大岳山-御前山-三頭山 【奥多摩三山1dayハイク】
- GPS
- 13:17
- 距離
- 28.4km
- 登り
- 2,898m
- 下り
- 2,130m
コースタイム
天候 | 晴のち曇り 最後は雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
帰路の車回収=都民の森16:45のバスで武蔵五日市駅→JRで石神前駅 回収時刻19時5分 |
コース状況/ 危険箇所等 |
コース状況 概ね整備されています。大きな危険個所はありません。 残雪 御前山山頂手前でわずかにアイスバーンが残っていましたが、ほとんど無いに近い状況でした。 トイレ 日の出山山頂下(御岳山寄り)、御岳山、大ダワ (御前山避難小屋にもあるとのことので当日は確認していません) |
写真
感想
奥多摩を歩くハイカーの多くが考え、そして実践している「奥多摩三山を1日で」というテーマ。
私も実行する時がきました。
ルートは
・いつもの往復電車利用では時間的にムリなので、車を使う
・車の回収がラクな大岳山→三頭山の順にする
・日の出を待ってからの行動だと目標達成が危ういので、日の出前から行動を開始する
・それじゃついでに、「日の出山で日の出を迎える」と洒落こむ
・三頭山からはヌカザス方面に降りて小河内神社からバス→電車で車を回収
最後の下りに厳しさがあるのが気になるところですが、これにて決定。
いざ。
JR青梅線の二俣尾(もしくは石神前)が最寄となる吉野園地駐車場に日付が変わったころに到着。
吉野梅郷の梅は満開の様子ですが、暗いので楽しむまでには至りません。
代わりに満月がとてもキレイです。
少し仮眠をして、2時40分に行動開始(早っ!)。
日の出山までコースタイムが2時間50分。日出時刻は5時20分。
ナイトハイクは初めてなので早い足取りは望めませんが、コースタイムの通りには掛からないでしょう。
日の出を待つのは寒そうなのでゆったり歩いてピッタンコかな?という読み。
今まで装備として携行していただけで出番がなかったヘッドライトが初出動。
ドキドキの初ナイトハイクがスタートです。
ん〜コワい。暗いのは怖いです。。
で、少し登ったところでやらかしちゃいました。
作業道に紛れ込んでしまったようで、地図で確認すると沢井の街の明かりに向かっています(泣)。
これから本格的な夜を迎えるのだとパニックになったかもしれませんが、あと2時間もすれば夜が明けるのでそれだけは救い。
冷静に分岐まで引き返します。(途中の赤テープを恨めしげに見ながら・・。)
見おぼえのある分岐に戻ると案内板がちゃんとあって、地図と照らし合わせれば間違いようのないところ!
案内板があったのは見ていましたが、地図を確認しないで頭の中のうろ覚えのコース図で判断したための軽率なミスでした。
約40分のロスタイム。「日の出山での日出」危うし。
梅野木峠を慎重に過ぎるとあとは一直線。
今日一日の行程を考えるとここでムリをしてはいけないですが、明るくなってきた空にせかされるように目一杯頑張っちゃいました(笑)
頑張った甲斐あって、日の出前に山頂に到着。
いつもは多くのハイカーで賑わう日の出山山頂もひっそりしており、独り占め。
空は既に朝焼けで、鳥の声を聞きながら日の出を待ちます。
ほどなく赤い太陽が昇ってきました。
暗い山道を歩いてきた後なので太陽の恵みを切に感じます。
明るく優しい光、至高の恵み。
さて、御岳山までは朝日を浴びながらゆっくりとお散歩。
到着した御岳山山頂の武蔵御嶽神社にも人影は全くなく、静かに今日の山行の安全をお祈りしました。
ここから御岳山から大岳山途中の芥場峠までは谷経由(七代の滝・ロックガーデン)、山経由(奥の院・鍋割山)、巻き道の3通りありますが、一番楽な巻き道を選択。
人のいない静かなロックガーデンも魅力的に思いましたが、先のことを考えて予定通りの行動です。
芥場峠を越えてしばらくすると岩交じりの山道に。
「この先岩場 滑落注意」の案内が出ていますが、それぼど険しい道ではなく変化に富んだ楽しい道です。
日差しを受ける東面の明るい自然林で、快適な道でした。
山荘(閉鎖しています)の前からは少し急な登りになりますが、山頂までは少しの頑張りです。
山頂では南西の展望がドーンと開けて、雲ひとつない青空に白い富士山がお出迎えしてくれました。
その贅沢な山頂もここでも独り占め。
左に裾が大きく堂々とした御前山、その右に向かう三頭山と今日のコースが見通せます。
ここから見る三頭山はまだ遥か先。遠いなぁ〜。
山頂からの下りは急な岩場なので慎重さを要しますが、馬頭刈への分岐まで下りるとそこからは平坦で快適な尾根道です。
木立の間に見え隠れする富士山を楽しみながら、向かう三頭山との距離感を確認しながら鋸山へ向かいます。
鋸山へは登らずに大ダワに向かう巻き道もありますが、ここは巻かずに鋸山へ。
途中で降りてくる3人のハイカーと出合いました。
8時40分頃。スタートから6時間歩いて始めて出合うハイカーです。こんにちわ!
(御岳山の集落で犬の散歩の方とは会ったけどね)
鋸山からの下りは急で、鉄の階段もあります。
木立の間からですが、正面に大きく御前山。よぉーし、向かうぞー。
この「正面に御前山」を見たくて巻かずに登ったんです。
大ダワを越えて鞘口山への登りは楽しみの少ない杉林の登り。
日の出山へ急いだツケがこのあたりで出ていたようで、早くもバテてきました。
ヘロヘロ登っているとクロノ尾山頂手前で一人のハイカーに追い抜かれ、あっという間に離されます。
つまらない杉林が続く登り、バテた体。思考は超マイナス思考。
こんな自分には分不相応なプランだったのでは??
御前山山頂に近づくと自然林になってきましたが、浸食されてえぐれた登山道でテンションは下がったまま。
避難小屋を越えるとアイスバーンが残っており注意を要しました。
バテバテで山頂に到着。自身初登頂ですが、展望もあまりなく気は滅入ったまま。
大ブナ峠から小河内ダムにエスケープするかな。
そんなことを考えながら昼食のラーメンを作り、食べながらプランを再確認します。
温かい食事でお腹が満たされると少し元気が出てきました。
今後はコースタイム以上の早い脚は望めないけど、それ以上遅れなけれは大丈夫。
結論としてはゆっくりでいいから予定通り三頭山を目指します。
ただし、遅れるようであれば鞘口峠から三頭山に登らず都民の森へエスケープという条件付き。
そうは決めたもののスッキリしない気分で歩き始めます。
御前山から惣岳山への下りは快適な自然林の道。
豊かな道が簡単で明快な答えを導いてくれました。
そう。自分はこんな自然豊かな山道を歩くのが大好きなんだ。
時間はまだ11時を過ぎたばかり。山を下りてしまうのはもったいないよ。
奥多摩三山を達成するか否かはではなく、楽しいのだからもっと歩こう!
惣岳山を過ぎてからは快適な道。
防火帯の急坂を降り、滑落注意の痩せ尾根を進みます。
本日一番の楽しい道でした。
小河内峠を過ぎると尾根筋、巻き道の分岐が2か所ありましたが、2か所とも巻き道を選択。
月夜見第2駐車場の手前ですれ違ったハイカーとは少し言葉を交わしました。
同じく奥多摩三山を1日で狙っているようで、三頭山から来たとのこと。
「どうでしょうかねぇ」と控えめにお話しされていましたが、足取りは私よりずっとしっかりしていました。
二人合わせてでクロス縦走が達成していることを祈ります。
月夜見山頂で時間をチェックすると巻き道の効果もあって思ったより順調です。
月夜見山を越えると三頭山がグッと近づいて見えました。
目算で時間が計算できる距離感です。たぶん2時間くらいでしょう。
このあたりで確信しました。大丈夫、必ず到達する。
ただ少し気になるのは天候。怪しい雲が近づいていて、ひと雨ありそうです。
風張峠を過ぎて鞘口峠に向かうと急に冷たい風が吹き始めました。石尾根方面は既に雨雲が掛かっています。
鞘口峠につくと空から白いものが舞ってきました。
降ってきたのは雨ではなく、雪!
峠では三頭山から降りてきたハイカーと空を眺めながら少しお話。
周囲を見ると白くモヤった山もあり、結構な振りになりそうです。
ここまで来ると欲が出ていてエスケープは考えません。
まだ時間がある(この時点で2時ちょっと前)ので頑張ります!と山頂に向かいます。
山頂に向かうにつれて雪はいよいよ本降り。
あっという間に積もり始めます。
下山を急ぐハイカーと何人かすれ違いました。
おおきなお世話ですが雨具の準備が無いハイカーが意外に多く驚きです。
雨でなく乾いた雪なのがせめてもの救いでしょうか。
見晴らし小屋に着くころには吹雪模様で景色はすっかり冬山。
屋根のあるところでおやつを食べてスタミナ補給。(山頂では食べられそうもないので。)
本当はここから辿ってきた御前山-大岳山を見たかったのになぁ〜。
真っ白で何も見えません。。
よし、もう少しだ。頑張ろう!
雪は滑るという感じではないですが、泥交じりでビブラム底にくっつき少し歩くとダンゴになります。
山頂直下の分岐では先に中央峰へ向かいます。すぐに本日の最高到達点に到着。
わずかの距離ですが東峰は意味なく思えてパス。
西峰に引き合えしてこちらもほどなく到着。
目標達成!奥多摩三山を巡ることができました。
天候のせいか下山の心配が先走り、思いほか感慨は湧いて来ません。
事務的に写真を撮ります。
西峰では笹尾根方向からちょうど登ってきたトレイルランナー2人と出合いました。
これからどちらへと聞かれたので奥多摩湖に下りたいと話すと、ちょっと大変そうですねーと当然のやり取り。
ランナーは都民の森へ向かうとのこと。
まだ時間がある(この時点でちょうど3時くらい)ので気をつけてゆっくり降りますと別れて鶴峠方向に少し様子を見に行きます。
3分程度歩いて、山頂に引き返す時には決心がつきました。
このコンディションではヌカザスに向かうのは無謀。ダメです。安全を第一に考えるべき。
車の回収が少し面倒になりますが、そんなことを言っている状況ではありません。
そうと決まればもう難しいところはないので気はラクです。
いけないとは思いつつ緊張の糸が切れ気味。
ちょっと尻切れトンボでしたが、安全なブナの路を下り都民の森に無事到着。今回のハイクを終えました。
今回は車の回収があるのでビールはお預け。
売店ではビールと並んで大好きなソフトクリームを買って、降りしきる雪を眺めながら食べました。
少し火照って疲れた体に甘く冷たいソフトクリームは抜群に美味しかったです。
おしまい
*いつも駄文をだらだら綴っていますが、今回は特別長くなってしまいました。
ここまでお読みいただいた方、ありがとうございます。 <(_ _)>
コメント
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奥多摩三山縦走おめでとうございます!
本当に底なしの体力ですね!毎回驚かされます
体力のみならず、プランニング、時間配分、状況判断と大変参考になります。
私もいつか挑戦してみます
それにしてもdoppo634さんにとって「ヌカザス」は鬼門のようですね〜(笑)
いつもコメントありがとうございます。
今回は少し背伸びをしてしまった感じです。
帰りの車の運転は面倒だし、ナイトハイクは怖いしー。
shadow1100さんのようなロングハイカーはなれません(笑)
基本的には電車を使ったのんびりハイクをするつもりです
あまりハードルを上げないで下さいね
Kazu405さん コメントありがとうございます。
ナイスつっこみです
「ヌカザスは鬼門」まったく同じことを思いながら
ブナの路を下っていました
御前山-月夜見山は気持ちのいいルートだったので規模を縮小して三頭山-御前山をそのうちと思っています。
懲りずにヌカザスルートを織り込んで
お疲れさまでした。
最後のもがきに苦しんでいるときに
温かいお言葉をかけていただき励みになりました。
doppoさんは、
吉野梅園からこられたのですか?
すごい距離ですね。
垂直獲得距離2700mオーバー!
さらに、車の回収にも時間と労力がかかったものと感心いたしまました。
わたしはもともとヌカザスの下りを避けた計画のへたれですが、以前笹尾根から縦走してきて、実際疲労のたまった足でヌカザスを降りるのは大変でした。登り返しもあるしね。ましてや積雪ありとなると、貴殿の判断は正しかったと思います。
わたしもへたれましたので、4月からの運行開始の都民の森からのバスはなんとありがたかったことか。
私も一度吉野梅園から日の出・御岳くらいまでは登ってみたいと思います。三頭山までは無理ですが....(笑)。
doppo634さん、おはようございます。
拙レコへのコメント、ありがとうございました。
よもやの雪でしたが、ひとまず三山踏破、おめでとうございます。
三頭山では眺望がゼロだったのが残念でしたね。
わたしは逆に、大岳山で眺望ゼロでした(笑)
それにしても、2時半スタート、それも吉野からとはすごい・・・。
ヌカザス尾根はお預けになってしまったようですが、
それでもものすごい長距離を歩かれており、感心しきりです。
武甲山といい、歩く山域といい、タイミングといい、だいぶ被っているようですので、
またそのうちどこかでお会いできることを楽しみにしております
<miraipapaさん>
最後のエスケープはとても残念でしたが、後悔はしていません。
正しい判断と言っていただけると嬉しいです。
そもそものプランにムリがありましたね
ちょっと大きな宿題を残しましたが鍛え直していつか必ず!です。
<motchさん>
快晴の大岳山と吹雪模様の三頭山。同日の出来事とは思い難いですよね。
山の怖さを痛感! 貴重な体験でした。
自分の脚力とゴールから逆算したら夜中のスタートになってしまいました
ダメプランの典型です
<miraipapaさん & motchさん>
とても刺激的な一日でしたね。
印象深い山行をmiraipapaさん、motchさんと共有できてとても嬉しいです。
またどこかでお会いしましょう!
こんばんわ。
歩いている時間の長さにも恐れ入りますが、累積標高差2700m超とは未知の世界です。
富士山を1日で2回登っているようなものですね。
山は朝と夕方の表情がきれいなので、写真も堪能させていただきました。
次のレコも楽しみにしてます。(プレッシャーを掛けるわけではないので、くれぐれも無理なさらないで)
hirokさんに写真を楽しんで頂けるとは とても嬉しいです。
また、ご心配いただいて恐縮です
とても臆病なのでムリはしませんし、やっぱり電車がラクでいいので次からは元のスタイルに戻ります。
花や新緑を楽しみながらノンビリやりますよ
奥多摩三山ですか!
しかも日の出山も絡めて
歩いている時の心情など、なんか似たようなこと考えていますね。
しかも撮ってる写真も似たものが結構ありました
最後が尻切れトンボなところも同じですね
kengamineさんのレコとは ほんとに感想(お互いに行動記?)と写真が似通っていてー
朝の通勤中に読ませていただいたのですが思わずニヤニヤしてしまいました
kengamineさんは尻切れトンボじゃないですよー
私の標高グラフは標高1000mでプツッリ切れていますからね
惨めなグラフです
戻って お互いのレコで一番の違いが吉野の梅
自分も見たかったなぁ〜
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