木曽駒ケ岳・宝剣岳・濃ヶ池 〜紅葉と展望の稜線歩き〜
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- GPS
- 09:04
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 766m
- 下り
- 766m
コースタイム
- 山行
- 6:35
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 8:09
天候 | 午前中:曇り 午後:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
菅の台駐車場からシャトルバス・ロープウェイ利用 |
コース状況/ 危険箇所等 |
≪登山道の状況≫ ・千畳敷カール:整備は十分だが岩がちな道なので運動に適した靴で来られたし。 ・極楽平〜宝剣岳〜乗越浄土:鎖場が連続する岩稜歩きの区間。極楽平側の最初のピークを越えたところにあるナイフリッジが最も危険。一部鎖の補助無し。3点支持を守って慎重に歩かれたし。 ・乗越浄土〜濃ヶ池:駒飼ノ池からの下りが急。ハシゴ・桟橋有り。ハシゴと桟橋は少し傾いているので転落注意。下り切って濃ヶ池までは山腹のトラバース道。 ・中岳巻道:片側は急斜面のトラバース。アルプスの岩稜帯の経験者なら危険とは感じないかも。乗越浄土側に3点支持で越えた方がよい岩登り区間がある。 ・その他のルートはよく整備されており、ガスったりしなければ安心して歩ける。 ≪トイレ≫ ・千畳敷駅、宝剣山荘、他各山小屋にあり。千畳敷駅以外は有料。 |
写真
感想
アルプスのダケカンバ・ナナカマド帯からスタートする紅葉前線。
アルプスの森が最後の輝きを放つ時を見に千畳敷と濃ヶ池カールを訪問する定番山行に今年も出かけてきました。
ロープウェイ区間の紅葉は進行方向右側が見事。
一本後の便に乗ることになっても、進行方向右側の窓側を確保したいところです。
ロープウェイが進むにつれて眼下の森が美しく色づいてくる。
その中を流れ下る滝も見事な美しさです。
空が晴れていれば素晴らしい彩りが鑑賞できたはずですが、あいにく午前中は薄雲が広がり、風景の彩度は今一つでした。
辿り着いた千畳敷駅。
やって来た方向を振り返ると南アルプス全山展望の大パノラマ。
そして駅の西側、千畳敷カール側へ来て見ると…。
宝剣岳のバックが青空でないのが何より残念。
紅葉も少しピークを過ぎているのかナナカマドがほどんど散ってしまい、赤が足りない。
今年も訪れる時期が少し遅かったのでしょうか。
美しいことは美しいのですが、紅葉がピークの時のことを知る者としては少々物足りませんでした。
ナナカマド、葉が残っている木々も赤ではなくオレンジ色だったり、茶色くなって落葉間近だったりするものが多いです。
きれいな赤に紅葉する前に色あせて落葉してしまったものが多いとのこと。
昨冬の大雪、明けきらない梅雨空の夏、そしてここ千畳敷では霜が降りてしまうほど急激に来た寒さ…。
ナナカマドの彩り不足にはこの頃の異常気象の影響を色濃く感じます。
剣ヶ池で写真撮影をして、午前中の順光があたるうちに濃ヶ池へ向かうつもりでしたが、あいにくの曇り空。
午後に天候が回復することを期待して、まずは極楽平から宝剣岳へ向かうことにしました。
30分程登って辿り着いた稜線は、曇り空の下で風も強く寒々としています。
高山植物もほぼ眠りについていて花探しの楽しみも無し。
曇りがちでも展望は良好で中央アルプス南部や南アルプスの峰々を見ながらの稜線歩きができたのは幸いでした。
極楽平から乗越浄土までが岩稜歩きの区間。
初めて宝剣岳に登った時は乗越浄土からピストンして、登れたことを大喜びしていたのが懐かしい。
でも難しいのは極楽平側。
しかし槍ヶ岳や奥穂高、八ヶ岳の赤岳〜硫黄岳を経験してくるとアスレチック感覚で楽しく登れるようになりました。
ただ、宝剣岳は道の片側が切れ落ちている箇所が多いので、個人的には槍の穂先より恐怖感を感じますね。
宝剣岳山頂では去年は座るのが精いっぱいだった山頂の岩の上で立ち上がってポーズを取ることができたので、高度感に慣れてきたことを実感できました。
でも強風の時などは気を付けて下さいね。
立ち上がってポーズをとるのはいいとして、座るなど体勢を変える時も転落しないよう要注意です。
宝剣岳に登っている間に上空の空には晴れ間も見え始めたので、山腹の紅葉が美しい濃ヶ池へ向かいました。
濃ヶ池は千畳敷から伊那前岳を挟んだ向こう側になりますが、同じような標高の場所なのに紅葉の色づきは千畳敷よりも良い。
風や陽の当たり方など微妙なことが影響するのでしょうか。不思議なものですね。
駒飼ノ池から1時間ほど山腹をトラバースして辿り着く濃ヶ池カール。
2013年に訪れてここの紅葉の素晴らしさに心を打たれ、それ以来秋になるとここに来るのがわたくしの定番山行。
今年の濃ヶ池紅葉は・・・
十分美しいので満足できるものでしたが、やはりナナカマドの赤が足りないのが惜しい…
きれいな赤ではなく、オレンジや緑がかった葉が多いし、岩峰下のダケカンバは枯れ木になっている…
2013年にはコンデジしか持っていなかったので、今の一眼レフでここの美しい紅葉を写真に納めたいのですが、また来年以降の課題になりました。
濃ヶ池で紅葉を鑑賞しながら昼食休憩し、稜線を歩いて木曽駒ケ岳へ向かいました。
将棊頭山から続く稜線は豊かなハイマツの中を行く区間。
空も晴れ渡ってきて、展望も良好。
東には南アルプス、西には御嶽・乗鞍・槍穂高・後立山など北アルプス、北には八ヶ岳・霧ヶ峰・浅間山
名だたる名峰を眺めながらの充実した稜線歩きが楽しめました。
帰りに伊那前岳に寄り道。
乗越浄土から見えるピークは伊那前岳山頂ではなく、山頂は少し進んで標高も低いところになっていたので以外でした。
山頂からは遮るもの無く南アルプス全山を眺めることができ、南アルプスを鑑賞するならここが特等席だと思います。
北アルプスパノラマ銀座に引けを取らない美しい稜線でした。
夕闇迫る千畳敷カールへ駆け下り、最終ロープウェイに乗って帰りました。
何度も訪れる山ですが、新たな発見もある楽しい山旅になりました。
空木岳への縦走、ロープウェイを使わずに歩いて登る、など今後も季節を変えて訪れたい、大好きな山です。
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