最終更新:ヤマレコ/YamaReco
世界自然遺産のブナ原生林を持つ白神山地の主峰

白神岳は青森県西津軽郡深浦町に位置する標高1235mの山です。世界自然遺産「白神山地」にあり、日本二百名山に選ばれています。
山名の由来については、春になると山頂付近の雪形が「上」の字に見えることにちなむという説があります。江戸時代の紀行家・菅江真澄(すがえますみ:1754-1829年)は著書の中で白神岳を「白上山(しらかみやま)」と記し、この雪形が山名の由来ではないかと推測しています。
人の手が届かなかった8000年の森

白神山地は青森県と秋田県にまたがる広大な山岳地帯で、その中心部には原生的なブナ林が世界最大級の規模で残されています。現在の森の姿は約8000年前から続いており、1993年12月に日本で初めてのユネスコ世界自然遺産として登録されました。

山地の最高峰は白神岳の北東にそびえる向白神岳(むかいしらかみだけ)ですが、登山道はありません。

豊かな生態系を誇る山域で、ツキノワグマやニホンカモシカなど35種の哺乳類、イヌワシやクマゲラといった94種の鳥類が生息するとされています。
また山頂付近は森林限界を超えた草原地帯となっており、5月から9月にかけて数多くの高山植物が咲き誇ります。
夏の盛りにはチシマフウロの大群落やニッコウキスゲ、ゴゼンタチバナなどの花々が登山者を楽しませてくれます。
白神大権現を祀る信仰の山

白神岳は、古くから人々の信仰を集めてきた霊峰でもあります。山頂から避難小屋を経てさらに北へ進むと、草地の中に白神大権現(しらかみだいごんげん)の祠が祀られています。その隣には大きな講中石(こうじゅういし)と、かつての祠の跡があります。麓の大間越(おおまごし)の人々は、旧暦8月1日に白神岳へ登って祈りを捧げてきたと伝えられています。
白神大権現は、海の守り神としても信じられてきました。海の上で進路を見失ったとき、白神大権現に祈れば白い旗を持った神が現れ、進むべき道を示してくれるという言い伝えが地元に残っています。

さらに白神岳と岩木山にまつわる昔話も伝えられています。麓の十二湖(じゅうにこ)にいた姉妹が、白神岳と岩木山から求婚されたという物語で、津軽を代表するふたつの名峰が一対のものとして結び付けられてきました。
日本海と名峰を一望する山頂

山頂付近は広々とした草原です。

最高地点は標高1235mですが、標高1232mのピークに山頂標識と一等三角点が設置されています。

そのやや北には山頂避難小屋とバイオトイレがあります。

展望は雄大で、目前に広がる日本海と男鹿半島が目を惹きます。晴れた日には岩木山や八甲田山、遠く鳥海山まで望むことができます。
3つの登山コース

白神岳には主に3つの登山コースが設けられており、それぞれ蟶山(まてやま)コース、二股コース、そして十二湖コースと呼ばれています。
王道の蟶山コース

このうち最もよく利用されているのが、山腹の蟶山を越える蟶山コースです。古くからの二股コースが急峻で険しいことから、より安全な道として1983年に開設されました。歩きやすく危険な箇所も少ないため、登山初心者でも比較的取り組みやすい道のりです。
一方の二股コースは沢を渡って山頂へ直登するコースで、増水時は通行することができません。

蟶山コースの登山口には広い駐車場と休憩所があります。公共交通機関を利用する場合は、JR五能線の白神岳登山口駅が最寄りです。

登山口から進むと二股分岐があり、ここで二股コースと分かれて蟶山コースへ入ります。

蟶山へ向かう途中に、水場が2箇所あります。

蟶山から主稜線へ上がる区間は太いブナの木立が続き、「ブナ街道」と呼ばれて親しまれています。晴れた日には葉の隙間から光が差し込み、幻想的な雰囲気を醸し出しています。

主稜線に出れば、日本海や白神山地の山並みを眺めながら開放感あふれる尾根歩きが満喫できます。
健脚向けの十二湖コース

十二湖コースは、十二湖から崩山(くずれやま)、大峰岳などを経て、長い稜線を辿ります。アップダウンを繰り返す本格的な登山道で、区間によっては草木が茂り、足元やルートが分かりにくい箇所もあります。十分な体力と登山経験のある人向けのコースです。

また登山口の十二湖は、33の湖沼群を持つ美しい景勝地です。
| 登山口 |
白神岳登山口 白神岳登山口駅 奥十二湖駐車場 |
|---|---|
| 周辺の山小屋 | 山頂避難小屋 |
付近の山
この山が含まれる山リスト
この場所を通る登山ルート
この場所を通る登山ルートはまだ登録されていません。



白神岳の山行記録へ









Loading...