燕岳 〜北アルプス 残雪の女王様とオールスターズ〜
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- GPS
- 10:20
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,666m
- 下り
- 1,657m
コースタイム
- 山行
- 8:42
- 休憩
- 1:38
- 合計
- 10:20
天候 | 晴れ 槍・穂高上空は曇りがち |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
車内で前夜泊 23時着で7割ほど埋まっていた 駐車場片隅に簡易トイレが設置された 汲み取り式・ペーパー有りで整備は行き届いている |
コース状況/ 危険箇所等 |
≪登山道の状況≫ 合戦尾根 ・北アルプス三大急登と言われるだけあって、合戦沢の頭まで急登が長く続く ・よく整備されており、不鮮明な踏み跡に入り込まなければ道迷いの心配無し ・要所要所に休憩できるベンチも有り、ゆっくり登り降りすればだれでも楽しめる山 ・合戦小屋手前から残雪あり。雪はザラメ状でアイゼン無しでも問題ないが、軽アイゼンがあるとより安心。残雪と夏道が交互に出てくるので着脱が面倒かも。 表銀座縦走路 燕山荘〜蛙岩まで ・残雪なし。道も明瞭。 ・ガスっていて視界がゼロなどにならなければ危険個所も無い。 |
その他周辺情報 | 温泉 有明荘の日帰り入浴を利用 燕山荘に宿泊していなければ料金620円 厳選かけ流しの良いお湯でした |
写真
感想
北アルプスの女王 燕岳は登山1年生の時に訪れた思い出の山。
山仲間との初めての山小屋泊、雨の中を強行発進、次の日に見た雲海から登る太陽と槍ヶ岳のモルゲンレート、全てが思い出深い山です。
だいぶ山に慣れてきた今なら日帰りで無理なく行けるかなと思い、本格的な梅雨入り前に再び女王様に拝謁してきました。
中房温泉の登山者用駐車場で車中泊し、夜明けと共に出発。
中房温泉登山口から合戦尾根に取付き、ガシガシ登ります。
3年前に来た時は、翌日の晴れを期待して雨の中を強行発進。
我が山岳部顧問の奥様も連れての登山なのでゆったりペースで登ったので燕山荘まで5時間半。
山で鍛えた今ならどれくらいで登れるかな?ということでペースを意識して登りました。
花は序盤はマイヅルソウ、中盤はイワカガミが咲き誇りますが、種類は少な目。
花が咲いていると写真撮影のためにペースが落ちる私ですが、今日はあまり足止めされずに進めました。
合戦尾根は整備は行き届いているものの、合戦澤ノ頭まで急登が長く続く。
それでも朝の清々しい空気もあってぐんぐん登れました。
始めは仰ぎ見たいた有明山の山頂が同じ高さに、そして見下ろすようになってくるので標高を稼いでいることを実感できるのも楽しいもの。
2時間ほど登って合戦小屋。
休憩がてらこの後の雪道に備えて軽アイゼンを装着しますが、個人的にはアイゼン無しでも問題無く感じたので、帰りは付けずに下りました。
合戦沢ノ頭まで来ると、それまで樹幹からその姿をチラッと見せてくれていた表銀座の山々が姿を現す。
ハイマツの緑、空の青、残雪の白。
アルプスに来たことを実感して足取りも軽くなる。
燕山荘直下の空に向かって登るような尾根道を登り切ると稜線到達。
常念・大天井・東鎌尾根の先に槍ヶ岳、双六岳〜立山・剣までの裏銀座・立山連峰の山々…。
圧巻の大パノラマを前にしばし立ち尽くてしまいます。
夏、夏山シーズン真っ只中のアルプスもいいけれど、残雪を身にまとう初夏のアルプスも素晴らしい美しさでした。
そして行く手には燕岳。
ハイマツの緑、残雪と花崗岩の白がコントラストを成し、北アルプスの女王に恥じない美しさ。
燕山荘から稜線を30分程歩いて、4年ぶりに女王様に拝謁がかないました。
中房温泉登山口から休憩挟んで4時間10分とまずまずのペースで登り切りました。
初めて来たときは燕山荘まで6時間弱かかったものです。
燕岳山頂は混んでいたので、気持ちのいい稜線を歩いて北燕岳まで行ってみました。
ハイマツの間にはキバナシャクナゲ。
早咲きのミヤマキンバイやハクサンイチゲもちらほら。
コマクサは葉ばかりで花は無し。
稜線はこれから夏を迎えようとしていました。
登山道に雪はないものの、花崗岩が砕け散った白砂の道が続き、日焼け対策をしないと上下からこんがり焼かれて、黒豚になってしまいそうだ…。
訪れる人も少ない北燕岳山頂からはぐんと近くなった立山・剣や鹿島槍・針ノ木など後立山連峰の眺めを堪能できました。
燕山荘まで引き返し、名物ビーフシチューを味わうと時刻ははや正午。
午後3時には下山を完了させたいので、タイムリミットはあと1時間。
ずっと歩いてみたかった表銀座縦走路を行けるところまで進んでみました。
進行方向には常念・大天井・槍ヶ岳。右手には裏銀座の峰々。
素晴らしい眺めを楽しみながらの最高に気持ちのいいトレイルです。
ずっと同じ山が見えているのに、歩を進めるごとに表情を変わっていくのがとても興味深い。
いつか表銀座縦走路を上高地まで歩き通してみたいと憧れが強まります。
何とか大天井岳まで行けると良かったのですが、そのためにはもって早く出発して、寄り道せずに大天井を目指さねばいけませんでした。
本日は蛙岩まで。
後ろ髪を引かれながら帰途に着きました。
どこかでライチョウに会えないかと思い探していましたが、よく晴れた今日はその姿を見せてくれませんでした。
天敵を気にせずハイマツ林から出てきてくれる曇りの日がチャンスかな。
帰りもはるか眼下に広がる松本の街を目指して合戦尾根を下ります。
合戦沢ノ頭を過ぎると槍ヶ岳も見納め。
またおいで、とアルプスが言ってくれているようでした。
来月には槍ヶ岳の山頂から今日歩いてきた道を見ることができるかな??
花も少ないので合戦尾根をハイペースで駆け下り、燕山荘から1時間45分で中房温泉に戻りました。
ペースが上がったのはいいのだけど、登りよりも下りが厳しかった。
なにせ進むべき道がはるか下までずーっと続いているのが見えてしまうから。
さすがは北アルプス三大急登。伊達ではない。
少々ハードだったし大天井までは届かなかったけれど、美しい北アルプスを間近に見られる楽しい山旅でした。
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