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更新日:2014年03月23日 訪問者数:2696
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50年前の山小屋の日々
Hidesan6919
「50年前、山小屋の日々」
50年ほど前の私の山との関わりは、学生クラブ活動での合宿や単独行、登山旅費稼ぎの丹沢烏尾山荘ボッカアルバイトが中心だった。
私が初めて剣岳を知ったのは学生時代、3食付き1日500円の山小屋アルバイトの求人チラシだった。
早速申込んで7月からその夏休み2ヵ月だけ働くつもりで富山に向かった。
初めて見る室堂からの雪景色もそこそこに別山乗越へ、G小屋にキスリングを置いて別山に寄り道、そこにはそれまで築地書館「劔岳」と写真でしか見た事のなかった美しい山の姿が眼前に広がっていた。
G小屋から雪渓を下りK山荘へたどり着くと小屋主一家と従業員が待っていた。
横長の大型キスリング(昔は多量の荷物は背負子かキスリングが主だった)一杯の荷物を整理。こうして山小屋生活が始まった。

普段は朝3時に起床、朝食と昼弁当の準備をして登山客が起きるのを待つ。
朝食の片付けが済んで登山客を見送ったら、天気の良い日は2階のトタン屋根で客室のフトン干しと日光浴だ。
昼間は客も少ないので、客室の支度を終えてたら15時頃の夕食の支度までは自由時間だ。
客の夕食片付けが終わったら、又自由時間。
特別な仕事がなければこうして山小屋の1日は終わるのだが。

某月某日、今日はボッカの日。朝食を摂ったら、背負子にポリタンの水と弁当を持って室堂の倉庫からの荷揚げだ。
まとまった荷物はヘリで上げるが結構費用がかかるので、時々必要な物資は人手なのだ。卵、肉、野菜、油、飲物、その他生活用品等が多いが時おり小屋維持整備品もある。
40kg程の荷物を背負子に着けると立ち上がるのも一苦労、地獄谷のF荘で一服、お茶をご馳走になってからユックリ雷鳥沢を登る。
この荷物だと上りは良いがG小屋からの下りは気を付けないと。
荷揚げは1日仕事だ。

某月某日、小屋のおやじさんから、事故処理の手伝いに行けとの事。S小屋には富山県警山岳救助隊が常駐しているが、近隣の小屋が輪番で手伝いをする事になっていた。長次郎谷の上部で事故を起こした人を助けにいくらしい。ピッケルだけ持ってS小屋経由で長次郎谷出合に向かう。出合付近で事故を起こした人が既に背負子に載せられて担がれて来た。取り敢えずS小屋まで交代で担いで行くと、金沢大学医学部の医師が待っていた。

某月某日、今日はガイド?
単独行の年配のお客さんと一緒に本峰往復。帰りは御前小屋まで見送り。何もしなかったけど、えらく喜ばれた。

某月某日、朝食後小屋の奥さんから、「ちょっと五色まで手紙を届けて」と言われ、2つ返事で出発。日帰りのつもりだったので全て巻き道を使って、今で言うトレラン風に五色小屋まで急ぐ。五色小屋のご主人Kさんに封書を渡して早々に帰ろうとすると、「今日は泊まっていけ」との事。
どうも奥さんから電話連絡がいっていたようだ。そう言えば、途中巻き道沿いにずっとケーブルが引かれていたが、電話ケーブルだそうだ。夜はKさんから山の話を聞きながらタンマリとお酒をご馳走になった。
後で考えると、どうも奥さんが1日休暇をくれたような気がする。

某月某日、小屋の水が出ない。急ぎ水源(劔沢側の雪渓の下部からポンプで汲み上げているのだ)までホースを辿ると、途中で継ぎ目が外れていた。大事にならなくて良かった。

某月、某日某日。。。、朝の仕事が終わってから先輩と八ツ峯?峰でクライミング。長次郎谷を登ってフェースに取り付くが、あちこちに残置ハーケン。
登りきったら稜線を辿るが途中で降りて長次郎谷をグリセードで戻る。最近は短いピッケルが主流らしいが、ある程度長さがないと滑れないだろうな。

こんな具合に書いていると、切りがないが、もう頭の中は50年前だ。
結局、小屋に2,3年、計10年程劔岳に通った。
事情があって30年ほど前に登山を止めていたが、昨秋めでたく再開!
とりあえずトレーニングしつつ道具を揃えたが、登山用品店に行ってビックリ。
まず、ザック。なんと肩で担ぐのではなく腰骨で荷重を支えるというのだ。
背骨に負担がかからないという意味では合理的で安定感があるが汗をかく場所がウエスト後ろになり、何となく気持ち悪い。
で、背負子も探したが、これは昔と全く変わらず気に入らないので、結局腰骨ザック?を選択。
靴も随分軽くなったが、これも軽すぎて何となく心許ないので、結局昔風の革製を作った。
ニッカーも殆ど売っていないので山パンに。
綿の網シャツも、何と化繊の下着(ベースレイヤー)だと。。
そうこうしているうちに見つけたのが「ヤマレコ」!
仕事で使っていたスマホも大容量バッテリーで山用にして地図をダウンロード。
これは便利だが電子機器はリスクがあるから結局地図とコンパスは必須だろう。

さあ、来年には劔岳と再会すべく、今年はスマホを持って再び丹沢から始めよう。
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