したもののw、換気をして無事食べ終わって寝る準備です。エアマットを膨らまし、凍っては困る靴と水をシュラフの中に入れ、散乱した荷物を片側にググっと寄せれば完了ですw 寝る前にハイドレーションの凍結をなんとかしようと頑張ったのですが、相当中まで凍っており無理そうだったので諦め、明日の好天を祈りつつ19時過ぎには眠りに付きました。
・
・
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が、しかし… さ、寒い…www
なんとなくそんな気はしてたのですが、どうやら自分はかなりの寒がりなようですw シュラフはモンベルの#0で「公称-31度だし-20度ぐらいはいけるだろ」と思ってたのですが、特に120cmのマットからはみ出した足が寒い。上半身は全然寒くないのですが、足がとにかく寒いです。空にしたザックに突っ込めば多少はマシだったんでしょうけど、今からテント内を整理しなおすのも大変です。保険で持ってきていた#5の寝袋をシュラフとシュラフカバーの間に広げて突っ込みましたがまだ足らない。寝返りをうって足がテントの側面にあたり、スノーフライの向こう側の雪の感触を感じるような状態だと、まず冷たさで目を覚ましてしまいます。「もう一回り広いテントにするんだった…」「次は#0と#3重ねてやる…」などと考えながら寝たり起きたりを繰り返しますw 午前2時、寒さからトイレに行きたくなりテントの外に出ます。この頃は風もほとんどなく、シーンとした寒空に雪の上を歩く自分の足音が響きわたっていました。まわりのテントのみなさんごめんなさいm(_ _)m
細切れなため十分な睡眠ではありませんでしたが、午前6時ゴソゴソと起きだします。テント外-15度、テント内-9.5度。吐息中の水分が凍りテント内はありとあらゆるところがパリパリになってます。シュラフだけ濡らさないように片付けて、後は放置気味のままパンを食べて準備をして7時過ぎに天狗へ向け出発です。
昨日とはうって変わって快晴です。風も昨日よりかはだいぶマシです。先に撤収を済ませて硫黄方面へ向かった方が2〜3人おり、明瞭な足跡を辿って東天狗へ到着です。(ノーアイゼン、ノーピッケル、しかも空身で東天狗までトレランばりのスピードで往復されてる猛者の方もいました) 東天狗から西天狗へは自分が本日の一番乗りだったらしく、埋もれかかったトレースを辿って一瞬だけプチラッセルw 初めての「腿まで踏み抜く」ってのも経験できましたw
8時半、無事西天狗に到着ですw 山頂独り占め、天気も良く気持よすぎ!w 風は若干ありますが日が差しておりそれほど寒さは感じません。10分ほど休憩し来た道を戻ります。東天狗をトラバースするルートは行ってしまいたくなりますが、ロープが張ってありますのでグッとこらえて登り返します。(雪が多いと雪崩る可能性があるからでしょうか?) もう一度東天狗山頂に着いたら運良く他にも人がいたので写真を撮ってもらうことができましたw
あまりの気持よさに山頂にずっといたくなってしまうぐらいでしたが、そうもしてられないのでボチボチ下山ですw 黒百合ヒュッテまで戻り慣れない撤収作業です。このとき(10時前)の気温は0度ぐらい。昨日と違って暖かいので全然楽です。できるだけ雪を振り払いながら全ての荷物をザックに突っ込み11時過ぎには渋の湯へ向け出発します。
歩きながら上を見ると木々の隙間から青空が見えます。とても気持ちいい樹林帯歩きだったのですが、唯一の誤算は暑すぎることw 途中休憩の際、あまりの暑さにオーバーパンツを脱ぎました。スパッツ&アイゼンの脱着にもだいぶ慣れてきたので面倒だと思わなくなってきましたし、時間もそれほどかからなくなりました。それでも汗をかきながらさらに下り、13時に渋の湯到着です。後片付けをしてチェーンを外してw帰路に付きました。車内に残しておいたペットボトルの中身がカチンコチンでした。夜中はやっぱり相当寒かったようですw
以上、いつも通りの読みにくいダラダラとした長文ですいませんw 自分としては初雪上泊も遂行でき大満足な今年最後の山行でした。(早くもw)次のミッションと行く山を考えつつ新年を迎えたいと思います。(←楽しくてしょうがないwww)
以下、思ったこととか自分用備忘録…
・ペグは頑張って埋めなくても勝手に凍って締まる。頑張りすぎるとむしろ抜く時が大変
・厚手のインナーは稜線でちょうどいい。天気が良いときの樹林帯とかでは暑すぎ。
・テントシューズは用意して正解 (いちいち登山靴履くわけにいかん)
・分離型ストーブは用意して正解 (狭いテント内で背の高いストーブにコッヘル乗せるのは危険)
・ZIPPOを用意しておいて正解 (最初ストーブが付かなくて焦った)
・冬季の銀マットは銀が上?青が上?
・バラクラバ+ゴーグルのときもツバあり帽子を被っておいたほうがいい (後の目の痛さが全然違う)
・日焼け止めも凍る (寝袋に入れるべきだったw)
・雪道運転は躊躇しちゃダメ?www
urayasuさん、こんばんは。
1日の違いで天気が雲泥の差ですね。
前のレポにあった、ファン付きゴーグルは役に立ちましたでしょうか? 私の方はつい先日の北横岳で、安物ゴーグルが曇るどころか凍りついて、前が見えなくなるという事態に陥ったので、少しいいものに買い替えようかと思案しているところです。
北横岳ではペットボトルのお茶も凍って飲めませんでした。ハイドレーションだとパイプがすぐに凍りそうですね。これからの時期は、ポットのお湯だけが頼りになりそうです。
naoki99999さん、こんばんは。
一泊するとこういった山の表情の違いも見れるのが楽しいですねw 今回(もw)ラッキーでした。
個人差もあるとは思いますが、汗っかきの自分はファン付きゴーグルでも登りは曇りまくります。ないよりかはマシという程度で費用対効果は微妙な気もしますが、自分の場合、視力悪い、紫外線に弱い体質、コンタクト苦手と三拍子揃っているのでしょうがないかなぁ、とwww 視覚情報は一番大事ですし、「もうヤバい!」って状況になったときに「この装備ケチるんじゃなかた〜」なんて思いたくないですからw
北横寒そうですね〜。夏行ったことあれば次にいってみるところなんですが、一度も行ったことがないんですよねー
urayasuさん
こんにちはー
読んでいて、とてもためになる山行記録でした。
特に、テン泊の設営や細部に至るまで詳細に記されている
ので、今後テントをやるかどうかは別としても、とても
為になりました。
それと、失敗談は、本人にとってはかけがえのない経験
を積んでいるのだとまざまざと痛感致しました。
私もいつも失敗を普段から重ねているので、いい勉強に
なっているといいのですが、同じ失敗はしないように
しないと駄目ですね。
それと、同じ山を、何度も何度も登るっていうのも、
良いことだと思いました。
自分も今後取り入れて行こうかな。
urayasuさんの記録はいついも面白いし
ホントGOODです
onsen
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