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Yamareco

都道府県 広島県
最終更新:ヤマレコ/YamaReco

宮島が誇る自然と神秘が息づく峰

"弥山(左)と駒ヶ林(右)"
"弥山(左)と駒ヶ林(右)"

弥山は広島県の離島、宮島の最高峰で標高は535mです。
古来信仰の対象とされており、その歴史や瀬戸内海を望む絶景が魅力とされています。

弥山を擁する神の島「宮島」

"宮島"
"宮島"

弥山がそびえる宮島は「厳島(いつくしま)」とも呼ばれ、広島県でも指折りの観光地です。

"厳島神社:大鳥居"
"厳島神社:大鳥居"

「日本三景」のひとつに数えられており、それを代表する景色のひとつは厳島神社です。弥山北麓に鎮座し、海上に浮かぶ社殿や大鳥居は神秘的な美しさです。大鳥居を含めた海と背後の森林は、世界遺産に登録されています。

"鹿"
"鹿"

また島内は野生の鹿が生息しており、神の遣いとして親しまれています。

"厳島神社:干支杓子"
"厳島神社:干支杓子"

周囲およそ30kmほどの島ながら、もみじ饅頭と杓文字の発祥の地として有名です。

通年青々と茂る「弥山原生林」

"弥山山頂部"
"弥山山頂部"

宮島の大部分は常緑樹の森で、冬でも葉が生い茂っています。特に弥山の北側は「弥山原生林」として天然記念物に指定され、希少な植物が多く自生しています。この要因として、島という独立した環境だったこと、神聖な場所として農耕や伐採がされていなかったことが考えられています。
植物学的にも重要な場所とされ、世界的に名高い植物学者アドルフ・エングラー(1844-1930年)が「私は、できるならば一生ここに住んでここで死にたい」と発言したほどです。

1200年続く霊火が灯る山

"大聖院:摩尼殿"
"大聖院:摩尼殿"

神聖な場所とされている弥山ですが、信仰の拠点として最も歴史が深い寺は大聖院です。

"きえずの火"
"きえずの火"

開基は806年で、空海(くうかい:774-835年)によって成されました。その際に焚かれた護摩の火は、1200年以上経た今も消えることなく守られています。
火には大茶釜が吊るされており、この釜で沸かした湯を飲むと万病にご利益があると言われています。

"不消霊火堂"
"不消霊火堂"

「きえずの火」があるのは山頂部の不消霊火堂(きえずのれいかどう)です。周囲は弥山本堂三鬼堂御山神社といった寺社がたくさん建っています。

瀬戸内海を望む山頂

"弥山山頂"
"弥山山頂"

最高地点は巨岩群で、二等三角点が設置されています。

"弥山山頂より広島市方面を望む"
"弥山山頂より広島市方面を望む"

見晴らしが良く、瀬戸内海とそこに浮かぶ島々や広島市街地、四国の山々などを望むことができます。
初代内閣総理大臣の伊藤博文(いとうひろぶみ:1841-1909年)も、この美景の虜だったようです。彼は「日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり」と評し、登山道整備に私財を投じました。

"弥山山頂:展望台"
"弥山山頂:展望台"

山頂展望台の2階に上がれば、さらにパノラマビューを堪能できます。また1階にはトイレと売店があります。

見どころに富んだ、奇岩怪石・七不思議

"くぐり岩"
"くぐり岩"

宮島は主に花崗岩で構成されており、弥山ではそれらが風化してできた特異な形の岩が人々を惹きつけています。
山頂目前に現れる「くぐり岩」は巨大な岩のトンネルで、実際にくぐることができます。また「舟岩」や「鯨岩」は、その造形が舟と鯨に似ていることからそう呼ばれています。

"干満岩"
"干満岩"

さらに七不思議として語り継がれる神秘的な現象があり、「きえずの火」もその一つに数えられます。
他の6つは「錫杖の梅」「曼荼羅岩」「竜灯の杉」「干満岩」「しぐれ桜」「拍子木の音」です。例えば干満岩は、潮の満ち引きに合わせて岩の穴の中の水が増減し、またその水はしょっぱいそうです。

3つの公認ルート

"弥山登山道概要"
"弥山登山道概要"

弥山を目指す登山道は複数あります。宮島観光協会が公認ルートとしているのは「紅葉谷コース」、「大聖院コース」、「大元コース」の3つです。
それぞれの登山口は紅葉谷公園、大聖院、大元神社です。どの登山道も、谷に沿って付けられています。

定番の紅葉谷コース

"紅葉谷"
"紅葉谷"

紅葉谷コースは、最も初心者向きとされています。

"紅葉谷コース:登山道"
"紅葉谷コース:登山道"

終盤は階段が続き、勾配がきつい箇所があります。

石段の多さが特徴・大聖院コース

"大聖院コース:登山道"
"大聖院コース:登山道"

大聖院コースは信仰の歴史を強く感じることができる道です。道中は2000段ほどの石段が待ち受けます。

"大聖院コース:里見茶屋跡"
"大聖院コース:里見茶屋跡"

里見茶屋跡は往時、茶屋がありました。見晴らしに優れています。

"大聖院コース:賽の河原"
"大聖院コース:賽の河原"

賽の河原は、岩の下に何体もの仏様が安置されています。

森と巨岩を満喫する大元コース

"大元コース:登山道"
"大元コース:登山道"

大元コースはやや距離がありますが、巨岩と弥山原生林をより味わうことができる道です。

"大元コース:大師堂、風吹き岩"
"大元コース:大師堂、風吹き岩"

大師堂は、弘法大師(空海)を祀った小さなお堂です。隣の大岩は「風吹き岩」と呼ばれ、隙間から冷たい風が吹く不思議な現象が感じられます。

"駒ヶ林"
"駒ヶ林"

途中で立ち寄れる駒ヶ林は、巨岩が舞台のように連なる展望地です。

霊山の印「丁石」

"大元コース:十四町(水子地蔵)"
"大元コース:十四町(水子地蔵)"

「丁石(丁目石、町石)」は信仰の山でよく見かける石標です。巡礼者が自分の位置や山頂までの距離を知るための目印で、1丁(約109m)を目安に置かれます。
弥山では大聖院コースと大元コースに多く残っています。大元コースでは、距離の単位は「町」と記されていますが、「丁」と同じ意味です。

ロープウェーで手軽に登頂も

"宮島ロープウェー(循環式:紅葉谷駅〜榧谷駅)"
"宮島ロープウェー(循環式:紅葉谷駅〜榧谷駅)"

山頂部までは宮島ロープウェーが通じており、利用すれば観光気分で登ることもできます。
2種類のロープウェーを乗り継ぐ珍しい運行で、麓の紅葉谷駅から中腹の榧谷(かやたに)駅までは、少人数乗りの客車が一定間隔で出発する循環式です。

"宮島ロープウェー(獅子岩駅)"
"宮島ロープウェー(獅子岩駅)"

そこから終点の獅子岩駅へは、大きな2台の客車が交互に往復する交走式です。

"登山道(獅子岩駅〜弥山山頂)"
"登山道(獅子岩駅〜弥山山頂)"

獅子岩駅から山頂へは整地された歩きやすい道で、観光客もよく訪れています。
登山口 紅葉谷コース登山口
大聖院コース登山口
大元コース登山口
獅子岩駅
基本情報
標高 535m
場所 北緯34度16分46秒, 東経132度19分10秒
カシミール3D
弥山山頂からの眺望、眼下に見える瀬戸の多島美は伊藤博文を
して「日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり」と言わしめた
ほどです。

また、太古より大切に守られてきた弥山原始林は1929年、国・
天然記念物の指定を受け、1996年には世界遺産として登録され
ました。日本の縮図ともいうべき多様な植物が生育する神々が
棲む森は1万年以上も前から変わらぬ営みとともに奇跡の景観を
作り上げています。

弥山山頂では飲料水・食事の販売はありません。
近いところではロープウェイ・獅子岩駅、弥山本堂・霊火堂横に
ある飲料水の自販機をご利用ください。

山頂展望台の利用可能時間=10:00〜16:00
             トイレは24時間使用可

                   (2017年2月15日現在)
山頂 標高535m
分岐 RW獅子岩駅、紅葉谷方面と大聖院、駒ヶ林方面
トイレ 水洗 24時間利用可 無料
展望ポイント 展望台=10:00〜16:00 無料

山の解説 - [出典:Wikipedia]

弥山(みせん)は広島県廿日市市宮島町の宮島(厳島)の中央部にある標高535 mの山。古くからの信仰の対象になっている。
山頂には2013年に建て替えられた展望台「宮島弥山展望休憩所」がある。初代内閣総理大臣伊藤博文は「日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり」と絶賛した。
周辺海域(瀬戸内海)および島全体として、瀬戸内海国立公園内に位置しており、弥山の山麓は、ユネスコの世界遺産「厳島神社」の登録区域の一部となっている。
北側斜面には、国の天然記念物となっている「瀰山原始林」が存在し、暖温帯性針葉樹のモミと南方系高山植物ミミズバイの同居やヤグルマの群落など、特異な植物・植生の分布が見られる。登山中には鹿(宮島の鹿)に出会うこともある。
平安時代の大同元年(806年)に空海(弘法大師)が弥山を開山し、真言密教の修験道場となったと伝えられる。
山頂付近には御山神社(みやまじんじゃ)、山頂付近から山麓にかけては大聖院の数々の堂宇、裾野には厳島神社を配し、信仰の山として古くから参拝者が絶えない。
山名については、山の形が須弥山に似ていることからという説や、元は「御山」(おやま、みやま)と呼んでいたのが「弥山」となったという説などがある。なお、山頂にある三角点の名称は「御山」である。
山頂一帯に見られる巨石群は磐座とみられる。磐座を祭祀対象とする山岳信仰の開始は一般に古墳時代以降とされる。厳島沿岸部に複数存在する縄文遺跡および同時期の遺跡である地御前南町遺跡など対岸の縄文遺跡からも祭祀に関わる明瞭な遺物は確認されていない。郷土史家の木本泉はこれを縄文時代の祭祀遺跡と主張するが資料的裏付けに欠ける。弥山中腹からは古墳時代末以降の祭祀遺跡が発見されており、弥山に対する山岳信仰はこの頃始まったものと考えられている。
弥山北側尾根上の標高270-280メートル地点にある岩塊群周辺の山中から、古墳時代末から奈良時代にかけての須恵器や土師器、瑪瑙製勾玉、鉄鏃などの祭祀遺物が採集されており、山頂から麓の斎場に神を招き降ろす祭祀が行なわれた磐座に比定する説がある。弥山の本堂付近からは奈良〜平安時代頃の緑釉陶器や仏鉢などが出土した。弥山水精寺(大聖院の前身)は従来鎌倉時代に対岸から移設したとされていたが、より古い時代に創建された可能性がある。

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