金毘羅山 新雪の中を黄昏の大展望台へ

- GPS
- 00:21
- 距離
- 1.3km
- 登り
- 218m
- 下り
- 33m
コースタイム
| 天候 | 雪のち晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
| コース状況/ 危険箇所等 |
昨夜からの雪のため、10cm前後の積雪。 大原三山を昨昨年の夏前に縦走した時とは異なり、台風21号の影響によると思われる倒木が随時に散見するが、歩行には問題ない。 |
写真
感想
冬のこの時期になると京都の街に雪が降るのを心待ちにする。生活、交通の便を大きく損なうので、多くの人々にとっては迷惑この上ない話であろうが、雪化粧を施した北山は格別の装いである、
今年は厳冬の前評判に違わぬ寒さと雪であるが、未だに雪の北山を逍遥する機会を得ていない。冠雪した北山を横目に、どうせならもう少し深く雪が積もってからの期待を言い訳に比良山系に直行してしまうからなのであるが。
明日からどうしても行かねばならない長崎への出張を前に、快晴の岡山から京都の自宅に舞い戻ったのは午後15時過ぎ。道路の端に残っている雪の上を下校の小学生達が運動靴を雪まみれにしながら嬉しそうに歩いているのを見るとこちらも思わずそのトレースを辿りたくなるが、革靴では如何ともし難い、薄く雪化粧をまとった北山に目を向けると瓢箪崩山の向こうに降雪に霞む金毘羅山が目に入る。いまから迎えば日没までには山頂に立てるだろう、などと考えるのは正真正銘の阿呆の徴であろう。
ヘッデン、懐中電灯をポケットに忍ばせ、最低限と思われる携行品を掴むと北に向かう。八瀬を抜けて大原の里にはいると、夕方の傾いた斜陽が差し込む京都市街の晴天とはうってかわり、やはり完全な雪である。それでも、積雪した北山杉の中を逍遥する愉悦を期して、江文神社から山に入る。比良山系においてはブナ林に入るのを楽しみに少しでも早く通過したい杉林であるが、白い絨毯を敷き詰めた京都の杉林に改めてその魅力を再認識する。
獣除けのフェンスを開いて登山道に入ると、ほどなく江文峠に着いてしまう。少しでも山頂に早く到着したいと思って、江文神社から金毘羅山へのルートを行こうと思っていたところに、この江文峠への寄り道は不覚であった。夏前に大原三山を歩いた時に気がついたのだが、江文神社からのルートは取り付きが非常にわかりにくく、先述のフェンスを越えて小橋を渡ったところのすぐ右手を行かねばならないのだった。もしもこのルートを行かれる方は是非、ご参考にされたし。
気をとりなおし鳥居をくぐり神社を目指す。勿論ノートレースである。あると有難いトレースではあるが、登山道の同定が容易なところではむしろヴァージン・スノーを踏みしめる歓びが勝る。ほどなく雪はやみ、背後から黄金色の斜陽が雪に淡い彩りを添えはじめた。いい気になって写真を撮っていると、寒さのせいか急速にスマホのバッテリーが低下し、電源が落ちてしまう。この山行のGPSのログが中途半端なところでゴールしているのはそのためである。ロックゲレンデへの尾根に登ると一気に大原の眺望が開ける。一度落ちたスマホの電源はなかなか回復しなかったが、何度か繰り返すうちにようやく復活。大原の里を挟んで臨む大尾山の上に斜陽を受けて輝く雲が美しい。いよいよ山頂に到着すると、期待どおりの京都市街の夕暮れの大展望である。眺望の少ない北山にあって展望台としては随一ではないだろうか。北には雲取山、天が岳、翠黛山が夕陽をうけて輝く。
この光景をヤマレコ で供覧出来ないのはなんとも無念との思いを金毘羅の神が斟酌して下さったのだろうか。この時だけバッテリーが復活。以降、三壺社の写真を最後に私のスマホは完全に沈黙するのであった。
下山は江文神社へのルートをまっすぐに戻る。なんとかヘッデンを点けることなく、17時半には江文神社に戻ってくることが出来た。江文神社を出て大原の里を歩いていると金毘羅山から翠黛山の稜線が瞬く間に夜の帳に溶暗していった。束の間ではあったが、雪の薄化粧の北山の魅力を再認識した時間であった。
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山猫




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