ファウルホルン（Faulhorn；2681ｍ）は、スイス中部、ベルナーオーバーラント(Berner oberland)山群のうちの、一峰である。

ベルナーオーバーラント地域の山岳リゾートとして有名な、グリンデルワルト（Grindelwald）の町の北西、約６ｋｍの位置にある。

グリンデルワルト周辺には、アイガー(Eiger)、メンヒ（Monch）、ユングフラウ（Jungfrau）といった、４０００ｍ級の高山がそびえており、それらはいわゆるアルパインクライミングの領域の山々であるが、このファウルホルンは、氷河も険しい岩場もなく、日本の北アルプス程度の山歩きができる山といえる（文献１）。

なおこの山の標高は、文献によって多少の差異がある。
（文献１）、（文献２）では、2861ｍ　と記載されている。
（文献３）では、2680ｍ　と記載されている。
本稿では、ウイキペディア英語版（文献２）に記載の標高値を採用した。

ファウルホルンへの登山は、グリンデルワルトからだと、まずロープウェイを利用してフィルスト(First；2184ｍ)まで上がり、そこからバッハアルプゼー(Bachalpsee)という高山湖までトレッキングルートを行く。バッハアルプゼーまでは観光客も訪れる整備された道である。
バッハアルプゼーからは、それほど難しくない登山道を登り、ファウルホルン頂上に至る（文献１）。

フィルストからバッハアルプゼー経由、ファウルホルンまで、片道で約２〜２.５時間（文献１）。
なお、夏の始めの時期には、多少残雪が残る場合があるという（文献１）。

その他のルートとしては、インターラーケンの町から、展望台として知られるシーニゲ・プラッテ（Schynige Platte；1967ｍ）まで登山鉄道で上がり、そこから登山道を歩いてゆくルートもある（文献１）。
また、本格的な縦走コースで、かつロングコースとなるが、シーニゲ・プラッテからファウルホルン、バッハアルプゼーを経由してフィルストまで縦走することもできる（文献１）。

ファウルホルンの山頂は展望が優れ、前記のベルナーオーバーラント三山のほか、西側には、インターラーケンの町や、その両側にある、ブリエンツ湖、ツゥーン湖なども望める、という。
また山頂部には山小屋もある（文献１）、（文献２）。


本稿は、
文献１）　小川清美　著
　　「ヨーロッパアルプスハイキングガイド　グリンデルワルト周辺を歩く」
　　のうち、「シーニゲ・プラッテ〜ファウルホルン〜フィルスト」の項
　　　　　　山と渓谷社　刊　（2000）
文献２）　ウイキペディア英語版のファウルホルン（Faulhorn）の項
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（2022年9月閲覧）
文献３）　スイスの公的なインターネット地形図
を参照して記載した。


※ ウイキペディア英語版の、“Faulhorn”の項

　　https://en.wikipedia.org/wiki/Faulhorn

※　スイスの公的なインターネット地形図のサイト

　　　https://map.geo.admin.ch/