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Yamareco

記録ID: 2491740
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

チャレンジ!鋸岳(釜無川ゲートよりピストン)

2020年08月09日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
6
1~2泊以上が適当
GPS
14:35
距離
30.2km
登り
2,384m
下り
2,377m
歩くペース
とても速い
0.50.6
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
12:07
休憩
1:58
合計
14:05
3:16
208
釜無川ゲート
6:44
7:06
35
8:12
8:16
102
9:58
10:00
16
10:16
10:25
12
10:37
11:39
16
11:55
11:55
21
12:16
12:18
59
13:17
13:18
27
13:45
13:46
45
14:31
14:45
156
17:21
釜無川ゲート
天候
過去天気図(気象庁) 2020年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
往路:
 8/8(土)移動 18:00 ⇒ 23:30(車中泊)
 ・西宮IC-(車,4時間37分[380km])-諏訪南IC-(20分)-釜無川ゲート
  ※ETC休日割(土日祝日30%引)、軽5200円
山行:
 8/9(日)鋸岳(日帰り)
 ・下山後 温泉 ゆーとろんの温泉
 ・萱野高原キャンプ場(泊)
復路:
 8/10(月)移動 13:00 ⇒ 19:00
 ・伊那IC-(車)-西宮IC
  ※ETC休日割(土日祝日30%引)、軽4750円
コース状況/
危険箇所等
釜無川ゲート〜小屋(林道終点):
 ・崩壊ヶ所多数(特に7.5km〜9.2kmは要注意)
 ・基本、河川側に下りる巻道は出来つつあるが、決して気を抜けない迂回路
  (通過には、細心の注意を!)

登山道(小屋〜標高1800m付近):
 ・登山道の崩壊箇所(今回の核心部)。
 ・浮石、土砂などに留意してルートファインディング
 ※先人のGPSログを持参し、ルートを探すことを推奨

登山道(標高1800m付近〜横岳峠):
 ・マーカ(テープ、ペンキ)等が出てきて、ルートは明瞭
 ・ただし、とんでもない急登が延々と続く

登山道(横岳峠〜山頂):
 ・急登は山頂まで続く
 ・稜線に乗ると、切れ落ちた険しい登山道
  (バランスを取って進むべし)
その他周辺情報 下山後の温泉:
・ゆーとろん水神の湯
 https://yuutoron.com/coupon/
 営業:10:00〜21:30
 料金:800円(Webクーポン利用)
 備考:食事処くーとろん併設
    土日祝日 11時〜20時(L.O.)

下山後の宿泊:
・萱野高原キャンプ場(かやの山荘)
 最寄り:伊北IC
 利用料金 1100円/人
 水道完備
 車・バイク乗り入れ可能
 眺望抜群(北ア、中ア、南アが一望できる)
釜無川ゲートに到着!(まずは長い林道を詰めます)
2020年08月09日 03:16撮影 by  X-T10, FUJIFILM
4
8/9 3:16
釜無川ゲートに到着!(まずは長い林道を詰めます)
あら~。間違って橋を渡り、大分進んでから気がついて、戻りました。(作業場を見に行くおっちゃんと、少しお話させて頂きました。)
2020年08月09日 05:30撮影 by  X-T10, FUJIFILM
13
8/9 5:30
あら~。間違って橋を渡り、大分進んでから気がついて、戻りました。(作業場を見に行くおっちゃんと、少しお話させて頂きました。)
ここは、右が正解。(いい道が付いているからと、左に進んで橋を渡ったらNGです)
2020年08月09日 05:37撮影 by  X-T10, FUJIFILM
11
8/9 5:37
ここは、右が正解。(いい道が付いているからと、左に進んで橋を渡ったらNGです)
ここで後続のお一人に出会う。(自転車を押している。準備が良いです。自転車はここでデポされていました)
2020年08月09日 05:37撮影 by  X-T10, FUJIFILM
3
8/9 5:37
ここで後続のお一人に出会う。(自転車を押している。準備が良いです。自転車はここでデポされていました)
崩壊箇所が出てきた。
2020年08月09日 05:47撮影 by  X-T10, FUJIFILM
5
8/9 5:47
崩壊箇所が出てきた。
崩壊箇所その2。河川に下りて、渡渉して進む。
2020年08月09日 05:55撮影 by  X-T10, FUJIFILM
4
8/9 5:55
崩壊箇所その2。河川に下りて、渡渉して進む。
7.5kmを通過。(ここから大きな崩壊箇所が連続)
2020年08月09日 06:04撮影 by  X-T10, FUJIFILM
6
8/9 6:04
7.5kmを通過。(ここから大きな崩壊箇所が連続)
でた~。完全に道が抜けちゃっています。
2020年08月09日 06:07撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 6:07
でた~。完全に道が抜けちゃっています。
一旦、河川に下りて、迂回します。
2020年08月09日 06:11撮影 by  X-T10, FUJIFILM
6
8/9 6:11
一旦、河川に下りて、迂回します。
迂回後、振り返る。(ここが対岸まで、繋がっていたんですね。恐ろしいまでに、ごっそり抜けちゃってます。こりゃ、突破は無理)
2020年08月09日 06:14撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 6:14
迂回後、振り返る。(ここが対岸まで、繋がっていたんですね。恐ろしいまでに、ごっそり抜けちゃってます。こりゃ、突破は無理)
この崩落箇所も、河川で迂回。
2020年08月09日 06:20撮影 by  X-T10, FUJIFILM
4
8/9 6:20
この崩落箇所も、河川で迂回。
がけ崩れ。こんなでかい岩が落ちてきたら道も無くなります。
2020年08月09日 06:42撮影 by  X-T10, FUJIFILM
7
8/9 6:42
がけ崩れ。こんなでかい岩が落ちてきたら道も無くなります。
小屋に到着!ここで大休止。朝食を頂きました。
2020年08月09日 14:45撮影 by  X-T10, FUJIFILM
10
8/9 14:45
小屋に到着!ここで大休止。朝食を頂きました。
念の為、渡渉用に持参した沢靴を小屋にデポしました。
2020年08月09日 14:42撮影 by  X-T10, FUJIFILM
7
8/9 14:42
念の為、渡渉用に持参した沢靴を小屋にデポしました。
水源の看板に到着。(ここからが、核心部。ルーファイ必須。必死のパッチで進んだので、写真無し。)
2020年08月09日 07:39撮影 by  X-T10, FUJIFILM
6
8/9 7:39
水源の看板に到着。(ここからが、核心部。ルーファイ必須。必死のパッチで進んだので、写真無し。)
横岳峠。テント1張有り。平で、良いテン場ですね。
2020年08月09日 08:11撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 8:11
横岳峠。テント1張有り。平で、良いテン場ですね。
ようやく稜線に乗る。(対岸に、南アルプススーパー林道が見えました)
2020年08月09日 08:28撮影 by  X-T10, FUJIFILM
4
8/9 8:28
ようやく稜線に乗る。(対岸に、南アルプススーパー林道が見えました)
ついに捉えた鋸岳山頂。イワイワで、かっちょい~。
2020年08月09日 09:30撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 9:30
ついに捉えた鋸岳山頂。イワイワで、かっちょい~。
まずは手前のピークにて、三角点、ゲット!(ヤブに埋もれており、三角点を探し当てるのに苦労しました)
2020年08月09日 09:54撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 9:54
まずは手前のピークにて、三角点、ゲット!(ヤブに埋もれており、三角点を探し当てるのに苦労しました)
うひょ~。しびれる~。
2020年08月09日 10:00撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 10:00
うひょ~。しびれる~。
なんじゃこれ~。恐ろしいまでにザレてます。
2020年08月09日 10:05撮影 by  X-T10, FUJIFILM
8
8/9 10:05
なんじゃこれ~。恐ろしいまでにザレてます。
歩いてきた険しい登山道を振り返る。
2020年08月09日 10:05撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 10:05
歩いてきた険しい登山道を振り返る。
高度感あります。吸い込まれたら、あかんで~。
2020年08月09日 10:12撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 10:12
高度感あります。吸い込まれたら、あかんで~。
トウヤクリンドウ。
2020年08月09日 10:13撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 10:13
トウヤクリンドウ。
タカネビランジ。可愛いお花です。
2020年08月09日 10:23撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 10:23
タカネビランジ。可愛いお花です。
いよいよ、ピークが目前に!
2020年08月09日 11:56撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 11:56
いよいよ、ピークが目前に!
荒々しい岩肌。
2020年08月09日 10:29撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 10:29
荒々しい岩肌。
鋸岳、第一高点に到着!ついに、やった!
2020年08月09日 11:15撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 11:15
鋸岳、第一高点に到着!ついに、やった!
会いたかったよ!
2020年08月09日 11:29撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 11:29
会いたかったよ!
三角点、ゲット!
2020年08月09日 11:24撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 11:24
三角点、ゲット!
第ニ高点へと続く、険しい登山道。
2020年08月09日 11:18撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 11:18
第ニ高点へと続く、険しい登山道。
ここで、静岡から来られた方とはお別れ。お見送りしました。(「鹿窓まで行かれる」とのことでした)
2020年08月09日 11:16撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 11:16
ここで、静岡から来られた方とはお別れ。お見送りしました。(「鹿窓まで行かれる」とのことでした)
歩いてきた登山道を振り返る。
2020年08月09日 11:42撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 11:42
歩いてきた登山道を振り返る。
下山開始。(少し、青空が覗いていました)
2020年08月09日 12:01撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 12:01
下山開始。(少し、青空が覗いていました)
タカネビランジ。
2020年08月09日 12:05撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 12:05
タカネビランジ。
険しい登山道を、慎重に戻ります。
2020年08月09日 12:05撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 12:05
険しい登山道を、慎重に戻ります。
ミネウスユキソウ。
2020年08月09日 12:06撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 12:06
ミネウスユキソウ。
ピンクのタカネビランジも可愛い。
2020年08月09日 12:08撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 12:08
ピンクのタカネビランジも可愛い。
かっこ良すぎる!
2020年08月09日 12:12撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 12:12
かっこ良すぎる!
素晴らしい!惚れ惚れします。
2020年08月09日 12:18撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 12:18
素晴らしい!惚れ惚れします。
シャクナゲがまだ残っていました。
2020年08月09日 12:21撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 12:21
シャクナゲがまだ残っていました。
サルオカゼ。(乾いて元気がないですね)
2020年08月09日 12:23撮影 by  X-T10, FUJIFILM
4
8/9 12:23
サルオカゼ。(乾いて元気がないですね)
そろそろお別れですね。(鋸岳の勇姿を目に焼き付ける)
2020年08月09日 12:24撮影 by  X-T10, FUJIFILM
15
8/9 12:24
そろそろお別れですね。(鋸岳の勇姿を目に焼き付ける)
横岳峠。(新しいテントがありました)
2020年08月09日 13:18撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 13:18
横岳峠。(新しいテントがありました)
小屋まで下りました。(ようやく核心部を越えて、ホッとしました。登山靴や靴下を脱ぎ、しばらくこの岩の上で寝っ転がって体力を回復しました)
2020年08月09日 14:45撮影 by  X-T10, FUJIFILM
7
8/9 14:45
小屋まで下りました。(ようやく核心部を越えて、ホッとしました。登山靴や靴下を脱ぎ、しばらくこの岩の上で寝っ転がって体力を回復しました)
さあ、林道を戻ります。(9.2km地点を通過)
2020年08月09日 14:46撮影 by  X-T10, FUJIFILM
4
8/9 14:46
さあ、林道を戻ります。(9.2km地点を通過)
大崩落箇所を戻ります。
2020年08月09日 15:14撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/9 15:14
大崩落箇所を戻ります。
この道路の下は、実は何もない!(できるだけ端を歩きます)
2020年08月09日 15:23撮影 by  X-T10, FUJIFILM
8
8/9 15:23
この道路の下は、実は何もない!(できるだけ端を歩きます)
7.5km地点を通過。
2020年08月09日 15:26撮影 by  X-T10, FUJIFILM
3
8/9 15:26
7.5km地点を通過。
トボトボ歩いて、ビビちゃんの元へ、ようやくたどり着いた!(めちゃめちゃ、長かった~。自転車デポ作戦は正解ですね。)
2020年08月09日 17:27撮影 by  X-T10, FUJIFILM
14
8/9 17:27
トボトボ歩いて、ビビちゃんの元へ、ようやくたどり着いた!(めちゃめちゃ、長かった~。自転車デポ作戦は正解ですね。)
まずは、「ゆーとろん水神の湯」さんでお風呂にドボン。
2020年08月09日 19:13撮影 by  X-T10, FUJIFILM
8
8/9 19:13
まずは、「ゆーとろん水神の湯」さんでお風呂にドボン。
お次は、天ぷら定食を頂きます。(その後、萱野高原キャンプ場に移動)
2020年08月09日 19:46撮影 by  X-T10, FUJIFILM
15
8/9 19:46
お次は、天ぷら定食を頂きます。(その後、萱野高原キャンプ場に移動)
◆2日目の朝。キャンプ場で朝食を取る。
2020年08月10日 07:13撮影 by  X-T10, FUJIFILM
11
8/10 7:13
◆2日目の朝。キャンプ場で朝食を取る。
ここからは、中央アルプスの山並みが一望できます。
2020年08月10日 08:48撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/10 8:48
ここからは、中央アルプスの山並みが一望できます。
今日の我が家。(バイクツーリングで来られた方も多かったです)
2020年08月10日 07:18撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/10 7:18
今日の我が家。(バイクツーリングで来られた方も多かったです)
広大な敷地に、バラエティ豊かなテントが多数。(車で来られた方は皆、充実の装備でした)
2020年08月10日 07:17撮影 by  X-T10, FUJIFILM
9
8/10 7:17
広大な敷地に、バラエティ豊かなテントが多数。(車で来られた方は皆、充実の装備でした)
こちらは北アルプス。(目視では槍が見えていました)
2020年08月10日 08:49撮影 by  X-T10, FUJIFILM
7
8/10 8:49
こちらは北アルプス。(目視では槍が見えていました)
標高1200mの高原は快適です。
2020年08月10日 08:57撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/10 8:57
標高1200mの高原は快適です。
展望台にやってきました。
2020年08月10日 08:58撮影 by  X-T10, FUJIFILM
6
8/10 8:58
展望台にやってきました。
伊那谷の町並みが一望できます。
2020年08月10日 09:43撮影 by  X-T10, FUJIFILM
8
8/10 9:43
伊那谷の町並みが一望できます。
中央アルプスの木曽駒(西駒)は、ガスっちゃって、お顔を見せてくれません。
2020年08月10日 09:43撮影 by  X-T10, FUJIFILM
6
8/10 9:43
中央アルプスの木曽駒(西駒)は、ガスっちゃって、お顔を見せてくれません。
お~。中央やや右には、甲斐駒から続く鋸岳が見えていました。
2020年08月10日 09:49撮影 by  X-T10, FUJIFILM
9
8/10 9:49
お~。中央やや右には、甲斐駒から続く鋸岳が見えていました。
白樺林が心地よい。
2020年08月10日 10:45撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/10 10:45
白樺林が心地よい。
ここは、焼き肉センター?
2020年08月10日 10:53撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/10 10:53
ここは、焼き肉センター?
地元の人に教えていただいた。「萬楽」さんにやって来ました。まずは、名物餃子を頂きました。皮パリパリでグー!
2020年08月10日 12:49撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/10 12:49
地元の人に教えていただいた。「萬楽」さんにやって来ました。まずは、名物餃子を頂きました。皮パリパリでグー!
伊那谷名物、ローメン!にんにくをたっぷり入れ、お酢で味付けして頂きました。美味しゅうございました。お疲れさまでした。
2020年08月10日 12:49撮影 by  X-T10, FUJIFILM
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8/10 12:49
伊那谷名物、ローメン!にんにくをたっぷり入れ、お酢で味付けして頂きました。美味しゅうございました。お疲れさまでした。

感想

いよいよ、鋸岳にチャレンジの時がやって来ました。

山梨百名山、ニ百名山、百高山に名を連ねる南アの名峰。イワイワの山容は見るものを威圧し、登山者を容易には寄せ付けない。鋸岳は難易度の高さで知られる山で、いつかはピークに立ってみたいとその機会を狙っていた。
第一高点へのアプローチルートは3つ。
 々暖絛陲ら取り付くルート:大ギャップ、鹿窓を越える難ルート
 角兵衛沢ルート:延々ザレザレの急斜面
 3無川ルート:体力勝負(ただし、長い林道歩き有り)
なかでも、ロッククライミングの技術を必要とせず、体力勝負だけで第一高点まではたどり着ける釜無川ルートを選択した。

◆1日目 登山:釜無川ゲートから鋸岳ピストン
神戸から車を走らせ、釜無川ゲートに到着!(スバル・ビビオのスーパチャージャは、ますます快調)。3時間ばかり、仮眠の末、3時過ぎに歩き始めた。
夜が明けて空が白み始めた頃、橋を渡った。この後、道を間違ったことに気付かず、先に進んでしまう。川から随分と離れてしまった所で、ようやくおかしいことに気付き、GPSで確認してびっくり。あちゃ~。いきなりやってもたー。(ここで、1時間ばかり時間をロスすることになった)。引き返す途中でおっちゃんと出会い、お話させて頂く。地下足袋歩きのベテラン作業員のおっちゃんは、この先にある工事現場を見に行くところでした。腰を落ち着け、タバコを美味そうに吸いながらいろいろ教えてくれました。昨年の台風で、アプローチ林道が崩れたこと。車は通れないが、人は通れること。水源の看板からは基本、右に取り付いて登っていくこと、などなど。地元の達人の生の情報を聞けたのは有り難かった。おっちゃんにお礼を言って、道を引き返した。
ようやく元の道に復帰して、なぜ間違ったか理解できた。本道が崩れて、歩き易い脇道に入ってしまったのだ。うっかりポカミスでした。
ここで、後続のお一人に出会う。自転車をデポする間に、ひと声かけて先行させて頂く。
7.5kmの看板からは、崩落がひどい。基本、河川に巻道が付いているが、通過には緊張を強いられる。台風の爪痕がそこかしこに見られる。自然の猛威の前には、なすすべも無い。
小屋まで歩き切り一休み。そこで先程の男性に再会。ここで二人揃って、朝ご飯とした。
静岡から来られた男性の方は、ヤマップユーザーさんで私より5つ年上、山歴10年のベテランさん。南アや北アの山を多く経験されていました。仕事の関係で、休みが長くは取れず、基本どこでも日帰りで行くとのこと。相当、脚力の有る人でした。今回は、会社の若い人を連れて来るための下見を兼ねて訪れたと伺いました。
吉野家の牛丼を担ぎ上げてこられ、ここでスタミナ補給されていました。私は、いつもの縦走の友である、アルファ米雑炊を頂きました。
小屋に、念の為、渡渉用に持参した沢靴をデポして、登山道に取り付く。いきなり、子熊に出会ってビビる。距離は5mくらいか?驚いたのか、木から下りて、すぐに走り去っていった。熊鈴付けていたのに、あんまり効果ないのかなぁ...。(写真に収めることは出来ず)
ここからは、不明瞭な状態の登山道が続く。二人で手分けして薄い踏み跡やマーカーを頼りに高度を上げる。ベテランさんも先人のGPSログを持参しており、「GPSログの軌跡は谷の向こう側の尾根筋を登るっているね」とか時々、意識を合わせながら、協力して登った。こういう状況において、二人で登れるのは心強い。レコでよく見る「水源の看板」を越えて進む。
鋸岳の登山道は、状態が思った以上に悪かった。マーカーの間隔が長く、ルーファイ必須で道なき急斜面を登って行く。ときどきマーカーに出会うとホッとする。そんな状態が暫く続いた。
横岳峠近くになると、マーカーの間隔が短くなり、踏み跡も明瞭となった。それでもなお、アホみたいな激急登が延々と続く。持てる力を振り絞って、急坂を詰めた。稜線に出た所で、ようやく鋸岳が姿を現す。その山容は厳つくて、惚れ惚れするほどカッコ良かった。幸せな気分で稜線を歩く。
登山道脇に咲くタカネビランジが美しい。落ちたらあかん稜線を慎重に詰めて、山頂へ。ついに、やった!
山頂で、湯を沸かしコーヒーを頂く。いつもこの1杯は格別だ。束の間の休息を楽しんだ。静岡のベテランさんは、更に鹿窓まで行かれるとのことで、ここでお見送り。(この後、下山時の林道で再会することになる)
しばらくするとお二人が上がって来られた。満足そうな表情を見ていると、こちらも嬉しくなってくる。「ジャンダルムよりきつかった!」との事。確かに、このアプローチは、急登がどこまでも続き、体力を削られる。最後は、断崖絶壁の切れ落ちた稜線歩きの末に、ようやく山頂にたどり着くので、達成感は半端無い。
至福のコーヒーブレイクの後、下山開始。後は、下るのみ。
どんどん高度を下げて、小屋に付く頃には、もうヘロヘロ状態になった。
小屋で、石の大きなテーブルの上で、靴を脱いで、寝っ転がる。あ~、やったって感じ。後は、トボトボとゲート入口目指して歩いた。途中、静岡の方に追い付かれた。無事、鹿窓まで行かれたと伺いました。南アルプススーパー林道のバスから見ると、ぽっかりキレイな穴が空いているのが見えるが、実は斜めのでっかいトンネルなんだそうです。へ~、面白い。(私には、一生、行くことの無い所かも、と思いました)
自転車デポ地点まで歩いて、そこでお別れして、更に歩く。ここからが長かった。(モチベーションが尽きて、全然ペースが上がらない)。ようやく車までたどり着いた時には、ホッとしました。
お風呂に入り、ご飯を食べて、キャンプ場に移動。テントを張って、ビールを飲んだらバタンキューで、眠りに落ちました。

◆2日目 移動日:萱野(かやの)高原キャンプ場〜神戸
萱野高原キャンプ場で、気持ち良い朝を迎える。対岸の絶景を眺めながら朝食を頂く。標高1200mもあるので、基本、涼しい。夜寝る前は暑くて、シュラフは上に掛けて寝たけれど、夜中に少し寒く感じて、シュラフに潜り込んだ。朝晩は流石に冷える。
朝、テン場の受付に顔を出すと、おっちゃんに「コーヒー飲んでって。」と声を掛けられる。有り難く頂戴する。おっちゃんはキノコ研究家の称号を持ち、キノコのプロでした。キノコは全部で4000種類もあり、奥が深い。20回くらい今まで当たったそうだ。キノコ毒には、消化器系に来るものと神経系に来るものの2種類あるらしい。決して図鑑を眺めるだけでは、身に付かない。キノコ毒の怖さを、身を持って体感しないと、キノコのプロには成れないそうだ。なかなか厳しい世界ですね。
「ワライタケは、食べると笑ってしょうがなくなるの?」と聞けば「そう見えるだけで、面白くもなんともない。当の本人は、腹が痛くて、のたうち回っているだけ。」とのこと。キノコ栽培もなかなか難しいそう。シイタケなどは、ホダ木を一旦湯につけて、いろんな雑菌を全て殺菌した後、菌糸を打ち込むので、よく育つそうだ。それを天然の場合は、場を殺菌するのが事前にできないため、同じ場所でキノコが育つのはせいぜい5年程度とのこと。さすが、おっちゃん、キノコ研究を70年やっているだけあって、誰よりもキノコ愛を感じました。
元は、日立製作所に務められていて、自動機のメカ設計を40年やっていらした機械設計エンジニアと聞きました。その後、地元に戻られ、自分で会社も立ち上げられ、いろいろ精力的に活動されていたそうです。おっちゃん、御歳86歳。全然、見えない。お元気そうで、いつまでも活動を続けて下さいね。
そこから展望台に移動して、北アを見に行く。そこで、お二人とお話させて頂く。地元の伊那谷在住のご夫婦で、このお盆休みは、キャンプ場はどこもいっぱいで、家から見えるここにやって来たとのこと。チャリンコを趣味にされていて、ご主人さんは、乗鞍ヒルクライムとかにも出場されている。奥さんはヒルクライムはダメで平地が良いそうだ。
「ここは、展望最高。アルプスが全部見えるよ。」と、教えて頂く。南アルプスの方角を展望すれば、甲斐駒と並ぶ鋸岳の稜線が小さく見えた。「あの山頂に、昨日居たよ。」というと驚いていました。
その方に、地元特産品のローメンの美味しいお店「萬楽(まんらく)」さんを教えて頂き、お昼時に立ち寄る。餃子、ローメンそして、持ち帰りのチャーハンまで美味しく頂きました。どうもありがとうございました。その後、車を走らせ神戸への帰途に就きました。

憧れの鋸岳は手強かった。山頂まで至る行程は大変だったけれど、無事たどり着けて良かった。もう一度やるかと言われると、釜無川ルートは、もうお腹いっぱいですね。(知らないからこそ挑戦できる、ドMルートか?)

今日も良い山でした。

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コメント

毎度お疲れ様でした
kickeyさん、こんばんは
今回も驚きを持ちながらレコ拝見しました。
アプローチの道の崩壊のひどさ、核心部の峻嶮さ、おまけに歩行距離の長さ、どれをとっても自分が達成できることなど思いもよらないことを実感させられました。鋸岳の最も簡単な登山ルートがこれなんですよね。
私も日本百高山が80ほどになっているんですが、前から達成するとき(って考えてなんかいませんが)の最大の壁は鋸岳だろうなとは思っていましたが、こんなレコを見たら完全にお手上げだということが分かりました。
それにしてもあの崩落した林道を通過されたのだけでもえげつないなと思いました。歩行通行も禁止なんてお達しは出て良かったんでしょうか。

実は、私も今年は南アルプスで唯一登ってなかった光岳に登ろうと易老渡から登って光岳、茶臼岳、聖岳なんかを避難小屋を利用しながら周回してって計画していたんです。ところが今回の7月豪雨のために芝沢ゲートから易老渡までのルートも更に崩落や倒木が進んだことで歩行による通行も不可(以前から車の通行は芝沢ゲートから先は不可でした)になったと光岳小屋や遠山郷のホームページで出されたことでこりゃあかんと断念し、代わりにkickeyさんが鋸岳に登られた翌日(8/10)に向い側の中央アルプスの木曽駒、宝剣、三ノ沢岳を歩いてきたところなんです。そこからも鋸岳のギザギザの姿が良く見えていました。

とにかくすごい達成感だったのでしょうね。心からお祝い申し上げます。
2020/8/13 0:14
Re: 毎度お疲れ様でした
chamchanさん、おはようございます。

甲府盆地を流れる一級河川・釜無川。その源流部が南アルプスの鋸岳。今回歩いた釜無川ルートは、登山道取り付きまで、長い林道を川沿いに歩きました。

この川は、一度雨が降ると、一気に水位が上昇します。途中で出会った作業員のおっちゃんは、河原に張られたテントを見て「鉄砲水の恐ろしさを知らない」と仰っていました。河川迂回ルートは、渡渉を繰り返すため、水位が低い状況でないと通過が難しい。(今回は、暫く雨が降っておらず、大丈夫でした)。

アプローチ林道及び登山道下部が、昨年の台風により、かなりのダメージを受けたことで、このルートの難易度が高くなっていることを感じました。当初計画では、小屋までテントを担ぎ上げて一泊し、翌朝ピークを踏む予定でしたが、この状況だと、荷を減らした方が有利だと判断し、日帰り装備でのチャレンジとなりました。長時間行動を余儀なくされましたが、ベテラン同行者さんにも恵まれ、なんとかピークまで行けて良かったです。
(なお、「角兵衛沢ルート」は、現在、戸台から北沢峠の道が通行止めのため、アプローチできません。ザレザレの急登を延々登り詰めるルートの様ですが、第一高点だけを目指すなら、このルートも有りか?)
参考:「鋸岳 角兵衛沢ピストン」tamatoin2さんのレコ
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2044346.html

伊那谷を挟んで、対岸の中央アルプスを歩かれていたのですね。帰りの高速道路からカッコイイ千畳敷カールを見上げて、またいつか行きたいなぁと眺めていましたよ。
2020/8/13 10:19
林道酷すぎでしたね
前に林道歩いたときは、往来するダンプに注意の林道やったのに、こんなことになってるとは、おったまげました。特に南アルプスのあっちこっちの林道入れなくなってしまって難易度高くなってしまってますね(T-T)易老渡まで車で入って仮眠してから登ってたなんて遠い昔みたいになってますね😱
2020/8/13 1:18
Re: 林道酷すぎでしたね
T-sanpoさん、毎度!

昨年の台風の影響で、林道は想定を遥かに越えるダメージを受けていました。元々、山深くアプローチの悪い南アルプス。どんどん遠くなっている印象が否めません。北アの次は、南アの稜線の赤線繋ぎを計画しておりますが、思うように進みません。憧れの蝙蝠岳のピークを踏むのはいつになることやら。小屋が開いて、人が戻ってくれば、状況は改善されるのでしょう。それまで気長に待つことにします。
2020/8/13 10:27
情報ありがとうございました。
kickey様、初めまして!esprit(エスプリ)と申します。

今回の鋸岳山行では、先月の豪雨の後、ルートの状況がどうなっているかを本当にありがたく参考にさせて頂きました。ありがとうございます!!
そしてお気に入りに入れさせてもらってる5名の内、3名が今回の山行の私たち3名だったりです。。 笑

また途中でお会いした別の登山者の方も、明らかにkickey様のレポを参考にして勇気づけられて来た口ぶりで、同じなんだなぁと思いました。


画像の中で見覚えのある靴袋が と思ってよく見ると私も使っているヨシミスポーツさんのもの。それで親近感を覚えてプロフを見ると神戸の方。そしてコメント欄をよく見ると、一度金剛山でお会いしたchamchanさんがいらっしゃる。バリバリ関西の方なんですね。

レポの件に加え、どこかでお会いすることも ってことで、突然で失礼ながらコメントを書かせて頂きました。
その節にはよろしくお願いします!
2020/8/19 10:14
Re: 情報ありがとうございました。
espritさん、初めまして。

山行記録を拝見しました。3名のお仲間で無事登頂されたのですね。こういった難ルートは、道を見つけながら進む必要があり、気心の知れた山友がいれば心強い。達成感もひとしおですね。(レコが皆様のお役に立てて光栄です)

クマさんにも遭遇されたのですね。おそらく私の出会った同一個体と思われます。クマさんとのニアミスは今回で4度目。山深いところを歩いて、クマの生態系に踏み込むことが多いのか?クマさんが里に近い所まで下りてきているのか?理由は良く判りませんが、最近、なにげに多いと感じています。要注意ですね。

日記で拝見しましたが、靴も同じですね。この春に、ヨシミスポーツさんの店長さんの勧めで、キネシスプロGTXを購入。今の所、フィッティングは良好。鋸岳でもバリバリ活躍してくれました。オールレザー登山靴は、手入れをすれば、ピカピカになるのが気持ち良い。この靴とは、永い付き合いになりそうな予感です。

百高山も、カウントダウンの大詰め状態ですね。私もいつの日か、達成できればと思います。
どこかのお山で、お会いできることを楽しみにしています。今後とも、宜しくお願いします。
2020/8/19 14:03
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