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最終更新:ヤマレコ/YamaReco
ハイマツが自生する南限の百名山
光岳は南アルプスの南部に位置し、長野県と静岡県にまたがります。標高は2592mで、日本百名山の一座です。
山名の由来「光石」
"てかりだけ"なる読み方は難しく、また響きの面白さは往々にして人々の好奇心をそそります。
その由来は、山頂の西に鎮座する光石(てかりいし)です。光石は巨大な石灰岩で、シラビソやハイマツが茂る中からにょきっと突き出ています。この岩峰は午後の陽を受けると白く光って見えることから名が与えられました。
いくつかの南限を担う光岳
光岳は南アルプス最南端の山とされ、国内ではここより南に標高2500m以上の山はありません。
またチョウノスケソウなどの高山植物や、ハイマツが自生する南限の山とされています。ハイマツの実を食べたり、営巣するライチョウの生息域は、光岳の東隣に立つイザルヶ岳が南の限界と言われています。
深南部の入口の山
光岳の南は低い山が連なりますが、光岳を含めて「深南部」と区分されることがあります。
深南部は手つかずの自然が色濃く残り、環境省から「原生自然環境保全地域」に指定されるほどです。秘境感を醸しており、登山上級者に好まれるエリアです。道が不明瞭な箇所が多く、藪漕ぎや渡渉をたびたび強いられます。
樹林に覆われた山頂
光岳の山頂はシラビソが林立し、見晴らしは望めません。
すぐそばには南に開けた展望地があり、深南部の峰々や光石を望むことができます。
楽園のような湿地を抱く
光岳小屋とイザルヶ岳の間にある細長い凹地はセンジヶ原です。
湿原の中に木道が敷かれており、楽園に訪れているような気分が味わえます。土壌は亀甲状の起伏がいくつも見られ「アースハンモック」と呼ばれています。これは凍結と融解を繰り返すことで形成される周氷河地形です。
また「静高平」は沢が流れる草地です。水場があり、お花畑を愛でながら一息つくことができます。
ぜひ立ち寄りたいイザルヶ岳
イザルヶ岳は、多くのハイカーが寄り道する絶景スポットです。山頂部は平らで広々としており、360度の眺望があります。光岳や茶臼岳、聖岳など南アルプス南部の山がよく見えます。
特に朝は、御来光と富士山の神々しい光景を拝むことができます。
主な登山口は易老渡と畑薙大吊橋
光岳への登山口は主に2つで、長野県の易老渡(いろうど)と、静岡県の畑薙湖にかかる畑薙大吊橋です。
易老渡を起点とした場合、急で長い尾根道をたどり、南アルプスの主稜線に取り付きます。
うっそうとした森から、木々が立ち枯れた易老岳に着けば、南アルプスの主稜線です。ここから三吉平、静高平を経て光岳を目指します。
一方、畑薙大吊橋から出発すると、序盤は沢筋を登り詰めます。ウソッコ沢避難小屋までは、吊橋を何度か渡ります。
茶臼小屋を過ぎると、南アルプスの主稜線に上がります。茶臼岳からは稜線歩きを楽しみながら易老岳、光岳へと向かいます。
登山の要衝・光岳小屋
光岳登山は長丁場で、一般的には2日間以上をかけて臨みます。
光岳小屋は光岳山頂に最も近く、光岳とイザルヶ岳の中間にあります。小屋の前からは富士山やイザルヶ岳がよく見えます。
また、光岳と聖岳の2座を狙う登山者には、茶臼小屋もよく利用されています。
光岳の難易度(信州 山のグレーディング)
76. 光岳(易老渡) 難易度B ★★☆☆☆(2)登山口 |
芝沢ゲート 易老渡 畑薙大吊橋 |
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周辺の山小屋 |
光岳小屋 茶臼小屋 聖光小屋 |
基本情報
標高 | 2591m |
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場所 | 北緯35度20分17秒, 東経138度05分02秒 |
山頂 |
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山の解説 - [出典:Wikipedia]
光岳(てかりだけ)は赤石山脈(南アルプス)南部の標高2,592 mの山である。日本百名山に選定されている。富士山南斜面の同じ標高の地点(富士宮口六合目付近)よりも緯度にしてわずか10 秒、距離に換算して300 mほど南に位置し、2,500 mを超える山としては日本の最南端にある。国内には光岳より南にそれより高い地点はない。山頂部がわずかに森林限界を超えており、ハイマツおよび高山帯植生の分布の南限(ハイマツは世界最南端の自生地)及びライチョウの生息地の南限に当たることでも知られている。山の上部は、南アルプス国立公園内に指定されていて、その最南端の山である。南東部のツガなどの針葉樹林帯は1976年(昭和51年)3月22日に環境省により、「大井川源流部原生林自然環境保全地域」に指定されている。山頂のすぐ東には光小屋の山小屋があり、イザルガ岳との間のゼンジヶ原は二重稜線となっていて、周氷河地形の名残である窪地状の亀甲状土の地形が見られる。周辺ではシナノキンバイ、ハクサンフウロ、ホソバトリカブトなどの高山植物が見られる。光岩周辺では、チョウノスケソウや南アルプスの固有種であるミヤマムラサキなどの群生地がある。