牛奥ノ雁ヶ腹摺山=日本一長い名前の山/小金沢山西尾根から
- GPS
- --:--
- 距離
- 5.7km
- 登り
- 476m
- 下り
- 463m
コースタイム
天候 | 曇のち雨のち晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
小金沢山西尾根は一般登山道ではないが、踏跡は明瞭。道標やテープ類は皆無だが、登りならば道に迷うことはないだろう。 小金沢山から牛奥ノ雁ヶ腹摺山までは手入れされた立派な登山道。道標やテープ類も完備。 牛奥ノ雁ヶ腹摺山から北西尾根を辿って日川林道へ降りる道は登山地図に示されていないが、道標やテープが完備した一般登山道と言ってよい。 全コースに渡って危険個所はない。 |
写真
感想
先週11日の「山の日」に、様々な観点から日本一と言える山々を特集した記念番組がBSで放送された。この中で、変わった日本一があった。山の名前で日本一長い山はどこか。それが大菩薩峠の南にある「牛奥ノ雁ヶ腹摺山」とのこと。「うしおくのがんがはらすりやま」と14文字ある。
以前からこの山は気になっていた。小金沢山以北と、黒岳以南の縦走路は様々なルートから登降して繋がっているが、この二つの山の間だけ抜けている。この間は1900m程の標高で高度差の少ないなだらかな尾根が続いているので、のんびり歩けば気持ちが良いだろう。その途中に牛奥ノ雁ヶ腹摺山があり、登山地図には秀麗富岳十二景の山頂と記されていて、一度登ってみたいとは思っていた。BSの記念番組に刺激されて、早速登ることにした。
さて、どのようなルートを採ったら良いか。牛奥ノ雁ヶ腹摺山だけならば、日川林道から往復すれば簡単だが、どうせなら、歩いたことがない小金沢山から黒岳までの縦走路も通りたい。十数年前に小金沢山へ登った時は、石丸峠に上がってから往復したが、下からは結構時間がかかった(あの時は自転車(MTB)を熊沢山まで担ぎ上げて、ダウンヒルを楽しんだりしたから時間がかかったのかも)。それにしても今の体力では、石丸峠まで上がってから、さらに黒岳まで縦走するのは厳しいし、そもそも同じルートをリピートすることは私の好みに反する。
そこで、いつものように地形図を睨んで、小金沢山の南肩から派生している西尾根なら登れるだろう、と判断。下りのルートとしては、黒岳から少し南に降りた肩から西に延びている尾根なら降りられそうだ。登り始めと降りた地点は7kmほど日川林道を歩かなければならないが、MTBで結ぶことにして、行きがけに日川林道と湯ノ沢峠との分岐点にMTBをデポした。
小金沢山西尾根を登ったのは正解だった。道標やテープ類はないが、はっきりした踏跡があり、ほとんど藪漕ぎはしないで済んだ。結局、登り出してから1時間半もかからずに登り切れた。
上に出て感じたことは、ここを降りるのは大変だな、かなりの読図力が必要だ、ということだった。下降の場合、小金沢山の南肩からまず北西に延びている尾根を降りなければならない。降り口は一面の笹原。踏跡はないが、膝程度なのでどこでも歩けるだけに、どこを降りたらよいか分からない。無事に北西尾根に乗ってこれを降りていっても、途中1930m辺りから西側の樹林中の急斜面を降りないと、目的の西尾根に乗れない。北西尾根にはこの先にも踏跡が続いているので、これに惑わされずに西尾根へ下りるには、かなりの読図力とカンが必要であろう。
これに比べると、今回は登りに使ったので、とにかく上へ上へと登って行けばよいのだから、ルートに対する不安は全くなかった。
今年の8月は天候が不安定。この日も天気予報はかんばしくない。日川林道では曇りだったが、山の上は雲に覆われている。西尾根を登って行くと途中から霧となり、次第に霧雨、ついには本降りとなった。風はないので傘をさして登ったが、木の枝に引っかかるのでイライラする。
縦走路に出ても風がないので傘のまま歩けた。頂上に着いて雨の中を休むのも嫌だな、と思っていたら幸いなことに止んだ。でも、いつまた降り出すか分からないし、こんな中を黒岳まで歩いても面白くない。さらに、黒岳の西尾根も未知のルート。地形図から降りられると判断しただけで、何が出てくるか分からない。尾根筋は複雑なので、視界が利かない中をルート探索しながら降りるのは危険でもある。そうかといって一般ルートで湯ノ沢峠まで降りたら、後の林道歩きが大変だ。
や〜めた。この天気では黒岳までの縦走は無理だ。
でも、登って来た小金沢山の西尾根を降りるのは大変だし、せっかくここまで来たのだから、本日の目的である牛奥ノ雁ヶ腹摺山までは行って、そこから日川林道へ直接降りよう。MTBは帰りがけに回収すればよいだろう。
そう決めて小金沢山の頂でのんびり大休止。40分後に歩き出すと、休憩が終わったのだからもう良いだろう、待ってましたと言わんばかりに、また雨が降ってきた。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山に着いた時にはまだ雨は降り続いていたが、しばらくするとまたまた止んだ。ラッキー。後は下りるだけだから、と、コーヒーブレイクで1時間ものんびり。
さて、降りよう。しかし、日川林道への下山路は降り口が分かりにくかった。牛奥ノ雁ヶ腹摺山の頂上から北西尾根を降りるのだが、案内板は黒岳への縦走路と同じく南を指している。結果的には縦走路の途中から分岐して北西尾根に乗るらしい。しかし、古ぼけた案内板には単に「下山路」としか書いてない。どこへの下山路なの? 日川林道への下山路との確信はもてない。湯ノ沢峠だって下山路だろう。結局、黒岳方面に引き込まれるのは嫌だから、頂上から西に向かって笹薮の中を強引に降りる。すると、5, 6分で立派な登山道に出た。もっと道標を信用すればよかったのに、と反省。
後は迷いようもない位に明瞭な登山道を下る。道標もテープ類もあちこちに付いているので、地形図をろくに見なくても無事に林道に降り立った。
林道に下りたら陽が差してきた。でも、山の上はまだ雲に覆われているので、やはり黒岳まで行かなくてよかったな。
天気が悪く、展望は全く利かなかったので、秀麗富岳十二景を堪能できなかったのは残念だが、仕方ないだろう。結果的に、予定したコースの1/3も歩かなかったが、悪天候にもかかわらず、気分はのんびりできた。
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