目次
1章.はじめに
2章.野鳥撮影の基本的な心構え
3章.野鳥撮影のコツ
2章.野鳥撮影の基本的な心構え
3章.野鳥撮影のコツ
1章 初めに
2021年10月にリリースしたヤマノート「野鳥撮影のコツ教えます−鳥撮の鏡−」から約2年弱。
おかげ様で訪問者数、お気に入り登録数とも少しずつ増えていき好評?を頂いています。
また、気のせいか?レコでも野鳥写真を上げる人が多くなってきた様な気もしています。
その後も修行に励み飛翔写真にチャレンジ。
そこそこアップできるほどのクオリティーレベルまで撮影できる様になってきました。
まだ“下手の横好き”レベルでプロどころかアマチュアカメラマンにも到底およびませんが、自己流で実践している方法を紹介します。
参考にして頂き飛翔写真へチャレンジされる人のきっかけにでもなればと思い記事をリリースします。
前回同様長くなりますが最後までお付き合いいただければと思います
また、ヤマレコバーダーさんで他の方法で撮影している。等あればコメント頂ければ幸いです。
おかげ様で訪問者数、お気に入り登録数とも少しずつ増えていき好評?を頂いています。
また、気のせいか?レコでも野鳥写真を上げる人が多くなってきた様な気もしています。
その後も修行に励み飛翔写真にチャレンジ。
そこそこアップできるほどのクオリティーレベルまで撮影できる様になってきました。
まだ“下手の横好き”レベルでプロどころかアマチュアカメラマンにも到底およびませんが、自己流で実践している方法を紹介します。
参考にして頂き飛翔写真へチャレンジされる人のきっかけにでもなればと思い記事をリリースします。
前回同様長くなりますが最後までお付き合いいただければと思います
また、ヤマレコバーダーさんで他の方法で撮影している。等あればコメント頂ければ幸いです。
2章.基本的な心構え
本題に入る前に野鳥撮影の基本的な心構えから。
ここは前回のヤマノート(1)〜(3)と変わりませんので割愛します。前回のヤマノートを必ず読んで下さい。
ここは前回のヤマノート(1)〜(3)と変わりませんので割愛します。前回のヤマノートを必ず読んで下さい。
2.基本的な心構え
(1)ルールは守ろう
(2)おおらかな気持ちで
(3)場所は独占しない
(1)ルールは守ろう
(2)おおらかな気持ちで
(3)場所は独占しない
今回は飛翔写真撮影時の注意点(4)を付け加えます
(4)営巣・子育てへの配慮
飛翔写真は飛び出しや着地を狙うと撮影成功確率が上がります。
野鳥がそこに来ることが分かっていれば十分な撮影準備ができるわけです。
このため野鳥が営巣している巣からの飛び出しや巣への着地の飛翔写真を撮影するのが確実な方法の1つにはなります。
野鳥の親鳥は雛を育てるために多少の危険も顧みずに餌を巣に運びますが、警戒しないわけではありません。
巣の近くに人間の姿を確認すると巣に立ち寄らず子育てを放棄してしまう事例もあります。
また一度危険と判断したら二度と同じ場所には戻ってこないことが多いです。
このため、巣の近くで撮影する場合は細心の注意を払って、以下のことを念頭に置いて撮影してください。
●巣の凡そ50m以内には立ち寄らない
→野鳥に警戒させない。
●巣の近くに長時間居座らない。
→親鳥が雛に餌を与える時間をつくってやる。
●短距離で撮影する場合や、長時間粘る場合は観察小屋・テント等、体を野鳥から見えない様に隠してレンズのみを出す等の配慮・対応を取る
(4)営巣・子育てへの配慮
飛翔写真は飛び出しや着地を狙うと撮影成功確率が上がります。
野鳥がそこに来ることが分かっていれば十分な撮影準備ができるわけです。
このため野鳥が営巣している巣からの飛び出しや巣への着地の飛翔写真を撮影するのが確実な方法の1つにはなります。
野鳥の親鳥は雛を育てるために多少の危険も顧みずに餌を巣に運びますが、警戒しないわけではありません。
巣の近くに人間の姿を確認すると巣に立ち寄らず子育てを放棄してしまう事例もあります。
また一度危険と判断したら二度と同じ場所には戻ってこないことが多いです。
このため、巣の近くで撮影する場合は細心の注意を払って、以下のことを念頭に置いて撮影してください。
●巣の凡そ50m以内には立ち寄らない
→野鳥に警戒させない。
●巣の近くに長時間居座らない。
→親鳥が雛に餌を与える時間をつくってやる。
●短距離で撮影する場合や、長時間粘る場合は観察小屋・テント等、体を野鳥から見えない様に隠してレンズのみを出す等の配慮・対応を取る
3章.撮影のコツ
お待たせしました。ここから本題です。
少し人気は落ち着きましたが繋がりもあるので、前回同様「鬼滅の刃」のパロディ風に「鳥撮の鏡(ちょうさつのレンズ)-飛翔編-」として紹介していきます。
少し人気は落ち着きましたが繋がりもあるので、前回同様「鬼滅の刃」のパロディ風に「鳥撮の鏡(ちょうさつのレンズ)-飛翔編-」として紹介していきます。
0.全集中の呼吸
この後説明する全ての「型」の基本となる呼吸法(=撮影術)です。
これも前回のヤマノートと同じ内容なので割愛します。前回のヤマノート(1)(3)(4)をご覧ください。
https://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=3114
今回は飛翔写真撮影時としてカメラ設定内容が(2)通常用カメラ設定と変わります。
(5)飛翔写真用カメラ設定(例)
鳥が現れてからあわててカメラ設定をしているとすぐに居なくなってしまいます。
特に飛翔写真はより瞬発力が要求されます。
予め飛翔写真撮影用の設定にしておくか、今のカメラは設定内容を登録できボタン一つで呼び出せるので飛翔撮影モードを登録しておくのも手です。ちなみに自分が使っているCanon EOS7D mark2では以下の様に設定しています。
これも前回のヤマノートと同じ内容なので割愛します。前回のヤマノート(1)(3)(4)をご覧ください。
https://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=3114
今回は飛翔写真撮影時としてカメラ設定内容が(2)通常用カメラ設定と変わります。
(5)飛翔写真用カメラ設定(例)
鳥が現れてからあわててカメラ設定をしているとすぐに居なくなってしまいます。
特に飛翔写真はより瞬発力が要求されます。
予め飛翔写真撮影用の設定にしておくか、今のカメラは設定内容を登録できボタン一つで呼び出せるので飛翔撮影モードを登録しておくのも手です。ちなみに自分が使っているCanon EOS7D mark2では以下の様に設定しています。
飛翔写真用カメラ設定(詳細解説)
(1)撮影モード=M:マニュアルモード
(2)シャッター速度=1/2500秒以下(速く)
これはマストです。飛翔写真は鳥の動きが早いため最低でも1/2500秒以下にしないと止まって写りませんのでマニュアルモードでシャッター速度固定にして1/2500秒以下に設定します。
※撮影モード=「S:シャッター速度優先」にしてもシャッター速度は固定できますが、絞り値(F値)が自動になってしまい意図するF値が設定できません。F値は飛翔写真では重要なファクターになるので「M:マニュアルモード」にしてシャッター速度と絞り値(F値)の組み合わせを設定できる様にします。
実際に例でみてみましょう
(2)シャッター速度=1/2500秒以下(速く)
これはマストです。飛翔写真は鳥の動きが早いため最低でも1/2500秒以下にしないと止まって写りませんのでマニュアルモードでシャッター速度固定にして1/2500秒以下に設定します。
※撮影モード=「S:シャッター速度優先」にしてもシャッター速度は固定できますが、絞り値(F値)が自動になってしまい意図するF値が設定できません。F値は飛翔写真では重要なファクターになるので「M:マニュアルモード」にしてシャッター速度と絞り値(F値)の組み合わせを設定できる様にします。
実際に例でみてみましょう
この様に最低でもシャッター速度を1/2500秒※以下(速度を速く)に設定する必要が出てきます。
※鳥の動くスピードによってはこれより遅いシャッター速度でも写る場合もあるし、この速度でもブレる場合もあるのであくまでも目安として考えてください。
上級者になるとシャッター速度をわざと遅くすることにより翼等をブレさして動きのある写真を撮ったりしますがこれは難易度も高く、またの機会(マスターしてから)に…
※鳥の動くスピードによってはこれより遅いシャッター速度でも写る場合もあるし、この速度でもブレる場合もあるのであくまでも目安として考えてください。
上級者になるとシャッター速度をわざと遅くすることにより翼等をブレさして動きのある写真を撮ったりしますがこれは難易度も高く、またの機会(マスターしてから)に…
(3)絞り値=F8.0〜F9.0(あるいは開放でも良いが難易度が上がる)→ APS-Cの場合
この絞り値が飛翔写真では非常に重要なファクターです。
絞り値により「被写界深度※」が変わるためこの設定によって撮れる飛翔写真の質も量も変わってきます。
※被写界深度(ひしゃかいしんど)とは?
被写界深度とはピントが合う範囲をいいます
深度が浅い=ピントが合う範囲が狭い
深度が深い=ピントがあう範囲が広い
ことを指し、F値(=絞り値)で調整可能です。
F値を小さくすると被写界深度は浅く
F値を大きくすると被写界深度は深く
なります。
下に被写界深度とF値の比較図を作ってみました。黄色く塗った部分が被写界深度(cm)です。
この絞り値が飛翔写真では非常に重要なファクターです。
絞り値により「被写界深度※」が変わるためこの設定によって撮れる飛翔写真の質も量も変わってきます。
※被写界深度(ひしゃかいしんど)とは?
被写界深度とはピントが合う範囲をいいます
深度が浅い=ピントが合う範囲が狭い
深度が深い=ピントがあう範囲が広い
ことを指し、F値(=絞り値)で調整可能です。
F値を小さくすると被写界深度は浅く
F値を大きくすると被写界深度は深く
なります。
下に被写界深度とF値の比較図を作ってみました。黄色く塗った部分が被写界深度(cm)です。
カメラによっては深度を調整できる機能がついているものがあるが、野鳥の場合はそんな設定をしている時間はないので予め決め打ちで設定しておく必要があります。
この様にF値を調整することで被写界深度を最適な深度に設定することができます。
特に飛翔写真の場合は絞り値を絞って被写界深度を深くしてあげた方がピントが合いやすいです。
余り絞り過ぎても今度はシャッター速度が遅くなってしまうのでその時の明るさにより調整は必要。
また、被写界深度を決める要素は以下の通り他にもあるので、ケースバイケースで使い分ける経験値が必要となります。
<被写界深度へ影響を与える要素>
・絞り値設定(上記で説明した内容)
・カメラから被写体までの距離
・レンズの焦点距離
・カメラのセンササイズ
ちなみに被写界深度の計算は下記サイトで値を入力すると出てくるので参考までに
https://keisan.casio.jp/exec/system/1378344145#!
それではこれらを図解で説明していきましょう。
この様にF値を調整することで被写界深度を最適な深度に設定することができます。
特に飛翔写真の場合は絞り値を絞って被写界深度を深くしてあげた方がピントが合いやすいです。
余り絞り過ぎても今度はシャッター速度が遅くなってしまうのでその時の明るさにより調整は必要。
また、被写界深度を決める要素は以下の通り他にもあるので、ケースバイケースで使い分ける経験値が必要となります。
<被写界深度へ影響を与える要素>
・絞り値設定(上記で説明した内容)
・カメラから被写体までの距離
・レンズの焦点距離
・カメラのセンササイズ
ちなみに被写界深度の計算は下記サイトで値を入力すると出てくるので参考までに
https://keisan.casio.jp/exec/system/1378344145#!
それではこれらを図解で説明していきましょう。
※図3の”被写体までの距離が近いほど”
図4の”レンズが望遠ほど”
を言い換えればファインダー内で”野鳥が大きく写れば写るほど(=アップになるほど)”被写界深度は浅くなるということと同意です。
図4の”レンズが望遠ほど”
を言い換えればファインダー内で”野鳥が大きく写れば写るほど(=アップになるほど)”被写界深度は浅くなるということと同意です。
ただし被写界深度が深い=ボケ味が薄い二次元(平面)の写真になってしまうため、そこに“こだわりがある人”にとってはやはりフォーサーズ以上のセンササイズで奥行きのあるキレイな飛翔写真を撮りたいものです。
※この辺はあくまでも“個人の趣味”の範疇になるので「どういう写真が撮りたいか?」によって最適なセンササイズのカメラや設定をチョイスしてもらえればよいかと思います。
※この辺はあくまでも“個人の趣味”の範疇になるので「どういう写真が撮りたいか?」によって最適なセンササイズのカメラや設定をチョイスしてもらえればよいかと思います。
(4)ISO感度=AUTO
(2)シャッター速度と(3)絞り値を意図的に設定するとISOはAUTOにしておかないとその時の環境(明るさ)によってオーバやアンダーになります。瞬発力が要求される野鳥撮影でいちいち毎回設定できないのでAUTOにしてカメラ任せにする必要があります。
ISO値と(2)シャッター速度、(3)絞り値には下記相関関係があります。
(2)シャッター速度と(3)絞り値を意図的に設定するとISOはAUTOにしておかないとその時の環境(明るさ)によってオーバやアンダーになります。瞬発力が要求される野鳥撮影でいちいち毎回設定できないのでAUTOにしてカメラ任せにする必要があります。
ISO値と(2)シャッター速度、(3)絞り値には下記相関関係があります。
飛翔写真を撮るためには
・シャッター速度を速く(光量を下げる)してピタッと止まる様にする。
・絞り値を絞って(光量を下げる)深度を深くしてピンボケしない様にする。
と光量を下げる+下げるの組み合わせとなるのでどうしてもISO感度が上がり、画質が下がってしまいます。ここが飛翔写真の難しいところで、どこで折り合いをつけるか?がポイントになります。
・シャッター速度を速く(光量を下げる)してピタッと止まる様にする。
・絞り値を絞って(光量を下げる)深度を深くしてピンボケしない様にする。
と光量を下げる+下げるの組み合わせとなるのでどうしてもISO感度が上がり、画質が下がってしまいます。ここが飛翔写真の難しいところで、どこで折り合いをつけるか?がポイントになります。
(5)露出=適正(±0)〜−1.0アンダー
露出をアンダーにすることでシャッター速度固定ならISO感度を下げれ、IOS感度固定ならシャッター速度を稼げます(速くできる)が、その分暗いアンダー目の写真になります。暗い林では真っ黒な写真になるので時と場合によります。
被写体が白く白飛びしてしまう様な野鳥にはアンダーにした方がいい場合もあります。
この辺は難しく経験とその日の天気(明るさ)にもよるのでここは適正露出にしてあまりいじらない方が確実かもしれません。
露出をアンダーにすることでシャッター速度固定ならISO感度を下げれ、IOS感度固定ならシャッター速度を稼げます(速くできる)が、その分暗いアンダー目の写真になります。暗い林では真っ黒な写真になるので時と場合によります。
被写体が白く白飛びしてしまう様な野鳥にはアンダーにした方がいい場合もあります。
この辺は難しく経験とその日の天気(明るさ)にもよるのでここは適正露出にしてあまりいじらない方が確実かもしれません。
(6)ドライブモード=高速連写モード(マスト)
最低でも10コマ/秒以上の連写速度があるとベターです。
最近は20〜30コマ/秒以上のものも出ており、早ければ早いほど有利なので飛翔写真を撮影するカメラを選ぶ際の重要なファクターの1つになります。
最低でも10コマ/秒以上の連写速度があるとベターです。
最近は20〜30コマ/秒以上のものも出ており、早ければ早いほど有利なので飛翔写真を撮影するカメラを選ぶ際の重要なファクターの1つになります。
(7)フォーカスエリア=ゾーン
鳥にピントを合わせるのでピントがあう点を中心に限定して鳥に露出を合わせますが、飛翔写真の場合はフレームの中心に鳥を持ってくるのは至難の業です。
このため一般的にはフォーカスエリアを「ゾーン」にしておいた方がいいと言われています。
特に最新のカメラなどでは“ゾーン”にしておくとファインダー内の野鳥を追いかけてくれる機能がついたものもある様です。
私が持っているカメラは2017年発売の古い一眼レフなので鳥の飛翔の動きにはついていけず「中央スポット」で撮ってもあまり変わらない様なので「中央スポット」にしています。
鳥にピントを合わせるのでピントがあう点を中心に限定して鳥に露出を合わせますが、飛翔写真の場合はフレームの中心に鳥を持ってくるのは至難の業です。
このため一般的にはフォーカスエリアを「ゾーン」にしておいた方がいいと言われています。
特に最新のカメラなどでは“ゾーン”にしておくとファインダー内の野鳥を追いかけてくれる機能がついたものもある様です。
私が持っているカメラは2017年発売の古い一眼レフなので鳥の飛翔の動きにはついていけず「中央スポット」で撮ってもあまり変わらない様なので「中央スポット」にしています。
メーカ別/カメラ別とフォーカスエリアの違いを簡単にまとめると以下の通りとなります。
ミラーレス一眼の方が一眼よりフォーカスエリアを広く設定できる様で野鳥撮影向きかと思われます。
ミラーレス一眼の方が一眼よりフォーカスエリアを広く設定できる様で野鳥撮影向きかと思われます。
(8)測光=多分割測光
(7)のフォーカスエリアを”ゾーン”にする場合は中央重点ではなく画角全体で測光する”多分割測光”にして画角全体で露出を合わせる様にします。
(7)のフォーカスエリアを”ゾーン”にする場合は中央重点ではなく画角全体で測光する”多分割測光”にして画角全体で露出を合わせる様にします。
前段が長かったですが、お待たせしました。それでは実際の型(=撮影術)を紹介します。
1.鳥の呼吸 −肆ノ型−「僅隙瞬撮」(きんげきしゅんさつ)
飛翔写真の入門的な型です。
サギなどの大きな鳥は的も大きくて飛んでいてもフレームに入れやすく撮りやすいですが、20cm以下の小鳥となると話は別。動きが速いうえに体長が小さいのでフレームに入れることすら困難です。
となるとやはり留まっている状態からの「飛び出し」を狙います。
この型のポイントは飛び出しタイミングをいかにつかむか?にかかってきます。
木の枝に留まったらすぐに飛び立つ場合もあるし、しばらくは動かない場合もあります。
飛び出したのを見てから反応してシャッターを押してもフレームアウトしてしまい撮れないことがほとんど。
このため飛び出す前の鳥の僅かな仕草や動作を見逃さずに“飛ぶ素振り”を見せた瞬間にてシャッタ−を押して連写し続けることが必要になります。
そんなこと言ったってどうやって?と思われる方も多いと思いますので具体的な撮影例で説明しましょう。
サギなどの大きな鳥は的も大きくて飛んでいてもフレームに入れやすく撮りやすいですが、20cm以下の小鳥となると話は別。動きが速いうえに体長が小さいのでフレームに入れることすら困難です。
となるとやはり留まっている状態からの「飛び出し」を狙います。
この型のポイントは飛び出しタイミングをいかにつかむか?にかかってきます。
木の枝に留まったらすぐに飛び立つ場合もあるし、しばらくは動かない場合もあります。
飛び出したのを見てから反応してシャッターを押してもフレームアウトしてしまい撮れないことがほとんど。
このため飛び出す前の鳥の僅かな仕草や動作を見逃さずに“飛ぶ素振り”を見せた瞬間にてシャッタ−を押して連写し続けることが必要になります。
そんなこと言ったってどうやって?と思われる方も多いと思いますので具体的な撮影例で説明しましょう。
(1)餌場の飛び出しを狙う
最も簡単で分かりやすいのが餌場からの飛び出しです。
ビジターセンターや森林公園などには餌台が設置されて野鳥が餌を求めてやってくるのを観察できる場所があります。必ずそこに来ることが分かっているのでそこにフレームを合わせてピントも固定しておきます。
ピントの固定はフォーカスロック(シャッター半押し)でもマニュアルフォーカスにしておくどちらでもいいです。鳥がやってきて餌を咥えると数秒以内に飛び立つのでその瞬間を狙います。餌を咥えた瞬間から連写を開始します。
以下に具体的に例を示しながら説明します。
ビジターセンターや森林公園などには餌台が設置されて野鳥が餌を求めてやってくるのを観察できる場所があります。必ずそこに来ることが分かっているのでそこにフレームを合わせてピントも固定しておきます。
ピントの固定はフォーカスロック(シャッター半押し)でもマニュアルフォーカスにしておくどちらでもいいです。鳥がやってきて餌を咥えると数秒以内に飛び立つのでその瞬間を狙います。餌を咥えた瞬間から連写を開始します。
以下に具体的に例を示しながら説明します。
(2)鳥の飛び出しタイミングを察知する
餌場にやってくる野鳥は人馴れした種類に限られます。
いろいろな野鳥の飛翔写真は自然界の動作で飛翔の飛び出しを狙うしかありません。これはケースバイケースで経験値がものを言います。
野鳥の動きを観察して僅かな変化を察知するとともに次の動きを予測してシャッターを切ります。
いろいろな野鳥の飛翔写真は自然界の動作で飛翔の飛び出しを狙うしかありません。これはケースバイケースで経験値がものを言います。
野鳥の動きを観察して僅かな変化を察知するとともに次の動きを予測してシャッターを切ります。
<タイミング1>人が近づいてくるのを利用する
このパターンは意外と良くあります。野鳥を見つけて撮っていると向こうから人がやってくるのが見えます。
ちょうど鳥の方向へ歩いてくるので、一定の距離まで近づいたタイミングで野鳥が飛んで逃げるはずです。
人が歩いてくる方とは逆方向に空間を空けてフレーミング。そろそろと思うタイミングより少し早くからシャッターを切り始めます。運もありますがタイミングがあえばフレーム内に収まります。
これも撮影例を見ながら解説します。
ちょうど鳥の方向へ歩いてくるので、一定の距離まで近づいたタイミングで野鳥が飛んで逃げるはずです。
人が歩いてくる方とは逆方向に空間を空けてフレーミング。そろそろと思うタイミングより少し早くからシャッターを切り始めます。運もありますがタイミングがあえばフレーム内に収まります。
これも撮影例を見ながら解説します。
<タイミング2>鳥の予備動作から動きを予測
野鳥でも飛び立つ前には一瞬沈み込んだり、向きを変えたり予備動作が見られる場合があります。
特に25cm以上の少し大きな野鳥は体も大きいので、ずっと見ていると何となく“飛ぶっ!”というのが分かります。
“飛ぶっ!と思ったタイミングでシャッターを押し連写します。
これも撮影例を見ながら解説します。
特に25cm以上の少し大きな野鳥は体も大きいので、ずっと見ていると何となく“飛ぶっ!”というのが分かります。
“飛ぶっ!と思ったタイミングでシャッターを押し連写します。
これも撮影例を見ながら解説します。
(3)野鳥が飛ぶ方向を予測する
野鳥が飛ぶ前兆となる動きを見せてくれればいいですが、この様な動きは稀で、大体は予備動作なしで飛び出します。
25cm以上の野鳥だと体が重く初速も遅いので何とかフレームに入れれる場合もありますが、20cm以下の小鳥はそうも行きません。
小鳥でもフレームに入れるためには飛ぶ方向を予測してフレーミングすることが必要になってきます。
これも撮影例で解説。
25cm以上の野鳥だと体が重く初速も遅いので何とかフレームに入れれる場合もありますが、20cm以下の小鳥はそうも行きません。
小鳥でもフレームに入れるためには飛ぶ方向を予測してフレーミングすることが必要になってきます。
これも撮影例で解説。
この様に鳥が飛ぶ方向を予測するのが必要。
大体は体を向けている方向に飛ぶことが多いですが、逆方向や前方・後方に飛ぶこともあるのでこればかりはやはり良く観察して次の行動を予測することが必要になってきます。
大体は体を向けている方向に飛ぶことが多いですが、逆方向や前方・後方に飛ぶこともあるのでこればかりはやはり良く観察して次の行動を予測することが必要になってきます。
(4)飛んだ方向へカメラを振る
そしてここからは応用編です。
フレーム固定だとどうしても野鳥が隅に写ってしまいます。
そこで飛んだ瞬間にシャッターを切り(連写し)ながらカメラを鳥が飛んだ方向に振ります。
カメラを振ることで2コマ目、3コマ目もチャンスが出てきます。
フレーム固定だとどうしても野鳥が隅に写ってしまいます。
そこで飛んだ瞬間にシャッターを切り(連写し)ながらカメラを鳥が飛んだ方向に振ります。
カメラを振ることで2コマ目、3コマ目もチャンスが出てきます。
ここまでアップだとなかなかフレームに入れるのが難しく、もう少し離れていて小さく写る場合が飛翔写真には適しています。
−肆ノ型−「僅隙瞬撮」まとめ
2.鳥の呼吸 −伍ノ型−「点撮」(てんさつ)
肆ノ型が飛び出しを狙うのに対しこの型では着地を狙います。
別の言い方をすると”一点決め打ち”あるいは”下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる”です。
餌台や巣箱など必ずそこに野鳥が飛んできて着地するポイントにフレーム及びピントを固定してピンポイントで撮影します。いわゆる”置きピン”というやつです。
飛び出しに比べ飛んでくる方向も分からない上に、シャッターを切るタイミングも難しく、ほぼピンポイントでの撮影となり飛び出しに比べると難易度が上がります
これも事例で説明します。
別の言い方をすると”一点決め打ち”あるいは”下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる”です。
餌台や巣箱など必ずそこに野鳥が飛んできて着地するポイントにフレーム及びピントを固定してピンポイントで撮影します。いわゆる”置きピン”というやつです。
飛び出しに比べ飛んでくる方向も分からない上に、シャッターを切るタイミングも難しく、ほぼピンポイントでの撮影となり飛び出しに比べると難易度が上がります
これも事例で説明します。
−伍ノ型−「点撮」まとめ
3.鳥の呼吸 −陸ノ型−「流」(ながし)
紹介してきた2つの型
「肆ノ型」は留まった状態からの飛び出し
「伍ノ型」は地点を決め打ちにした着地
でありごく限られたシチュエーションになります。
それでは普通に飛んでいる際中の野鳥は撮れないものでしょうか?
フレーム内に入れることさえできれば撮影できますが、20cmを切る様な小さな野鳥は被写体も小さく相当の腕が要ります。
しかしサギ類などの大型な野鳥であれば飛んでいる最中でもフレームに入れて合わせられます。
また、凡そ25cmを超える野鳥でかつ”飛び方が一定”であれば何とか素人でも追うことができます。
一度フレーム内に入れれば野鳥の飛ぶスピードに合わせて追うことでいわゆる流し撮りができます。
これも撮影例で解説していきます。
「肆ノ型」は留まった状態からの飛び出し
「伍ノ型」は地点を決め打ちにした着地
でありごく限られたシチュエーションになります。
それでは普通に飛んでいる際中の野鳥は撮れないものでしょうか?
フレーム内に入れることさえできれば撮影できますが、20cmを切る様な小さな野鳥は被写体も小さく相当の腕が要ります。
しかしサギ類などの大型な野鳥であれば飛んでいる最中でもフレームに入れて合わせられます。
また、凡そ25cmを超える野鳥でかつ”飛び方が一定”であれば何とか素人でも追うことができます。
一度フレーム内に入れれば野鳥の飛ぶスピードに合わせて追うことでいわゆる流し撮りができます。
これも撮影例で解説していきます。
小さい鳥の飛翔を撮るには
サギ類やツルなどの大きな野鳥は動作も遅く、的が大きいため簡単に合わせられます。
しかし、小さな野鳥は簡単には合わせれませんが、25cm程度の大きさの鳥であれば一直線に飛び、飛ぶ方向が限定できれば何とか合わせることが可能。
しかし、小さな野鳥は簡単には合わせれませんが、25cm程度の大きさの鳥であれば一直線に飛び、飛ぶ方向が限定できれば何とか合わせることが可能。
もう少し近くて画角に大きく写る場合は、鳥の飛ぶスピードに合わせてカメラを振りながら撮影する、いわゆる流し撮りが必要になる。
問題はどうやってフレームに入れるか?だがこれが難しい。
ここは経験を積んで目標点を1発でフレームに入れる技術が必要になります。
問題はどうやってフレームに入れるか?だがこれが難しい。
ここは経験を積んで目標点を1発でフレームに入れる技術が必要になります。
また、フレーム内に入った時に野鳥と認識するためにはこの時点である程度ピントがあっていないと認識できない。
そのため鳥が飛翔するだろう軌道の近くの地上の目標物でピントをある程度合わせておいてから、野鳥をファインダーで追います。
そのため鳥が飛翔するだろう軌道の近くの地上の目標物でピントをある程度合わせておいてから、野鳥をファインダーで追います。
−陸ノ型−「流」まとめ
4.奇跡の1枚(おまけ)
ここからは撮影術ではなくおまけ。
飛翔写真を撮影していると、偶然に奇跡の1枚が撮れる場合があります。
自分では意図していないが、野鳥がシャッターに合わせてくれるラッキーな1枚。
野鳥撮影を長く続けていると、こんな幸運もたまにはやってきます。
飛翔写真を撮影していると、偶然に奇跡の1枚が撮れる場合があります。
自分では意図していないが、野鳥がシャッターに合わせてくれるラッキーな1枚。
野鳥撮影を長く続けていると、こんな幸運もたまにはやってきます。
最後に.
如何でしたでしょうか「鳥撮の鏡 ー飛翔編ー」
動く動物を撮影するのは難易度は高いですが、挑戦してみないことには一生撮影できません。
「成せば成る、成さねば成らぬ」なので、興味ある人は是非挑戦してみてください。
文中に記載の通り高級な一眼カメラよりコンデジの方が撮影には有利な部分もありますのでまずはコンデジでチャレンジしてみるのも良いかと思います。
私も引き続き修行(撮影)を続けて各々の技の完成度を上げていきたいと思っています。
長文失礼しました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
動く動物を撮影するのは難易度は高いですが、挑戦してみないことには一生撮影できません。
「成せば成る、成さねば成らぬ」なので、興味ある人は是非挑戦してみてください。
文中に記載の通り高級な一眼カメラよりコンデジの方が撮影には有利な部分もありますのでまずはコンデジでチャレンジしてみるのも良いかと思います。
私も引き続き修行(撮影)を続けて各々の技の完成度を上げていきたいと思っています。
長文失礼しました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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- ヤマレコMAPの設定とGPS精度の関係 123 更新日:2020年12月29日
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