G3 ION LT12 (山スキー用テックビンディング)のDIY取り付け シールカットも
◎訳あって、DIYにてスキー用テックビンディングを板に装着(マウンティング)することになりました。これまで僕はスキーに関する道具は全てショップにまかせており、アルペンビンディングすら自分で取り付けたことがありません。そんな素人ですので、テックビンディングを装着するにあたっては結構苦労する羽目になりました(>_<)しかし、せっかく苦労して装着しましたので、備忘録も兼ねてこのノートを書くことにしました!あくまで日記として読んで頂ければ幸いです。
事後感としては、たとえ持ち込み料1万円かかったとしてもショップで取付してもらった方が良いという結論に達しました。安心ですし楽なので、あたりまえですが(笑) たぶん2度目の取り付けは無いです。
取り付けた板:たぶん2016年製 K2 Pon2oon 169cm
取り付けた金具:2018年製造 G3 ION LT12
取り付けたシール:2016年製造 G3 ALPINIST の内、真ん中位の価格帯のシール
※当然ですがスキー用ビンディングをユーザーにて装着することは推奨されていません。
僕は今回の装着にあたり、わからない点などは自己責任の元で調べ、作業もすべて自己責任の元で行っております。このノートの内容には僕の思い違いや理解不足・書き忘れがあったり、プロの方から見たら指摘したくなるような作業もしてしまっているかもしれません。従って、このノートを参考にしてビンディングを取り付けた結果、ビンディングやスキー板の破損、それに伴う滑走中の事故等が発生しても当方では責任を持てませんのでご注意ねがいます。
1、スキーの取り付けに使用しているネジについて
前からその形状が少し変わっているのは気付いていました。メーカーによって違うのかもですが、おそらく大半のスキービンディングについているネジは+のネジに見えて実は少し違う形状をしているモノです。普通の+ドライバー(写真1)を使って作業できなくもないですが、形状が微妙に違うので思い切り力をかけられませんし、万が一ネジがなめたら大変です。そこでポジドライバー(写真2)と呼ばれる物を使います。これはヨーロッパ発祥?の規格らしく、ホームセンターのドライバー売り場に行ってもあまり種類がありませんでした。
2、アルペンビンディングの取り外し
今回、テックビンディングを取り付ける板は中古です。ですので、まずはアルペンビンディングを取り外すところから始めました。ヒールピース6本、トゥピース4本で留っているのを外しました。ビンディングによってはネジ部が隠れているものもあるかと思います。(今回はそうでした(^_^;))よーく観察して分解の糸口を探しました。
3、アルペンビンディング取り付け穴の埋め栓
アルペンビンディングが装着されていた穴は再利用できないので、スクレーパー+φ10mmのドリル+砥石を使ってバリ取りをしました。穴の位置と次に装着するテックビンディング取り付け面が重なっていたため、バリだけでなく穴の周囲の盛り上がりもしっかり除去しました。また、φ4mmの埋め栓を2液エポキシ接着剤とともに穴に入れ防水のための蓋としました。(もちろん埋め栓の頭が出ないようにした。)
さらにエポキシ接着材が固まったあとの盛り上がりをスクレーパー+砥石でならし、平面を出しました。
4、板の幅方向のセンター出し
思いのほか苦労しました。ショップなどで使っているであろう(?)専用のメタルジグがあればセンター出しは一瞬なのかもしれませんが、素人の僕はノギスと定規で頑張りました。(写真3)
納得のいく精度が出るまで、何度も線を引き直しました。これだけで3晩使いました。また、元々装着されていたアルペンビンディングの取り付け穴から割り出したセンターラインと、自分がノギスから導き出したセンターラインが最初どうしても揃わず、それが混乱に拍車をかけました(笑)
5、下穴をあける位置を決める
どうにかこうにか自分が納得する精度でセンターラインが引けたので、次はビンディングを取り付ける下穴をあけます。センターラインに、テンプレートと呼ばれるもの(ネット上で検索するといくつかでてきます。)を印刷した紙を載せ、それによって下穴をあける位置を決めました。
ところがここで悩ましい問題が発生しました。実は、僕が2シーズン前から使っている山用板には今回装着したION LT12と同シリーズの「G3 ION 12」が搭載されています。(写真11 右の緑の板)これはショップで取り付けてもらったものです。この板のビンディング取り付け位置をまじまじと観察していた所、どうも今回印刷した紙のテンプレートと、この「ION 12」の取り付け位置に6mm程違いがあることが判明しました。
既存の板はテンプレートと比較して、ブーツ長に対して6mm短い位置でビンディングを取り付けてありました。(どちらが正しいというのを言いたいわけではありませんので・・・念のため。ビンディングの製造年によって若干のモデルチェンジ等あるかもしれないですし、テンプレートはネットから拾ってきたものですので)
テンプレートは2014年作成となっていた事からマイナーチェンジなどでの変更された可能性があるし、既存の板の採寸もあまり精密にできたとは言えませんでした。結局、ブーツセンターと板の取り付け指定位置を揃え、さらにその状態でテンプレートとトゥピースの下穴位置を揃えた時に板の取り付け指定位置の所に表示されるブーツ長を使うことにしました。いわゆる現合作業です。
※上記、ブーツセンターと板の取り付け指定位置を合わせることを優先した結果、テンプレートの286mmの位置を使うことになりました。ブーツをトゥピースに取り付け、ブーツセンターが、板の取り付け指定位置に揃う位置を探ったところ、その位置でのトゥピース取り付け位置がテンプレート上での286mm位置となったためです。ちなみに今回セッティングに使用したブーツのブーツ長は288mmです。
あと、仮に両者の間に6mmの違いがあったとしてもそれはビンディングの調整範囲内(ION LT12は±11mmの調整代がある。)ですので何とかなるという考えもありました。
6、下穴をあける
紙に印刷したテンプレートを、センターラインに慎重に合わせます。そして、使わない木ネジ(正しくはポンチを使うようです。)とハンマーで各穴の中心位置にマークを打ちました。
穴あけに使用したドリルはホームセンターで1600円位で購入したハンドドリルです。あとは木工用3mm、10mm(面取り用)とステンレス・鉄・木材等汎用の3.5mm、4mmのドリルです。この選択が正しいのかは全くわかりませんが・・・。
下穴はビンディングに付属していた取説に記載してあった径・深さの通りに開けました。貫通させないよう、テープをドリルにまいて自作のストッパとし、ドリルをまっすぐに立てて穴をあけます。ハンドドリルでも想像以上に軽く穴が開いたのでびっくり、ちょっと気を抜くとすぐ板を貫通させていしまいそうで気を使いました。
開けた穴は10mmのドリルを駆使してできる限りきれいにバリ取りし、つまようじや綿棒も使って掃除しました。(写真4)
ちなみに自分は、一度で全ての下穴を開けず、まずはトゥピースの分のみとしました。
7、トゥピースの取り付け
さていよいよトゥピースを固定します。
下穴に2液エポキシ接着剤を投入し、付属の木ネジ(写真7の1)で均等に締めていきます。
取説に記載のあったとおり、いきなり規定トルクで締め付けるのではなく、ある程度固定されたところで一旦ブーツを取り付けました。これは、ブーツとカカト部と板に引いたセンターラインが揃っているかを確かめるためです。(写真5,6)
幸運にも自分はぴったり揃いました、ついついガッツポーズが出てしまいます!(^^)!
8、ヒールピースの取り付け
トゥピースに取り付けたブーツが板のセンターラインと揃っていることに確認したのち、集中力を切らさないようにして次のステップ、ヒールピースの下穴開けに移ります。印刷したテンプレートをテープで板に慎重に貼り付け、項目6と同様に穴あけをし、項目7と同様にヒールピースを付属のネジで固定しようとした時、、、またトラブルが発生しました(>_<)
ヒールピースの固定ネジ(写真7の2)が入っていきません!力技でいこうと少し試してみましたが、どう頑張っても入りませんでした・・・(泣)
何がいけなかったのか原因は不明です。とりあえず対策として、タップを立てるか、下穴を拡張しようと思いました。結局、下穴を拡張することにし、急いで近所のホームセンターに行って先ほど開けた下穴より0.5mm大きい径のドリルを購入→作業続行しました。
0.5mm大きな径の下穴にしたことで、ネジは入れることができました!この選択が正しいのかどうかは全くわかりませんが、ネジの谷径より下穴径の方が小さいように見えたのに加え(測定はしていない)、0.5mm下穴を拡張したことによってスルスルとネジが入っていった訳でもないので、自己責任のもとOKとしました。
9、ヒールピースとブーツセンターの確認&ネジの本締め
ヒールピースが板に固定されると、見た目もそれっぽくなってテンションが上がります!
もうここまでくると、上手くいってようが、失敗してようが何ともならない段階です(たぶん)^_^;
ヒールピースをある程度固定したら、再びトゥピースにブーツを取り付け、ブーツ後端のピンが入る所とヒールピースから出ている2本のピンが真っ直ぐ揃っているか確認します。(写真8)これがずれていた場合どうすればいいのか・・・わかりません。一応、取説にはトゥピースに付けたブーツを手で左右に動かしてヒールピース側に揃えると書いてありました。ただ、これもトゥピースの取り付け角度が悪かった場合のみに有効で、トゥピースとヒールピースの同軸度合が出せていない場合には修正する効果が無いと思います。
自分で言うのも何ですが、今回はどちらの板もビックリする位きれいにトゥピース・ブーツ・ヒールピースの同軸を出すことができていました。再びガッツポーズが出てしまいます!(^^)!センター出しの苦労が報われました。
これが確認できて、いよいよ全てのネジを規定トルクで本締めします。規定トルクは取説に書いてありました。ただ、個人的に心配になったのは、下穴径や下穴深さ・下穴間ピッチによって規定トルクで締め付けた時の閉まり具合が変わってしまうのではないかということです。それだけ、精密に穴開け作業をしろということかもしれません・・・あと、規定トルクを正確に出そうと思うとトルクレンチが必要です。まあ、この辺も自己責任で作業しました。
10、ヒールピースとブーツ後端の隙間調整(前圧調整?)
ビンディングを箱から出した状態ですと、ここの隙間調整部分は調整代の一番後ろにセットしてあります。
ですので、調整のネジ(写真9の一番下のネジ)を回してヒールピースとブーツ後端の隙間を調整します。
どれくらいに調整するのがよいのか・・・明確にはわかりませんが、紙1枚分(0.1〜0.5mm位?)と聞いたこともあります。
自分は既存の板に装着されている「G3 ION 12」と取説(取説の表現があいまいにしか解釈できず難しかったです。)を参考に(写真10)の位置にしました。僕の頭の中では、ヒールピースによってブーツを押してしまうのはダメっぽいような解釈になったので、ぴったりもしくはわずかに隙間が空く程度を狙いました。これも自己責任の作業です。
おそらく正規の取付方法としては、ここの隙間もメーカーによる規定があるのではないかと思います。
また、ディナフィットのビンディングだとココを5mmとかに調整するためのジグが付属しているらしいです。
11、解放値の設定
これは、素人の僕でもなんとなく知ってました。
一応、取説に計算用のチャートも記載してありました。
12、検査
さて、取説によるとここで専用の段取を使用し、ビンディングに一定のトルクをかけた時に解放値に沿ったトルクで解放されるかを確認すること・・・的なことが書かれてました。
僕は検査用の段取は持っていませんので、検査は自己責任のもと、実地で行うことにしました。
ただ、ブーツを何度も脱着してみたり、ブーツに足を入れてビンディングと板に力をかけてみたりはしました。その後、項目10で確認した隙間に変化がないかどうか、ビンディングの着脱に違和感がないかを確かめました。また光にかざして、板とビンディングの間に隙間が無いかも確かめました。
13、完成
完成しました!(写真11の左2枚)実際に滑ってみないとわかりませんが、おそらく問題ないレベルでビンディングを装着できたように思えます。
今回のビンディング装着に際しては、ディナフィットTLTをDIYで装着した知り合いの体験談、インターネットのブログ等、取説の熟読、手持ちの板に付いている同じシリーズのビンディングを参考としました。
14、シールのカット
続いてシールのカッティングをしました。これがまた手こずりました(>_<)
まず、シールのサイズ選択を失敗しました。G3 ALPINISTOのショートサイズは169cmまで可と記載されていましたが、Pon2oonの169cmには短すぎました。
とりあえず、なんとか装着できるのと、この板で固い急斜面に入る予定がないことと、どうせロッカー形状がきついんだから後端はシール無くてもいいだろうということでそのまま使うことにしました。
シールに付属しているカッターが使いにくいという話は聞いたことがありましたが、実際に使ってみると本当に使いづらかったです、ビックリしました。(作業者のウデの問題も多分にあると思いますが・・・)
そこで、カッターナイフをエッジに沿って走らせる方法を採ったところなかなか綺麗にカットできました。(写真12)
エッジ部分をシールから出すために、シールを板に対して2,3mm左右方向にオフセットさせ、同じようにカットしました。
ショップで切ってもらったのと比べると若干見劣りするもののまぁまぁの仕上がりでカットすることができました。(写真13)
※追記(2018/12/23)
実際に滑ってみました。低速で優しく滑る所から、ある程度スピードを出しての大回り、思い切り踏み込んでの小回り、コブには入ってないですがギャップでのジャンプなど3時間程滑り続けてみました。(解放値の設定がきちんと働いているかについては未確認のまま・・・そこは腹を括ることにしました。)
いずれも違和感なく滑れ、その後点検でも問題はなさそうでしたので、とりあえずDIYは成功したようです。
※追記(2019/03/18)
B.C.スキーに3回(帰雲山、大崩山2回)使ってみましたがビンディング・ビンディング取付部の問題は皆無です。
事後感としては、たとえ持ち込み料1万円かかったとしてもショップで取付してもらった方が良いという結論に達しました。安心ですし楽なので、あたりまえですが(笑) たぶん2度目の取り付けは無いです。
取り付けた板:たぶん2016年製 K2 Pon2oon 169cm
取り付けた金具:2018年製造 G3 ION LT12
取り付けたシール:2016年製造 G3 ALPINIST の内、真ん中位の価格帯のシール
※当然ですがスキー用ビンディングをユーザーにて装着することは推奨されていません。
僕は今回の装着にあたり、わからない点などは自己責任の元で調べ、作業もすべて自己責任の元で行っております。このノートの内容には僕の思い違いや理解不足・書き忘れがあったり、プロの方から見たら指摘したくなるような作業もしてしまっているかもしれません。従って、このノートを参考にしてビンディングを取り付けた結果、ビンディングやスキー板の破損、それに伴う滑走中の事故等が発生しても当方では責任を持てませんのでご注意ねがいます。
1、スキーの取り付けに使用しているネジについて
前からその形状が少し変わっているのは気付いていました。メーカーによって違うのかもですが、おそらく大半のスキービンディングについているネジは+のネジに見えて実は少し違う形状をしているモノです。普通の+ドライバー(写真1)を使って作業できなくもないですが、形状が微妙に違うので思い切り力をかけられませんし、万が一ネジがなめたら大変です。そこでポジドライバー(写真2)と呼ばれる物を使います。これはヨーロッパ発祥?の規格らしく、ホームセンターのドライバー売り場に行ってもあまり種類がありませんでした。
2、アルペンビンディングの取り外し
今回、テックビンディングを取り付ける板は中古です。ですので、まずはアルペンビンディングを取り外すところから始めました。ヒールピース6本、トゥピース4本で留っているのを外しました。ビンディングによってはネジ部が隠れているものもあるかと思います。(今回はそうでした(^_^;))よーく観察して分解の糸口を探しました。
3、アルペンビンディング取り付け穴の埋め栓
アルペンビンディングが装着されていた穴は再利用できないので、スクレーパー+φ10mmのドリル+砥石を使ってバリ取りをしました。穴の位置と次に装着するテックビンディング取り付け面が重なっていたため、バリだけでなく穴の周囲の盛り上がりもしっかり除去しました。また、φ4mmの埋め栓を2液エポキシ接着剤とともに穴に入れ防水のための蓋としました。(もちろん埋め栓の頭が出ないようにした。)
さらにエポキシ接着材が固まったあとの盛り上がりをスクレーパー+砥石でならし、平面を出しました。
4、板の幅方向のセンター出し
思いのほか苦労しました。ショップなどで使っているであろう(?)専用のメタルジグがあればセンター出しは一瞬なのかもしれませんが、素人の僕はノギスと定規で頑張りました。(写真3)
納得のいく精度が出るまで、何度も線を引き直しました。これだけで3晩使いました。また、元々装着されていたアルペンビンディングの取り付け穴から割り出したセンターラインと、自分がノギスから導き出したセンターラインが最初どうしても揃わず、それが混乱に拍車をかけました(笑)
5、下穴をあける位置を決める
どうにかこうにか自分が納得する精度でセンターラインが引けたので、次はビンディングを取り付ける下穴をあけます。センターラインに、テンプレートと呼ばれるもの(ネット上で検索するといくつかでてきます。)を印刷した紙を載せ、それによって下穴をあける位置を決めました。
ところがここで悩ましい問題が発生しました。実は、僕が2シーズン前から使っている山用板には今回装着したION LT12と同シリーズの「G3 ION 12」が搭載されています。(写真11 右の緑の板)これはショップで取り付けてもらったものです。この板のビンディング取り付け位置をまじまじと観察していた所、どうも今回印刷した紙のテンプレートと、この「ION 12」の取り付け位置に6mm程違いがあることが判明しました。
既存の板はテンプレートと比較して、ブーツ長に対して6mm短い位置でビンディングを取り付けてありました。(どちらが正しいというのを言いたいわけではありませんので・・・念のため。ビンディングの製造年によって若干のモデルチェンジ等あるかもしれないですし、テンプレートはネットから拾ってきたものですので)
テンプレートは2014年作成となっていた事からマイナーチェンジなどでの変更された可能性があるし、既存の板の採寸もあまり精密にできたとは言えませんでした。結局、ブーツセンターと板の取り付け指定位置を揃え、さらにその状態でテンプレートとトゥピースの下穴位置を揃えた時に板の取り付け指定位置の所に表示されるブーツ長を使うことにしました。いわゆる現合作業です。
※上記、ブーツセンターと板の取り付け指定位置を合わせることを優先した結果、テンプレートの286mmの位置を使うことになりました。ブーツをトゥピースに取り付け、ブーツセンターが、板の取り付け指定位置に揃う位置を探ったところ、その位置でのトゥピース取り付け位置がテンプレート上での286mm位置となったためです。ちなみに今回セッティングに使用したブーツのブーツ長は288mmです。
あと、仮に両者の間に6mmの違いがあったとしてもそれはビンディングの調整範囲内(ION LT12は±11mmの調整代がある。)ですので何とかなるという考えもありました。
6、下穴をあける
紙に印刷したテンプレートを、センターラインに慎重に合わせます。そして、使わない木ネジ(正しくはポンチを使うようです。)とハンマーで各穴の中心位置にマークを打ちました。
穴あけに使用したドリルはホームセンターで1600円位で購入したハンドドリルです。あとは木工用3mm、10mm(面取り用)とステンレス・鉄・木材等汎用の3.5mm、4mmのドリルです。この選択が正しいのかは全くわかりませんが・・・。
下穴はビンディングに付属していた取説に記載してあった径・深さの通りに開けました。貫通させないよう、テープをドリルにまいて自作のストッパとし、ドリルをまっすぐに立てて穴をあけます。ハンドドリルでも想像以上に軽く穴が開いたのでびっくり、ちょっと気を抜くとすぐ板を貫通させていしまいそうで気を使いました。
開けた穴は10mmのドリルを駆使してできる限りきれいにバリ取りし、つまようじや綿棒も使って掃除しました。(写真4)
ちなみに自分は、一度で全ての下穴を開けず、まずはトゥピースの分のみとしました。
7、トゥピースの取り付け
さていよいよトゥピースを固定します。
下穴に2液エポキシ接着剤を投入し、付属の木ネジ(写真7の1)で均等に締めていきます。
取説に記載のあったとおり、いきなり規定トルクで締め付けるのではなく、ある程度固定されたところで一旦ブーツを取り付けました。これは、ブーツとカカト部と板に引いたセンターラインが揃っているかを確かめるためです。(写真5,6)
幸運にも自分はぴったり揃いました、ついついガッツポーズが出てしまいます!(^^)!
8、ヒールピースの取り付け
トゥピースに取り付けたブーツが板のセンターラインと揃っていることに確認したのち、集中力を切らさないようにして次のステップ、ヒールピースの下穴開けに移ります。印刷したテンプレートをテープで板に慎重に貼り付け、項目6と同様に穴あけをし、項目7と同様にヒールピースを付属のネジで固定しようとした時、、、またトラブルが発生しました(>_<)
ヒールピースの固定ネジ(写真7の2)が入っていきません!力技でいこうと少し試してみましたが、どう頑張っても入りませんでした・・・(泣)
何がいけなかったのか原因は不明です。とりあえず対策として、タップを立てるか、下穴を拡張しようと思いました。結局、下穴を拡張することにし、急いで近所のホームセンターに行って先ほど開けた下穴より0.5mm大きい径のドリルを購入→作業続行しました。
0.5mm大きな径の下穴にしたことで、ネジは入れることができました!この選択が正しいのかどうかは全くわかりませんが、ネジの谷径より下穴径の方が小さいように見えたのに加え(測定はしていない)、0.5mm下穴を拡張したことによってスルスルとネジが入っていった訳でもないので、自己責任のもとOKとしました。
9、ヒールピースとブーツセンターの確認&ネジの本締め
ヒールピースが板に固定されると、見た目もそれっぽくなってテンションが上がります!
もうここまでくると、上手くいってようが、失敗してようが何ともならない段階です(たぶん)^_^;
ヒールピースをある程度固定したら、再びトゥピースにブーツを取り付け、ブーツ後端のピンが入る所とヒールピースから出ている2本のピンが真っ直ぐ揃っているか確認します。(写真8)これがずれていた場合どうすればいいのか・・・わかりません。一応、取説にはトゥピースに付けたブーツを手で左右に動かしてヒールピース側に揃えると書いてありました。ただ、これもトゥピースの取り付け角度が悪かった場合のみに有効で、トゥピースとヒールピースの同軸度合が出せていない場合には修正する効果が無いと思います。
自分で言うのも何ですが、今回はどちらの板もビックリする位きれいにトゥピース・ブーツ・ヒールピースの同軸を出すことができていました。再びガッツポーズが出てしまいます!(^^)!センター出しの苦労が報われました。
これが確認できて、いよいよ全てのネジを規定トルクで本締めします。規定トルクは取説に書いてありました。ただ、個人的に心配になったのは、下穴径や下穴深さ・下穴間ピッチによって規定トルクで締め付けた時の閉まり具合が変わってしまうのではないかということです。それだけ、精密に穴開け作業をしろということかもしれません・・・あと、規定トルクを正確に出そうと思うとトルクレンチが必要です。まあ、この辺も自己責任で作業しました。
10、ヒールピースとブーツ後端の隙間調整(前圧調整?)
ビンディングを箱から出した状態ですと、ここの隙間調整部分は調整代の一番後ろにセットしてあります。
ですので、調整のネジ(写真9の一番下のネジ)を回してヒールピースとブーツ後端の隙間を調整します。
どれくらいに調整するのがよいのか・・・明確にはわかりませんが、紙1枚分(0.1〜0.5mm位?)と聞いたこともあります。
自分は既存の板に装着されている「G3 ION 12」と取説(取説の表現があいまいにしか解釈できず難しかったです。)を参考に(写真10)の位置にしました。僕の頭の中では、ヒールピースによってブーツを押してしまうのはダメっぽいような解釈になったので、ぴったりもしくはわずかに隙間が空く程度を狙いました。これも自己責任の作業です。
おそらく正規の取付方法としては、ここの隙間もメーカーによる規定があるのではないかと思います。
また、ディナフィットのビンディングだとココを5mmとかに調整するためのジグが付属しているらしいです。
11、解放値の設定
これは、素人の僕でもなんとなく知ってました。
一応、取説に計算用のチャートも記載してありました。
12、検査
さて、取説によるとここで専用の段取を使用し、ビンディングに一定のトルクをかけた時に解放値に沿ったトルクで解放されるかを確認すること・・・的なことが書かれてました。
僕は検査用の段取は持っていませんので、検査は自己責任のもと、実地で行うことにしました。
ただ、ブーツを何度も脱着してみたり、ブーツに足を入れてビンディングと板に力をかけてみたりはしました。その後、項目10で確認した隙間に変化がないかどうか、ビンディングの着脱に違和感がないかを確かめました。また光にかざして、板とビンディングの間に隙間が無いかも確かめました。
13、完成
完成しました!(写真11の左2枚)実際に滑ってみないとわかりませんが、おそらく問題ないレベルでビンディングを装着できたように思えます。
今回のビンディング装着に際しては、ディナフィットTLTをDIYで装着した知り合いの体験談、インターネットのブログ等、取説の熟読、手持ちの板に付いている同じシリーズのビンディングを参考としました。
14、シールのカット
続いてシールのカッティングをしました。これがまた手こずりました(>_<)
まず、シールのサイズ選択を失敗しました。G3 ALPINISTOのショートサイズは169cmまで可と記載されていましたが、Pon2oonの169cmには短すぎました。
とりあえず、なんとか装着できるのと、この板で固い急斜面に入る予定がないことと、どうせロッカー形状がきついんだから後端はシール無くてもいいだろうということでそのまま使うことにしました。
シールに付属しているカッターが使いにくいという話は聞いたことがありましたが、実際に使ってみると本当に使いづらかったです、ビックリしました。(作業者のウデの問題も多分にあると思いますが・・・)
そこで、カッターナイフをエッジに沿って走らせる方法を採ったところなかなか綺麗にカットできました。(写真12)
エッジ部分をシールから出すために、シールを板に対して2,3mm左右方向にオフセットさせ、同じようにカットしました。
ショップで切ってもらったのと比べると若干見劣りするもののまぁまぁの仕上がりでカットすることができました。(写真13)
※追記(2018/12/23)
実際に滑ってみました。低速で優しく滑る所から、ある程度スピードを出しての大回り、思い切り踏み込んでの小回り、コブには入ってないですがギャップでのジャンプなど3時間程滑り続けてみました。(解放値の設定がきちんと働いているかについては未確認のまま・・・そこは腹を括ることにしました。)
いずれも違和感なく滑れ、その後点検でも問題はなさそうでしたので、とりあえずDIYは成功したようです。
※追記(2019/03/18)
B.C.スキーに3回(帰雲山、大崩山2回)使ってみましたがビンディング・ビンディング取付部の問題は皆無です。
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