黒壁は龍神伝説で有名な夜叉ヶ池より東、約2.4�夘婉瓩飽銘屬垢觧暗�三角点峰（点名：高丸）である。
地形図上には山名は持たず、出版物においても「黒壁」、または「黒壁山」、点名の「高丸」など、これといった統一性は感じられない。その一例として、「ぎふ百山」においては山名は「黒壁」と表題しておきながら、説明文中は「黒壁山」とある。また大垣山岳会編「美濃の山」、日本山岳会東海支部編「山旅徹底ガイド」では、別名「鳥ヶ東」との記述まであり、三つ巴どころか四つ巴状態である。
先にも少し触れたが、黒壁は「ぎふ百山」に選定されている。ただし、きふ百山を志している方や、岐阜の山を好んで同書を愛読されている方などはご存知だと思うが、黒壁の説明文の2/3は隣接する「烏帽子山」についてである。この烏帽子山にホハレ峠から林道（現在では廃道状態）が出来たので、急遽変更して黒壁を選定したという、なんとも冷遇的な趣旨が綴られている。
ただし、黒壁は奥美濃地域では伊吹山・能郷白山に次ぐ第三の高峰でありながら山容も立派であり、紛れもなく名山である。特に積雪期の夕刻に烏帽子山付近から見る北壁は、まさに「黒壁」であり圧巻である。