ソロデバイスについて
単独登攀専用のデバイスにはソロエイド、サイレントパートナー、ソロイストがあります。
(それ以外もあるかもしれません)
現時点ではソロエイドは生産中止になっているらしく入手は困難で、サイレントパートナーもソロイストも普通の登攀用具店では扱っていない場所は多く、一部ショップから通販で入手できますが、その店も独自の輸入先から仕入れているのが現状らしいです。
昔から使われているシャントやグリグリなどもありますが、ソロ専用なだけあって改造する必要もなく扱い易いです。
サイレントパートナーは凍結により冬季には使用できない事から、自分はソロイストを愛用しています。
(それ以外もあるかもしれません)
現時点ではソロエイドは生産中止になっているらしく入手は困難で、サイレントパートナーもソロイストも普通の登攀用具店では扱っていない場所は多く、一部ショップから通販で入手できますが、その店も独自の輸入先から仕入れているのが現状らしいです。
昔から使われているシャントやグリグリなどもありますが、ソロ専用なだけあって改造する必要もなく扱い易いです。
サイレントパートナーは凍結により冬季には使用できない事から、自分はソロイストを愛用しています。
ソロイストの長所と短所
ソロイストの一番の利点は、ロープ送りが不要だと言う事で、普通にビレイをして貰っているのと同じような感覚で登攀できます。
取付けも容易で、慣れれば5秒も掛からないくらいで脱着出来ます。
短所としては、使用するロープが制限されるという点。
対応は10mm以上となっており、最近主流のシングルロープになってきている9mm台のロープが使えません。
また、ロープがロックする角度が限定されており、ビレイ側のロープがソロイストから垂直に上に来ないとロックしません。
つまり、頭から落ちるとロックしません。
取付けも容易で、慣れれば5秒も掛からないくらいで脱着出来ます。
短所としては、使用するロープが制限されるという点。
対応は10mm以上となっており、最近主流のシングルロープになってきている9mm台のロープが使えません。
また、ロープがロックする角度が限定されており、ビレイ側のロープがソロイストから垂直に上に来ないとロックしません。
つまり、頭から落ちるとロックしません。
ザイル径とロックの関係
上の写真のように、ビレイ側のロープが上向きにならないとロックしません。
構造から見て分かるように、コの字になっている本体とカムがロープを挟んで摩擦で止めるので、
径が細くなればなる程、止まる角度が厳しくなっていきます。
以下の写真は、ザイル径を変えて、床置きで手で引いてロックし始める角度を写したものです。
落下時の加重ではないので、実際に落下した時にロックする角度は更に大きくなります。
構造から見て分かるように、コの字になっている本体とカムがロープを挟んで摩擦で止めるので、
径が細くなればなる程、止まる角度が厳しくなっていきます。
以下の写真は、ザイル径を変えて、床置きで手で引いてロックし始める角度を写したものです。
落下時の加重ではないので、実際に落下した時にロックする角度は更に大きくなります。
10.5mmと10.0mmは両方落ちてロックする事を確認していますが、10.5mmと10.0mmではロックする角度が体感できます。
ソロイストの応用
ソロイストにはビレイ側のロープ出口の反対側にも穴が開いており、そこからザイルを出す事が出来ます。
注意するべきこと。
ソロイスト使用での登攀中、ビレイヤーがいる登攀と同様にビレイ側のロープを可能な限り張った状態にしておくという事を意識しますが、ある程度高度が上がってくると、ビレイ側のザイルの自重により勝手にロープが流れるという現象が起きます。
その為、フリークライミングの1Pで終わるルートではフリー側のロープを下に落としてバランスを取りますが、逆に登攀開始直後はフリー側のザイルが重く、ロープを送り出しながらの登攀となります。
本チャンではザイルを不用意に落としておけない為、バランスを取るのが難しく、定期的に支点にザイルを固定し、ビレイ側のザイル荷重をコントロールする必要があります。
その為、フリークライミングの1Pで終わるルートではフリー側のロープを下に落としてバランスを取りますが、逆に登攀開始直後はフリー側のザイルが重く、ロープを送り出しながらの登攀となります。
本チャンではザイルを不用意に落としておけない為、バランスを取るのが難しく、定期的に支点にザイルを固定し、ビレイ側のザイル荷重をコントロールする必要があります。
滑落体験
昨年11月に本チャンでソロイストを使用中にフォールし、動作が遅れて岩角に激突するという経験をしました。
垂直の壁で直登でしたが、落ち方が悪く、横向きに落ちた為に、ロックする角度になる事が遅れたのが原因でした。短いピッチを登る途中だったので、ザイルを20m程度だけ出し、残りを肩絡みにしてまとめていたのが幸いして摩擦による制動が働きロックする姿勢となり、最悪の結果は免れました。
支点とソロイストの位置関係がソロイストの向きに対して平行でないと止まらないので、ハングやトラバースなどでは止まらない可能性がかなり高くなります。また、今回の滑落のようにその一瞬のムーブによっても止まらない姿勢があるという事は絶対に頭に入れておかなければならない事項です。
垂直の壁で直登でしたが、落ち方が悪く、横向きに落ちた為に、ロックする角度になる事が遅れたのが原因でした。短いピッチを登る途中だったので、ザイルを20m程度だけ出し、残りを肩絡みにしてまとめていたのが幸いして摩擦による制動が働きロックする姿勢となり、最悪の結果は免れました。
支点とソロイストの位置関係がソロイストの向きに対して平行でないと止まらないので、ハングやトラバースなどでは止まらない可能性がかなり高くなります。また、今回の滑落のようにその一瞬のムーブによっても止まらない姿勢があるという事は絶対に頭に入れておかなければならない事項です。
まとめ
専用のソロデバイスが冬季登攀も視野に入れると、ソロイストしか無いというのが現状ですが、似たような構造の物を使用してソロで登っている方も大勢居ます。
それでも正しく落ちれば確実に止まるという信頼性は確かかと思われます。
何よりロープ送る作業がいらないのは大きく、実力的に厳しいルートを攻めていけるのが最大の利点ではないでしょうか。
ともあれ、ソロである以上複数で登るよりもずっと負担が掛かるのは確実です。
バックアップは想定するべきであり、落ちないルートで使用しましょう。
お守りだと考えて、滑落した場合に死を免れても、複雑骨折が単純骨折に、骨折が打撲に、打撲がかすり傷になる程度だと考えて使う方がいいかと思います。
それでも正しく落ちれば確実に止まるという信頼性は確かかと思われます。
何よりロープ送る作業がいらないのは大きく、実力的に厳しいルートを攻めていけるのが最大の利点ではないでしょうか。
ともあれ、ソロである以上複数で登るよりもずっと負担が掛かるのは確実です。
バックアップは想定するべきであり、落ちないルートで使用しましょう。
お守りだと考えて、滑落した場合に死を免れても、複雑骨折が単純骨折に、骨折が打撲に、打撲がかすり傷になる程度だと考えて使う方がいいかと思います。
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私はこのようなシステムで単独登攀した経験はありませんが最近はそのシステムを考えるのが小さな楽しみです。
ソロイストは両手が使えるという点ではいいのですが、頭から落ちたら止まらないという心配が払しょくされない限りソロイスト単独では使えないと私は考えています。簡単に言えば死にたくないです
あと、コング社のバックアップという物もあるようなのですが、そのあたりをバックアップした場合とか…いかがでしょうか?コングのバックアップがどういう物かよく分からないですが、それが墜落で壊れても、その衝撃で頭が上になるようになってソロイストで止まるようなシステム作りとか?
やっぱり、無雪期なら値段は高いけれどサイレントパートナーとか?頭いたいです。
【追記】プルージックの自動送り出しを考えた案は、考えてみれば全然ダメでしたので消させていただきました<m(__)m>
>>murrenさん
こんばんは。
バックアップの方法は本当に頭痛いですよね。
ビレイ側にプルージックでバックアップを取る事もありますが、クリップする時に締まってしまった経験もあるので、常に試行錯誤しています。
その点、コングのバックアップのようなギアは有効かもしれません。さっそく購入を検討してみます!
youtubeでコングのバックアップを見たら片手で操作する必要がある感じですね。よく分からないですが。
実は昨日グリグリ2を仕入れました。一応はセルフビレイは禁止されていますが10ミリのロープだと上手にロックしました。ソロイストとグリグリ2を組み合わせてお互い干渉しないようにすればひょっとしてシステムが出来たりして…。机上の空論ですが…。
こんな感じでシステムを考えるのは楽しいですが私は暫く実験ができないし音信不通の状態になります。ということでお騒がせしました。
【追記】本日、グリグリ2を岩のゲレンデでテストしてきました。でも、10ミリだとすぐにロックしてしまって使い物になりませんでした。こりゃ、根本的に考え直さなきゃいけないと思いました。
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