雨で途中撤退(1日早く下山・・・裏目に)《鷲羽岳 水晶岳 黒部五郎岳 他》
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- GPS
- 60:43
- 距離
- 57.3km
- 登り
- 4,441m
- 下り
- 4,447m
コースタイム
- 山行
- 9:45
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 11:04
- 山行
- 9:08
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 10:21
- 山行
- 11:42
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 13:18
天候 | 1日目 雨 時々 曇 2日目 晴(11時位まで) 後 雨 3日目 晴(10時半位まで) 後 雨(何度も豪雨) |
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過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※新穂高温泉へはコースタイムで往路30分、復路40分(累積標高170m位(>_<)) 24時間トイレありの無料駐車場 月曜(8/13)午前2時頃で7〜8割の埋まり具合 水曜(8/15)19時前、悪天のためか3割程の埋まり具合 |
コース状況/ 危険箇所等 |
有名登山道で抜群に整備されていますが北アルプスらしくそれなりの急登、険しさあり。 巻き道を積極的に使用しましたがアップダウンや登り箇所が多くて楽に歩ける道ではない感じ。 ※三俣蓮華岳〜双六小屋間の双六岳だけを巻く中道ルートが唯一歩きやすい(真の)巻き道! |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
ポール
携帯トイレ
|
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感想
待望のお盆休み、今年は3泊4日の日程で北アルプス中央部の未踏の100名山4座(鷲羽岳、水晶岳、黒部五郎岳、笠ヶ岳)縦走を目指しました。
小屋泊ですが着替3セット、ファブリーズ(消臭剤)、電動髭剃りほか装備を惜しまずザックに詰め込んで重量17〜18kg(普段の2倍の重さ)を背負っての縦走です。軽量化したテント泊の人と同等の重量ではないかと思われます。
毎年の事となってきましたが、初日は(車の)運転疲れ・寝不足、ザックの重量に負けながらの登りばかりでペースが進まず。(休憩込みですが)コースタイムオーバーのアップアップでの幕開け、でもこれは想定内。予定通り三俣山荘までたどり着けたのでこの時点では満足していました。
誤算は2日目でした。2日目ということでザックの重量に慣れている予定でしたが初日と殆ど変わらぬ重量感で登りが遅々として進みません・・・下りでも普段の(8kg程度のザック重量時の)スピードが出ず2日続けてのアップアップ縦走(>_<)、巻き道も想定外の険しさで鷲羽岳、水晶岳を登り三俣山荘に戻った時点で予定より1時間40分の遅れがでていました。
たまたますれ違ったハイカーに指摘された事ですが、(今回アタックザックを持参しており)三俣山荘に荷物をデポして必要最小限の装備で歩けば予定通り行けたかもしれません、後の祭りです(残念)!
その後の三俣蓮華岳の巻き道も巻き道とは思えない登りとアップダウンで四苦八苦、時折聞こえる雷鳴にビクビクしながらの歩みで黒部五郎小舎に到着たのが16時半前、遅すぎでした。
予定では宿泊地となる黒部五郎小舎に大半の荷物をデポして(必要最小限の荷物での)全力アタック登山、黒部五郎岳を登頂して18時までに小舎に戻るはずでしたが完全にご破算となりました。
波瀾万丈となったのが最終日となる3日目でした。
先ずは先日の宿題である黒部五郎岳のピストン、予定通り大半の荷物をデポしてアタックザックで登山したところ、とてつもない軽量感(^-^)まるで人が変わったようになりました。
昨日までの(休憩込み)コースタイムオーバーのアップアップ登山が嘘のよう!コースタイム4時間20〜30分の行程を約2時間40分で戻ってこれました、軽量化の大切さを身をもって体験する出来事でした。
その後荷物をまとめていつものザックで歩き出しましたが昨日より重量感がありません、3日目にしてやっとザックの重さに対応できたのでした。
ここで欲が出て、半分諦めていた笠ヶ岳登頂も考えはじめました。
双六小屋を出たのが12時45分、笠ヶ岳山荘までのコースタイムが5時間20分、日没までに笠ヶ岳山荘に到着し翌日笠ヶ岳登頂して新穂高温泉に下山という光がこの時点では見えていたのです・・・。
しかし最大の懸念事項であった天候が大きく悪化してものの数十分で希望が打ち砕かれました。昨日までの雨は中降りになったり小降りになったりの繰り返しでレインウェア及び登山靴の透湿性がギリギリ保たれていたのです。
でもこの日は違ったのです。横殴りで土砂降りの雨が続き、とうとう透湿限界を超えてしまったのです。そうなると早いもので、あっとうい間にインナーやパンツが自らの汗でびっしょりになり、程なく登山靴も(上からドンドン垂れてくる大量の自分の汗で)びしゃびしゃ・不快な状態になってしまいました。
弓折乗越で泣く泣く笠ヶ岳山荘に行く事を諦めました。不快指数が高い状態で雷予報も出ている土砂降りの稜線歩きは極めて危険で回避するのが当然の帰結だったのです・・・(>_<)
それでも未練タラタラで鏡平山荘でスタッフに(鏡平山荘から)笠ヶ岳までのコースタイムを聞いて翌日の笠ヶ岳登頂を検討してみましたがネックはやはり天気。翌日は1日雨予報で雷の危険もあり。散々苦労して登頂できても展望なしで下山は笠新道の急降下、危険です。山は逃げないのでやっぱり今回の登頂は回避、断腸の思いで最終的に笠ヶ岳を諦めました。
笠ヶ岳を諦めてみると今度は新穂高温泉に今日中に下山することが頭をよぎりました。鏡平山荘スタッフによれば(ここから)普通のハイカーならば3時間半で下山できるとのこと。
仮にここ鏡平山荘にせよ下のわさび平小屋にせよ宿泊して翌日チョット歩いてすぐ下山というのは経済的に効率が悪すぎます。
ならば夕方以降となっても今日中に下山しようという結論になりました。
ところが・・・、
シンウドが原、秩父沢と順調に通過して左俣林道が見えてきた時に事件はおこったのです。ふと気が緩んで本日中の下山にめどがつき別の雑念が頭をよぎった瞬間でした・・・・・・。
ガレ場の岩の上で左足が滑りそのまま横滑りして左足首を捻ったまま30〜40cm下の地面に落下・着地(>_<)
無意識に反力を効かせて転倒は回避しましたが、瞬間強烈な電気が走りました・・・何かやらかしてしまったのデス、自分の見立てでは左足首の捻挫でした。
※元々自分は両足ともに足首の関節がよくも悪くものび気味のタイプ、バレーボール等のスポーツでジャンプ後に足首を内側に捻ったまま着地したり、走っていて窪み等に足首を捻って転倒しても持ち前の間接の柔らかさ(単に関節が伸びているだけ?)で瞬間痛いだけで全く怪我すること無いタイプだったのです・・・
でもこの日はいつもと違っていました、雨で滑って勢いがついたのに加えて15kgを超える重たいザックが≪私の耐久限界を超えてしまったのです》
間違いなく油断・過信がありました
まだ新穂高温泉までコースタイムで1時間半、車を駐車した鍋平登山者用駐車場までは2時間以上の行程が残っていました。
この日はずっと雨が激し目に降っておりレインウェア・登山靴はとっくに透湿限界を超えてびしょびしょになっていて熱がこもらずアイシング不要だったのが唯一の救いだったのかもしれません。
しばらくはストックをフル活用で力を逃がしながら左足がややびっこな状況で気合いで歩き続けました。40〜50分位するとアドレナリンと根性がいい具合にマッチングしたのか?捻るような歩き方をしなければ痛みも消えてスピードはやや遅いものの通常に近い状態で歩けるようになっていました。まさに生命の底力、適応力の勝利でしょう(>o<)
でも新穂高温泉登山指導センターまで後20分位というところで急に体に力が入らなくなってきてザックの重さを強烈に感じるようになってきました、黄信号点灯デス。
ここで気合いを入れ直しました。人目をはばからずか細いながら声をあげました『根性、根性、ど根性!つらいときこそ根性だ!粘る、頑張る、ど根性!真の根性とは本当にしんどい時に頑張る事、根性、根性、ど根性!つらいときこそ根性だ!根性、根性、ど根性、こういう時こそ根性だ!』と念仏のごとく唱え続けました。幸いブツクサ唱えている瞬間は雨の夕刻でだれにもすれ違わないで済みました。
間違いなく気合いと根性の力!なんとか新穂高温泉まで戻ることが出来ました、よく頑張りました!
その後の鍋平登山者用駐車場までの累積標高170m以上の魔の登り返し?でもアドレナリン大放出の我慢の登りを披露!日没直後で空に明るさが残っているうちの限界ギリギリいっぱいの下山を完了することが出来ました・・・。
総合的に判断すれば間違っても褒められない駄目駄目登山でしたがある意味、極限の登山をしたということでとても良い勉強となりました。『良薬口に苦し』の経験を積むことが出来ました。
自分の体力・耐久力を過信してはならずソロの登山では一瞬の隙も許されない、でも最後の最後は気合と根性がものをいうし、それしかないということ。今後の登山の戒めとなる貴重な経験を積むことができたと思います。
※※翌日、整形外科で左足首をみてもらうと捻挫とともに骨に怪しい線のようなものが走っていてささくれ状のヒビも入っているかな〜とのことでした。自分のような状況ではポキッと骨折する事もよくあるそうでそうならなかったのは幸いでした
コメント
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URUTORAMSさん、はじめまして。
わたくしのレコの方にコメント下さいましてありがとうございました。
2日目に黒部五郎小屋で、3日目に黒部五郎岳往復のどこかでお会いしていたようですね。
裏銀座界隈は槍穂高ほどの混雑ではないと聞き及んでいましたが、レコをアップしてみるとであったかもしれない諸兄の多さにびっくりしました。
1泊2日程度では到達できない名峰が多い裏銀座、お盆休みこそはとお出かけになった諸兄が多いのですね…。
梅雨明けからの晴天続きの天候がもう1週間続いてくれていれば…と思うと悔しいですが、自然相手の活動なので今回のような山歩きも一つの経験と思います。
URUTORAMさんのレコを拝見していると、2日目の鷲羽岳が晴れていたらこんな風景を楽しめたんだなとか、3日目も黒部五郎岳へ早立ちしていれば三俣蓮華岳からの展望も楽しめたのだなと思い、うらやましく思いました。
わたくしの方は雲ノ平と黒部五郎岳へたどり着けたのは満足なものの、水晶岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳・双六岳からの絶景は見ることができず残念でした。
いずれ高瀬ダム〜三俣小屋〜双六小屋〜槍ヶ岳〜上高地の裏銀座縦走でリベンジしたいと思いますが、いつのことになるやら…。
3泊4日は必用なプランなので、それほど趣味に時間をかけられるうちに行くことができれば良いけれども、もう無理かも…と思う次第です。
雨の小池新道の下りはわたしも何度かスリップしかけてヒヤヒヤしました。
捻挫→自力歩行不能は遭難となり、レスキューを依頼せねばならないので、慌てず・急いで・正確にを意識して歩きます。
疲れますが、次に足をどこに置くかを考えながら足運びをするのもパズルみたいで楽しいものですね。
転倒してお怪我なされたようですが、その後おかげんいかがですか?
大事に至らず良かったですね。
またどこかですれ違うこともあろうかと思います。
その節はどうぞよろしくお願い致します。
Tomi-Tonさん、コメントありがとうございます。
こちらこそ、その節は宜しくお願いします。
ところで、軽い捻挫と骨のヒビ(腱・筋肉に引っぱられて入ったヒビで直にぶつけたものでは無く比較的軽いヒビ)については、順調に回復中です。怪我の5日後には(サドルを下げた)自転車に乗り始めて1週間で簡易ギプス(のような固定具)を卒業。徐々に負荷をかけることに成功して(短時間なら)小走りできるレベルまで回復しました。
正直、足首の関節の可動域がやや狭い感じではありますが捻挫部は幹部を直にいじらなければもう痛みもありません、ヒビが入った外側くるぶし部も時折チクチクする程度で日常生活には全く支障が無いレベル。
現状、順調すぎる回復度合いで心配ご無用といったところです。9月上旬には再び北アルプスの1泊2日の縦走を計画中で好天を期待してウキウキしているぐらいです。
とはいえ、怪我はもうごめんです。登山中の怪我は確かに紙一重で遭難や命にかかわる大事となりかねないです・・・。今まで以上に注意を払って山と向き合っていこうと思います!
また、今後は時間と予算が許す限り無理な下山は避けるつもりです。今回もう1泊できるゆとりがありながらも1泊の宿代をけちったせいで怪我につながり、結局は治療費と(捻挫・ヒビの足をかばった激しい使用で)ストック1本故障・買換でそれ以上の失費になってしまいました(>_<)。
『健康は金では買えない』なんて言葉もあった気がしますが、少なくとも金で危険性を下げる事はできます。
目先の失費だけに捕らわれず、もっともっと広く大局的な視野で物事を判断できるよう日々精進していかなければと強く思いました。
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