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更新日:2015年12月02日 訪問者数:7548
山スキー/ボード 技術・知識
八ヶ岳・諏訪地域のバックカントリースキーフィールドの紹介
Fujimori-W
私の住んでいる茅野市および諏訪地域はもともと雪がそれほど多い地域ではないため、北アルプスや北信方面と比べるとバックカントリースキーで滑降を楽しむことの出来るフィールドはそれほど多くはありません。もちろん霧ヶ峰や北八を中心になだらかで歩くスキー、クロカン、スノーシューに適したフィールドは多いのですが、そこではパウダーを巻き上げて滑る滑降系の滑りはあまり楽しめません。それでも探してみると、少ないながらも滑りを楽しめるフィールドがあることが分かり、現在は遠くに出かけるよりも近場で手軽に楽しむバックカントリースキーをメインに楽しんでいます。
あまり知られていない場所も多いかなと思い、もっと多くの人に知ってもらえたらとヤマノートにて紹介したいと思います。

【車山・霧ヶ峰周辺】
●車山・沢渡スキー場跡斜面
車山を含む霧ヶ峰は、冬はそのなだらかな地形からスノーシューハイキングに人気の場所でもありますが、車山の北面西側に滑りに適した斜面があります。冬季も車山肩までの道路が通行でき、アプローチも容易です。独立峰ゆえ、天気がよい時の展望の素晴らしさは言うまでもありません。
なお山頂のドーム直下の北側斜面は崖となっていて雪崩多発地帯ですので要注意です。また車山湿原は冬季でも立ち入り禁止となっていますのでご注意を。
北面側だけでなく、南西側斜面も雪の状態が良ければ滑りを楽しむことが出来ます。
また雪が多い時は車山肩の反対側(ビーナスの丘の側)に広がる沢渡スキー場跡の斜面も滑ることが出来ます。比較的なだらかでBCの練習には最適のバーンですので、初心者にも安心してお勧めできます。 古いリフトの両側を滑ることが出来ますが、雪質は樹林帯が脇にある西側の斜面の方が良いことが多いように感じます。
ちなみにここには車山肩に冬季も使えるバイオトイレがあり、何かと安心です。

●三峰山  
霧ヶ峰から美ヶ原に向かうビーナスラインのすぐ横にある小ピークが三峰山です。冬季は道路が閉鎖されてしまうため、旧道和田峠から歩いて約2時間ほどかかってしまいますが、その分訪れる人も少なく静かな冬山を楽しめる場所でもあります(さすがに土日は訪れる人が以前より増えてきていますが)。 あ、人は少なめですが、その代わりに稜線には沢山のシカがいます。数百頭が放し飼いになっているシカランドに入り込んだ気分になれます。
稜線の東側にいくつかの滑りに適したオープンバーンの斜面を持ち、時間があれば何度も登り返して異なる斜面の滑降を楽しむことが出来ます。天気が良ければ最高の展望も楽しめますし、個人的にもお気に入りのフィールドです。
ただし降雪後数日が経過すると雪の状態が良くないことが多いので、出来るだけ降雪直後に訪れてみて下さい。山頂から南東に広がる標高差150mほどの大斜面は素晴らしい斜面だと思います。
もし三峰山東斜面の状態が悪いときは、三峰山レストハウス駐車場から北側に下っていく斜面(道路の下側)をダメ元で滑ってみることをお勧めします。風の影響を受けにくい北側斜面なので、意外にパウダーだったりします。

●鷲ヶ峰
霧ヶ峰の八島湿原の北側にある小ピークが鷲ヶ峰です。ここも八島湿原の駐車場までは冬季も通行できますので、アプローチが容易です。私がいつも滑る斜面は、鷲ヶ峰の2番目のピークから北に進む尾根の両側に広がるオープンバーンで、東側は風の影響を受けにくくパウダーの確率の高い斜面です。オープンバーンが終わった後の樹林帯も気が済むまで滑っていくことが出来ます(^^)。(もちろんその分登り返しになりますが)
西側は強風が吹き付けるため、雪の状態が良くないことが多いので、降雪直後を狙うのが吉。
最初のピークの手前の東斜面も、かなり急ですが、鷲ヶ峰では一番の深雪を楽しめる斜面です。
一度、山頂直下の東斜面を滑り降りたことがありますが、ここは40度ほどの急斜面で、私が過去滑った斜面の中では最高レベルに近いエクストリームフィールドでした(^^;。

●ガボッチョ
池のくるみ・踊り場湿原の東側、車山肩の南側にガボッチョという不思議な名前を持つ山があります。標高差は100m弱ながら東西に長い稜線を持ち、北面はほぼ平らで滑りやすい斜面を持ちます。かつてここがスキー場でジャンプ台もあったという話も目にしましたが、確かに北面斜面は広大で滑走に向いた斜面だと思います。滑れるのは雪が多い時期限定ですが、北面ゆえに雪の状態も良く、パウダー滑走を楽しめる可能性も高い場所です。
滑ったあと登り返しになりますが南面側、東面側も滑ることが出来ます。

●殿城山
車山とエコーバレースキー場の間にある山が殿城山です。山頂直下の東斜面は急すぎて滑りには適していませんが、南東に延びる尾根上にはいくつかのオープンバーンがあって、雪の状態が良ければ麓まで滑り降りることが出来ます。山頂から麓まで標高差約300mの急斜面が続く、中・上級者向けの楽しいフィールドです。
また殿城山から車山乗越に伸びる尾根の両側および周囲も適度な斜度のオープンバーンがあって、距離は短いですが滑りを楽しめます。

【蓼科山・北八周辺】
●蓼科山
蓼科山は山頂近くまで濃い樹林に覆われていてバックカントリースキー向きでは無いように見えますが、北面側に石がゴロゴロした広いオープンバーンがあり、その石が雪で埋まれば快適な滑降フィールドになります。山頂から直接滑り降りることも出来、その場合は標高差約400mを滑り降りることになります。またその先も登山道あるいは登山道脇を滑り降りて白樺高原国際スキー場の下まで、山頂から標高1000m弱を滑り降りることが出来る、八ヶ岳、霧ヶ峰エリアでは屈指のスケールを持つビッグエリアです。
なお山頂直下の急斜面は過去に何度も雪崩が発生していますので、雪の状態が悪い時は注意が必要です。
それと下山時に通過する白樺高原国際スキー場はスキーオンリーのゲレンデですので、スノーボードの人は下山もスキー場のゴンドラを使うことになりますのでご注意を。
ちなみについ最近発売になった「山スキー百山」に、登って滑るべき日本の山100の一つに蓼科山が選ばれ北面ルートが紹介されていますので、今後は訪れる人が以前にまして多くなるかも知れません。個人的にも蓼科山北面ルートは八ヶ岳エリアを代表するBCルートだと思います(^^)。

●天狗岳
八ヶ岳でも南八を中心とするエリアは、急峻な崖か濃い樹林のいずれかでスキーには不向きなエリアでもあるのですが、天狗岳周辺には短いながらも滑ることの出来るオープンバーンがあります。西天狗岳東面、東天狗岳北面・北西面、両天狗岳のコルから北側に下る斜面などで、元々スキーで訪れる人はほとんどいませんので、大勢の登山者の注目を浴びる中、自分だけのシュプールを斜面に刻むことが出来るでしょう。
お勧めのコースは西天狗岳山頂から東斜面をコルまで下り、その先はコルから北に下っていく斜面をオープンバーンをたどって滑るというもので、山頂から標高差200〜250mほどの滑走が楽しめます。
残雪期だと、東天狗岳東側の急な斜面を滑った記録もありますので、まだまだ開拓余地のあるエリアだと思います。
なお欠点としては黒百合ヒュッテから下は樹林帯が濃くてスキーでの滑走はほぼ不可能で、登山道を歩いてくだらなくてはいけないということがあります。

●八子ヶ峰
蓼科山の南側に位置するのがこの八子ヶ峰です。なだらかな稜線が続いていて、基本的には冬季はスノーシュー向けのフィールドになりますが、ただ、部分的に急な斜面もあり、東側のオープンバーンや北東側の急斜面の林の中はプチBCとしてそれなりに楽しめると思います。
林間の滑りですが、木が比較的密ですので、確実に小回りできるスキー技術が必要でしょう。もちろん急な林間を滑らずに登山道周辺を滑り降りることも可能です。

●丸山
北八の麦草峠のすぐ南側にある山が丸山です。この周囲にはいくつかオープンバーンがあり、岩が雪で埋まればそれなりに滑りを楽しめるフィールドになります。最近はこのオープンバーンをスノーシューで訪れる人が多くなったせいか、登山道からオープンバーンまでのトレースが付いていることが多く、また途中にマーキングもあるなどアクセスしやすくなりました。
とりわけ丸山の北西面側にある大きなオープンバーンは、八ヶ岳エリアで滑ることの出来るオープンバーンとしては屈指の規模を持ち、雪の状態さえ良ければ最高の展望を楽しみながら滑ることが出来ます。
アプローチに冬季閉鎖の国道を使いますので、最初から最後までスキーで行動できるのもうれしいです。

【南アルプス側】
●入笠山
入笠山は山頂周辺の入笠湿原、お花畑の大斜面、牧場の斜面など、いくつかのオープンバーンで滑りを楽しめます。なお入笠山はバックカントリースキーというよりはスノーシューフィールドとして最近特に人気が高く、週末になれば多くの団体さんで賑わっています。そしてそのオープンバーンはスノーシューで歩いても楽しい場所と言うことで、すぐに斜面がぎだぎだになってしまうのが難点と言えば難点かも(^^;。

●守屋山
諏訪盆地の南側、そして南アルプスから伸びる山脈の最北端のピークがこの守屋山です。ピークまでほぼ樹林に覆われオープンバーンはほとんど無く、一般的にはバックカントリースキー向きの山では無いのですが、ただ樹林帯もそれほど密でないため、小回りでターンが出来る人ならば気持ちの良いツリーランを楽しむことが出来るでしょう。山頂から下のキャンプ場までの北面を標高差約300m、滑ることが出来ます。ただし大雪の時期に限定ですが。


2013年以降の記録はヤマレコに登録しているものが多いですので、GPSログを参照したい場合はヤマレコで私のレコを検索してみて下さい。
このエリアはビッグバーンは少ないですが、その代わりに比較的雪崩の危険が少なく、手軽にBCが楽しめる場所が多いと思います。ただ気象、雪の状態によってその危険性は大きく変わりますので、私の記録はあくまで参考として、自己判断、自己責任で楽しんで下さい。

なお2015-2016シーズンでの新規開拓目標は鉢伏山、カシガリ山、蓼科山東面、縞枯山周辺です。後日、その辺の情報も追加する予定です。

参考までに写真は上から三峰山、西天狗岳、蓼科山、丸山の様子です。
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