モンテローザという山は、スイス中南部のヴァリス(Wallis/Valais)山群の最高峰であるとともに、スイスとイタリアの国境稜線上に位置する山である。
モンテローザは一つの山というより、巨大な山塊であり、モンテローザ山塊（Monte Rosa Massif）とも呼ばれる。

モンテローザの主稜線は、北東から南西方向走向をもつ、５ｋｍほどの長い稜線である。その主稜線には多数のピークがある（詳細は、モンテローザ山塊の他のピークの項を参照ください）

この項ではモンテローザ山塊の一峰である、バルメンホルン(Balmenhorn；4167ｍ）ピークについて説明する。

バルメンホルンは、モンテローザ山塊のうち、南西部にある小さいピークであり、イタリア側に属している。
南主稜線上にあるシュヴァルツホルン(Schwarzhorn；4321ｍ）のすぐ西側の斜面にある、ごく小さな岩峰であり、スイス政府のインターネット地形図では、山名すら記載されていない。
またウイキペディア（英語版）、（イタリア語版）にも項目がないほど、無名の小ピークである。
（文献１）では、「4000ｍ峰ではあるが、山とは言えない。この岩の小インゼルが頑として（アルプス４０００ｍ峰の）リストにあるのは、コレクター熱が独り歩きした結果である」と評している。

（文献１）、（文献２）、及びスイス政府のインターネット地形図によると、この小岩峰付近には、小さなビバーク小屋（”Bivacco Giordano”）が建っている。

（文献２）によると、この小ピークは、UIAAが定めた「アルプス4000ｍ峰」（" The 4000m peaks of the Alps"）のメインリストには入っておらず、衛星峰のリストのほうに入っている。また、「この小ピーク自体を目的として登られることはまずなく、その先のシュバルツホルン、パロットシュピッツェなどの山に登る際に立ち寄られることがある」、と記載されている。


※　本稿は、「アルプス４０００ｍ峰登山ガイド」リヒャルト・ゲーゲテ著、島田　訳、山と渓谷社　刊　（１９９７）（文献１）、及び　インターネットサイト　“Summit post”の”Balmerhorn”の項（文献２）を参照して記載した。


※ インターネットサイト　“Summitpost”のうち、“Balmenhorn”の項

https://www.summitpost.org/balmenhorn/1048902#:~:text=Balmenhorn%204167%20m%20is%20a%20very%20tiny%20peak,lost%20in%20the%20ice-sea%20of%20the%20Lys%20Glacier.